日別アーカイブ: 2019年6月14日

選定保存技術

突然ですが、みなさんは、影響されやすい、ヒト、ですか??
僕は、すごく、影響されやすい・・・トンボです(笑)。5月に開催された滋賀の文化財講座花湖さんの打出のコヅチ第1回では、「伝統音楽を守る~邦楽器の糸製作」のお話をうかがい、すごく興味をそそられ、それからどうも、思考回路が影響を受けてしまったみたいなのですよ(笑)。

講座では、「文化財の指定」と言えどもいろいろあって、美術工芸品や建造物などの有形文化財、演劇や音楽などの無形文化財、民俗文化財、記念物等々、さまざまな分野があることを知りました。そして文化財の修理や保存に必要な材料・用具等の生産製作に必要な「選定保存技術」である長浜市の邦楽器の糸製作について、楽しく学ばせていただきました。

選定保存技術・・・プライドをかけた職人さんたちの手によって受け継がれる伝統の技・・・・厳しい世界であることは重々承知しながらも、僕のような凡人(?)には羨ましくもあり、憧れる世界でもあります。真摯に仕事に向き合うその姿がステキ。。。そんな職人さんたちが支える素晴らしい伝統の技が、他にもいろいろあるのでございますよ~滋賀県には!!

例えば、当館の所蔵する「本藍染手織木綿」。これは、昭和の作品ですが、国の選定保存技術(本藍染)の技術保持者であった紺九(こんく)の三代目森卯一氏が染めた糸を用いて織り出された布です。
紺九は、明治3年(1870)創業、野洲市小篠原にある紺屋(藍染屋)さんです。卯一氏は、昭和62年(1987)に亡くなられていますが、滋賀県無形文化財保持者でもありました。
野洲川の伏流水を用いた伝統的な本藍染技法から生み出された、濃淡のある味わい深い藍色は、まさしくクールジャパン。藍の栽培から染色まで、化学薬品を用いずに作られる紺九の藍染。国宝や重要文化財などの修復の際に必要な布や紙や糸を、藍に染めあげる繊細な技術は、現在は四代目となる森義男氏(国選定保存技術保持者)らに受け継がれ、今も高く評価されています。

文化財の修理・修復には、作られた当時の素材・技法に限りなく近いものが求められます。伝統技法を守って作られた製品だからこそ、大切な文化財を後世に引き継ぐことができるのですね。文化財を守るためには、文化財そのものだけでなく、修復材料も、それを作る伝統技術も守り伝えていかねばなりません。日本の伝統技術よ!ジャパンビューティーよ!永遠なれ!!

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