月別アーカイブ: 8月 2015

滋賀特別展 裏話

8月16日、米国ミシガン州で開催されていたマイヤーガーデン滋賀特別展「Splendors of Shiga」が、好評のうちに無事終了致しました。それに伴い、当館の学芸員さんをはじめ関係者方々が、出品作品のお迎えにアメリカに出張されていました。それも25日には、無事滋賀に戻って来られ、お留守番をしていた僕たちも語られる土産話で盛り上がっているところです。

しかし・・・僕が最初に言った言葉が「お帰りなさい!セミは鳴いてましたか?!」だったなんて、苦労して帰って来られた学芸員さんに、今思えばなんと失礼な事か・・・つい8月3日のブログに書いていたことが気になっちゃって(笑)。皆さんも気になり・・・ますよね?・・・結果、、、鳴いていたそうです!違う種類が!学芸員さんは現地で「なんでこんなにセミの鳴き声が気になるのやろう」と不思議に思っておられたそうですが・・・イヒッ・・・それは僕の仕業です。

泊まったホテルではこんな素敵な出会いもあったそうです。20150828それがコレ!トンボが茎に留まっています!クリップ型のトンボが花のアレンジをお手伝いしているのです!うふん、どこへ行っても働き者~(笑)。最初学芸員さんは、トンボのお城:文化館から来た自分のために用意されたまさかの粋な計らい?!と感激されたそうですが、後から聞けば他の皆の部屋にもトンボクリップはあったらしいです(笑)。偶然でも嬉し素晴らし!有り難う!
お食事はやっぱりどこへ行ってもアメリカサイズ!山盛りのサラダだけでもお腹が満たされると言っておられました。また、博物館から空港へは作品をトラック2台に積み込んで、伴走車とともに長距離を移動をされたそうですが、このトラックの運転手さんが、これまたアメリカサイズなご夫婦で・・・マッチョムキムキ、それはそれは頼もしかったと言っておられました(笑)。有り難いこと!

他にも、「名付け」がうまいしっかり者の女性学芸員さんや、ダンディなムードメーカーのベテラン学芸員さん、そして鉄壁の仕事をこなして下さった運送のスペシャリストさん達、また各方面への段取りと調整を完璧にしていただいた滋賀県職員の方々、更には海外での展示を快く承諾して下さった所有者の方々、何よりマイヤーガーデンでお世話になった現地スタッフの皆さん。本当に多くの方々と関わり合い、助けていただいた展覧会でありました。有り難うございました。
今回のお仕事は、お互いを苗字ではなくファーストネームで呼び合うなど、日本では有り得ない空気感で、とてもいいチームワークで、達成することが出来たみたいです。「楽しかった」とウチの学芸員さんは言っておられます。

普段は各専門分野で特色を出している県立施設ですが、枠を超えた展覧会で活躍される皆さんのそのお姿を間近に見ることが出来た、それが僕にはとっても嬉しかったです。。。
滋賀の文化、芸術、美術作品、まだまだ『魅せ』ドコロは限りなく、266今後もこのような展覧会が世界で開催できればいいなぁと、思います。
これからコレカラ!滋賀の魅力をどこまでも↗↗↗

   筆:あきつ

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滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」④

先週、今年度4回目となる滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」が開催されました。今年のコヅチはなかなかお天気に恵まれないのですが、それでも当日85名の方にご参加いただきました。誠にありがとうございました。
20150821-2今回は、県教委文化財保護課美術工芸担当の古川史隆氏より「山から下りた梵鐘 ― 菅山寺梵鐘の移動と保存修理 ― 」と題し、長浜市余呉町坂口に所在する管山寺の梵鐘(重要文化財)について、平成26年度に行った修理に伴う大規模な移動と保存修理の内容についてお話がありました。
菅山寺は湖北大箕山の山中にあり、中世末の菅山寺縁起によれば、最盛期には3院49坊を擁する大寺院として、大いに栄えたといいます。また徳川家と所縁の深い増上寺(東京都港区)に伝わる「宋版一切経」(重要文化財)は、元々菅山寺に収蔵されていたもので、徳川家康の求めに応じて、増上寺に寄進されました。
そんな菅山寺伝来の梵鐘は、在銘のある梵鐘としては県内で二番目に古いものです(ちなみに一番古いのは同じく長浜市に所在する日吉神社の梵鐘)。製作年と製作者が明らかな基準作例として、大変貴重なものです。
265今回はこの梵鐘の修理について、特に重量356㎏もある梵鐘をいかにして山寺から運び出したか、その点を中心に多くのスライド画像を交えてお話しされました。前述のごとく、菅山寺は山深い場所にあり、当初はヘリコプターで運び出すとの案もあったようですが、最終的には険しい陸路を地道に輸送することに。梵鐘を専用のキャリアダンプに載せて、舗装されていない急斜面の山道をゆっくりと慎重に。
終了後のアンケートには「文化財保護の具体的な様子が今日の話でよくわかった。」、「保存活動の実態がわかった」といったご意見が多数あり、本講座が文化財保護をより身近に感じていただける機会になったといえるのではないしょうか。
さて、次回はいよいよ最終回。「見立絵 ― 江戸絵画の楽しみ方 ―」(9月10日)と題し、当館の上野良信学芸員が収蔵品を中心にお話しいたします。引き続き皆さまのご来場、心よりお待ちしております。

