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当館の源氏物語画帖「桐壺」に注目!

 NHK大河ドラマ「光る君へ」。吉高由里子さん演じるまひろ(紫式部)が、『源氏物語』をもりもり書いていますね!8月18日放送の第31回「月の下で」で『源氏物語』の第1帖「桐壺」を書き始め、第32回「誰がために書く」でそれが道長から一条天皇のもとに渡り、昨日放送の第33回「式部誕生」では第1帖を追記して、さらに第2帖「帚木」も完成。一条天皇からまひろへ、立腹交じりの称賛が伝えられました。まだまだ続くというこの物語。そりゃそうです、54帖あるうちのまだ2帖ですからね・・・!

 さて、当館所蔵の源氏物語画帖には、10の詞書と絵がありますが、この中にドラマに登場した「桐壺(きりつぼ)」と「帚木(ははきぎ)」も収録されています。今回は、まずは「桐壺」について、どのように描かれているかな?と見ていきますと・・・、


宮城野の露吹きむすぶ風の音に小萩がもとを思ひこそやれ

(宮城野-宮中を吹き渡る風の音に涙がさそわれるにつけても、小萩-若君はどうしていることか思いやられます)

 光源氏の母・更衣が世を去り、悲嘆する帝が、更衣の里へ送った手紙に添えられた歌です。手紙には、愛する更衣が亡くなった悲しみにくわえ、里にいる幼い若宮(光源氏)のことが心配であるため、宮中に来るようにと記されており、この後に光源氏は参内します。

(源氏物語画帖のうち「桐壺」 当館所蔵)

 場面変わって「桐壺」の絵画は、宮中で聡明さを見せる7歳の光源氏を、右大弁が七条朱雀にあった鴻臚館(外国使臣を接待し宿泊させるための官邸)に連れて行き、高麗の相人に占わせたところです。そこで、「帝位につけば国が乱れるが、朝廷の重鎮となって政治を補佐する人かと言えばそれも違う」と高麗人は不思議がります。

  石張りの床に異国情緒を感じる屋敷の中、一段上がった畳の上に坐るのが光源氏。その傍らに右大弁がいて、高麗の相人は不思議がるように光源氏を見つめています。外にはお付きの人たちや、光源氏が乗って来た牛車も描かれています。

 「桐壺」は光源氏の誕生から12歳までが、続く「帚木」には光源氏17歳の夏が書かれています。「帚木」についてはあきつブログでも登場したことがありますが、次回は改めて当館の源氏物語画帖のうち「帚木」の詞書と絵について、ご紹介できたらと思います♪

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