月別アーカイブ: 3月 2017

研究紀要第33号 発行しました

いよいよ年度末最終日、お忙しくされている皆さまにお知らせです。当館の『研究紀要第33号』、発行致しました! ブログでは、「原稿執筆の追い込みです!」とか、「赤ペン片手に校正中です!」とか、散々焦らせましたが(笑)、その出来上がりはと申しますと・・・ここで内容をちょこっとご紹介!

【滋賀県における「こけら経」について-東近江市松尾神社本殿伝来法華経を中心に-】
平成28年度滋賀県新指定文化財となった松尾神社の「こけら経」。遺跡から出土することが多い中で、神社本殿から発見された全国的にもめずらしいこの「こけら経」の調査事例を、特別寄稿により紹介。

【資料紹介 琵琶湖文化館蔵「日吉祭礼図」詞書(ことばがき)翻刻】
16の画面と15段の詞書からなる絵巻物「日吉祭礼図」の詞書を翻刻。数ある山王祭関係資料との比較研究の一助となす。

その他、平成28年度の活動紹介などを掲載しています。
更に今回は特別バージョンとして、【過去に開催した展覧会の軌跡-ポスター編-】を掲載!なんと贅沢にもフルカラーの仕上がりです。昭和36年から平成28年までに開催した展覧会のポスターを、一堂に紹介しています。開館より55年の節目にあたる年の紀要に、琵琶湖文化館のあゆみたる展覧会ポスターを掲載できたことは、僕たちにとっても幸せなことであり、記念に残る1冊となりました。

県内の図書館はもとより国会図書館や市町教育関係機関、博物館などにも送付しておりますので、是非皆さま手に取ってご覧くださいませ。

筆:あきつ

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ガラス乾板の整理③

さて、そろそろガラス乾板の整理も佳境です。ほんとはブログを書く時間も惜しいほどの佳境です(笑)。挑んでいるのは、とあるご縁で文化館にある「年代物」のガラス乾板です。
これがまた貴重なガラス乾板で、撮影された時期は不明ですが、個々の乾板には「昭一〇.七.七日写」などの日付が記されており、ということは本体の撮影はおそらく。。。そのガラス乾板に写っているは、県内の国宝や重要文化財などの指定文化財です。僕たちは「仏像ワンダーランド」への扉を開けてしまったようです。。。ようこそお越いでヤス(笑笑)。

これらのガラス乾板、大切に個別包装されており、「○○神社 □□立像 蒲生町」など、先輩学芸員さんと思われる誰かが、一度整理をして下さった跡がありました。しかもほとけさまの種類ごとに箱で分類されています。ナイスです先輩!・・・しかしここで気付くべきでした。町名が平成の大合併、市町村合併する前の表記であることに!しかもガラス乾板本体に記載されているのは、モチロンそれ以前、昭和初期の郡および町名!・・・あぁ、もはや既に記憶に薄い・・・「キタ!愛知郡!」「懐かし!伊香郡!」。現代っ子の僕たち?は、神社やお寺さんの現住所を調べるのにも一苦労することとなりました。

でも、今までのガラス乾板と違って、所在地も所有者も資料名も書かれているのだから「これは楽勝でしょう!」と、タカをくくっていた僕たち。そうは問屋ガ卸シマセン。作業を始めて3分で悲鳴・・・「昭和の文字が読めません(泣)!!」・・・乾板に書かれている文字はとても個性的で、且つ、部分的に崩し字、旧字体も混じっています。うぅ、また調べなくてはなりません・・・見る人が見れば簡単に読めるのでしょうが、これ、なんて書かれているかわかります?中には文字がかすれて消えてしまっていたり、暗号にしか思えない不可解な文字も。。。そんなこんなありましたが、2日もすると作業に目が慣れて、随分と読めるようになりました。フッフッフッ、僕たちも成長するのでゴザイマスヨ。(写真解読【帝釈天立像】【四号】)

結局、ワンダーランドの中には、仏像に限らず工芸や典籍、絵画作品も残されていることが判りました。作業を終えて、図らずも僕たちは、昭和初期の市郡町村にタイムスリップし、改めて滋賀県の文化財の層の厚さを堪能してきた・・・そんな気分です。いい旅でした。

かくして!僕たちが整理・リスト化したガラス乾板、その数1,591枚!当初想定していた数を上回る枚数となりました。約1ヶ月に渡る地道な作業。。。半分目が死んでる日もありましたが、なんやかんやと楽しく作業できました。意外とこういう作業が大好物な自分?新しい発見デス。
感謝すべきは根気よく一緒に取り組んでくれた職場の仲間です。くじけず頑張ってこれたのも皆さんのおかげです。とってもいいお仕事ができました!