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文化財里帰り

朝晩すこぉ~し涼しくなりましたか?とは言え、世間様はお盆休み真っ盛り。故郷へ帰ってゆっくりまったりされている方も多いのではないでしょうか。そんな中、文化館でお預かりしている文化財も里帰りされています。

それは、大津市坂本比叡辻の聖衆来迎寺さまからお預かりしている寺宝の数々です。これらは毎年8月16日に行われる虫干会(むしぼしえ)で一般公開されるため、この日には文化館だけでなく、京都や奈良の国立博物館に収蔵されている寺宝も一斉に里帰りされ、にぎやかなお盆を迎えられます。
文化館からは、国宝の「六道絵」を江戸時代に模写したものや、重要文化財の「阿弥陀二十五菩薩来迎図」「銅造薬師如来立像」、「堆朱香合」など、他にも多くの文化財を、昨日お寺さまにお届けさせていただきました。移動は大変でしたが、無事作業を終えてホッとしています。
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先日も大学の留学生さんが六道絵の論文を書くため、わざわざアメリカから来日されてました。六道絵は「地獄、餓鬼、畜生、阿修羅、人、天」のありさまを絵画化したもので・・・リアルに怖いです。人生考えさせられます。悟りの境地です。
夏休みで浮かれている子ども達よ、これを見て泣け!否!ちゃんとした人生歩まにゃいかんよ!と、僕は言いたい・・・自分にも言いたい。。。(泣)。
江戸時代に模写された「六道絵」とは言え、15幅すべてが揃う貴重な機会です。大人も子どもも、熟覧していただきたいイッピンです。

実はコレ、暑い夏を乗り切るために『ヒヤッ』とするいい機会・・・なのかもしれませんよ?!

   筆:あきつ

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申込みはお済みですか?第4回

皆さん、もう申込みはお済みですか?20日(木)は滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」開催日です。20150812第4回目となる今回は、「山から下りた梵鐘 ― 菅山寺梵鐘の移動と保存修理 ― 」と題し、滋賀県教育委員会事務局文化財保護課の古川氏にお話ししていただきます。

ねぇ皆さん・・・梵鐘の保存修理って「どんな」なんでしょうねぇ?僕は、ご近所のお寺さんに除夜の鐘を突きに行った時に、マッチョなお兄さんのあまりの怪力に、柱に繋がれていた突き棒のヒモが切れてしまった!のを目撃しましたが・・・(翌年には直っていた)。田舎では時を告げる時報代わりに、またお葬式や法事の際に鐘を鳴らされるお寺がありますが、僕は今まであまり鐘本体の事に注目したことはありませんでした。

今回お話しされる長浜市余呉町の菅山寺(かんざんじ)の梵鐘は、鎌倉時代の制作で、県内に残る在銘の梵鐘では2番目に古いもの。しかし全体に錆(サビ)が付着していたため、平成26年に保存修理が行われたそうです。梵鐘を1週間かけて山から下ろした苦労話や保存修理の過程、また工芸史的価値について、詳しく紹介されます。

梵鐘は言わば地域のシンボルでもあり、保存修理は地元の皆さんのご理解ご協力無くしては、決して達成し得ない事業だと思います。講座に参加して下されば、きっと「自分とこのお寺さんの鐘はどうだったかな?」と、気になると思います。何がキッカケとなるのやら?!地域の文化財に目を向ける機会としていただければ幸いです。
皆さまのご参加を心よりお待ちいたしております。

