日別アーカイブ: 2017年9月4日

大きな芋と大きな男のお話

9月です。実りの秋です。滋賀で生まれたお米「みずかがみ」新米出荷のニュースも聞こえてきました。炊きたての新米~、これが待ち遠しいのはやっぱり稲作民族だから?
でもでも、昨年の文化財講座「打出のコヅチ」第4回を受講された方ならご存知のはず。稲作文化という日本文化の表層をペロッとめくると、そこに現れるのはイモに代表される畑作文化、でしたよね。そして、それを象徴するのが、近江の奇祭、滋賀県日野町中山の芋競べ祭り(国指定重要無形民俗文化財)、でしたよね。この祭り、今年からは日程が9月の第1日曜日(今年は昨日3日)となったということで、ちょこっと見学に行ってきました。お天気にも恵まれて、「芋の子を洗うような」とまではいきませんでしたが、例年以上のお客さんに囲まれながら、本年もつつがなく執り行われましたョ。

午後1時からの三々九度の行事を終え、熊野神社を出発した氏子の一行は、イモの飾りつけをした竹棹を担いで集落の中を練り歩き、祭場である野上山を目指します。一面に石を敷き詰めた山上の祭場で、神へのお供え、相撲などの神事を済ませると、いよいよ東谷と西谷でのイモの長さの競い合い。一度では決着がつかず、何度も何度も測り直しが行われ、ようやく午後4時前に、西谷の勝ちと決まり、今年も雨が少なく豊作だということになりました(ホッ)。

850年以上もの長い歴史を持つというこの祭り。見ていると、この地域も例外なく少子高齢化の影響を受けて、祭りを構成する要素が少しずつ変化しているようです。それでも、なんとか伝統の祭りを続けて行こうとされている地域の方々の熱い思いに触れ、イモだけでない、とても大きな収穫があったような気がします。。。

そしてまた別の、思いもかけない収穫もありました!それは、この祭りの始まりについてです。言い伝えによると、むかし、ダダボシという大男が琵琶湖を掘って土を運んでいたときに、この中山のあたりで、ズイキ(イモの茎)でできていた天秤棒が折れたので、代わりを探させたところ、村の人々が一生懸命になってズイキの長さを競い始めたのが始まりだということ。ダダボシって、もしかして!?8月10日のブログでご紹介したダイダラ坊のこと?こんなところにまで足跡を残していたなんて!もう、本当にびっくり仰天です!

というわけで、奇祭に釘づけとなり、伝説に驚かされるという、ワンダーランド近江を満喫する秋の一日でした。みなさまも機会があれば、ぜひ一度ご覧になってくださいね!

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