さぁ、今年度も残り1週間!えっ?もう?!僕の本業:事務方の決算が、事業報告が!!・・・何をしてても追い込まれる運命にあるようです。頑張ろ・・・

筆:あきつ

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ガラス乾板の整理②

はい、今日も元気にガラス乾板の整理をしています。2月下旬から始めたこの作業も、ずいぶん手慣れてきましたヨ。
「展覧会資料」群のヤマを越えた僕たちは、次に「館蔵品」シリーズに突入しました。これは楽チン。だって「館蔵品」。見れば「誰」の「何」ていう作品か、すぐわかる。・・・と思うでしょ?!・・・そうですよ、すぐにわかるのは学芸員さん・・・だからガラス乾板にもあえて何も書かれていません・・・ヒントすらない。でも学芸員さんは本業が忙しいので、この整理作業のお役目をいただいたのは、僕たち、あきつ組・・・。ガラス乾板が入っている箱に「館蔵品 絵画」「館蔵品 書蹟」って・・・文化館がどれだけ所蔵していると思ってるのーッ!と、僕はいったい誰ニ、何ニ向かって叫んでしまったのでショウカ・・・とにかくやるしかないのです。。。
館蔵品の写真台帳とリストをつき合わせて、分からないところはベテラン学芸員さんに聞きながら、コツコツと作業を進めます。書跡・墨跡なんて、もはやトランプゲームの「神経衰弱」状態です・・・「あ、この書体どこかで見た」「この人の字は特徴があって忘れられん」「潔いこの一筆は誰?」・・・台帳とにらめっこしながら、行ったり来たりの作業です。
(これでも、ここにあるガラス乾板は、館蔵品のほんの「一部」なのですヨ。)

そして忘れてはいけないのが、作業する相手がガラスであること。学芸員さんのように白手袋を着用して、少々年代物なので取り扱いは慎重に・・・そして情報をパソコンに入力してリスト化・・・。この作業で、肩はパンパン、目はシバシバになり、また机作業で動きも少ないため、一気に老けた気がします。。。

でも、「館蔵品の作品がガラス乾板に残っている」っていうのも、ちょっと自慢じゃありません?!琵琶湖文化館の歴史の一部ですよね!そう思うと、とっても大切な作業に関わらせていただいているのだと、有り難い気持ちになるのです(そうなのだと自分に言い聞かせ・・)。なんだか僕たちの知らない文化館がまだまだ出てくる気がします。

さぁ、次は「何」シリーズ?!・・・悩ましいほどいっぱいあるのです~(泣笑)。

筆:あきつ

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H29年度 滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」受付開始!

まだかまだかと、心待ちにしていた方もいらっしゃることと思います。今年もやります!平成29年度滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」のご案内です。
滋賀の文化財についてのホットな話題を提供しておりますこの講座には、おかげさまで毎年たくさんの方にご参加いただいております。そのご期待に応えまして、今年もさらにパワーアップした内容でお届けしたいと思っております。専門の講師の先生方からは、滋賀の文化財の魅力について、わかりやすく丁寧な解説を、じっくりと聞かせていただけますので、はじめての方も、そうでない方も、どうぞ奮ってご参加下さいませ!

【内容・日程】
第1回 5月18日(木) 金剛輪寺・十二神将像の魅力に迫る
講師:古川 史隆(県教委文化財保護課)
第2回 6月15日(木) 究極の城 彦根城 
講師:松下 浩(県教委文化財保護課)
第3回 7月20日(木) 日吉山王祭礼図を読み解く 
講師:渡邊 勇祐(琵琶湖文化館)
第4回 8月17日(木) 近江の曳山祭り
講師:矢田 直樹(県教委文化財保護課)
第5回 9月21日(木) 朝鮮通信使と近江 
講師:井上 優(県教委文化財保護課)

【会場】コラボしが21(大津市打出浜2-1)3階 大会議室
JR膳所駅より徒歩約15分 
京阪石坂線石破駅より徒歩約5分
【時間】13:30~15:00(受付13:15から)
【募集人数】各回200名
【聴講料】無料(事前予約制・当日参加も可)
【主催】滋賀県教育委員会・滋賀県立琵琶湖文化館

【申込み方法】電話・FAX・メールで、
氏名(ふりがな)・住所(市町まで)・連絡先(電話番号)・参加回
・この講座を何で知ったか、をお知らせください。
【申込み先】滋賀県立琵琶湖文化館 〒520-0806 滋賀県大津市打出浜地先
TEL:077-522-8179
FAX:077-522-9634
メール:biwakobunkakan@yacht.ocn.ne.jp

さあ、皆さん、忘れないうちにお申込みを!そして、スケジュール帳にも予定を書き込んで下さいね~!では、会場でお会いできることを楽しみにしておりま~す。

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ガラス乾板の整理①

はい、このところブログの更新がままならず、スミマセン。というのも、この数週間、僕たちは「ガラス乾板(かんぱん)」と格闘していたのでございます。
みなさん「ガラス乾板」ってご存知ですか?僕もこの職場へ来て初めてその存在を知ったのですが、教科書にも出てくる坂本竜馬の写真を撮ったのは「湿版(しっぱん)」、で、その後に使われたのが「乾板」、いわゆる写真感光材料です。ガラスで出来ているため重くてかさばり、割れやすいので、その後フィルムが出てくるとそちらが主流となり、現在ではその存在を知る人も少ないかもしれません。

