月別アーカイブ: 4月 2017

文化館的おすすめGWの過ごし方

いきなりですが、ご覧ください!今日の文化館前の様子を。今年は特に短かった桜の季節も過ぎ去り、こんなにも青々とした新緑が見られるようになってきました。考えてみれば、もうゴールデンウイーク目前ですものね!

今年のゴールデンウィークは、土日も含めると、と~っても長いようで、楽しみにされている方も多いのではないでしょうか?お出かけするには最高の季節。どこに行こうかな?でも、あまり人の多いところはちょっと。。。とおっしゃるあなたに、今日は特別にとっておきの穴場をお教えいたしましょう!!

それは、草津市の琵琶湖岸近くにある国指定史跡・芦浦観音寺です。こちらのお寺さまは、年に2回、春と秋に特別一般公開(予約不要)をされており、文化館も毎年それに合わせて、お預かりしている寄託品の一時返却を行っています。

今年は、5月4日から7日(午前10時から午後3時まで)の4日間にわたって公開されるということで、木造阿弥陀如来立像(重文)、および木造地蔵菩薩立像(重文)がお寺に戻っての公開となります。実は、これらの仏さま、昨年度、無事に修理を終えられたところで、お寺での公開は30年ぶりだそうです。美しく蘇られたお姿、この機会にぜひ多くの方にご覧いただきたいものです。

ところで、この芦浦観音寺さまは、大きな濠と石垣に囲まれ、まるでお城のように堂々とした構えをされています。なぜこんな所にこれほどのお寺が?とお思いの方もいらっしゃるかも知れませんが、実は、あの信長・秀吉・家康らから、琵琶湖の湖上交通を管理する権利を与えられ、歴史上重要な役割を果たされた由緒あるお寺さまなのです。「近江を制するものは天下を制す」と言われ、琵琶湖とその水運を掌握していた芦浦観音寺さまが、日本中から熱い視線を浴びた時代があったということですね。

今は静かな場所ですが、豊かな自然と文化財に恵まれた芦浦観音寺さまを訪れて、かつての黄金の日々に思いを馳せてみるというのも、ゴールデンウィークの過ごし方としてピッタリなのではないでしょうか?みなさまもぜひ一度どうぞ。(芦浦観音寺さまのホームページはこちらから。)

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春の例大祭と指定文化財

以前のブログで、浅井氏の追善法要(仏事)に寄託品の「絹本著色浅井長政像」(県指定文化財)を一時的にお返ししていることをお伝えしましたが(詳しくはコチラ)、当館では、祭礼(神事)の際に寄託品を一時返却させていただくこともあります。
先週も春の例大祭にあわせて、指定文化財を返却させていただき、本日、祭礼でのお役目を終えて無事に当館にお戻りになりました。

今回一時返却したのは、東近江市のとある神社ご所有の鬼面2面で、毎年この時期にお返ししています。地元では「火祭り」と呼ばれ、多くの松明がたかれますが、他所のお祭りに比べて特徴的なのは、祭礼のなかに「御面渡御(おめんとぎょ)」という儀礼があることで、行事がこの鬼面2面を捧持し、囃子方を従えて一時間近くかけて集落を練り歩きます(左の写真はその時の様子です)。今回その様子を間近で見学させていただきましたが、祭礼中は周辺一帯に交通規制がかかり、大道路などでは交通警備員に誘導されながら慎重に運ばれていました。

また響き渡る囃子方の鳴り物にひきつけられて、家より続々と人々が外に出て来て、この鬼面に膝を屈し、深く頭を下げる姿は優れた美術工芸品であると同時に、今でも生きた信仰の対象(ご神体)であることを再認識する機会となりました。

ここでは面(おもて)という有形の文化財と信仰という無形の文化財が、相互に連関して独自の郷土文化を守り育んでいます。

学芸員W

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雷神アラワル

昨晩の低気圧に伴う大嵐で、滋賀県の桜もすっかり散ってしまいました。ですが、今日はその分、もう新緑と言っていい街路樹の緑がひときわ瞳に優しく映ります。
そんな滋賀県大津市打出浜ですが、観光に来られた方が、文化館をバックによく写真を撮っておられます。今の季節、夕暮れの淡い陽光がとてもきれいで、そこへきてこの特徴的な建物ですからね。写真に撮りたくなる気持ち、よ~くわかります。そんな撮影ポイントで、本日ちょっとした出来事がありました。

文化館の東隣りに設置されている、木製の桟橋(今は使用わていません)。経年劣化で腐食が進み、景観を損ねる存在として、道行く人からご意見をいただくこともしばしばでして。。。
そこへ現れたのが滋賀県の秘密兵器:雷神(船)です。この船は「電気ショックで外来魚を一網打尽」という秘密兵器(?)を備えた優れもの。今回特別に、この老朽化した桟橋に船を寄せて、腐って横たわっていた板を撤去して下さったのです。この素晴らしき琵琶湖畔の景観を愛する者として、非常に有り難いことでございました。

