カテゴリー別アーカイブ: あきつ

歴史探偵あらわる・大津事件

 2月某日、とある来訪がありました。その方たちは、事件で凶器となった重要物品であるとか、血に染まったハンカチであるとか、その他関係資料もろもろ、時間をかけて丹念に調査をされておりました。対応した学芸員は「ドキドキした・・・」と申しております。平穏な文化館でいったい何が・・・?!

 カンのいい方はもうお分かりですね?実はコレ、当館が所蔵する「大津事件関係資料」を取材に来られていたのです。

 大津事件は、1891年(明治24年)、訪日中のロシア皇太子ニコライが、遊覧先の大津で、警備にあたっていた巡査・津田三蔵にサーベルで切りつけられ負傷を負った事件です。
 世界を揺るがす大事件は、司法権の独立や三権分立、領事裁判権の撤廃など、日本の近代を語る上で、“激動”のきっかけとなった事件・・・としても有名です。

 今回撮影に来られたのは、NHKの放送番組「歴史探偵」クルーの皆さん。熱心に話を聞き、時に鋭い質問を投げかける、その話術の巧みさ・・・さすがは皆さん名探偵?!(笑)♪

 番組では、探偵社の所長(?)を務める俳優・佐藤二郎さん方々の名推理により、歴史のナゾが新たに解き明かされます??!気になる放送日は・・・↓

 令和6年4月3日(水)22:00~ NHK総合
「歴史探偵 日露戦争 知られざる開戦のメカニズム-」

です!
 なぜ、日本とロシアは戦うことになったのか?すれ違う両国、開戦への世論の高まり・・・大津事件は歴史にどのような影響を及ぼしたのか・・・番組をお見逃しなく!!  

  「大津事件関係資料」は、事件で凶器となったサーベルやニコライの血をぬぐったハンカチ、津田の取り調べ調書などが、滋賀県指定の文化財となっています。

 歴史の生き証人である文化財、歴史の謎解く文化財・・・皆さんが事件の目撃者です。番組をお楽しみください。

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親子で体験「ミニ屏風をつくろう!」守り人!

 現在、安土城考古博物館で開催中の地域連携企画展「近江の文化財を継ぐ-修理・複製・復元-」。3月24日には関連イベントとして親子で参加するワークショップ「ミニ屏風をつくろう!」が開催されました。

 初めに展示室で実際の屏風をご覧いただき、屏風の構造などをご説明。イマドキのご家庭では「もしかして屏風を知らないってことも・・・?」という一抹の不安がありましたが、参加の皆さんは「知っている」「家にある」とのご回答♡スタッフ一同ほっと胸を撫でおろしました(笑)。 先ずは第一関門クリア(!)です!

 別室に移動し、いよいよここからが本番! 作りたい屏風の絵柄を選んでいただきました。当館の収蔵品の中から、おススメのワンコ(犬)やお祭り、光源氏なみの男性とお姫さまが登場するやまと絵、などを用意していたのですが・・・意外にも(?!)子どもたちが選んだのは、近江八景を描いたシックなもの!・・・皆さん「通」ですね・・・母なる湖/琵琶湖に関係する絵柄を選ぶとは、さすがです♪
 組み合わせる下地の模様を決めていざ実践!

 講師を務めた岩﨑学芸員の手ほどきを受け、ハサミやノリを使って工作をすすめる子どもたち。ちょっぴり緊張ぎみです(笑)。

 作る過程で一番『肝心』なトコロは、屏風と屏風をつなぐ「蝶番(ちょうつがい)」!・・・と言っても金具ではないですよ?!本物の屏風と同じように「和紙」でつなぎます。和紙を貼って、ひっくり返して、上下を交互に貼り付けて・・・(ここでは説明を端折りマスが)、こうすることで、屏風は前にも後ろにも開くことが出来ます。うまく合わせられるかキンチョ~の瞬間・・・この難関を乗り越えれば、あとはサクサク♡選んだ下地と絵柄を貼って、ミニ屏風の完成です♪

 今回のワークショップで「屏風づくり」を企画したのは、「文化財を守り伝える、そのためには、モノの素材や構造・仕組みを理解しておくことがとても大切」ということを、知っていただきたかった・・・ためです。

 使った材料はホームセンターなどで手に入る発泡スチレンボードですが、和紙でつなぐことで本物と同じように開いたり閉じたりすることができました。
 参加した子どもたち、次に屏風を見る時には、描かれた絵より何より、先ず合わせ部分(紙蝶番)に目がいってしまうコトでしょう!(笑)。「あれ、紙でくっついていて、どっちにも開くんやで」と、お友達にも教えてあげてくださいね!

 最後に、楮(こうぞ)やミツマタなど、原料が異なる手漉き和紙の“触り比べ”をしていただきました。「実はお札にも和紙が使われている」との説明に、とてもびっくりした様子の子どもたち。改めて質感を確かめていましたね~(笑)。伝統を受け継ぐ日本の技を、最も身近に感じて貰えた瞬間かもしれません(笑笑)。

 

 ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました♪。今までとは違った視点で、文化財を見ていただくことができたなら・・・皆さんはきっと「文化財の守り人」です!

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~約100年ぶりの再発見~西郷隆盛の自筆書簡が滋賀にあった!

 こうも連日、喜ばしい記事を掲載してもいいのでしょうか・・・いいのです!皆さんしばしお付き合いください!!
 今日のニュースは特別・驚きますよ~。なんとあの西郷隆盛が書いた直筆の書簡が滋賀で(再)発見されました!

 コトの発端は昨年秋、とある個人の方から当館に、文化財を寄託されたことから始まります。お品を見せていただいたところ、不思議なことを言い出す人がおりました。
 
  「アレ?おかしい??自分、どこかで見た記憶がある・・・
  「 いつですか?」
  「 小学生の頃・・・
  「 ?」
なんとも奇妙な会話を交した数日後・・・

  「 やばい、モノホン(本物)の可能性がある。
 ちょっと詳しく調べる!見た気がしたはずやわ
  「 いったい何を?」
  「 西郷隆盛が書いた手紙
  「 ・・・!!!・・・」

少し説明させていただくと、この「(ビックリマーク)」3連発には様々な意味が含まれます・・・↓

①えッ?西郷隆盛
②小学生でも知っている明治維新の立役者の「書」がなぜ滋賀に?!!
③・・・小学生の頃見た記憶が、ってアナタそんな頃から墨で書かれた達筆文字・読めたのですかーッ?!・・・それが記憶に残っている、とはどんな小学生ですかーッ!!!

 突っ込みドコロ満載の会話のあと、副館長の動きは素早かった・・・そう、このたび発見の書簡を確認したのは当館の井上優副館長。感受性豊かな少年期を過ごし、大人になられた副館長の専門は「書跡・典籍/古文書」などの文化財です。いろいろ納得できました(笑)

西郷隆盛書簡 個人蔵[琵琶湖文化館寄託]

 前置きが長くなりましたね。 書簡について、その真贋や内容を調査鑑定したところ、アメリカ滞在中の大久保利通にあてた西郷自筆の書簡原本であることが、判明しました。昭和2年(1927)に紹介されながら所在不明となっていた重要史料の再発見です!

【収蔵品紹介】西郷隆盛書簡
➡リンク
 
【琵琶湖文化館研究紀要第40号】
再発見した西郷隆盛書簡とその伝来について➡リンク

 この書簡は、琵琶湖文化館地域連携企画展として、令和6年5月27日より滋賀県公文書館において特別公開する予定です。

 皆さんおまちかね、毎年恒例“あの講座” でも、 詳しいお話を聞くことができるかもしれません?!(→聞けます!!)

 約100年ぶりに滋賀で見つかった逸品に・・・みなさんソワソワしてくださ~い♪♪

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滋賀県に新たな指定文化財・誕生!

 今日も・うれしいニュースが飛び込んできました!本日、令和6年3月19日、有形文化財5件(絵画1件、彫刻1件、工芸品1件、歴史資料1件、考古資料1件)、史跡1件が、新たに滋賀県指定の文化財等になりました!

