月別アーカイブ: 3月 2025

鎌倉時代の仏像発見! & 文化財保護法成立の歴史に関する資料発見!【琵琶湖文化館研究紀要・発刊】

 今年もこんな季節になりました(→)。
 皆さま、いかがお過ごしですか?? この時期の文化館と言えば・・・そうです!一年の総まとめ!調査研究の成果をまとめた「研究紀要」の発刊です!

 当ブログを定期購読(?!)いただいている皆さまであればお気付きでしょうか?1月からこちら、ブログの更新回数が若干少なくなっていたことを・・・。それもこれも各担当が執筆活動に勤しんでいたため!(モチロンそれだけが理由ではありません(笑)。)その成果は?出来栄えは??・・・おかげさまで今年度 仕上がりは上々、充実の内容となっております!

玉林寺(守山市洲本町)所蔵 銅造薬師如来坐像について
 令和6年に実施された調査の結果、鎌倉時代の希少な金銅仏として確認された、玉林寺の銅造薬師如来坐像。科学的調査の結果とともに、本像について詳細に報告 。

衆議院法制局試案・重要文化財保護法案要綱について
 ガリ版刷りの「重要文化財保護法案要綱」の発見および翻刻。当館初代学芸員の宇野茂樹氏(1922~2018)による書き込みにも触れ、文化財保護の歴史の一端を振り返る。

◆【研究ノート】休館中の琵琶湖文化館における収蔵環境管理について
 築64年の建物、17年休館中の当館における文化財収蔵環境についてまとめる。長期休館に関わる課題を中心に、現状とその対応を紹介。

【研究ノート】 琵琶湖文化館の建設費協力箱について
 昭和34年(1959)に県立滋賀会館に設置された、当館の建設資金を募る「建設費協力箱」について、昭和期の寄付活動や募金箱とともに紹介。

  ◆【令和6年度年報】活動報告など

 何度もくじけそうになりました。発行が危ぶまれた年もあります。とはいえ、先輩から引き継がれてきた「琵琶湖文化館 研究紀要」発刊の伝統を、博物館として調査研究の成果を皆さまに披露する、この機会を、その意義を、こうして継続して来れたことに感謝したい・・そんな第41号でゴザイマス(ただし苦労も多かった~(笑))。

 当館の「研究紀要」は、県内の図書館はもとより国会図書館や市町教育関係機関、博物館などにも送付しております。是非皆さま手に取ってご覧くださいませ 。

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5館連携★合同記者発表会!

2025/03/21 滋賀県庁にて

 3月21日に「県立5館ミュージアム合同記者発表会」が開催されました!安土城考古博物館、陶芸の森、県立美術館、琵琶湖博物館、そして当館:琵琶湖文化館の、県立5館の連携を発信するため、このたび初めて開催。5館の館長・副館長が集まり、記者に向け令和7年度の取組を発表しました。

 記者発表会では、はじめに5館それぞれが、主に展覧会のテーマについて紹介しました。

 当館からは井上優副館長が出席。令和7年6月3日(火)~8月3日(日)に安土城考古博物館にて開催する、地域連携企画展「明智光秀と近江」についての発表です!また、新しい琵琶湖文化館についても、県民と一緒に盛り上げていきたい「県民フォーラムⅤ」をはじめとする様々なイベントも、決まり次第発表していくと説明いたしました。

 発表会の後半は、県立美術館の保坂館長(ディレクター)がモデレーターとなり、フリートークを開催。実はドレスコードがあるとのこと(気づかなかった!)。琵琶湖をイメージして、みなさん青いものを身にまとっているそうです♪

 フリートークでは、保坂館長が話を振っていきながら、5館の多彩な連携や展覧会の内容について、詳細なお話がありました。当館の井上副館長へは、来年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟」との関連について保坂館長から話が振られ、井上副館長は「琵琶湖文化館でも何らか関連付けて発信したい」と発言が!あきつブログでも「豊臣兄弟」を扱うことになると思いますので、どうぞお楽しみに♡

 さらに記者からは、
 「なぜ今、県立5館の合同記者発表に至ったか?」
 との質問が!

