日別アーカイブ: 2017年11月2日

明治画壇:岸竹堂の赤い糸

皆さん読んでいただけましたか?HP浮城モノ語り第44話「月下狸図」。実はこの記事の編集作業中、文化館で不思議な出来事が起こっていたので、ちょっとご紹介しておきます。

実は、35mmフィルムの資料整理をしている時に、とても興味深い画像を見付けました。それがコチラ、和服姿に凛々しいお顔のイケメン達の集合写真で、「京都画伯の肖像」となっています。これは繪畫叢誌五十四巻(発行兼印刷人 吾妻健三郎 明治24年9月25日発行)の附録に載っているものを、先輩学芸員さんがカメラでコピーしたもののようです。中には文化館の過去の展覧会でもお馴染みであった山元春挙や長谷川玉純、望月玉泉らの姿もあり、彼らが描いた作品は知っていたものの、描いたご本人まで知らなかった僕は、この画像にとてもコーフンしました。作品の印象と描いた本人が一致・・・想像がふくらみます。。。

中でも独特の雰囲気を醸し出して中央に座しておられる方が・・・そうです、何を隠そう、この方が岸竹堂御大!僕の中では、『岸竹堂=「(昭和49年文化館の年賀状にも使用した)虎図」を描いた人!』のイメージだったので、なるほど、ピッタリ納得のイメージです(笑)。今回浮城モノ語りで紹介した作品には狸がいましたね。もしかして動物好き?「かわいい」よりも「野生」の魅力に惹かれた方だったのかもしれません。勝手な妄想ですが(笑)。
(※虎図は、昭和59年に滋賀県立近代美術館に移管され所蔵されています。)
で、このコーフンを事務所の中で声高に発表すると、「私、別のフィルムを整理している時にその虎図がどなたの作品か分からず、ベテラン学芸員さんに昨日聞いて知ったところです!」との声が!

なんと文化館歴の浅い3人が、1人はHP更新作業のために岸竹堂を知り、1人は展覧会資料のフィルムで岸竹堂の作品を知り、1人は京都画壇の写真から岸竹堂ご本人を知るという・・・とても不思議なこの偶然。職場の素人3人組が、同じタイミングで別々に岸竹堂の赤い糸にまみれていたことを大笑いした日となりました。コレ、ベテラン学芸員さんがお休みをされた日の出来事です。

このように、文化館ではしばしば不思議なコトが起こります。。。(笑)。

筆:あきつ

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