日別アーカイブ: 2026年6月23日
琵琶湖の上で拓本(たくほん)~こんなお仕事もあります!~

梅雨の晴れ間となった6月某日、ライフジャケットを着用し、長靴をはいた学芸員が舟に乗って出動しました!その行先は・・・。

琵琶湖文化館の中池には、歌碑が建っています。 歌碑には、吉井勇(1886~1960)が書いた「うつしよの夢にうつつに見せしめぬ琵琶湖の上に浮かぶ美の城」の和歌が彫られています。歌の作者である吉井勇は、歌人として知られる他、脚本家や小説家など多彩な顔を持っている文化人です。歌碑は、昭和36年3月20日の開館時に銭高組より寄贈され、当日は除幕式が行われました。当館の情報誌の「浮城」という名前は、この歌碑から取られています。
ところで、皆さんは「拓本(たくほん)」ってご存じでしょうか?拓本は、石などに刻まれた文字を墨を使って紙に写しとる、昔から伝わる技法です。難しそうと思われた方、いえいえ、お家でお金やコインの上に紙を置いて鉛筆で擦(こす)ったことはありませんか?それも拓本です。

こういった大きなものを採る場合は、和紙を水で濡らしてタオルで貼り付け、表面が乾かない内に「練墨(ねりずみ)」という油を多く含んだ墨を付けていきます。

墨を丁寧に少しずつ付けていくと、文字がみるみる浮かび上がってきます。た、楽しい!と、今月イチでテンションの上がる学芸員!!

湖岸沿いを歩く人たちも「何やっているのだろう?」と思われたかもですが、気にせずどんどん墨を付けていき、紙がはがれる寸前までに取り終えることができました。
本日の労働成果は拓本3枚!次回はぜひ全面を1枚の紙に収めたい・・・新たな野望を抱く学芸員なのでした(笑)。
こうやって拓本を残しておくことは、石碑などが万が一失われた場合でも、大切な記録となります。このような、墨や紙以外は手短な道具で手軽にできる拓本の魅力を知っていただければ幸いです。

今回採った拓本は、実際の掛軸とともにお披露目される機会があるかもしれません。こうご期待!