絹本著色六道絵 中谷求馬筆
 天道幅に白雲洞貞幹行年七十六歳写の款記がある
  15幅 [大津市・聖衆来迎寺所有/琵琶湖文化館寄託]
木造神像 (男神坐像1 女神像1 女神坐像1 女神坐像1)
  4躯 [甲賀市甲南町・矢川神社所有]
金銅七宝装神輿 1基 [長浜市・常喜町所有]
成菩提院制札 4枚 [米原市・成菩提院所有]
  一、永禄十一年八月日織田信長 禁制1枚
  一、天正十年十二月日丹羽長秀・ 羽柴秀吉連署禁制1枚
  一、慶長五年九月日小早川秀秋禁制 1枚
  一、慶長五年九月日小早川秀秋禁 制案 1枚
   附、禁札箱(元禄十三庚辰秊三月吉祥日の銘がある)一合
春日北窯跡出土品 1,627点 [滋賀県所有]
春日北窯跡(甲賀市水口町) 1件 [滋賀県所有]

以上の6件です!!いやぁおめでたい!! 何をこんなにコーフンしているのかと言いますと・・・当館にも少なからずご縁のある品が2件・・・新たに指定されております~。お気付きですか?

 先ず一つ目は、六道絵。聖衆来迎寺さまから当館にご寄託いただいております。こちらは同寺に伝来する国宝・六道絵15 幅の模本(もほん:模写して作ったもの)ですが、江戸時代後期の文政6 年(1823)に近江国坂田郡今村(現長浜市今町)出身の絵師、中谷求馬(なかたに もとめ:1748~1832)によって描かれました。当館では国宝・六道絵と区別して「文政本」と呼んでいます。

滋賀県指定有形文化財 六道絵  [ 聖衆来迎寺所有] (写真提供:滋賀県)
【⤴クリックすると琵琶湖文化館の収蔵品紹介にリンクします】 

 ここで皆さんに思い出していただきたいのが、先日のギャラリートークでの一コマです。会場で、当館の岩﨑学芸員は言いました。複製された作品には、時として「オリジナル(原本)と同じくらいに伝わる情報がある」と〔3/11付けブログ〕 。

 経年とともに劣化するオリジナルの情報を今にとどめるという意味では、代替品はむしろ後世にとってはかけがえのない文化財となり得る・・・あの時、“何か”を必死に伝えようとした学芸員の表情・・・まさしく!この度の新指定のことではないでしょうか??!我らが学芸員、見事な伏線回収(!)でゴザイマス(笑)。 
 皆さま、模本をモホンと侮るなかれ・です!!本図は、原本のきわめて正確な模本であり、原本で確認し難い図様を把握することができる絶好の資料として評価されました。

「成菩提院 寺宝展」ちらし
(制札:写真右下)

 そして、もう一つは成菩提院制札です。そう、昨年11月に実施した地域連携企画展「成菩提院 寺宝展」の会場でも展示されていた制札です。講演会では、柏原宿歴史館の谷口徹氏に詳しくお話をうかがいましたね〔11/6付けブログ〕。織田信長や丹羽長秀、羽柴秀吉、小早川秀秋らの花押が鮮明に残っていたあの制札。県内では、紙に書かれた古文書の「禁制」は相当数存在するものの、木札の形で保管され、かつ保存状態の良い中世の「制札」はめずらしく、戦乱に巻き込まれた戦国期近江の歴史を力強く語る歴史資料として、このたび指定されました。

 ご縁のあった作品の価値が改めて再認識される喜び♡滋賀県の、滋賀県らしさが際立つ新指定文化財でございます♪

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講座「文化財修理で引き継ぐ心 -近江の文化財修理を例に―」開催しました

 現在、安土城考古博物館で開催中の地域連携企画展。3月17日に開催された関連講座は、株式会社坂田墨珠堂の坂田さとこ氏を講師にお迎えし、貴重なお話をうかがいました。

 「文化財を後世に守り伝える一助となる」
 これは、坂田氏が大津市に構える文化財(美術工芸品)の修理工房で掲げるスローガンなのだそうです。最初は「大切なことをすごく控えめに表現されているなぁ」という印象でしたが、講座でお話を聞き、文化財修理の事例を動画をまじえて見せていただいた後ではむしろ、「このスローガン以外に表現する言葉が見当たらない」・・・と、考えが改まりました。

 皆さんは「文化財修理」についてどのようなイメージをお持ちでしょう?頑固で無骨な一本堅気の職人さんが、黙々と仕事を進めておられる・・・そんなイメージ??(勝手な想像を・・・スミマセン。)確かにその技術も必要なのですが、坂田氏は「まるでお医者さんみたいな」お仕事だと言っておられました。弱ったところはどこですか?お薬で直せそうですか?手術が必要ですか?

 例えばこちらのスライドは、現在展示中の薬師十二神将像の修理に際して、顕微鏡で撮影された写真です。(絵具を調べると、この時は鉱物を使った顔料でキラキラしてまるで宝石のようだった、と言っておられました!)確かに理科の実験結果のような・・・時には光学カメラや赤外線カメラなど先端技術を駆使して、作品の状態を見極めることも必要です。それらの結果をもって作品の“カルテ”を作り、使う材料を選定し、修理の方針を決定します。

 修理の方針・・・そう、私たち博物館として修理に立ち合う際も、このカルテの情報は大切です。併せて作品が持つ歴史的意義やその内容を吟味しつつ、オリジナルを損なわない修理方法とすること。そして文化財の所有者の方に説明を尽くし承諾をいただいてから、現在出来得る最善の方法で修理を行います。時には修理を未来に託すという選択も・・・慎重を要するが故の難しい判断、共に担って下さる心強い存在が修復師の皆さんなのです。(結果として、ミリ単位の細か~い作業の修理をお願いしてしまうことになるのですが・・・(笑)。)

 何年も受け継がれてきた文化財には、必ずまた修理をする日が巡ってきます。将来、安全に再び修理することが出来るよう、決して過度な修理は行わず、後世に伝える「一助」となる。歴史と伝統の一部に携わる誠実さと信念が伝わる、良いスローガンだと思いました。

 最後には、工房で使っておられる修理道具で実演もしていただきました。ご参加の皆さんもすごく熱心に質問されていましたよ。よく見ると道具には名前も記されており、大切な“相棒”として扱っておられることがよくわかりました。

 講座終了後、展示室に移動して、修理に携わった作品と久々のご対面を果たされた坂田氏。本展を担当した岩﨑学芸員と、文化財修理の未来について熱く語り合っておられました。

 坂田氏の夢は「将来は文化財の修復師になりたい!」と言う子どもたちが増えること・・・なのだそうです。そのために現場を知ってもらう、未来につなげる修理の仕事を皆さんに認識していただくことが大切で「活動を声に出していきたい。それが私の役目」と語っておられました。会社の社長という立場だけでなく、業界のお母さん(?!)として将来を見据えておられる姿に“愛“を感じました。感謝いたします・素敵です♡

 今回、講座に参加出来なかったという方は、会場で「おしえて!!まめのぶくん」のパネルにご注目ください。文化財修理に対する「?」や、展示で伝えたいことを、まめのぶくんがわかりやすく解説しています。

 展覧会も後半に突入し、会場では一部作品の展示替えを行いました。地元・近江八幡市の長命寺さま、新宮神社さまの作品も出陳されておりますので、地域の方もぜひ会場へ足をお運びくださいませ。

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博物館実習が実を結んだ『重文』指定!

 このたび嬉しいニュースが飛び込んできました。本日開催された文化審議会文化財分科会の審議・議決によりますと、美術工芸品で新たに国宝6件、重要文化財36件を指定することについて、文部科学大臣に答申。これにより我が滋賀県からは、新たに1件(書跡・典籍の部)が、重要文化財新指定となる見込みとなりました!それは何かと言いますと・・・
 元版一切経(げんぱんいっさいきょう) 2,892 帖 園城寺(三井寺)所蔵
でございます。実はこちらのお経、当館の長い歴史の中で、浅からぬご縁がございまして。
・・・と言いますのも・・・・・

「博物館実習に来られていた(当時の)お兄さ~ん・お姉さ~ん!皆さんの実習の成果が実を結びましたよぉ~!!」
 
・・・思わず叫んでしまいました。こちらの写真は平成5年(1993)に撮影された、
  文化館「名物」の?・・・(何か違う)・・・
  文化館「伝説」の?・・・(ニュアンスが)・・・
  文化館「伝統」の!・・・(正解!!)
“現地”博物館実習の様子です♪まさにこの時、学生さん達が園城寺さまにて調査していたのが、このたび重要文化財に指定される一切経だったのです!

