日別アーカイブ: 2015年12月8日
フランスからお戻りの
先日、滋賀県教育委員会文化財保護課の方たちが、このような小荷物を持って来館されました。「無事、おフランスからお戻りで~す」・・・?何のコトでしょ??
話を聞けば、僕が知らぬ間にこの小荷物さまが、フランスのパリで開催された文化庁主催の「日本遺産展」に出張されていたそうなんです!むきぃーッ!いつの間に!!
いえいえ本当の驚きはそこではありません。日本遺産展の開催が11月10日~14日、場所はフランスのパリ日本文化会館・・・気付かれた方いらっしゃいます?そう、あのパリ同時多発テロが起こったまさにその時に、この小荷物さまはパリにいらっしゃったのです!14日は臨時休館となったものの、期間中1,045人の入館があったとのこと。・・・「無事お戻りで~す」。ホントそうだ!無事で何よりだ!戻ってきてくれて有り難う!
それにしても若干ご無体な荷姿で・・・文化財が海外で展示される場合って段ボール箱で空輸?・・・ノンノン有り得な~い。海外展を経験したあきつの眼は誤魔化されませんヨ?
実はこの小荷物、中身は「仏像の構造模型」(2014年制)。文化財保護課さんが、多くの方に仏像のいろはを知っていただこうと、お作りになったモノだったのです~。それを文化館でお預かりしておるのですよ。おフランスでこの東洋の神秘:匠の技、ご理解いただけました?(笑)。なので送り出した時は、きっちり梱包されていたハズなのですが・・・中身を確認してみましょう。
そうそうコレコレ、このお姿。文化館でよく見る荷姿です。しかし現地で梱包して下さった方は、慣れない作業を頑張っていただいたのでしょう。いつもより頭部の保護がキツめで、螺髪の跡が薄紙に見事に残っていました。頑丈にしていただいて有り難うございます。
聞くところによるとヨーロッパなどでは、この様なL字型の「木枠」を使って固定するやり方に、慣れていらっしゃらないそうなんですね。あちらでは「型抜き」が主流で、物に緩衝材を巻いて紐で固定するとビックリされる、と海外展の経験豊富な梱包のプロの方が言っておられました。あぁ何となく想像出来ます。このL字型木枠も展示すれば良かったですね(笑) とれびや~ん!
この仏像は薬師如来さまの構造模型。「手に持ってる薬壺(やっこ)さんは無事か?」『きちんとあります』「香水のビンになってないか?」『シャネルではないですね』・・・「たくさんの人に感動して貰えたかな?」『仏国なのでこの素晴らしさ理解し合えたものと信じます』・・・無事戻ってきた安心感からか、急に“おやじギャグ”が連発する点検作業。。声には出されませんがこのお薬師さまも、戻ってきた時には「ぼんじゅ~る」と言っておられた・・・かもしれません?ね(笑)。
筆:あきつ