日別アーカイブ: 2025年6月17日
「明智光秀と近江」関連講座にて読み解く

6月14日、それはとても特別な日でありました。琵琶湖文化館地域連携企画展「明智光秀と近江」を開催中の安土城考古博物館。本展の関連講座として、大山崎町歴史資料館の福島克彦氏をお招きし、「中世都市坂本と明智光秀の築城」についてお話しいただきました。

歴史好き、特に戦国時代が好きな人なら、6月14日と聞いてピンとくる人もいらっしゃる?そう、明智光秀が山崎の戦いに敗れて落命・・・光秀の居城であった坂本城が落城した日でもあります。奇しくもそんなご縁のある日に行う関連講座・・・歴史好きの人達がじっとしていられるワケがない!!(笑)。ということで降りしきる雨にもかかわらず、会場には多くの方がお越しくださいました。

講座の開催にあたり、当館の井上副館長から講師の紹介をさせていただいたのですが・・・ここでまさかの“ご縁”が発覚!実は福島氏とは、学生のころからのお付き合いで、一緒に城跡の現地調査をした仲なんだとか!学生時代のエピソードにちょこっと笑いが起きつつも(笑)、会場があたたまったところで、いよいよ講座の始まりです。

最初に講師は言われました。「坂本とは、なんて研究史がアツいところなのか」「なかなか太刀打ちすることが難しいトコロに手を出してしまった」と。いえいえ、日本の中世都市史、城郭史の第一人者でおられる福島氏から、どのようなお話が飛び出すのか、興味深々です。
古文書や文献に出てくる「坂本」という言葉をキーワードに、当時の町の様子や都市機能の規模などを考察。日記や絵図に記された痕跡から坂本城の実態に迫っていただきました。
配布の資料(16頁)に紹介された[史料]は28件、示された図は9点・・・いやぁ『史料から読み解く』とはこのことか!と。発掘した実物から当時の様子をうかがい知ることはありますが、文字(史料)を集めて検証していくことで、こんなにも様々な事がわかるのだと感動しました!
そもそも「文献を集める」という行為が大変な作業であり、「中世都市坂本」「明智光秀」「坂本城」について、講師からいただいた当日の配布資料は、参加者の皆さんにとっても宝物になったのではないでしょうか。

「学生の頃は実物を見るために、1点1点、寺や資料館を訪ねて回ったが、今回の展示では一堂に見ることが出来る、それが幸せ」と、心の底から嬉しそうにお話された(本展をアピールしていただいた(?))ことが、とても印象的でした。
講師への盛大な拍手と共に終了した本講座。その後、福島氏と当館の井上副館長はと言いますと・・・

・福島氏・瓜生学芸員(安土博〕
安土城考古博物館の本展企画担当学芸員らとともに、「現在のこの地名は当時の名残?」「関と浜の違いは・・・」云々、研究者トークに華を咲かせておられました。実にアツい方達です(笑)。
講座にご参加いただきました皆さま、誠に有り難うございました!