月別アーカイブ: 11月 2016

季節はめぐる

新聞に載っていた「紅葉おでかけ情報」も姿を消し、県内の観光名所でもそろそろ紅葉の見頃を終えるころでしょういか。文化館前の街路樹もすっかり葉を落とし、その姿はしっかり「冬仕様」となってきました。

当館は休館しているとは言え、周辺の清掃・美化作業を怠るわけにはまいりません。109夏は水草:藻の除去をしておりましたが、11月に入ってからは、この街路樹の落ち葉清掃が、大変時間と手間のかかる作業となっていました。
それでも、枯葉の上で自転車が滑ってこけそうになっておられる姿を見てしまうと、305そのまま放っておくわけにもいきません。せめてもと竹箒を持って落ち葉と格闘する日々・・・掃いても掃いてもキリがなく、すぐに落ち葉でいっぱいになるゴミ袋・・・この作業に終わりはあるのか?!・・・と思っていましたが、ここへきてようやく一段落してきた次第です。ほっ。

20161129というわけで、彩りの秋も終わりだな~と、感慨深く過ごしておりますが、事務所の中では冬の花、シャコバサボテンのデンマークカクタスが、花の蕾を膨らませはじめました。この花は、昨年、旧琵琶湖文化館友の会の皆さんからいただいた大切なお花です。「忙しいやろうから手間のかからない花を選んだ」とお気遣いいただいたこのお花。枯らすことなく無事2年目を迎えられそうなので、今から咲くのがとても楽しみです。

あぁ、でも、この花が咲いたら、きっともう今年のカウントダウンが始まっているのでしょうね。よしっ!ラストスパートに向けて・・・武者ぶるいッ!!

筆:あきつ

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11月23日の「つながる」

20161124-111月23日、この日は滋賀県立近代美術館での「つながる美・引き継ぐ心-琵琶湖文化館の足跡と新たな美術館-」展の最終日でした。展覧会が始まった頃には、薄手のカーディガンで丁度良いくらいの気候でしたが、40日間の期間を経て、辺りの紅葉はすっかり進み、ダウンジャケットが恋しい季節となっていました。
展覧会終盤に、ご後援をいただいたテレビ局で放送していたいたこともあり、その反響で地元の方が間違って当館を訪ねて来られるなど、ちょっとしたハプニングもございました。同じ大津市内とは言え、琵琶湖文化館と近代美術館は車で30分くらいの距離があります。無事に着けたかな?会場はどんな様子かな?と、気になる日々でもありました。
最終日の会場は、一堂に展示された滋賀の文化財を鑑賞しようと、大勢の方が来場されており、僕は思わず笑顔になってしまいました。地元の方と思しき年配のご夫婦、観光で来られた子ども連れのご家族、様々な方たちがじっくり作品を見て下さっています。中にはガラス越しに単眼鏡で食い入るように作品に見入る方がいらっしゃいました。学生さんでしょうか。若い人たちが、こうして時代を経た文化財の事を研究し、勉学に活かしてくださる機会となったことも、とても嬉しかったです。ご鑑賞くださいました皆さま、本当に有難うございました。

そして僕はと言えば、ぐるっと展示室内を一周しながら、展示されている文化財たちに「ではまた、文化館でお戻りをお待ちしていますね。」と挨拶をして、会場を後にしたのでございます。

さて、次に僕が向かったのは、大津市内のホテルで開催された「新生美術館 県民フォーラム2016-「美の滋賀」を未来につなぎ 世界に開く-」20161124-2の会場です。この日の参加者は約330名、皆さんの関心の高さがうかがえます。先ずは俳優の滝田栄氏の特別講演があり、続いて新生美術館の設計の概要が説明されました。後半には滋賀県知事も交えたパネルディスカッションが行われ、滋賀が持つ美の力について、またその発信の在り方など、5人のパネリストが、それぞれの思いを発言されました。

実はこの日この会場で、僕は「とある出会い」をしています。それは「自分の父が琵琶湖文化館の創立時に寄附をしている、その名前が文化館の銘板に残されていると、亡くなった父から聞いている。確かめたいので写真を送ってほしい」という女性との出会いでした。さっそく確認すると、確かにお父さまのお名前が、銘板に刻まれています。20161124-3写真を撮ってメールで送ると、「証が残されていてとても嬉しい」と喜んで下さいました。