 文化館の博物館実習は(良い意味で)スパルタです。
 学芸員資格を得るという志を持った学生さんを、大学を通じて受け入れるのが毎年だいたい7月。5日間の日程で、初日と2日目は博物館とは何ぞやという基礎を学び、3・4日目に“合宿”で、現地実習が行われました。
 この合宿でよくお世話になったのが園城寺さまです。暑いさ中、お経のある一切経堂でひたすら汗を拭きふき資料を調査、夜は観音堂に泊まらせていただくという、ありがた~い学びの場でありました!

平成5年(1993) 琵琶湖文化館博物館実習の様子(園城寺一切経堂にて)

 ここで申し上げておきますが、当時のことを悪く言う人はいません。大人になった今聞いても「楽しかった」「思い出深い」と言っていただける現地実習です。(それはお泊りの夜、“密かに”おこなわれた夜通し勉強会〔という名の一発芸&ものまね大会〕があったからかもしれません・・・これぞ伝統!)5日目の最終日には、打ち解けた様子で爽やかに巣立って行った『文化館チルドレン』(?)たち(笑)。今はどうしていらっしゃいますかね~様々な分野でご活躍のことと思います♪♪♪

 で、話を戻しますと、この学生さんたちの基礎調査が約20年後に実を結び、今回の重文指定に繋がった・・・と言って間違いゴザイマセン!!皆さん、思い出を懐かしみつつ、お祝いしようではありませんか!!よく頑張りました◎◎◎!

令和5年(2023) 事前調査の様子[滋賀県提供]

 ちなみにこちらの写真は、昨年、梅雨入り前に、文化庁の専門技官さんや文化財調査のスペシャリストさんが行った、“専門家さん”たちによる調査風景です。さすがに漂う雰囲気が違う
・・・貫禄!・・・さすが、でございます(笑)。

 多くの人々の並々ならぬ協力と調査・研究を経て、新たに指定文化財となる一切経。

 文化館チルドレンを代表して、心よりお祝い申し上げます☆☆☆

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地域連携企画展 イベント開催♪

 現在、安土城考古博物館で開催中の琵琶湖文化館地域連携企画展「近江の文化財を継ぐ-修理・複製・復元-」。皆さんはもうご覧になりましたか?3月には関連イベントがありますので、ぜひご参加ください♪

[1] ギャラリートーク 3月9日(土)10:30~・15:00~

[2]関連講座 ※往復はがきによる事前申込制(先着順)

① 3月9日(土)13:30~
 「復元!紫香楽大仏の鋳造技術」 講師:大道和人氏 (安土城考古博物館)
 参加費:300円 定員:100名
② 3月17日(日)13:30~
 「文化財修理で引き継ぐ心 -近江の文化財修理を例に―」
  講師:坂田さとこ氏(株式会社坂田墨珠堂)
  参加費:500円 定員:100名

【申込先】
〒521-1311
滋賀県近江八幡市安土町下豊浦6678
滋賀県立安土城考古博物館 宛
【往信裏面】
1)企画展関連講座申込
2)参加希望回
 ※①と②を合わせて申し込みも可
3)ご住所 4)お名前 5)電話番号
【返信表面】
返信用の郵便番号、ご住所、お名前

[3]親子たいけん博物館 ※事前電話申込制(先着順)

 3月24日(日)10:30~・14:00~
 「ミニ屏風をつくろう!」
  参加費:700円 定員:各10名

 各イベントの申し込み方法など、詳しくは滋賀県立安土城考古博物館(Tel:0748-46-242)までお問い合わせください。

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2/10から開催!地域連携企画展「近江の文化財を継ぐ-修理・複製・復元-」

 休館中である当館の収蔵品を他館で展示公開する「琵琶湖文化館地域連携企画展」。2月10日からは、滋賀県立安土城考古博物館さんと連携した「近江の文化財を継ぐ-修理・複製・復元-」展が始まります!

 ということで、今週は展覧会の準備モードで忙しくしています。当館から出展する作品は、しっかりと点検と梱包をおこない、会場となる滋賀県立安土城考古博物館へ搬送いたしました。

  そして今日は、当館の学芸員たちも朝から会場へ直行し、展示ケースに作品を並べる陳列作業です。

  「うーん・・・もう少しだけ低い方が見やすいかな?」
  「こんな風に並ぶなんて、この展示ならではですね~」
  「このケースの中に並べる順番・・・お客さん目線はこぅかな?あぁかな?。。。」
  「もう少し左を上げてくださ~い」
などなど、いろんな“声”も和気あいあい(笑)、チームワーク高めに準備を進めています♪ 順調デス♪

滋賀県立安土城考古博物館

 今回の展示は、安土城考古博物館と琵琶湖文化館の収蔵品から、修理・複製・復元の3つの手法を中心に、文化財を後世に伝える現場のお仕事も紹介します。人と文化財をつなぐ、たて糸とよこ糸のような(!?)博物館の役割についても、皆さんに知っていただく機会となれば・・・とっても嬉しいです♪

 展覧会は2月10日(土)から、会場は近江八幡市にある滋賀県立安土城考古博物館さんです!皆さまぜひご来場ください!!

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1年が経過して語れるお話 文化館の大トンボ

 寒かった・・・あの日も寒かった。。。1年前のあの日、予定通り、想定通りにうまくコトが運ぶのか、ドキドキしながら1日を過ごしておりました。

 あの日・・・令和5年1月26日、文化館のシンボルとして長らく皆さまに親しまれてきた、屋根の上の大トンボ(モニュメント)が深夜に取り外されてから早1年。すでに懐かしい・・・。

 文化館の日常を綴る「あきつブログ」、その様子を速報で皆さんに伝える(掲載する)べきところ、(直後はさすがに少し心が落ち着かなくて言葉にできず)「写真集」での紹介とさせていただきました。ということで、1年が経過して語られる裏話です 。

 大トンボの撤去は屋根の改修工事に併せて行われました。湖上約40m、湖岸の道路から30m離れた大トンボを吊り上げるために手配された大型のクレーン車。文化館前の道路は通行規制。深夜のため作業を見守ったのは一部の職員と報道関係者のみでした。

 地上では、鉄塔と大トンボを切り離すグラインダーの音ばかりが聞こえ、どのくらいの進捗かわからずにいると、誰かが叫びました。「トンボが飛んだ!」!!見ると吊り上げられた大とんぼが、文化館の大屋根から、ゆっくり離れていきました。地上に降ろしてから、大トンボを回転させていたモーター部分を切り離し、身軽になった大トンボは再び飛翔、文化館の小さい方の館(別館)に移されました。

 問題はこの別館の入口。大トンボの大きさ・長さよりも間口が狭く、どうやって建物の中に入れるか、直前まで頭を悩ませました。結果、屈強な男性陣の知恵と力のおかげで、トンボの頭を下にしっぽを上に、大きく斜めに傾けて、無事に建物の中に収めることができました。

 文化館のシンボルモニュメントを深夜に取り外すという緊張と寒さのため(?)、いざという時に肝心のカメラが壊れる(涙)ハプニングに見舞われたりもしましたが・・・。すべての作業が完了し、絶妙のクレーンさばきをしていただいた運転手さんにお礼を言うと、「こっちこそいい仕事させてもろたわ」と返された笑顔が印象的でした。

 その後、大トンボの背中に銘板が見つかったり、元々金色に塗られていた痕跡を発見したりと、何かと楽しませてくれる文化館の大トンボ・・・元気です!

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講演会 お話ししてきます

 皆さんチェックされてますか?1月20日(土)に、湖南市にある長寿寺さまで、“とある講演会”が開催されます。何の関連かと申しますと・・・・

 その存在・・・全国的にはめずらしく、滋賀県内では彦根市や日野町、多賀町、守山市などに、祀っておられるお寺さまがあります。 小さいながらに抜群の団結力(チームワーク?)で、見る人の度肝を抜く、圧倒的な存在感。それはそれはとても不思議な存在・・・・・。

 何のこと? ピンときた??