板を外しておられるところを目撃することは出来ませんでしたが、船には木槌が積まれ、用意周到に作業を行って下さった様子・・・女性の方も乗っておられました。その雄姿、見たかった~。水中に埋まっている柱部分は大きな重機がないと取れないので、今回は残っていますが、ご苦労いただいた分、おかげ様で見た目もこざっぱり。今日は水位も高く波も穏やかで、作業はしやすかったと言っておられました。ご無事でなにより、本当に有難うございました。

外された板を見ると、確かにボロボロで・・・でも壊そうと思ってもナカナカ壊れないシロモノで。。。さぁてどうしましょうか。とりあえず、錆びて折れ曲がった五寸釘と格闘・・・する僕たちなのでした。

筆:あきつ

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海北友松「檜図」:文化館以外で初公開!

ようやく滋賀でも桜の花が盛りを迎え、存分に春を感じられる季節となりました。今日は、陽気につられてお出かけするのにぴったりのイチオシ!展覧会をご紹介しましょう。

本日より、京都国立博物館で、開館120周年を記念する「春の特別展」として、「海北友松」展が開催されています。この展覧会は、ここ10年にわたり狩野永徳や長谷川等伯といった桃山絵師に焦点を当てて開催されてきた京博さんの特別展覧会の完結展としても、大変興味深いのですが、実は僕もある特別な理由から、とっても楽しみにしていたのです。

その理由の一つ。琵琶湖文化館では、昭和61年に開館25周年記念特別展として「海北友松」展を開催しています。そのサブタイトルは「-湖国が生んだ桃山時代の巨匠!-」。展覧会ポスターには、おそらく当時としては珍しい「!」マークがしっかり入っていましたし、当時の様子を知らない僕でもそのポスターから受ける印象には、「イチオシ感」満載だったので、図録をうっとり眺めたりしていたものです。
海北友松は、江北小谷城主浅井長政に仕えた重臣の子として近江に生まれ、独自の画風を築き上げました。その画風は、華麗な・・・というよりは、激しく凄まじくダイナミック?!「龍図」と聞いてギョロッと睨みを利かせた眼の水墨画を思い浮かべたなら、それはきっと海北友松の作品かも?この度の展覧会では、図録で見ていた作品もお目見えするそうなので、実物のその迫力をじっくり体感(拝見)したいと思います。

そしてお楽しみ理由のもう一つ。何を隠そう、この度の「海北友松」展には、当館の館蔵品も出品されています。それがナント!琵琶湖文化館以外では初の公開となる!「檜(ひのき)図屏風」です。今は休館していますが、開館していた当時、常設展示にさらっと海北友松の作品が並んでいたあたりが、琵琶湖文化館のすごいところだと思うのですが・・・(自分で言う?!)。
今回久方ぶりに皆さまにご鑑賞いただく機会を得ましたこと、とても嬉しく、また、大変有り難く思っております。

他にも滋賀県からは、湖北長浜の浄信寺さまご所蔵の滋賀県指定文化財「東王父西王母図屏風」が出陳されています。この機会に是非、「湖国が生んだ桃山時代の巨匠!」の作品を、会場でじっくりとご鑑賞くださいませ。展覧会は5月21日までの開催で、これらの作品は会期中通期展示で公開されています。

筆:あきつ

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今年度の文化館ホームページはどうなる?

 平成29年度になってから10日が経ちました。文化館ホームページのトップを見て、みなさま、「おや?」と思いませんでした?そう思われた方は、きっと何度も文化館のホームページにアクセスいただいている熱心な文化館ファンの方ですね~(感謝!)

 トップページでも紹介していた「湖上にお城ができるまで-写真アーカイブ」。去年の12月からスタートし、「建設当時の白黒写真が懐かしい」とご好評をいただいていたコーナーです。ここで一旦お時間を頂戴することにいたしました。

 というのも、このコーナー、建設工事の着工から完成まで、ほぼ一年間で出来上がるスピード感を皆さんに知っていただきたいという思いがありました。しかし、このまま掲載を続けると夏に冬の工事の様子を紹介することに…いや、それでは臨場感が、現場の苦労が伝わらない…。また、「これだ!」と思う写真を週に一度2枚ずつ紹介してきましたが、文化館に残された建設当時の写真はなんと1000枚以上!選ぶときに「あ!この写真はコレが写ってるから紹介したい!」「いや、でもこっちの写真には今では、なかなか見られないコレが写ってるし…」などなど、いろいろと考えていると、みなさまに紹介したい写真が増えていく一方となりました。出来る事なら全てを紹介したい!!でも残念ながらそれは難しい…。ですから、思い切ってここですこしお休みをいただいて、「コレぞ!」という写真を選び出す作業に集中させていただくことにしました。
 更新を心待ちにしてくださっていた皆さまには本当に申し訳ありませんが、9月からはいよいよ、建物が建設されていく様子を写した、珠玉の写真をご紹介する予定です。是非お楽しみに。

