琵琶湖文化館 the Museum Of Shiga Pref
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収蔵品

浮城モノ語り

第24話 仙人図
  

 本図は江戸時代中期に活躍した画人・望月玉蟾(もちづき・ぎょくせん 1692-1755)の作品です。望月玉蟾は近江にルーツをもつ蒔絵師(まきえし)の子として京都に生まれ、大和絵の伝統を受け継ぐ土佐派の土佐光成(とさ・みつなり 1647-1710)に師事し、後に室町時代の水墨画や宋元画に強く影響を受けた山口雪渓(やまぐち・せっけい 1648-1732)の門人になったとされます。山口雪渓は、前時代に活躍した牧谿(もっけい 生没年不詳)や雪舟(せっしゅう 1420-1506)に大いに傾倒したため、二人の一字をもらって「雪渓」と名乗ったともいわれます。
 望月玉蟾はこの師の影響を受けながら、自らの画風を確立し、やがて望月派の派祖となります。代表的な門人には大西酔月(おおにし・すいげつ 生没年不詳)などがいます。また、江戸時代を代表する文人画家の池大雅(いけの・たいが 1723-1776)とも交流があったようで、共に漢画を学んだとの逸話が伝わります。
 それに相応しく本図は鉄拐(てっかい)や蝦蟇(がま)、呂洞賓(りょどうひん)といった主だった神仙(仙人)等を一扇ごとに描いた貼交の仙人図屏風です。
 望月玉蟾は江戸時代中期の京都画壇を代表する人物にもかかわらず、あまり現存作例が確認されておらず、そういった意味でも貴重な作品といえます。
 
 なお平成27年度、「マザーレイク滋賀応援基金」の制度によって本図を修理し、滋賀県立安土城考古博物館第53回企画展・琵琶湖文化館収蔵品特別陳列「表現された神と仏」(会期:平成28年2月27日~4月10日)(詳しくはコチラ)にて展示公開し、修理工程を紹介したパンフレットも会場で無料配布いたしました。

(学芸員 渡邊 勇祐)