「あぁ、なんだかつながっている」と、しみじみ・・・気持ちがあたたかくなった出来事・・・なのでした。

筆:あきつ

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「つながる美・引き継ぐ心」 番外編:お不動さま

現在、滋賀県立近代美術館で開催されている「つながる美・引き継ぐ心-琵琶湖文化館の足跡と新たな美術館-」展。みなさま、この展覧会の第3章「つながる」に出陳されている不動明王さまを、もうご覧いただけましたか?
このお不動さまは、近江八幡市の伊崎寺さまのご所蔵で、平成18年に国の重要文化財の指定を受けた際に、琵琶湖文化館で展示をさせていただくこととなり、その時のご縁で今回出陳されています。(現在は、この不動明王さまは比叡山国宝殿で管理されています。)

先日、お不動さまを寺の本堂から琵琶湖文化館へ搬入した時の、懐かしい写真を見つけましたので、2016isaki-1今日は是非、皆さんに当時の職員さんたちの武勇伝(?!)を紹介させていただきたく。。。
平成18年3月25日、琵琶湖文化館から学芸員さんとこの日出勤していた男衆(事務方・警備員)含む6名、滋賀県教委文化財保護課から2名、長浜市の学芸員さん1名の応援をいただき、総勢9名の強者たちが、近江八幡市の湖岸にある「伊崎の竿とび」で有名な伊崎寺のお山へ向かいました。これだけの人数で出陣?!した理由は、不動明王坐像とその光背、附の二童子像を、梱包の専門業者にお願いするでなく、自分たちでほとけさまを山から下ろし、公用車で運ぶという重大な使命があったからです。2016isaki-2
朝一に文化館を出発、お寺さまに着くと、先ずは堂内でほとけさまの状態確認。それから梱包、輸送、文化館に搬入・・・と、お戻りはお昼をまわってました。

この日、文化館でお留守番をしていた僕が、よ~く覚えていることがあります。それは無事にお不動さまが文化館に到着され、ほっとした時の皆さんの会話です。
学芸員ではないものの、力自慢としてこの日応援に駆り出された職員さんたち。大仕事に緊張されていたのでしょうね。高揚感というか、達成感というか、皆さん一様にテンション高めでした(笑)。「普段慣れていないので、梱包資材を運ぶだけでも手が震えたわ。」「ベテラン学芸員さんの指導があったからこそ(言われるとおりに)うまく運べて良かった。」「足元がズルッといきそうだった時、後ろから支えて貰って本当に良かったわ。助かった有り難う。」など、顔を紅潮させて話しておられたこと、僕はよ~く覚えています。あ~僕も行きたかったな、と(笑)。

もちろん文化財を扱われるのは専門知識と技術をお持ちの学芸員さんです。この時も何でもない顔をして、笑って話を聞いておられました。でも、事務方が必要とされてお手伝いに駆り出されるということは、それだけ信頼されているということです。時にはこうして助け合い協力させてもらうことで、展覧会が学芸員さんだけのものではなくなる・・・それが万年お留守番の僕にとっても、とても嬉しい出来事だったのです。このアットホームな感じ(?)が、琵琶湖文化館ならではのエピソードだと思います。

さて、今回の展覧会でそんな懐かしい思い出の「ご縁」をいただきましたので、この時行きそびれた僕は、皆さんが行かれた道を、いざ伊崎寺へ、行ってみる決心をいたしました!20161111今でこそ参道には砂利が敷かれてとても歩きやすいですが、当時は石がゴロゴロしていてとても歩きにくかったと聞いています。・・・そうかぁこの道をお不動さまを背負ってボチボチ下ったか・・・この辺かな?ズルっといったの(笑)・・・頭の中では当時の会話が思い出されてとても楽しい道行。駐車場から15分ほどで本堂に着くと、琵琶湖から吹く風の音がなんとも心地く、そこはまさしく癒しのパワースポットでした。

来れて良かった~!っと、大満足の帰り道、「あ、駐車場が見えた」と油断したところで、僕の足は「ズルっ」と・・・コケてませんよ?!そこは踏ん張りましたよ?!!・・・きっと僕は間違いなく、文化館ファミリー・・・と、再確認した帰り道なのでした~~ イヒッ!!