 今回の講演会は、「近江の小さな仏たち―近江の千体仏・千体地蔵-」の関連講演会として実施されます[主催:近江の祭り研究所]。長寿寺さまは、六臂(六本の腕)のお地蔵さまの周囲に約1万2千体(!)の小さいなお地蔵さまが描かれた地蔵曼荼羅を所蔵されており、クラウドファンディングを活用して修復されたことでも話題となりましたね。当日は、拝観と藤支良道住職のご講演、そして当館の和澄浩介学芸員の講演が予定されています。(※申込は締め切られています。)  

 ・・・このご依頼をいただいた時、和澄学芸員の顔が満面の笑みであったことを、僕は(こっそり)見ていましたよ(笑)。楽しみですね。講演は「近江の地蔵信仰と古像」というタイトルで、たっぷりお話しさせていただく予定です。
 参加の皆さま、近江に伝わる地蔵信仰について、 いっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっぱいお勉強してきてくださいね♪

 残念ながら申し込んでいない!という方・・・本ブログ冒頭の画像にご注目~。この「千体あきつ」(全然足りない・・・!)には、他とは違うあきつ君が実は3体、紛れ込んでいます。どどどこに??!
 見付けて和んで下さいませ~♥
[大きな画像で見たい方はコチラをクリック♪

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ガス灯とともに一味違う散策を

 皆さん、「ガス灯」をご存じでしょうか?一般的な電気を利用した電灯と違って、ガスを燃料として使われている照明が、ガス灯です。
 日本で初めて街灯としてのガス灯が横浜に建てられたのは、およそ150年前の明治5年(1872)。大正時代に全盛期を迎え、現在も北は北海道から南は沖縄まで日本全国に3000基が街を照らしているそうです(東京ガスHP参照)。レトロな風合いのあるこの街灯を、どこかでご覧になったことが・・・ありますか?

文化館前 )レトロ仲間だったガス灯

 そうです。文化館前の歩道にもありました。
・・・エッ?過去形?

 そう実は過去形なのです。通行される方の安全確保の為、先日、撤去工事が行われ、なぎさ通り沿いの5基が姿を消しました。馴染みの風景として当たり前に見ていたものが無くなり、一抹の寂しさはありますが、無くして気付くこともあり!改めて、ガス灯のことを調べてみましょう。

 

 文化館からなぎさ通りを西に進んだ場所(大津市民会館向かい)には、ガス灯の由来が書かれた記念碑が建てられています。

大津市民会館向かいのガス灯にあった銘板と記念碑

 それによると「大津市ガス事業50周年記念」とありました。大津市がガス事業を民間業者から譲り受け、昭和12年(1937)に市営ガスとして供給を開始し、その50周年を記念して建てられたものがなぎさ公園のガス灯だったのです。

 琵琶湖文化館前のガス灯はこの度撤去されましたが、湖岸にはまだ7基残っています。大津市では他に三井寺周辺、石山寺駅前、浜大津駅前、そして長浜市の慶雲館や彦根市の四番町スクエアなどにも設置されているそうです。

 暖かい春になって散策をするとき、身近な風景の中で、ぜひとも街の「ガス灯」にも注目してみたいです。ガス灯が開発された「文明開化」の時代に思いをはせながらの散策も、きっと一味違う楽しさがあるでしょうね。

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令和6年 文化館の辰(龍)

新年 明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 昨年末のブログでは、「初詣、いろいろな場所でいろいろな龍に出会えますよ」と、ちょこっと豆知識の小ネタ(?)を披露したところですが、年明けブログは・・・やはりここはお目出たく、当館の「龍」を紹介せねばなりませぬ。

 この龍、皆さんは何だと思いますか?・・・問い方を間違えました→何に(どこに)描かれていると思われます?

 よく見ると、下地には金箔が使われていますね。猛々しい龍が睨みをきかせています。何かに掴まっていますよ。後ろのシマシマの形にもヒントがありそうです。

 実はこれ、ホームページの収蔵品紹介にも掲載している「源平合戦図」屏風の“とある部分”に描かれた龍です。見付けられます?

源平合戦図 狩野氏信 筆 (琵琶湖文化館蔵)

 本図は、平家物語の源平合戦の名場面のうち、右隻には「敦盛最後」を、左隻には「那須与一」が屋島合戦で扇の的を見事に射貫くシーンが描かれています。

 ここで思い出したいのが、滋賀の文化財講座花湖さんの打出のコヅチ第4回で登場した「弘誓寺」。実は近江七弘誓寺の一つを、那須与一の子孫である愚咄坊(ぐとつぼう)が開いた・・・という聞き捨てならぬ伝承が伝わっています。東国武士である那須与一が滋賀につながるこのご縁、歴史研究の醍醐味です(笑)。

 えぇっと・・・少々無理ムリ(?!)、那須与一に注目したところで!作品をもう少しアップにして見てみましょう。

  いた・・・龍がいた!
  那須与一の兜に!!
  いましたよ!!!

 波間に揺れる扇の的を射抜くという神業、まさに神仏の加護を願いたい、その一場面に描かれていた龍・・・。
 ・・・もう、ね、コレに気付いてしまったら、どんなに小さな『ひとコマ』でも、皆さんに紹介したい(!)あきつブログなのでございますヨ(笑)。

 龍が如く上り調子の一年に!本年もどうぞよろしく♪お願いいたしま~す!!
(※ 実は、左隻に描かれた武者6人のうち、3人の兜に龍は居ります・・・エヘッ。)

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龍に出会える

 滋賀県の宗教法人名簿に登録されている宗教法人のうち、「神道系」と「仏教系」では、「仏教系」=お寺さんの方が多いことを皆さんご存じですか?

※令和元年調べ:神道系1,493<仏教系3,085(これには地域で管理されている神道系[神社やお社、祠など]は含まれていませんので、実際にはもう少し差は縮まるかもしれません。)

 ともあれ、年明けに「初詣に行く!」「神社&お寺をハシゴする!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。令和6年の干支は辰(龍・竜)。境内に干支の大きな絵馬を飾られるところもありますよね。滋賀県内にも龍にまつわるスポットはいろいろありますが、実は名前に「龍」の字が付いていない神社仏閣でも、皆さんは“龍”に出会っていることに気付いておられますかね?!

 例えばお参りに行ったとき、先ず身を清めさせていただく「手水(ちょうず・てみず)舎」でよく見かけるのが龍のモチーフ。水を司る神様:龍神の口から流れ出る神聖な水でお清めさせていただくと、とても清々しい気持ちになります。

 他にも文化館の迷(名)探偵:あきつ君がちょこっと探索したところ、建物の装飾や、意外なところで吊灯篭の底、梵鐘のてっぺん!(=龍頭と言います)などにも、龍を見付けることができました♪

 これ、意識しなければ、なかなか気付かないカモ?! そう思って探してみると、意外なほど、いろんなところで、龍のお姿を拝むことができますよ。
 今年の初詣、さまざまな“龍”を見付けて、新年のご挨拶をしてみてはいかがでしょう・か? 干支パワーでご利益も倍増するカモ(?)です!!

 ところで、とても忘れがちですが、文化館のマスコットキャラクターはトンボの「あきつ君」です。トンボは英語でドラゴンフライ (dragonfly)。 ・・・ということで!(=ドラゴンつながりで!) 皆さま良いお年をお迎えくださ~い!

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「「文化財の子」 はぐくみ事業 いろんな文化財にふれてみよう!」12/16イベント開催(主催:滋賀県)

 みなさ~ん、楽しそうなイベントの情報が入ってきましたよ~。

 滋賀県文化財保護課さんが実施する「「文化財の子」はぐくみ事業 いろんな文化財にふれてみよう!」が、12月16日(土)にイオンモール草津で催されます。文化財を通して、子どもたちが地域の歴史を知り、郷土への愛着や豊かな人間性・社会性、支え合いなど生きる力を育むこと、また、文化財を次世代に継承していくことを目指して実施されます。
 子どもさんはモチロン、大人の皆さんも、文化財に触れて学べる楽しいイベントですので、どなたさまも是非 “はぐくまれ” ちゃってください♪
 「文化財」と一言で括っていますが、会場の体験コーナーでは、発掘された土器に触れたり、お寺や神社の建物で使われている木の組み方を体験したりと、いろんなお楽しみ企画が用意されています。

 何を隠そう・・・実は当館からも、皆さんにとっておきの「!」を提供します!!
 それは何かと申しますと・・・

 当館の収蔵品の中から、「とっても可愛い」or「シックでお洒落」な絵画作品を使って、自分だけの「しおり」を作ってみませんか?という、体験企画! 作ったしおりは、お持ち帰りもできる嬉しい企画です♪
 会場でご用意するパタパタパズルにも、ぜひチャレンジして下さいね。

 そのほか、展示のコーナーには、仏像や屏風の構造模型なども当館から特別出陳!普段見る事のない文化財の“内側” を、さわって確かめて、文化財に親しみましょ~♪

「「文化財の子」 はぐくみ事業  いろんな文化財にふれてみよう!」
   開催日時:12月16日(土) 10時~16時
   会  場:イオンモール草津 2階イオンホール
   各種体験:無料

 詳しくは、滋賀県文化財保護課(☏077-528-4670 )までお問合せください♪

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武将カード 今年度最後:12月のラインナップ

 12月とは思えない暖かさで過ごしております滋賀の冬。皆さん、さぞかし体力&健康維持のため、日々テクテクされていることでしょう!!?