そのガラス乾板が、当館には「資料」として残されています。その整理を進めるわけですが、いざ作業を始めてみると、いろいろなシリーズに分類できることがわかりました。ですが、写っているものが「何」なのか、乾板はガラスなので、そこには何も書かれていません。情報としては箱に書かれているタイトルのみ・・・「湖東焼」「近江画人遺芳」「南蛮資料」「南画」「旧館写真」・・・南画って何が???その箱の中に、乾板が重ねられて入っている・・・もしくは大切に紙に包まれて入っている・・・一体どうすれば?
最初はハテナマークばっかりだったのですが、これが琵琶湖文化館の前身である滋賀県立産業文化館(昭和23年開館)から琵琶湖文化館の初期(昭和40年頃)までの間に開催された展覧会のククリであるらしいことがわかったので、ほっとひと安心。「旧館」とは産業文化館が武徳殿にあった頃、「現会館」とは旧滋賀会館に移った頃のこと・・・よし、なんとかなる・・・。
と思いきや!!その頃の展覧会のしおりやパンフレットには、ほとんど写真が掲載されていません。ですよね・・・今みたいに写真がたくさん載っている図録なんて、当時ではありえませんよね・・・甘かった・・・しおりに目録が載っていれば良い方で、中には作者紹介のみとか・・・となると、次に探すのは展覧会を開催した時の関係書類を綴じた綴りです。しかし、これまた先輩学芸員さんたちの達筆な文字が・・・読み辛い・・・。

そんなこんなありましたが、長い年月の間に離ればなれになっていた資料が「群」にまとまってくると、「こんな展示もしていたのか!」とちょっと感動。。。「この展覧会の出品作品全部並べて再現して欲しいなぁ」「面白そうな展示やなぁ」と、気持ちは当時の会場へ・・・陳列の様子や、写真パネル展を開催した近江の「石造美術」や「庭園」、「建物」など、今も現地やカラーのパンフレットなどで見られるものでも、白黒写真だとどうしてこんなに郷愁に駆られるのでしょうか。
ちょっと嬉しかったのが、産業文化館の報告書でしか見たことのなかった写真が出てきたこと!感動のあまり「アナタ!ここに!乾板にいらっしゃったの!!」と声に出してしまったくらい(笑)。このような思わぬ出合いが整理作業を楽しいものにしてくれました。
乾板を傷つけないように白手袋をしての作業は、緊張感もあって肩が凝って大変です。ですが、ひとつひとつのピースを合わせていくジグソーパズルみたいで達成感もあります。地道な作業ですが、僕たちの「乾板整理」は、まだまだ続きます。さぁ、次は何シリーズ?

筆:あきつ

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ホームページ2月のアクセス数

まだまだ明け方の冷え込みは残っていますが、日中の日差しはずいぶんと明るさを増して来ました。冬の間、湖面を賑わしていた水鳥たちも、季節の変化を敏感に感じ取っているのでしょうか、北の国への帰り支度を整えたようで、日に日にその数が減ってきました。水鳥の姿にずいぶんと癒されてきた私たちには、ちょっぴり寂しいことではありますが。。。また次の冬の再会を楽しみにしていますね~!

数が減った水鳥たちとは反対に、文化館へ訪れる人が増えたのがこの2月でした。とは言っても、インターネットホームページ上でのことですが。。。2月には1,444件のアクセスをいただきました!ユーザー数、ページビュー数(何ページ見たか)も共に先月より伸びております。

特に、サマーラ(ご記憶にありますでしょうか?昨年末にたくさんのご訪問をいただいたロシアの都市です!)からのご訪問が再開したようで、地元大津に次いで第2位のアクセス数となっています。サマーラの方々のお目当てが何なのか、検索キーワードをたどっても未だにはっきりとはしませんが、遠い北の国からも文化館が、そして滋賀の歴史と文化が注目されているということは、なんとも嬉しいことです。せっかくなのでこの際、ホームページのロシア語バージョンも作った方がよいのでしょうか~なんてネ⁈ とにかく、みなさんスパシーバ(ありがとう)です!

さて、最近の文化館の様子はと言いますと、日々の収蔵品の整理・調査を進めつつ、今は赤ペンをギュッと握りしめて、先日入稿した研究紀要の校正真っ最中です。

そうそう、今日、事務所にある鉢植えの桜の一番花が咲きました。街中のソメイヨシノが咲く頃には、研究紀要も無事発行されて、怒涛の年度末も乗り越えられている・・・のかな?! 春はすぐそこに!皆さん頑張りましょう。

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