筆:あきつ

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「千年の美のつたえびと」になってみませんか?

20161116早いもので11月も、もう半分が過ぎてしまいました。文化館の周りの木々もすっかり秋色。毎朝通勤途中に落ち葉を踏みふみ、「秋」の深まりを感じている今日この頃でございます。
夜もグンと寒くなってまいりましたが、皆さま体調を崩したりされていませんか?そんな寒さも吹きとばす?!文化財講座のお知らせです。

かねてから、当ブログでもお知らせしています、滋賀県教育委員会事務局文化財保護課主催の『「千年の美つたえびと」養成講座』の第2回目が、今週の日曜日に開催されます!滋賀県には他の県に負けないくらい文化財があります。そんな文化財のことを学んで、守り手(伝承者)として、また、伝え手(発信者)として活動していただくことを目的とした文化財講座です。

「千年の美つたえびと」養成講座 第2回
近江の仏像と南都仏教(仏教彫刻史特論2)
講師:佐々木進氏(元栗東歴史民俗博物館館長、仏教美術史研究者)

【日  時】平成28年11月20日(日)午後1:30~3:00
【会  場】コラボしが21(大津市打出浜2-1)3階 大会議室
【募集人数】200名  ※受講料無料、事前申込み制(当日参加も可)
【申込み先】滋賀県教育委員会事務局文化財保護課(美術工芸・民俗係)
      TEL 077-528-4672 FAX 077-528-4956
      〒520-8577 大津市京町四丁目1-1
      メールアドレス ma07@pref.shiga.lg.jp

飛び入り参加も可!ということですので、あらためて文化財講座を学んでみたい方、この機会にぜひ参加してみてはいかがでしょうか?!
(申込み先は県教委文化財保護課です。琵琶湖文化館ではありませんのでご注意下さい。)

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霜月の癒し

朝晩ググッと冷え込みが厳しくなってきました。今日のお空はどんよりと時雨気味で、琵琶湖の色も鈍色、あぁ11月の景色になってきたなぁ、もうすぐ冬だなぁと、ちょっぴり「おセンチ」な気分になります。。。

いえいえ、琵琶湖文化館の11月は「おセンチ」ばかりではありません。空が時雨れれば琵琶湖に大きな「虹」が、朝の冷え込みが厳しければ琵琶湖大橋に幻想的な「蜃気楼」が、20161109-2ハッキリくっきり見えるので、とてもテンションが上がるのです(笑)。
ほら、この写真なんて、まるで琵琶湖から文化館のベランダに向かって虹の階段がつながったみたいで、とってもステキでしょう?!
文化館では「おはようございます。今日も虹がキレイですね」と、朝の会話の中に当たり前のように「虹」が登場します。この職場の誰もが「虹」を愛でています(笑)。霜月の癒しの風景です。。。

とは言え、「虹が出る=時雨れる=風が冷たくとても冷える」という状況であることは間違いなく、外に出るのが少し億劫な季節・・・とも言えます。20161109-3
寒さの中、仕方なしにお昼ご飯を食べに外を歩いていると、ふっと何かに呼ばれたような気がして、僕は振り向きました。すると、まるでお城のテッペンから青空が吹出しているような、まるで文化館が青空生産工場のエントツになったような、そんな写真が撮れました。「虹が出る=時雨れる=青空が近い」とも言えますね(笑)。あぁなんだか得した気分・・・のほほん・・・でございます。

筆:あきつ

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つながった美・引き継いでね心

このブログでも何度も紹介しておりますが、ただ今、数多くの文化館収蔵品が県立近代美術館での展示のため出張中です。前回のブログでもお知らせした通り、この展示、11月1日からいよいよ後期展示に突入いたしました。展示替えが行われ、さて、うちの収蔵品たちはこの頃どうしているんでしょう??ということで、その様子を見に行って参りました!

