日別アーカイブ: 2018年7月5日
七夕と朝顔と牽牛(けんぎゅう)
ささの葉さ~らさら~♪もうすぐ七夕ですね。短冊にお願い事を書いて笹の葉に飾る・・・夜空の織姫さまと彦星さまが、年に1度だけ会えるというロマンチックなお話は、子ども心にウキウキする行事の一つでもありました。空を見上げて、天の川を挟んで織姫(織女星、こと座のベガ)と彦星(牽牛星、わし座のアルタイル)を探す・・・まだ純粋であった頃の淡い思い出。。。が、しかし!夜空を見上げてもなかなか見ることが出来なかった!という苦い思い出があるのは、僕だけではないはずデス!!
それもそのはず・・・大人になるとよくわかる。織姫と彦星が出会うというお話ができた頃に使われていた暦は旧暦(太陰暦)で、旧暦の7月7日は、現在の暦では8月のお盆の頃にあたります。ちなみに今年の新暦7月7日は旧暦で5月24日・・・このズレが、七夕の夜の星空観察を楽しめない原因の一つだったのですね~。道理でキラキラのお星さまに会える確率も少なく、梅雨だ!雨だ!台風だ!!と、織姫と彦星の劇的な再会を阻むヤカラが多いワケです。(でもコレをお子さまに説明して理解してもらうのはムズカシイ・・・)そういえば、お盆の頃の夜空はとてもキレイに星が見えますね。。。
そもそも「七夕」とは、五節句の一つで、五節句はもともと唐の時代の中国から伝わったものです。織姫=織女は機(はた:織物)を織る乙女のことですが、彦星の牽牛(けんぎゅう)は、「牛を牽(ひ)く」という意味があります。そして、この『牽牛』という名前を付けられた花が、あります。牽牛花、それが「アサガオ」です。中国でアサガオの種子「牽牛子(けんごし)」は、古くから生薬として重宝され、高価であり、その対価にウシが取引されたという故事が残されているそうです。あら、なんだかちょっとリアルなオトナの話になっちゃった(笑)。
七夕を前に、文化館で学芸員さんと交わしたとある「会話」の一部を紹介しましょう。
「七夕にちなんだ作品、館蔵品で何かないですか?夏っぽいイメージのものとか」
『○○と△△と□□があるよ』
「ナイスです!」
『七夕で彦星は牽牛と呼ばれているから、牽牛つながりでアサガオなんてどう?』
「いい感じ!」
『でもアサガオは秋の季語だよ?!』
「・・・」
あぁ、こんなところにも季節のズレが!・・・この話、実はまだまだ続きます。それはまたいずれ、ご紹介することといたしましょう。。。
お庭のアサガオが咲くのはまだもう少し先?かな?!大人になっても子ども心のロマンチックを忘れずに・・・アサガオの開花を楽しみに待つことといたしましょう。
筆:あきつ