日別アーカイブ: 2024年10月16日
大津祭・源氏山とNHK「光る君へ」
大津の秋といえば、「大津祭」!今年は宵宮(よみや)が10月12日(土)、本祭(ほんまつり)が10月13日(日)に行われました。13日は観峰館でのギャラリートーク&ミニセッションもあり、当館的には忙しい3連休となりましたが、みなさまお出かけになったでしょうか?
大津祭は、長浜曳山祭・日吉山王祭とともに湖国三大祭に数えられる、滋賀県庁ほど近くの神社・天孫神社の祭礼です。江戸時代に始まったとされ、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
本祭には、13の曳山町から13の曳山が出されます。それぞれの曳山は、巧みな仕掛け装置「からくり」を載せ、お囃子を演じながら市内を巡行します。
曳山のモチーフやテーマは様々ですが、中でも今年はNHK大河ドラマ「光る君へ」があり、中京町(なかきょうまち)の源氏山(げんじやま)が注目されていたようです。
源氏山は『源氏物語』をテーマとした曳山で、「紫式部山」とも呼ばれるそうです。牛車など源氏物語に出てくる情景を再現した小さな人形たちと、石山寺で『源氏物語』の構想を練るような姿の紫式部の人形が、曳山に載せられます。からくりが披露されるポイントではたくさんの人が集まり、熱気を感じました!
さて、10月13日放送の「光る君へ」第39回では、高杉真宙さん演じる藤原惟規(まひろ(紫式部)の弟)が、父・為時の赴任地である越後で急逝する悲しい回。。惟規が辞世の歌を詠むという、鬼気迫るシーンが印象的でした。そしてドラマ終了後の「光る君へ紀行」では、惟規ゆかりの新潟県上越市や京都市の各所が紹介されましたが、最後に大津市・国道1号逢坂山峠の頂上にある「逢坂山関跡碑」と、「逢坂の関」を詠んだ惟規による歌が紹介されました!!!
逢坂の関うちこゆるほどもなく今朝は都の人ぞこひしき
(逢坂の関を少し越えたばかりなのに、今朝はもう都にいるあなたが恋しくてなりません)
逢坂山は、古くから交通の要衝として知られています。近江と山城との国境として、古代には軍事上の目的から逢坂関が置かれ、中世には関銭が徴収されました。また、「逢坂」「逢坂山」「逢坂の関」は、歌枕としても知られています。「逢ふ」という語を含みながら、人との間を隔てる関所であるというパラドックスが好まれ、さかんに歌に詠まれてきました。
あの人もこの人も、逢坂の関を通り、そして当館周辺の打出浜から船に乗ったりなどして、旅をして歌を詠んでいたのだなあと思うと感慨深いですね。この秋も、歴史感じる滋賀の旅へ出かけましょう✨