月別アーカイブ: 11月 2017

フェノロサとのご縁

週明けの月曜日、なんという寒さ!皆さん風邪など引いておられませんか? 11月に入ると、冷え込んだ朝には湖上で『蜃気楼』が発生し、文化館から眺める琵琶湖大橋付近はとても神秘的な風景・・・となっていましたが、今朝は更に比良山にうっすらと雪が積もっているのが見えます。なるほど寒いわけです。
かと言って、このまま冬ごもりするわけにはいきません!まだまだお出掛けしたい、していただきたい!と思う今日この頃。一つご提案させていただきましょう。

そろそろ各館で開催されていた秋の特別展も終わりを迎える頃・・・僕はこの時期に思い出すことがあります。それは、文化館で平成16年に開催した「フェノロサ・天心の見た近江」という展覧会です。勤め出して間もなく、社会の教科書でしか触れた事のなかった、でもこの業界(日本美術・歴史系)では当たり前の超有名人:アーネスト・F・フェノロサ、岡倉天心のことを、僕はこの展覧会を通して改めて勉強することとなりました。ま、ここではその勉強の成果はさておき・・・皆さん、フェノロサの墓所が大津市内にあることはご存知ですか?
そこは、三井寺の名で親しまれる園城寺唯一の律院「法明院」の境内の片隅にあります。
フェノロサは、明治時代に廃仏毀釈が進む中、日本美術の素晴らしさを再認識し、膨大な調査を行うことでその重要性を訴えた、いわば文化財の「恩人」ともいえる人物。この業界の片隅に身を置くものとして、また近くにその墓所があるのなら、展覧会のお礼も兼ねて一度お参りしたい、と現地を訪れたのでした。

それからはや十数年・・・ちょっとした散策も兼ねて、このたび久々に訪れてみました。街中から少し外れた山の中腹、静寂と小鳥たちの鳴き声は当時と変わりなく、とても神聖な気持ちになります。「十数年前あの時のあのご縁、今も繋がせていただいております。。。文化財たちは今も元気ですよ。」とご報告。なんだか初心に返った気分です。

今回は、皇子が丘公園のバイパス沿いにある駐車場に車を停めて、えっちらおっちら歩きました。駐車場から往復で約4,000歩弱。歩くのにはいい距離です。今は紅葉も見頃となっていることでしょう。是非お訪ね下さい。

ちなみにその後、まだ少し元気だったので、更に行動範囲を広げて、早尾神社にもお参りしてきました。こちらも三井寺さんと縁のある神社さんです。その境内にあった狛犬の一つが、なんとも可愛らしく胸キュン。。。近くの山上不動尊にも立ち寄り、自分はまだまだ知らないことがいっぱいある未熟者だな~と、新しい出会いに感謝しつつ、ちょっぴりご満悦・・・な時間を過ごしました。とさ(笑)。

筆:あきつ

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兵主の神さまに会いに行きませんか?

先週のブログで、野洲市の御上神社様の展覧会についてご紹介させていただきましたが、今回は、同じく野洲市にある兵主大社様からの素敵な、お知らせです。
琵琶湖岸に近い、野洲市五条にある兵主大社は県下でも有数の歴史ある古社。こちらの神社で、今週末の18日(土)・19日(日)の2日間限定の、御鎮座1300年祭記念事業が開催されます。その名も『二夜かぎりの兵主の神との出会い』!タイトルだけでもすごく惹かれますよね?
この素敵なイベントには、当館が兵主大社様よりお預かりしている『木造神馬』も、特別公開されます!

左の画像は、このイベントのポスターなのですが。。。皆さま視点を下の方に移してください。下方中央に、赤い馬具を着けた、がっしりとした首の白馬の姿が確認できますね。そう!こちらがその『木造神馬』です。ちらりとのぞく歯が今にも嘶きそうで、写真ではなかなか分かりづらいかもしれませんが、実際に目の前にすると、その荘厳さにホレボレする、かなりの「イケ馬(メ)ン」です。実際に皆さまにもぜひとも、ご覧いただきたい!

今回のイベントでは、お預かりしている『木造神馬』の他にも、普段はなかなか見ることのできない神宝などが展示され、奉納イベントなども行われるそうです。そんな貴重な出逢いができるのは、この時だけ!しかも開催時間は2日間とも、午後5時から9時と、本当に「二夜かぎりの出会い」なのです。兵主大社様の国指定名勝の庭園では、毎年恒例の「紅葉のライトアップ」もあり、見どころ盛りだくさんの二夜になりそうです。この週末は、ぜひ、兵主大社様まで兵主の神さまに会いに行かれてはいかがでしょう?(詳しいことは、兵主大社様までおたずねください。)

