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大阪・関西万博へ!~滋賀と博覧会~

 滋賀に関連する博覧会といえば、このあきつブログをご覧の皆さまは、昭和43年(1968)の「びわこ大博覧会」を思い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 びわこ大博覧会は、現在はプリンスホテルやウカルちゃんアリーナが立ち並ぶ、大津市におの浜の埋め立て地を会場として開催された地方博覧会です。滋賀県政100周年、大津市政70周年の記念事業として開催され、52日間の会期でなんと98万5千人もの来場があったそうです。テーマは「湖と文化のまつり」で、滋賀県の文化財を(しかも第一級品を!)展示したとのこと。琵琶湖文化館の学芸員も、展示に協力したかもしれません。

 びわこ大博覧会の会場から西に1キロちょっとの当館では、明治100年を記念した「近代近江人の遺芳展」をはじめ、「近江の仮面展」「現代世界の陶芸展」といった展覧会が次々に開催され、博覧会の影響もあってか盛況だったようです。

 びわこ大博覧会の2年後の昭和45年(1970)、ご存知とおり日本万国博覧会「エキスポ’70」が大阪で開催されました。エキスポ’70における滋賀との関連はというと、「地方自治体館」というパビリオンでの都道府県や政令指定都市別の展示です。「県の日」にはパビリオン内の食堂で、それぞれ郷土の料理が味わえたといいます。滋賀県の日には何が提供されたのでしょうか?

東ゲートを入ったところ


 それから55年後・・・、令和7年(2025)に大阪・関西万博が開催されます!4月13日の開幕を前に試行実施する、テストランに行ってきましたので、ご紹介します~!

 目当てはもちろん、滋賀県ブースを出展する関西パビリオン。夢洲駅すぐの東ゲートから少し歩くと着きます。

 大阪を除く関西5府県と周辺4県が出展する関西パビリオンでは、どの府県のブースも100~200平米程度で広くはないものの、それぞれ工夫が見え、「この万博のついでに●●県に来て!」というアツイ想いを感じました。

 なかでも滋賀県ブースは、滋賀の魅力を伝える独創的な空間になっていたのではないでしょうか?

 滋賀県ブースのエントランスは、飛び出し坊やがお出迎え。

 エントランス中央の動画が投影されている円いスクリーン、これはなんと焼き物!信楽で焼かれたものということで、触って確かめてしまいました。

  エントランスののれんをくぐると、めっちゃ大きいスクリーンに映像が映し出されています。

  

 スクリーンの左右の壁が鏡張りだからか、かなりダイナミックな印象です!さらに部屋の中央には、直径5センチほどの球体450個が、映像にあわせて上下し、下面からのライトで様々な色に光るという、不思議で美しい空間となっていました(テストランでは球体演出はシステム不調も見られましたが・・・)。

 さてこの映像は、自然豊かな滋賀の四季折々の風景と、その周りで生きる人々の営み、そして様々な姿を見せる琵琶湖の美しさが表現されています。映像を見ながら思ったんですが、登場しているのはほとんど(9割くらい!?)は文化財関連と言えるのでは・・・?どんなコンテンツかは滋賀エキスポミュージアムでもご覧いただけますので、チェックしてくださいね♪

 滋賀の文化財が、世界中の人が訪れる万博でこんな風に紹介されているなんて、嬉しいですね。みなさま、万博に行ったら、関西パビリオンの滋賀県ブースは必見ですよ!

 ご紹介した関西パビリオンの他にも、 信楽焼のレンガが使用されている「いのちの遊び場くらげ館」や、 屋根に西の湖のヨシが使用されている「EARTH MART」などなど、滋賀県ゆかりのパビリオンがありますので、万博に行った際には探してみてください✨


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★YouTubeにて公開中★「歴史を止めない!未来へつなぐ文化財」

 今年3月にBBCびわ湖放送で放送されたTV番組「歴史を止めない!未来へつなぐ文化財」が滋賀県文化財保護課のYouTubeチャンネルで公開されています。

 実はこの番組、当館の萬年学芸員も出演しているんです!

「初めてのテレビ出演で内心ドキドキでしたが、なんとか役目を果たしてきました♪」

 滋賀県内で有形、無形の文化財を守り、次世代に継承しようと取り組む地域の人々や職人の方々の活動、思いを、穏やかな口調でわかりやすく紹介(!)しておりますので、ぜひご覧になってくださいね♪

 今回、番組で紹介されたのは次の二組です。

さづかわ祭り教室〔守山市、近江のケンケト祭り長刀振り〕

 ユネスコ無形文化遺産「風流踊」近江のケンケト祭り長刀振りの継承に努める祭り教室です。重い長刀(なぎなた)を持ちながら子供たちが軽やかに飛び跳ねる様子には、とても驚かされますね…!後継者不足という困難を抱えながら、「まずは子どもたちに祭りを楽しんでもらいたい」という思いで活動されています。

臼井浩明さん〔黒田工房(大津市)代表、選定保存技術「表装建具製作」保持者〕

 黒田工房の臼井さんは表装建具(襖や屏風などの下地や枠に使う木製の骨組み)の仕立てや修復に携わられています。受け継がれた伝統的な技術を発展させ新たな創作活動にも取り組まれているそうで、なんと世界初の木造小型人工衛星(!)の製作にも関わっているのだとか・・・!
 

 今現在も多くの方々が、文化財の継承に尽力されています。文化財保護に関わる当館としても、文化財を支える方々の活動や思いを発信していければと思います✨

 滋賀県文化財保護課のYouTubeチャンネルでは、他にも滋賀県の文化財にまつわる様々な動画を投稿しています!もちろん(?)当館に関する動画も投稿されていますよ・・・💖ぜひぜひチェックしてみてください♪

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