 そうです。当ブログでも月毎に、何かと宣伝させていただきました(?!)、滋賀県で取り組まれている「電車と徒歩でお城をめぐって健康しが!」の“あの”企画。

 県内JR4駅(彦根、近江八幡、大津、堅田)の改札窓口で健康推進アプリBIWA-TEKU(ビワテク)の画面を提示した人に、「近江ゆかりの武将カード」が1枚プレゼント♡される“太っ腹”企画でしたね♪。カードが貰える条件は以下のとおり!

(1)配布期間中の当日に、JRの鉄道を利用して配布駅の改札窓口を訪れること。
(2)健康推進アプリBIWA-TEKUの画面を、配布駅の改札窓口で提示すること。

 気楽にチャレンジできますね~。そして、今年度のプレゼントは、 いよいよ 12月が最後となります。気になる武将のラインナップはコチラ!!

 ぜひ、ゲットしてくださいね。カードには、武将とゆかりのある土地(史跡など)も紹介されています。足を延ばして、更に健康増進、しちゃってくださ~い!

  5月から始まったこの企画、皆さん何枚集められましたか?月ごと・各駅ごとに配布される武将カードが異なっていましたので・・・

8カ月×4駅=合計32種類!

「全部集めた!」という方・・・ アナタは凄すぎる!(笑)!当館が作成した武将のイラストが、 皆さんの興味を刺激したのなら・・・幸いです(笑笑)。

[5~12月分、全部集めると・・・]→

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「千年の秘仏と近江の情景」閉幕

 10/7から約1か月半にわたり滋賀県立美術館にて開催しておりました地域連携企画展「千年の秘仏と近江の情景」が、11/19に閉幕しました。最終日にはナント・・・1,000人近くのお客さまが!お越しくださったそうです!!
 ご来場いただいたすべての皆さまに、心から感謝申し上げます!!!

 本展は、湖南市・正福寺さまの秘仏本尊が33年ぶりの公開となる、大変貴重な機会に恵まれました。開催にあたり、お寺さまにご許可をいただいて作成したポスター・チラシは、大切な秘仏を中央に配置した構図で、これがまた「なんて尊い!」と大変好評で・・・実は展覧会が始まる頃には既に配布するチラシが無くなるという嬉しいハプニングが(笑)。会場のスタッフさんによると、海外からお越しのお客様に「このポスターを下さい!」と声を掛けられたそうですヨ♡

 会場では、お像を360度くまなくご覧いただけるよう展示し、あわせて善水寺さまの不動明王坐像を特別展示したことで、より奥深い仏像の世界をご堪能いただけたのではないでしょうか。学びも多かったですよね~(自画自賛(笑))。 ふたつのお像の間を行ったり来たり、しゃがんで見上げて、のぞき込んで見比べて・・・皆さんそれぞれの鑑賞の仕方で、存分にお楽しみいただいたことと思います。また、ケース内に並べられた絵画、工芸品は、文化館と美術館、両館のコレクションから展示しました。千年の秘仏を守り伝えてきた近江の歴史風土、文化、人々の営みを、作品から感じていただけたなら幸いです♪

 ご鑑賞いただいた皆さま、並びに本展開催にご協力いただいた滋賀県立美術館の皆さま、本当に有り難うございました!

 さぁて、11月も後半、あっという間に二つの地域連携展が終わってしまいました。次回は、令和6年2月10日より滋賀県立安土城考古博物館において「近江の文化財を継ぐ-修理・複製・復元―」展を開催します!詳細はもう少しお待ちいただくということで・・・乞うご期待♪

 現在、当館の掲示板には、休館後に他館で開催してきた展覧会が一目でわかる、チラシ(の縮小版)を掲示しています。「いろんな地域とご縁を結んできたなぁ」と振り返ってしみじみ・・・これからも素敵なご縁がつながりますように♪

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あっという間の10日間 「成菩提院 寺宝展」閉幕

 11月3日から米原市で開催しておりました地域連携企画展「成菩提院 寺宝展」が、昨日閉幕し、本日、会場を撤収してまいりました。

 本展におきましては、ご住職さまならびに副住職さまに多大なるご協力をいただき、また、檀家の皆さまにも会場でお手伝いいただくなどご協力を賜りましたこと、厚く御礼申し上げます。

  
 

 今回の展示は、今話題の徳川家康や戦国武将に焦点を当てた展示内容であったこともあり、歴史好きの人が遠方からもたくさんお越しくださったと、関係方々から喜びのお声が届いています。ご来場いただいた皆さま、有り難うございました。本展をきっかけに、滋賀の歴史の奥深さに触れていただけたなら幸いです。

(こちらは 2023.11.3 夕刻 撮影)

 そして今朝、米原市と岐阜県にまたがる伊吹山では、「初冠雪」を観測したそうです。本展の閉幕を待っていてくれた?
 いよいよ寒さも本番、本格的な冬の到来となりそうです。

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「成菩提院 寺宝展」講演会

 湖国滋賀、快晴の三連休でした。初日11/3文化の日から始まった我らが地域連携企画展「成菩提院 寺宝展」。

 今回の会場は、お寺さまということもあり、午後から行われた講演会は、お座敷に椅子を並べた特別バージョンで聴講いたしました。ご挨拶された山口副住職からは、地元の方をはじめ、遠方からも多くの方々にお集まりいただいたこと、感謝の言葉が述べられました。

 講演会は、先ずは「成菩提院の歴史と文化」という演題で、成菩提院の檀家総代であり柏原宿歴史館の館長でもある谷口徹氏にお話しいただきました。 成菩提院の中興の祖・貞舜法印(じょうしゅんほういん)のお話や、寺宝展で展示されている戦国武将の禁制札(きんぜいふだ)についてのお話は、地域の歴史に深い係わりがある大変興味深い内容で、歴史を体感しているような気持になりました。

 

 続いて県文化財保護課(兼琵琶湖文化館)の古川史隆より「成菩提院の仏教美術」について、お話させていただきました。
 寺宝展では、重要文化財の不動明王二童子像を展示しておりますが、当館に寄託中で会場にお持ち出来なかった作品について、特に古川氏が滋賀県指定文化財の指定にかかわった3件の絵画が、詳しく紹介されました。成菩提院さまは天台寺院ですが、談義所(学問所)として長い歴史の中で、様々な宗派の作品が伝わっていることも、大変素晴らしいと思います。

 さて、N〇Kで放送中の大河ドラマも、いよいよ関ヶ原の合戦が舞台・・・。このタイミングで歴史上の登場人物たちが残したナマの歴史資料に触れられる、このたびの寺宝展。遠路はるばる関東からもお越しいただいているそうです。

歴史に思いを馳せて、心躍る旅を北の近江で!!

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いざっ北の近江へ!地域連携企画展「成菩提院 寺宝展」

 明日「文化の日」の祝日を含めた3連休、皆さんはどのように過ごされますか?気候もいいですし、どこかにお出掛けしたくなりますよね~。行きましょうぜひ!北の近江へ!!
 琵琶湖文化館の地域連携企画展「成菩提院 寺宝展」は、米原市の成菩提院(じょうぼだいいん)さまで開催です♪

 成菩提院は伝教大師が開基とされる天台宗の古刹で、所蔵される数々の仏教美術の素晴らしいことは勿論、今話題の徳川家康や歴史に名を馳せた戦国武将たちが宿営した記録や、「石田三成十三ヶ条成菩提院村掟書」が残る、由緒のあるお寺です。

(成菩提院)

 例年この時期に寺宝を公開しておられますが、今年は特に(!)、当館が全面協力を申し出て、この地域連携企画展が実現!明日3日14:00からは特別に講演会も予定されています。歴史と文化を堪能する1日をお過ごし下さい♪


    ・・・ここで、ハタと気付きました。石田三成・・・そうです! 11月になりました!