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「検診」の時期となりました

いつの間にか立冬も過ぎ、暦の上ではもう冬です。「このごろなんだか食欲が止まらなくって。。。」とおっしゃるあなた!それは冬眠の準備に入っているのかも?かく言うワタクシも、あと2週間後には生活習慣病検診を控えているというのに、甘い物が控えられないこの頃です。。。

「検診」と言いますと、文化館で行われている収蔵品の点検調査も、資料の大きさ(≒身長・腹囲?)を測ったり、(レントゲンではありませんが)写真撮影をしたりして、状態に変化がないかをチェックする、ある意味、資料にとっての「検診」なのかもしれません。

 先週のことですが、文化館から他館へ通年展示で貸出ししている考古資料について、その「検診」の時期が参りましたので、先方さまにご協力をお願いし、一時返却をしていただきました。今回受診するものは、高島市マキノ資料館で展示していただいていた宮遺跡出土の須恵器の器と、そこに入っていた和同開珎という奈良時代の銭。高島市の高島歴史民俗資料館の学芸員さんたちに大事に運ばれて、久々に文化館へ戻ってまいりました。

返却された収蔵品は、その後文化館で、細かい部分まで計測したり、写真を撮ったりと、「精密検診」を受けております。学芸員さんの行うこの「検診」、一見静かに淡々と進められているように見えますが。。。漏れ聞くところでは、こんな「問診」があったとか、なかったとか。。。

学芸員さん:最近、具合の悪いところはありませんか?
須恵器さん:もともと持病のカッケ(欠け)があって。。。
学芸員さん:ああ、そうですね。カルテ(調査簿)にもきちんと書いておきますね。。。
急な変化がないようなら、今日は写真だけ撮って、しばらく様子を見ましょうか?
須恵器さん:セッコウは、まだ入れてもらえないんですね。。。

それはさておき、「検診」が済みましたら、またマキノ資料館の方で展示されることになっております。湖西の方へ足を延ばされる際には、ぜひマキノ資料館にお立ち寄りいただき、その元気な姿をご覧いただけると幸いです。
マキノ資料館の見学は事前予約制となっています。予約・問い合わせは、高島歴史民俗資料館 TEL:0740-36-1533/FAX:0740-36-1554 までお願いします。)

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御上の神は相撲がお好き?

「○○の秋」ですね!「○○」には、どんな言葉を入れましょうか?文化館の「文化」と入れたいところですが、今日は元気よく「スポーツ」を入れてみたいと思います。皆さまのお好きなスポーツは、テニス?スキー?それともゴルフ?・・お相撲なんていかがでしょう?!「見るのは大好き!」という方は、たくさんいらっしゃるでしょうね。この12日(日)からは、大相撲九州場所が始まります。先場所で大逆転優勝した日馬富士など、今場所はどんな活躍が見られるでしょうか?楽しみです。。。

さて、文化館で相撲といえば、何といっても野洲市の御上神社様よりお預かりしている『木造相撲人形』です。こちらも大相撲に負けず劣らず大変な人気で、「いつ展示されますか?」などと、リクエスト(?!)のお電話を頂くこともあります。この作品、ただ今地元、野洲市歴史民俗博物館(銅鐸博物館)の「近江の古社 御上神社の歴史と文化」展に出陳中(~11月19日(日)まで)。というわけで!行ってきました!

御上神社の遷座1300年を記念して開催されているこの展覧会では、展示室奥の上座(?)に、この度修理を終えられた重要文化財の木造の狛犬さんがお座りになり、小さく可愛らしい2人の力士の取組みは、その右の方で行われておりましたよ!他にも、国宝の本殿を含む立派な建物のあらましや、曼荼羅や懸仏など神仏習合の遺品なども並べられ、神社の歴史と文化がよくわかる展示となっております。

ところで、展示室をぐるっと回ってふと気づいたのですが、どうやらこちらの神様は、大の「相撲好き」のよう。なぜなら、相撲人形の他にも、秋のずいき祭りの際に、神輿の上ではお猿たちに、そして祭りの最後の晩の芝原式という神事でも子供たちに相撲を取らせていたからです!ずいき祭りも、古くは「若宮殿相撲御神事」と呼ばれていたのだそう。

御上神社の神様というのは、天之御影神(あめのみかげのかみ)といって、これは鍛冶の神である天目一箇神(あめのまひとつのかみ)と同じ神様です。御上神社に近い大岩山からは銅鐸が出土し、周辺の遺跡から金属器生産関連の遺物も発見されているので、そういった人々と関係があったのかもしれません。ですが、なぜ鍛冶の神様が相撲好きなのか?この問題はちょっとやそっとでは語り尽せそうにないので、ここで深入りはしないでおきます。。。ただ、少なくとも御上の神様が「相撲好き」ということであれば、相撲人形の奉納も、神様がお怒りになられた時(例えば、日照りや水害の時?)に、お好きな相撲(の人形)をご覧に入れて、お気を鎮めようとしたのではないか?などと想像を膨らませています。

それはともかく、このようにいろいろと想像力を刺激される展示というのは良いですね~。あるテーマに沿って集められた資料を見て、ただただ見るだけでなく、そこから「あーではないか?」「こーではないか?」と、いろいろ考えてみる。これも博物館の展示の一つの楽しみかたではないかな?と思っています。

来たる18日(土)・19日(日)は、「関西文化の日」ということで、野洲市歴史民俗資料館さんでは入館料が無料になるそうです。他にも「関西文化の日」に参加されている博物館・美術館ではさまざまな特典があるようです。この機会に皆さまも、お目当ての展示を見に行って、楽しんで来られてはいかがでしょうか?