 「写真アーカイブ」をお休みしている間も、平成29年度の文化館のホームページは、収蔵品を紹介する「浮城モノ語り」そして、「収蔵品公開情報」なども随時更新していきます。そうそう、今年度「打出のコヅチ」詳細のチェックもお願いしますね!それでは新年度も、みなさま、どうぞお役立ち情報満載の文化館ホームページにおこしください。

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毎年の追善法要と寄託品

長浜市小谷山の麓にある小谷寺では毎年4月、北近江の戦国大名・浅井氏の追善法要が営まれます。当館では、それにあわせて寄託品の県指定文化財「絹本著色浅井長政像」を日帰りでお返しにあがっています。
法要では本堂の上座に本図が掲げられ、読経のなか参列者の方々が焼香するなど、終始法要の主役となります。

浅井長政(1545-1573)といえば、織田信長の妹・お市を正室とするなど織田家と友好関係を築くも、後に信長と敵対。天正元年(1573)には居城である小谷城が攻め落とされ自害し、浅井三代の歴史は幕を閉じます。

本図には、徳勝寺(徳昌寺・浅井氏の菩提寺)の住職・源秀の天正2年(1574)の賛文があり、長政の一周忌にあわせて、京の絵師に描かせたことがわかります。ちなみに長政の画像には、大別して本図と高野山の持明院本の二系統があり、後世、この原図2幅をもとに多くの作品が模写、制作されました(長浜城歴史博物館蔵本、安土城考古博物館蔵本など)。そういった意味でも貴重な作品ですが、今でも地域の方々の崇敬の対象としてお使いになられていることも、大変意義深いことといえるでしょう。

最近、近くを通る北陸自動車道に「小谷城スマートインターチェンジ」(3月25日開通)ができ、小谷寺を含め、小谷城址周辺へのアクセスはずいぶん良くなっています。これを機会に小谷城址や周辺の社寺、資料館へ是非、足を運んでみてはいかがでしょうか。

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無事にご帰還されました。

過去のブログでも紹介しました湖東のお寺様から一時寄託されていた仏像4躯(詳しくはコチラ)が、先日、お寺へお帰りになりました。
昨年からの本堂の防災工事に伴って、堂内に安置されていた重要文化財4躯を、約9ヶ月間当館にて一時保管させていただいていました。そして今回、本堂改修が無事完了したとのことで、県教委文化財保護課の職員の方や美術品取り扱い専門業者の方々などとともに、お返し上がりました。
返還した御像の中には、等身大の一木割矧造(いちぼくわりはぎづくり)の像などやや大型の作品もあり、総勢10名という大所帯での搬出・搬入作業となりました。現場では、お寺の方や檀家さん、そのほか関係者の方など多くの人々の見守るなかで、無事、須弥壇へ安置させていただきました。移動も含め一日がかりの返却作業でしたが、天候にも恵まれ、滞りなく作業を行うことができました。

4月、5月には各地の神社で春の例大祭が行われますが、それに伴って、当館ではご寄託いただいている宝物(御面など)の一時返還もピークを迎えます。当館のそういった活動も随時ブログで紹介していきますので、どうぞお見逃しなく!!

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ホームページ3月のアクセス数

比良山の上にはまだ雪が残り、朝の冷え込みもまた少し戻りつつありますが、季節はもう春です。4月です。文化館前の歩道の桜も、つぼみが少し膨らんできて、開花が待ち遠しくなってきました。本日から新年度がスタートした文化館。うららかな春の陽ざしのように、心穏やかに過ごしたいものだと思っております。

ところで、気になるのは3月のホームページアクセス数。 3月には1,439件と、安定した数のご訪問を頂きました。ユーザー数は前月より少~し減ったものの、ページビュー数は増え、コアなファンの方(?)にじっくりと、しっかりとご覧いただいたという印象を受けます。ついでに申し上げますと、平成28年度、一年間のアクセス数は18,736件、のべ11,031名の方にご覧いただくことができました!! ご訪問いただいた皆さま、本当にありがとうございました。

さて、4月から新たに社会人になった方や、職場を異動された方もいらっしゃるのでしょう。朝の通勤電車で同じ車両に乗る方々のお顔ぶれも、今日から少し様変わりをしたようです。実は、文化館ホームページも、表のお顔「お知らせ」コーナーを、少しだけお化粧直しいたしました。お気づきになられましたでしょうか?

それから、文化財講座「打出のコヅチ」のチラシが出来上がりましたので、さっそくお披露目!県内の博物館・図書館等へも発送いたしましたので、みなさまもぜひ手に取ってご覧くださいませ(実は、昨日ひそかに訪れた博物館にも、チラシを置いていただいているのを発見しました。それも一番手前に。。。どうもありがとうございま~す!!)。講座への参加お申込みも順調に頂いております。まだの方はどうぞお早めに!

それでは、平成29年度も琵琶湖文化館をどうぞよろしくお願いします。

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