美術館のある文化ゾーンは、丘の上にあるため、木々の色づき具合も打出浜周辺より一段と進んでいて、本当によい感じ。。。文化の日の3日(祝)には、この一帯で新生美術館見本市「美の糸口ーアートにどぼん!!2016」などのイベントが行われ、うちのあきつ君も密かに「仏像ワークショップ」コーナーに出演していたようで~す(やったね)!!

そして、近代美術館での収蔵品たちはというと。。。?展示室に入ると、後期展示から登場した掛軸や屏風たちには、まだ少し緊張の面持ちが見られましたが、前期から出ている文化財たちは、もうす~っかり馴染んでいる様子。搬出の日、大人4人がかりで運びだされた寂室元光さまも、展示室の真ん中でゆったりとお座りになっていらっしゃいましたよ。

「第5章 つなぐ」の場面では、文化館と近代美術館のそれぞれの収蔵品の中から、同じ作者:紀楳亭の「蓬莱群仙図」が肩を並べており、また近江を代表する絵師:高田敬輔先生の兄弟弟子たちの作品が揃って旧交を温めているなど、なかなかに感動の再会を果たしておりました。さらに、別室の常設展にいらっしゃる遊亀さん(以前は文化館で一緒に暮らしておりました!)とも、なつかしい思い出話に花を咲かせ。。。どうやら「美」はここでもしっかりとつながったようです。

では、「心」の方は??引き継がれるべき心は、文化館だけのものではなく、この半世紀、文化館を支えて下さった県内外の多くの方々とつながっているものです。この絆を一旦解き、もう一度結び直そうというのですから、並大抵のことではないでしょう。一層の努力と、そして少しばかりの時間も必要かも知れません。今回の展覧会がその種となり、いずれ芽を出し、花を咲かせ、また結実し。。。収蔵品とともに「心」も、次の世代へしっかりと引き継いでいって欲しいなあと。。。そんな思いを抱きつつ、美術館を後にしました。

p1050920-2「つながる美・引き継ぐ心-琵琶湖文化館の足跡とあらたな美術館」(於:滋賀県立近代美術館)は、11月23日(祝)までの開催です。みなさまにも、一度と言わず、二度でも三度でも、文化館収蔵品の様子を見に行っていただけると、とても嬉しいです。

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ホームページ10月のアクセス数

いよいよ霜月、11月になりました。琵琶湖でも北湖の方には、もうコハクチョウが飛来していると聞きましたが、南湖の中に建つ文化館のまわりでも、このところ水鳥の数が増えてきたような気がします。朝晩にはかなりの寒さを感じるようになったこの頃。秋は順調に深まっているようですね。

さて、10月は文化館ホームページに、1,529件のご訪問をいただきました。どうもありがとうございました!この数、9月からは、ユーザー数と共に微増といったところですが、サイトの平均滞在時間は、3か月連続で伸びております!みなさんの興味はもしかして、「あきつブログ」が面白くて、ついつい読みふけってしまう?あっ、いえ、だったらブログ筆者としては嬉しいのですけどね~(笑)。そこで検索キーワードの方を見てみると。。。「高島硯」「長谷川玉純」など、いくつかの収蔵品や作者の名前がありますので、それだけでもないような。。。文化・芸術の秋、みなさん真面目に、調べものに励んで下さっているようです。すばらしい!!

そして、10月になって急上昇しているキーワードが、「つながる美・引き継ぐ心」。これは言わずもがな、10月8日から滋賀県立近代美術館にて開催中の展覧会のことですよね。みなさま文化館ホームページで確認して、美術館まで足を運んで下さっているのでしょうか?ありがとうございます!! こちら近代美術館での展示は、本日11月1日から、いよいよ後期展示に突入です。展示替えも行われ、「浮城モノ語り」第30話で紹介した紀楳亭の作品も、近代美術館所蔵品と揃っての登場です。まだ展示をご覧になっていない方はもちろん、すでに前期をご覧になった方もぜひもう一度、さらに一段と深まった展示をご覧くださいませ。「つながる美・引き継ぐ心-琵琶湖文化館の足跡と新たな美術館」は、11月23日(祝)までの開催です。

さあ、文化館ホームページも、秋の深まりと共にどんどん内容を深めていきますので、11月もどうぞよろしくご覧ください!

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