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明治画壇:岸竹堂の赤い糸

皆さん読んでいただけましたか?HP浮城モノ語り第44話「月下狸図」。実はこの記事の編集作業中、文化館で不思議な出来事が起こっていたので、ちょっとご紹介しておきます。

実は、35mmフィルムの資料整理をしている時に、とても興味深い画像を見付けました。それがコチラ、和服姿に凛々しいお顔のイケメン達の集合写真で、「京都画伯の肖像」となっています。これは繪畫叢誌五十四巻(発行兼印刷人 吾妻健三郎 明治24年9月25日発行)の附録に載っているものを、先輩学芸員さんがカメラでコピーしたもののようです。中には文化館の過去の展覧会でもお馴染みであった山元春挙や長谷川玉純、望月玉泉らの姿もあり、彼らが描いた作品は知っていたものの、描いたご本人まで知らなかった僕は、この画像にとてもコーフンしました。作品の印象と描いた本人が一致・・・想像がふくらみます。。。

中でも独特の雰囲気を醸し出して中央に座しておられる方が・・・そうです、何を隠そう、この方が岸竹堂御大!僕の中では、『岸竹堂=「(昭和49年文化館の年賀状にも使用した)虎図」を描いた人!』のイメージだったので、なるほど、ピッタリ納得のイメージです(笑)。今回浮城モノ語りで紹介した作品には狸がいましたね。もしかして動物好き?「かわいい」よりも「野生」の魅力に惹かれた方だったのかもしれません。勝手な妄想ですが(笑)。
(※虎図は、昭和59年に滋賀県立近代美術館に移管され所蔵されています。)
で、このコーフンを事務所の中で声高に発表すると、「私、別のフィルムを整理している時にその虎図がどなたの作品か分からず、ベテラン学芸員さんに昨日聞いて知ったところです!」との声が!

なんと文化館歴の浅い3人が、1人はHP更新作業のために岸竹堂を知り、1人は展覧会資料のフィルムで岸竹堂の作品を知り、1人は京都画壇の写真から岸竹堂ご本人を知るという・・・とても不思議なこの偶然。職場の素人3人組が、同じタイミングで別々に岸竹堂の赤い糸にまみれていたことを大笑いした日となりました。コレ、ベテラン学芸員さんがお休みをされた日の出来事です。

このように、文化館ではしばしば不思議なコトが起こります。。。(笑)。

筆:あきつ

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ホームページ10月のアクセス数

11月になって、早くも街路樹が色づいてすっかり季節は秋らしくなってまいりました。
さて、恒例の10月のホームページアクセス数ですが、おかげさまで、1,352件のアクセスを頂戴しました!見ていただいている平均ページ数も先月より伸びており、本当に嬉しいかぎりです!!
ホームページでは嬉しい10月でしたが、琵琶湖上に建っている文化館にとっては、苦労の多い月(?!)となりました。というのも、二週連続で台風が来訪!(こちらはサイト訪問者様と違い、なかなか来訪してほしくないです…)この台風のため琵琶湖は大荒れ状態で、文化館の周りにも沢山の藻やゴミが漂着しました。文化館の前を通る方から「うわっ!すごい藻!」というお声をいただいてしまったことも。。。まわりの景観を随分と損ねているこの藻・・・さて、困りました。藻刈船:スーパカイツブリの今年の操業は終了したと聞いています。では、どうするか?・・・そこは人力でなんとかするしかありません。
船の上から、水をたっぷり含んだ重たい水草を引き上げるのは大変な重労働。。。それを、快く引き受けて下さっているのは、笑顔のステキな二人のおじさまです。この日も、最高気温が20度にとどかない寒い中、汗だくで作業をしてくださいました。
引き上げた水草の量は写真に写っているコンテナで約70杯分!おかげで清掃後の内池は、見違えるほどきれいになりました。周囲の美観を保つためにも、とても心強いお二人なのです!本当にいつもありがとうございます!

11月は、さすがに台風も来ないでしょう。秋らしく、しっとり、まったり、”文化の秋”を楽しみたいものです。これからも、琵琶湖文化館のホームページをどうぞよろしくお願いします。

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