   筆:あきつ

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花火と文化館

皆さん、ちょっと面白いモノを見つけましたよ~。
それがコレ!昭和37年8月1日の夜空に咲いた花火と文化館の写真です。写真も昭和の歴史を感じるとっても小さなサイズ(6×9cmくらい)。らぶり~。当時はデジカメなどないフィルム撮影の時代、ましてやすべて手動のマニュアルカメラでの撮影ですから、ピント合わせや露出の調整など、大変だったでしょうに。。。
よくぞ花火が花咲くその瞬間と文化館を、1枚の写真に収めてくれてました!とっても貴重です。

ちなみに明日開催予定のびわ湖大花火大会は、今年で32回目。写真が撮影されたのは53年前ですから、相当古い?!32年目のびわ湖大花火大会がかわいく思えてしまいます(笑)。

文化館の周りでは、明日の花火大会本番に向けて掲示板やバリケードが設置されるなど、着々と準備が進められています。ちょっと殺気立ってきたくらい(笑)。心配なのがお天気で、夕立の可能性が若干無きにしも非ず・・・サッと降ってサッと止んでくれたら気温も下がっていい花火が見られるのですが・・・。
夜空を彩る花火の今年度のテーマは【日本遺産ビワイチの旅~水の文化の花めぐり~】。文化庁に認定された滋賀県の日本遺産「琵琶湖とその水辺景観-祈りと暮らしの水遺産」をとりまく花にスポットを当て、約1万発もの花火で表現します!ってことらしいですよ~。ハイ、皆さん、想像して~!決して地元贔屓じゃないですが、湖面で花咲くびわ湖の花火は、夏の思い出に一見の価値アリですよ。

あぁ、一度は上げてみたい「あきつ花火」。花火師さん、おめめがクルクル、夜空へ羽ばたくトンボ花火、作ってみてはくれまいか・・・

   筆:あきつ

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ホームページ7月のアクセス数

暑い日が続いています。皆さんお元気ですか?少し前のことになりますが、僕の周りではセミとトンボがそれはもう一気に数が増えた日がありました。それを喜んだ僕の制作者は、ブログの季節ネタに使えるようにと、得意のコスプレ『セミバージョン』と『トンボバージョン』のあきつ君を作るべく、真剣に考えたそうです・・・・・あれ?

ちょっと待てちょっと待てオニイサン!
セミはともかく、「あきつ君」は元々トンボなんですけど?!!

・・・そうとうお疲れの様子です。。。

さて、7月もあっという間に終わってしまいまして、皆さんに見ていただいたホームページアクセス数は2,547件。テンション上がる数字です~ありがとうございます~。

1月末から始まったマイヤーガーデン滋賀特別展「Splendors of Shiga」も残りあと2週間!長いなが~い開催期間と思っていましたが、なんと、もうカウントダウンです。
ホームページのアクセスも、約1割がアメリカからのアクセスだったので、重ね重ね有難いことでございました。僕としては、英語版の閲覧ページをご用意出来なかったのが心残りで・・・[very sorry]です。。。
文化館の受信メールには、現地から定期的に送られてくる入場者数の報告や、展示室の温湿度管理についてのご相談など、英語のお題が並ぶ事が、日常となっていました。時差を気にして、歯がゆいながらも連絡は電話じゃなくメールでのやり取り・・・コレ実は、内心ホッとしていた僕でゴザイマス。。。モチロン学芸員さんは英語を話されますよ?!近ごろは展覧会終了に向けて、関係先との連絡調整が頻繁に行われており、学芸員さんは、撤収、移送、受入と、この展覧会事業の「成功」を迎える体制に入っておられます。
先生に言われましたよね「遠足は家に着くまでが遠足です」。基本です。

お盆の頃に、学芸員さんは展示作品のお迎えのため、現地に向かわれます。地球の裏側とは言え、季節は夏。あちらでもセミはミンミンからシンシンへ、カナカナやツクツクボウシなんてのも鳴くのでしょうか。(無理な気もします・・・)
まだ行かれてもいないのに、学芸員さんの帰国が待ち遠しくなりました。
さぁ、展覧会事業の成功を見るために、皆でこの暑い夏を乗り切りましょう!

   筆:あきつ

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