 滋賀県内のJR4駅で配られるあのカード!健康推進アプリBIWA-TEKU(ビワテク)を利用して駅の改札窓口でスマホ画面を提示した人に「近江ゆかりの武将カード」をプレゼントするあの企画[滋賀県提供]♪今月は石田三成も登場です!気になるラインナップはこちら↙

 おや?三成さんは彦根駅で配布されますか!・・・これは行かねば!寺宝展に行くため、電車にも乗りますよ~成菩提院はJR柏原駅から歩いて約5分ですよ~。よしっ!健康もゲットです!!

 おススメは、寺宝展に行く前に彦根駅に立ち寄って三成のカードを手に入れるコト♡ (※改札でBIWA-TEKUアプリの画面を提示するだけで貰えます♪) 会場に着いたら、武将カードのイラストを見つつ「三成が書いたか!掟書き!!」と、イメージを膨らませるコト♡♡

 文字には性格が表れると言いますよね~?!さてさて、その印象は?納得?意外? イラストを作っていて思ったのは、目の表情がなかなかに鋭い几帳面そうなお顔だな・・・ってことかしら?
・・・おやおやこれは、マニアックな歴史の楽しみ方をご提案していまいましたよ、おほほ♪
 それでは皆さま、ぜひ“北の近江”で会いましょう~~~。。。

※「成菩提院 寺宝展」は、滋賀県が取り組む「北の近江振興プロジェクト」の一環として開催します。

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「花湖さんの打出のコヅチ」第5回 1つの仏像から・・・

 爽やかな秋晴れに恵まれた10月26日木曜日、開催しました滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」第5回!今回は「秘仏 正福寺大日如来坐像と湖南・甲賀地域の仏像」と題し、当館の和澄主任学芸員が講師を務めさせていただきました。

 「文献資料が残っていない中で、ほとけさまから分かることがあるのですね」。こちらはアンケートにご記入いただいた参加者の感想です。
・・・まさしく!!講師も申しておりました。「今回、秘仏である大日如来さまにお出ましいただき、つぶさに拝見させていただく機会を得たことで、いろいろと見えてきたことがあります」と・・・。

 本像は、筒形の宝冠にふっくらとした下膨れのお顔、細い三日月形の目に突き出した唇、厚みのある躯体や煌びやかな臂釧(腕輪)などの特徴から、十世紀後半に造られたと考えられています。 では何故、
浄土宗寺院である正福寺さまに天台宗で重視される大日如来が伝わったのか
 ・・・謎でしたよね~。
近隣の善水寺(天台宗)さまに伝わる薬師如来坐像・不動明王坐像と比較してみると
 ・・・良くわかりましたよね~。
天台宗の勢力拡大と、講師曰く「延暦寺工房」(?!)的な仏師集団の作例からの比較
 ・・・興味深かった~。
正福寺・善水寺がある湖南市岩根山周辺は、比叡山と麓の坂本の関係に似ていたのではないかという指摘
 ・・・当時の都市計画まで?!想像が膨らみました~。

 講座に参加された方も、講師の考察に「まさしくそうだったのでは?!」と、思われたのではないでしょうか。一体だけでは確証が持てなかったことが、様々な作例と比較することで紐解かれる千年の歴史、調査の醍醐味がここにあると講師は言います。それもこれも、古い時代のほとけさまが今に伝わっているからこその奇跡です。長い歴史の中には戦乱や自然災害もあったでしょうに、これだけ多くのほとけさまが滋賀に残されていることを、私たちは誇りに思っていい!そんなことを考えた、充実の、あっという間の90分でした。 参加の皆さんのご感想です↓。

「現場をよく考えて説明して頂いたので臨場感がありました。」
「これからお寺でほとけさまを拝むときにはよく見せていただこうと思う。仏像を作っていた地域やその影響力の及ぶ所についても知ることができて興味深いと思った。」
「正福寺さまの大日如来像、拝見に行きたい」

 そう!これで終わりではない!!第6回の打出のコヅチでは、座学会場を抜け出し、展示会場での『特別鑑賞会』を実施します!本日朝8:30より電話受付を開始しました。が、募集40名のところを、アッという間に定員に達してしまいました!皆さんの熱意に感謝♡。
 残念ながら電話が間に合わなかったという方、大丈夫です。この座学に参加した方もそうでない方も、充分にほとけさまの魅力を堪能していただける展示となっております!ぜひお出掛けください♪

 ところでワタクシ、気になっているのでございますヨ。大日如来さまのお顔の特徴=ふっくら丸みのある下膨れのお顔に、(チュッと)突き出したような唇・・・ここここれは、当館のマスコットキャラクター:あきつ君もこの系統を引き継いで・・・いるのでは?・・・う~ん、ダイタンな考察・・・♥

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「花湖さんの打出のコヅチ」第4回 質問回答②

 9月28日、文化財講座:第4回「新県指定 弘誓寺本堂と近江の浄土宗建築」に参加された皆さん、お待たせいたしました~!アンケートにご記入いただきました、皆さんからのご質問について、その回答第2弾! 滋賀県文化財保護課建造物係さんが、めいっぱい(!!)ご協力くださいましたので、ご紹介します~♪

建築と石造美術、建築と庭園とのかかわりがあると思いますので教えてほしいです。本尊の向きや庫裏との位置関係のかかわりなど教えてほしいです。

庭園については、来客をもてなす庫裏の座敷に面して回遊式庭園が設けられています。石造物は、境内の主なものは、墓所に中世の宝篋印塔(供養塔)が一基ありますが、本堂や庫裏、その他の建造物とは明確な関わりは無いようです。
本堂および本尊は、共に西方浄土を向いており、ほぼ西面しています。庫裏と本堂は、境内の敷地形状から、ほぼ南北に横並びしています。

本堂内の間取りがなぜそうなのか。経文上或いは儀式上の必然があるのか

内陣の後門形式および凸型の平面構成については、先に回答した、本堂内で本尊の後ろを通り本尊の前を大きく回る礼拝方法があること、外陣の凹型の平面については、礼拝の際に、内陣正面部分と内陣両脇の脇陣とは、僧侶や縁者・参拝者等に着座する場所に決まりがあり、そうした浄土宗の礼拝(儀式)に適した平面構成(間取り)が、次第に出来上がったものと考えられます。

近江七弘誓寺で一番古いのはどのお寺?

近江七弘誓寺の各建立年代について、郡誌、市町村誌等を確認しましたが、建立年が不明のお寺もあり、明確に建立年代を並べてここが一番古いと断言するのは難しいようです。講義資料では那須与一の7人の子供が近江七弘誓寺を建立したとありますが、実際は那須与一が活躍した平安時代末よりも、後の江戸時代に建立された所も散見され、あくまで伝承の域を超えないのかもしれません。ただ「弘誓寺由緒書」によれば現在の東近江市瓜生津に那須与一の末孫の愚咄が弘誓寺を開いた後に移転、分立等で他の弘誓寺が建立されたようで、そこから考えると瓜生津の弘誓寺が最も古いと推察されます。

 いかがでしたか?皆さんの疑問や謎は解けましたか?実は、産休に入られた講師の代わりに、講師が所属する県文化財保護課建築係の方々が、「係として真剣にお答えしたい」と、追加の現地取材や資料調査を行うなどしてご対応下さいました。講師を務められた伊藤静香氏のお人柄(♪)と、建築係の皆さんのチームワークがあったからこそ成り立った、今回の【質疑応答全8問】でございました。ご協力いただいた皆さまに心より感謝申し上げます。本当に有り難うございました!

 皆さんの「学びたい」&「応えたい」の気持ちに影響されたコヅチ事務局・・・うずうず・・・結果、湖東を駆け巡り↓↓近江七弘誓寺を制覇してまいりました!ご利益ありそうな予感♡

※但し(!!)建造物の写真は“曇り”の日に撮る方が写りがいい!のだそうです・・・しくじった。。〔もう少し大きな画像で見たい人は➡ コチラ

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注目の、気になる武将

 皆さんのお気に入りの“武将”は誰ですか?
・・・というような質問を毎月しているような気がします(笑)。 電車と徒歩でお城をめぐって健康しが!JR駅の改札口で、BIWA-TEKUアプリの画面を提示した人に、近江ゆかりの武将カードをプレゼントする、あの企画♡[滋賀県提供]です。

 5月から始まり、今月で早6回目。皆さんどれくらいカードを集められたかな~?うっかり10月のラインナップをお知らせしていませんでしたが、巷でウワサの“あの方”が、満を持してのご登場ですよ!?

