日別アーカイブ: 2026年5月25日
滋賀の文化財講座『花湖さんの打出のコヅチ』第1回 鉈彫り像を深掘り

皆さま、ご参加いただけましたでしょうか?
今年度初となる滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」が5月22日に開催されました♪大津市打出浜のコラボしが21大会議室をメイン会場に、彦根・米原・日野ではサテライト会場に、多くの熱心な受講生の方々がお越しくださいました。今年も皆さんにお会いできて嬉しいです🌟

開催に先立ち先ずは当館の恩地衛館長より一言ご挨拶。今年で開催19年目という、誠に息の長い本講座を支えてくださっている皆さまに感謝気持ちと、新しい琵琶湖文化館についての近況をご報告をさせていただきました。
そしていよいよ、打出のコヅチの一振りが滋賀の宝の魅力を語りだす、講座の始まりです。今回“振るわれた”のはコヅチだけぢゃない?!

( 滋賀県観光文化スポーツ部文化財保護課 )
記念すべき第1回の講師を務めたのは滋賀県観光文化スポーツ部文化財保護課の飯村建成技師です。昨年着任したとは思えない(!?)堂々とした話しっぷりで、「新・県指定 長福寺木造阿弥陀如来坐像の魅力」を余すところなく語っていただきました🌟(アナタハ本当ニ2年目ノふれっしゅまん??(笑))
近年では、新たに『県指定』有形文化財が決まるのはだいたい3月頃。私たちがいる滋賀県にとって大事で貴重で素晴らしいものが指定され、その一報に私たちは「わぁ~」「へぇ~」「ほぉ~」「やったぁ」などの感想を持って新聞等の紹介記事を読み込むわけです。が、飯村氏はその選定に「奮闘する側」の立場にいらっしゃいます。県として指定するに相応しいかどうかを審議会に諮るため、調査・研究を重ねて来られました。その苦労は、一体の仏像をテーマに1時間30分の講座を語ることが出来る(!)ほどの熱量をお持ちです。いやぁさすが!

特に今回紹介された長福寺の阿弥陀如来坐像は、何と言ってもその特徴的な「鉈(なた)彫り」が魅力。[皆さん学習しましたよね~「ナタ」彫りと言っても本当に「鉈」で彫られているわけではなく「ノミ(鑿)」跡でした!]
スライドで拡大された画像を見てみると、なるほど場所によってノミ跡の違いが分かります。「ザクザクのノミ目は荒々しくてダイナミック、まるで目の前で彫られているかのような繊細な感覚をみてとることができる」と飯村氏は表現されていました。う~ん正しく!
指定に際し、他の類例と比較しながら制作年代を検証されることも学びました。 県内で見ることができる国・県指定の鉈彫り像の作例は、本日の配布資料に5件ほど掲載されていますので、そちらで復習を。他県で紹介されていたのは、神奈川県・宝城坊の木造薬師如来坐像、岡山県・安住院の木造聖観音立像、福井県・大谷寺大長院の木造不動明王立像、京都府・西住寺の木造宝誌和尚立像などなど、それぞれに特徴的なお姿です。鉈彫り・・・これは確かに、ハマる!

受講後のアンケートには「仏像についての見方が変わる」「実物にお会いしたい!」「鉈彫りがとても美しく見えるようになりました」「“兄弟仏”の存在という話が面白かった」等のご感想をいただきました。講師の励みになるオコトバ、どうも有り難うございました(笑)。
ノミ跡を残す鉈彫りが「完成」か「未完成」か、皆さんのご意見はどっち??
魅力の尽きない滋賀の文化財。これからも皆で一緒に、注目していこうではありませんか!

今回紹介された長福寺の木造阿弥陀如来坐像は、現在琵琶湖文化館に寄託されており、ホームページの収蔵品紹介で詳しくご覧いただくことができます。新しい琵琶湖文化館が開館した暁には、ぜひ実物を・・・皆さん、見たい?・・・見たいですか、そうですか!今から学芸員さんにリクエストしておきましょ💛
次回は6月17日(水)第2回「八景」とその絵画 です。皆さま奮ってご参加ください♪ [申込はコチラ]