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毎年の追善法要と寄託品
長浜市小谷山の麓にある小谷寺では毎年4月、北近江の戦国大名・浅井氏の追善法要が営まれます。当館では、それにあわせて寄託品の県指定文化財「絹本著色浅井長政像」を日帰りでお返しにあがっています。
法要では本堂の上座に本図が掲げられ、読経のなか参列者の方々が焼香するなど、終始法要の主役となります。
浅井長政(1545-1573)といえば、織田信長の妹・お市を正室とするなど織田家と友好関係を築くも、後に信長と敵対。天正元年(1573)には居城である小谷城が攻め落とされ自害し、浅井三代の歴史は幕を閉じます。
本図には、徳勝寺(徳昌寺・浅井氏の菩提寺)の住職・源秀の天正2年(1574)の賛文があり、長政の一周忌にあわせて、京の絵師に描かせたことがわかります。ちなみに長政の画像には、大別して本図と高野山の持明院本の二系統があり、後世、この原図2幅をもとに多くの作品が模写、制作されました(長浜城歴史博物館蔵本、安土城考古博物館蔵本など)。そういった意味でも貴重な作品ですが、今でも地域の方々の崇敬の対象としてお使いになられていることも、大変意義深いことといえるでしょう。
最近、近くを通る北陸自動車道に「小谷城スマートインターチェンジ」(3月25日開通)ができ、小谷寺を含め、小谷城址周辺へのアクセスはずいぶん良くなっています。これを機会に小谷城址や周辺の社寺、資料館へ是非、足を運んでみてはいかがでしょうか。
カテゴリー: 学芸業務
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