 おやおやこれは、偶然にも黒服姿(?)のナイスミドルがお揃いです。血気盛んな若武者は、一人違う方を向いておられますが(笑)。これらの武将が、滋賀・近江とどのような関係があったのか、実に気になるところです。その答えは、カードにいろいろ詳しく書いてありますので、ぜひ手に入れて熟読してくださいね。

 ところで、文化館として、今、断然、気になっているのは・・・ モチロン“この方”デス。その理由はお分かり?ですね??ほらほら、このチラシ↓にも、気になるお姿が載っている・・・。

〔ちらしPDF↑ダウンロード〕

 そうです!琵琶湖文化館地域連携企画展成菩提院 寺宝展」! 米原市にある古刹・成菩提院と連携した本展では、今期のN〇K大河ドラマでも注目される徳川家康や、話題の戦国武将に焦点を当てた寺宝が公開されます! その中には家康サマのお姿も・・・。あれ?よく見るとちょっぴり面影が違う?なぜだろう・・・。

 気になる方は、ぜひ10月中に武将カードをゲットして(武将カードは月替わり!)、11月3日から始まる寺宝展にお越しください。この秋はお楽しみがいっぱいです♪

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ギャラリートーク 皆さんの反応に手応え♡

 現在、滋賀県立美術館で開催中の「千年の秘仏と近江の情景」展。18日には美術館と文化館、双方の担当学芸員によるギャラリートークが実施されました♪感想は?いかがでしたか??
 皆さんとても熱心に耳を傾けてくださり、講師の一人を務めた当館の和澄学芸員は、「いやぁ話し甲斐のある皆さんでした」と大層喜び、本展開催の手応えを感じつつ、笑顔で帰ってまいりましたヨ(笑)。
 ご参加いただきました皆さま、誠に有り難うございました~♡♡♡

 本展では、湖南市・正福寺さまの秘仏本尊:大日如来坐像(重文)が33年ぶりに、しかも寺外で初めて公開されており、間近に拝見する機会に恵まれた、またとない展覧会(!)として話題を呼んでいます。

 と同時に、会場では善水寺さまの不動明王坐像(重文)も、特別に展示しています。ギャラリートークにお越しいただいた皆さんには、この二像を同時に展示したその“意図”が、十分に伝わったのではないかと思っています。それは共通項なのか、違いなのか。二つの像を間近に見比べることで、皆さまに理解し納得していただける、「素敵な発見」につながるのではないか、と期待しています。

 今回、聞き逃した!という方・・・大丈夫、まだチャンスがあります。当館主催の滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」にご参加ください! 
 ★先ずは座学でじっくり予習↓
  第5回:10/26(木)「秘仏 正福寺大日如来坐像と湖南・甲賀地域の仏像」
  →申込受付中!定員140名〔残りわずかとなっています!お急ぎください!!
 ★★会場で解説付きの鑑賞会↓
  第6回:11/16(木)「千年の秘仏と近江の情景」展を楽しむ」
  →申込は10/27(金)午前8:30から電話にて受付開始/定員40名〔電話殺到の予感?!!〕

 このダブルチャンスにも、どうしても都合がつかずに参加できないという方、大丈夫、会場には解説パネルをご用意してございます♪それを読んだ方はおそらく・・・二像の間を行ったり来たり・・・3往復はすることになるでしょう!(笑)!
 ぜひご自分の目で、お確かめください!!

 あぁっ!あれも言いたいコレも言いたい!(こっそり心の中で観音シスターズと呼んでいる)十一面観音さまのコトとか、会場にぐるりと展示されている絵画作品のコトとか、いろいろ言いたい!でも、やはりこれは、皆さんにご覧いただいてから・・・ということで!♪!

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10月18日 ギャラリートークあります♪

 

 皆さんもうご覧いただけましたか?滋賀県立美術館で開催中の地域連携企画展「千年の秘仏と近江の情景」。本堂の建て替えに伴い、湖南市/正福寺さまから当館にご寄託いただいている秘仏本尊・大日如来坐像が、寺外で初公開(!)となっている、今一番注目すべき(!!)展覧会です♪こんなチャンスめったにない!!!

 しかも明日、18日(水)14:00から、当館と県立美術館の学芸員が展示室で作品のみどころを紹介するギャラリートークが開催されます!じっくり一人で鑑賞するのも“ツウ”な見方ですが、解説を聞くことでさらに理解が深まり、新たな発見がきっとありますヨ!?!会場で皆さんに「へぇ~」「ほぉ~」「知らんかったわ」と言われ[せ]たい!(笑)!

 事前申し込み不要ですので、ぜひお気軽にご参加くださ~い!

※滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」第6回(11/16)でも、解説付鑑賞会を予定していますが、こちらは定員40名さま限定となっていますので、ご注意クダサイ。

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【速報!】千年の秘仏と近江の情景展

 明日、10月7日から滋賀県立美術館で始まる地域連携企画展「千年の秘仏と近江の情景」。皆さんのお待ちかねですね♡

 開催直前、準備万端整った会場では、関係者の皆さんや報道機関の方々をお招きし、内覧会が催されました。会場の様子を【速報!】で皆さんにお届けします!

 先ずは紹介させてください。左が当館の和澄浩介主任学芸員、お隣が県立美術館の山口真有香主任学芸員です。この二人が居なかったらこの展覧会は開催できなかったと言っても過言ではない!本展の立役者のお二人です。(拍手~!!)それぞれの立場から、本展を開催することが出来た喜び、感謝の気持ちを皆さんにお伝えさせていただきました。

 そして作品が展示されている会場に場所を移し、作品の特徴・見どころなどを説明させていただきました。皆さん気付かれましたか?今回の展示では、仏像を360度の全方向から鑑賞できる形で展示されています。ほとけさまに刻まれた衣文や、胸元に飾られたきらびやかな装飾まで、間近に細部にわたってご覧いただくことができます。千年の歴史を超えて初めて、秘仏をお寺の外で見られる貴重な機会です。皆さまぜひご来場くださいませ!

 展覧会は、大津市瀬田/びわこ文化公園内)滋賀県立美術館にて、11月19日までの開催です。この秋、千年の秘仏とともに近江の豊かな歴史を、感じてください♪

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「花湖さんの打出のコヅチ」第4回 質問回答①

 9月28日、文化財講座:第4回「新県指定 弘誓寺本堂と近江の浄土宗建築」に参加された皆さま、お待たせいたしました!当日アンケートに記入された質問内容について、滋賀県文化財保護課建造物係さんが、回答にご協力くださいました(!感謝!)。
 さてさて、皆さんの気になるご質問は?その回答とは?コチラっ↓↓↓

浄土宗、浄土真宗の中世の遺構が全国的にほとんどないのはなぜでしょうか。

確かにそのような傾向はあるかと思いますが、県として明確に確認してはいません。もしあるとすれば、理由として次のようなことが考えられます。
 浄土宗、浄土真宗ともに鎌倉時代以降に興った新しい宗派で、主に一般庶民を対象とする宗派でもあったことから、滋賀県内であれば、中世にはまだ正式な寺院を構えるのではなく、地域の有力者の住居等を活動の場とすることが多かったと考えられ、たとえば天台宗のように、中世には既に大規模な構えの寺院を多く建立していた宗派と比較すると、建立された建造物の数や規模が異なることが理由の一つとして考えられます。

五箇荘金堂町の国指定重文弘誓寺と今回講座の弘誓寺とは建物の特徴や古い資料が多数残っている点は似ている。今回講座の弘誓寺も国指定重文になるよう働きかけをされるのでしょうか。

県内には他にも優れた建造物が多数所在しており、今回県指定となった弘誓寺本堂についても、それらと共に、機会を見て文化庁へ情報の提供を行っていきたいと考えています。

 

三つ並び仏壇形式から後門形式へと変化していった理由がもう少し詳しく知りたいです。

 

現在の浄土宗においては、本堂内で、本尊の後ろを通りながら内陣を回る礼拝があります。また僧侶の内陣への出仕は、外陣もしくは脇間からではなく、本尊の後ろからの出仕であり、こうした礼拝や儀式の方法の変化が、仏壇形式の変化に影響したことが考えられます。

 

後陣は何のためにできたのですか(使用目的は?)。

 

中世の本堂に見られる後陣は、元々は、内陣での宗教儀式の際に使用する仏具や什宝物等を保管したり、住職等が準備を行うために使われていたと考えられますが、後には、後陣にも仏像を安置し、宗教的空間として、内陣を補完する用途に用いられるようになったのではないかと考えられます。

 

宮殿を「くうでん」と読むのは宗教建築だから?