回答その1「バブルの時代ではバチバチのライバル関係(衝撃ですね💥)になることもあったが、連携が重視されてきた昨今の情勢もある」
回答その2「分野の異なる博物館が連携した展覧会やイベントを開催することで、いろいろな視点から、滋賀県のこと・琵琶湖のこと・文化財や歴史のことが分かってくる」

 県立5館が連携していくことで、より多視点で魅力的な滋賀を発見できる…!素敵ですね✨

 そして5館のつながりを見せられる何かを作ろう!?5館の年間スケジュール表を○○で作ろう!??など、館長たちのその場限りの自由な発言に、笑いに包まれる場面もありました(笑)。

 とてもなごやかな記者発表会となりました。保坂館長もおっしゃっていましたが、県内外・国内外の人に、ぜひ県立5館を周遊していただきたい、万博等で大阪や京都が混雑しているときに、滋賀に来てホッとしていただきたいと思います。また、歴史だけではなく、美術や自然など、様々な入口となる館があるので、1館行ったときに「もう1館行こうかな」というきっかけづくりになればという発言もありました。

 当館は休館中ではありますが、令和7年度も地域連携企画展に取り組むほか、滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」や、新しい琵琶湖文化館に関するイベントも様々に予定しております。詳細は随時発表いたしますので、ぜひご参加お願いいたします♪

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県民フォーラムの結果を公開!

 あきつブログをご覧のみなさま、2月11日開催の県民フォーラムでは、ご参加どうもありがとうございました!

 残念ながらお越しいただけなかった方もいらっしゃるかもしれませんね😢そんな方にも県民フォーラムの内容をお届けしたいと思います!

 このほど、県民フォーラムではどんな議論があったか?という結果をまとめたものを、滋賀県のHPにて公開しました。ページの上の方にあるリンクから、PDFをご覧くださいませ♪

 PDFでは、各登壇者の発表をまとめております。そしてゲストスピーカーの大津市歴史博物館・木津副館長からの質問に応じた議論や、会場からの質問への回答も掲載しております。紙面の都合から割愛させていただいた点は多くありますが、ブログとあわせてご覧いただくと、当日の雰囲気が伝わるのではないかと思います。 

 あと、サラッと書いていますが、【会場特設コーナー】の欄も注目です!当日、新文化館への寄付の受付もしたのですが、な・な・なんと、

   寄付者数:34名
   寄付金総額:53,021円!!!

という、たくさんのご寄付をいただきました。みなさま、本当に、ほんっと~~にありがとうございます!!!みなさまからいただいた寄付金は、大切に使わせていただきます。
 また、来年度以降もこうした寄付受付の事業を進めていく予定ですので、引き続きのご協力をよろしくお願いいたします。

 さてPDFに戻りますと、後半はご参加いただいたみなさまが答えてくださったアンケートのまとめです。アンケートを拝読していると、応援メッセージが多く、感激!!!今後も県民フォーラムを開催してほしいという声もたくさんいただきました。

 みなさま本当にありがとうございます。あたたかいお言葉を励みに、来年度もはりきっていきますので、どうかよろしくお願いいたします✨

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文化館の収蔵品・目に留まる!?

  突然ですが、当館のお仕事の一つに、出版社やテレビ局からの依頼を受けて、画像データを提供するお仕事があります。さまざまな媒体を通して、当館の収蔵品が皆さまのお目に留まる・・・機会も意外と多いのですよ!?気付いておられますかね~♪今日はそんなお話です。

 まず、画像提供で今年度一番依頼が多かったのは・・・コチラ「山法師強訴図」です。

山法師強訴図(部分) 本館蔵

 受験を頑張ってこられた皆さんは、見覚えアリ??山法師(武装した僧侶・僧兵)たちが、神様の威光をかざして神輿をかつぎ、朝廷や幕府に無理やり訴えを通そうとする「強訴(ごうそ)」の場面が描かれています。
 平安時代後期、強大な権力を持つ白河法皇が、朕(自分)の意のままにならぬものとして「賀茂川の水、双六の賽、山法師」の三不如意を挙げたという有名なエピソードがありますが、実際の画題として描かれることは珍しく、本図は貴重な絵画資料として、教科書や大学入学試験の問題集などによく掲載されます。
 

 勉強がはかどらなくて、ついイラっとしてしまったら、このオジサマ・・・否・・・僧兵たちのお顔に注目してみましょう。その表情はちょっぴりユーモラス(?!)・・・きっと肩の力が抜けて、勉強がはかどりますヨ(笑)。この僧兵を見かけたら“要チェック”です!
 

 そしてもう一つご紹介したいのがコチラ、円山応挙が描いた「狗子(くし)図」。見てください!このモフモフ♡この愛くるしさ、見過ごすことなんて出来まセン!

狗子図 円山応挙筆(部分) 本館蔵

 ということで、近年大注目の文化館のワンコ、「日本のことばずかん いきもの」(講談社発行)や、日本美術・日本文化を紹介する雑誌「和樂 4・5月号」(小学館)などにも、掲載いただいております。

 
 
 
 
 
 

 日々慌ただしく過ごす皆さまに、ほっと一息、気持ち和ますお時間を・・・ただただ、この可愛さを愛でていただきたい、文化館のワンコデス(笑)。

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