 

「宮殿」は神社本殿に多く用いられる名称ですが、その場合でも読み方は「くうでん」です。寺院では「厨子」を用いることが多いのですが、弘誓寺では「宮殿」とし「くうでん」と呼んでいるため、今回の指定に当たっては弘誓寺での呼称に従っています。

 素晴らしい!皆さんの勉強意欲がすばらしい!答えも分かりやすくてスバラシイ!皆さんの質問から更に理解が深まり、知識が増えて得した気分♡です♪有り難うございました!!

 おや?まだ質問が紹介されていない方が?いらっしゃる??
 ご安心ください!残りの質問はもう少しお時間をいただいて、 改めて紹介させていただきま~す!お楽しみに♪♪♪

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地域連携企画展 めいっぱい準備中!

 いよいよ10/7(土)から始まる琵琶湖文化館地域連携企画展「千年の秘仏と近江の情景」展!昨日は当館から出陳する作品を搬出、今日は会場館である滋賀県立美術館で展示作業が行われています。

 担当学芸員さんは目も廻る忙しさで、関係先への連絡、業者さんとの調整、的確な指示と阿吽の呼吸の連携作業・・・などなど、ほっとひと息つく間もなく、頭の中は展覧会のことで“いっぱい”のご様子・・・デス。「あれ?アレはどこだ??・・・大丈夫、きっとあの時あそこに置いた・・・」「ありました!!」という会話がチラホラと。。。ハイ!深呼吸して~(笑)♪大丈夫、万事順調!今日のミッション(展示作業)も無事終えた、と現場から連絡もありました!

 

 また本日、展覧会のパンフレットが仕上がり、納品されました。あぁドキドキ。
 先方の学芸員さんとも連携しながら作った、渾身の力作です! 会場でご自由にお持ち帰りいただけますので、鑑賞のお供にぜひ、手に取ってご覧くださいませ。  

 

  

 そしてこれで終わらないのが、今年の地域連携企画展♡!


 11/3(金・祝)からは、米原市で「成菩提院 寺宝展」が始まります!こちらの準備も佳境。今年の大河ドラマでも注目されている戦国武将や徳川家に焦点を当てた展示を、お寺さまとの連携企画で開催します。こちらも楽しみにしていて下さいね!

 あぁ、今年の秋は忙しい♥ 
 

 ということでワタクシ、専ら館でお留守番が専門の事務担当、大忙しの学芸員さんを横目にじっとして・・・いられる・・・ ワケがないッッ!!?

  自分でも何かできないかと、大型プリンターを使って、めいっぱい(?!) 、 館から、展覧会を盛り上げにかかっております(笑)♪
 皆さんのお目に留まると嬉しいデス↓↓↓♪

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花湖さんの「打出のコヅチ」第3回を開催 聞けて良かったです!

  いつまで「残暑」と言わねばならぬやら・・。気温が30℃を超える厳しい暑さだった9/28(木)、滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」第4回を開催しました。そうです皆さん!多くのリクエストをいただきながらも、なかなか取り上げる機会が少なかった「文化財建造物」についてのお話です!会場には、期待に胸をふくらませた♡多数の受講生の皆さんが、お越しくださいました。

 今回の講座は「新県指定 弘誓寺本堂と近江の浄土宗建築」と題し、滋賀県文化財保護課建造物係で活躍する伊藤静香技師が初登壇で熱弁を・・・アレ?講師の姿は??!

 そう、実はこのたび講師の都合により、こちらのメイン会場でも予め録画した内容でお届けいたしました。対面での講座を期待されていた方々には大変申し訳なく(事前アナウンスも不十分でした!!スミマセン!)、講師も大変残念がっていたのですが、何卒お許しいただきたく・・・。その分、内容は“すこぶる”充実!画像も多めに皆さんにお配りした資料は実に17頁『文化財建造物の面白さを少しでも知ってもらいたい』という講師の熱意の表れデス!「あぁこれ、きっと“生”でお話ししたかっただろうなぁ 」ということが、資料からも感じ取れました。

 昨年度新たに県指定となった東近江市・弘誓寺本堂。受講された皆さんは、「こんなにもいろいろな角度から調べて指定するのか」と驚かれたのではないでしょうか。残された資料や棟札、擬宝珠に刻まれた銘などを読み解き、お寺の沿革を調べることも調査の一環。(建造物だからと言って、図面だけの話ではない!!)外観はもとより、宗派によって異なる建物内部の形式なども、他のお寺の類例と比較することで、その特徴を更に精査し、弘誓寺の本堂は特に「棟札と豊富な資料により、建築年代が明確で造営の経過もわかり、浄土宗本堂の基本となる姿を伝えた代表的事例として学術的に価値が高い」ことが認められ、この度の指定に至ったとのこと。建立に携わった大工集団のお話も興味深かったです。

 参加された方のご感想を紹介すると、「建築様式のみならず、他寺院との比較、細かな彫刻などの紹介等、非常に興味深くお聞きしました」「丁寧に説明していただき大変わかりやすかったです」とのこと。(講師先生!良かったですね!) 中には「お話聞いて、滋賀にいいお寺がたくさんあるなぁと思い訪れたくありました。かわいい赤ちゃんに出会えてからまた復帰して下さいね」とのあたたかいお言葉も・・・。

 そう!実はこれが今回の録画講演となった理由デス!元気な赤ちゃんの誕生を楽しみに、元気なお母さんの復帰を心待ちに、しております♡

 そして皆さまには、今回特別に本講座への「質問」をアンケートにご記入いただいております。その回答は後日こちらのブログに掲載いたします~♪ ドキドキ。。。

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誕生釈迦仏立像お里帰り・守山/大光寺

 当館が大光寺(守山市)さまからお預かりしている誕生釈迦仏立像(守山市指定文化財)が、このたび秋の彼岸法要に合わせて“お里帰り”されることになりました。

 このお像は、昨年、野洲市歴史民俗博物館で開催した地域連携企画展「近江湖南に華開く宗教文化-野洲・守山の神と仏-」にも出陳させていただきましたので、ご記憶にある方もいらっしゃるかと思います。奈良時代の作で、像高10センチにも満たない小さなお像ですが、瘦身で手足の長いスラリとしたプロポーションがとても愛らしいほとけさまです。

 当館の前身である滋賀県立産業文化館時代にご寄託いただいて以来、72年ぶりのお里帰りとなり、地元の皆さまに地域に伝わる文化財を知っていただける貴重な機会となることを、当館としても大変嬉しく思っています。

 大光寺さまでは、23日(土)に彼岸法要が営まれ、午後1時~2時半頃に誕生釈迦仏の一般公開を予定されています。ほとけさまのお里帰り、ご住職さまや檀家の皆さまと楽しい時間を過ごしてきてくださいネ。

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カバー表紙に使っていただきました!

 こちら、紹介させてください。令和5年8月10日に(株)新典社から発行された「物語と催馬楽・風俗歌―うつほ物語から源氏物語へ―」というハードカバーの学術図書です。

 以前、当館所蔵の「源氏物語画帖」の写真を、出版物のカバー表紙に使いたい、との申請をいただきました。その時のお話では、著者の山崎薫さんが膳所高校の出身で、「古郷ゆかりの作品を、初めての著作の表紙に使用したい」とのご希望があったとうかがっています。

 当館にとっても大変嬉しいお申し出、その時の本がこうして発行されたのですね。お役に立てて幸いです。いいご縁をいただきました。

 当館の「源氏物語画帖」は、全12図を一冊の画帖に掲載しています。表紙に使っていただいた場面のほかにもイロイロあるのですよ。
 ・・・そういえば来年のNHK大河ドラマは「光る君へ」ですね。平安時代を舞台に、源氏物語の作者:紫式部の人生が描かれるそうです。むむむっこれは!!?・・・新たなご縁が生まれる予感?!楽しみです!

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