月別アーカイブ: 11月 2025
新しい琵琶湖文化館・クラウドファンディング挑戦中!


あきつブログをご覧の文化館ファンの皆さんは当然ご存じのことかと思いますが、琵琶湖文化館の国宝・重要文化財の収蔵数は計50件を超え、日本屈指の多さとなっております。国宝・重要文化財だけでなく、滋賀県、いや日本の歴史や文化を語るうえで欠かせない貴重な文化財がたくさん保管されているのです。
何をいまさらと思われた方、では皆さんがこれらの貴重な文化財に直接かかわれる、と聞いたらいかがでしょう。
実は現在、2027年に開館予定の新しい琵琶湖文化館の収蔵庫整備に対するクラウドファンディングを募っているのです。新しい琵琶湖文化館の“収蔵庫”というのがポイントです。収蔵庫は、冒頭で述べた貴重な文化財を守る新しい琵琶湖文化館の核となる設備です。この収蔵庫を皆さんと一緒につくっていきたい、そんな想いからクラウドファンディングを始めました。
現琵琶湖文化館は、建設費の6割が寄付でまかなわれており、本館1階エントランスには当時の寄付者銘板も残っています。新築の今しかできないこの企画。返礼品は、今回も寄付者銘板を用意しています。さらに、このクラウドファンディングならではの返礼品として、収蔵庫内に寄付者銘板を掲げるコースもあります。関係者以外は絶対に入ることも見ることもできない、国宝・重要文化財たちが眠る収蔵庫の中に自分の名前を刻むことができるのです。さあ、皆さんも文化財の守り手になってみませんか?
ご支援はプロジェクトサイトから行えます。また、サイトからのご支援が難しい方は、チラシからでもご寄付いただけます。皆さまの温かいご支援、どうぞよろしくお願いいたします。ご応募の受付けは令和8年(2026年)2月17日(火)までです。

名品選 ギャラリートーク 開催しました!!

滋賀県立美術館で開催している地域連携企画展「滋賀県立美術館・滋賀県立琵琶湖文化館 名品選」、11月24日にギャラリートークを開催しました。急遽決定したイベントにもかかわらず、会場には学芸員のトークを楽しみに多くの方が足を運んでくださいました。
昭和59年(1984年)に近代美術館(当時)として開館された美術館。当館から近代絵画が移管された歴史もあり、今回の展示で久々のご対面となった作品も♪。会場には、仏画あり風景画あり工芸品ありと、両館のバラエティに富んだコレクションが並びます。さてさて皆さんの反応は?!

ギャラリートークは、美術館の山口主任学芸員と文化館の萬年学芸員が担当させていただきました。解説に熱心に耳を傾け、作品を鑑賞される皆さん。その姿に思わずうっとり💛。そう、休館中の当館が、皆さんと触れ合える貴重な時間です。

「実はこの絵のこの辺りをよ~くご覧いただくと・・・」「県の有形文化財に指定されてから初のお披露目で・・・」学芸員が投げかけるキーワードに、素直に反応してくださる皆さん。その熱心さに励まされ、私たちもまた学芸員として多くを学ばせていただいています。こうしたやりとりを糧に、新しい琵琶湖文化館での展覧会に向けて、さらに力を磨いていけたなら・・・ご期待ください🌟
急遽開催決定!名品選 ギャラリートーク!!


皆さま、朗報です♪現在、滋賀県立美術館で開催中の地域連携企画展「滋賀県立美術館 滋賀県立琵琶湖文化館 名品選」。好評をいただく皆さまからのご要望にお応えして、急遽、ギャラリートークを開催することになりました 😝。
【展覧会関連イベント 】 ギャラリートーク
日時:令和7年11月24日(月・振休)
14:00~15:00 (13:45から受付)
会場:滋賀県立美術館 展示室1
定員:当日先着20名程度※事前申込不要
参加料:無料(要観覧チケット)

展覧会を企画した両館の担当学芸員が、作品の見どころをわかりやすく紹介します🌟。会場では、無料でお配りしている解説リーフレットもございますので、学芸員の軽快なトークと併せてお楽しみください。
皆さまのご来場を心よりお待ちいたしておりま~す♪
朝ドラ「ばけばけ」に見る三井寺と籠手田安定

前回に引き続き、NHK連続テレビ小説「ばけばけ」の話題です♪
11月10日の第31話では、ついに髙石あかりさん演じるトキが、トミー・バストウさん演じるヘブン先生の女中になり、これからトキはどうなるのか!?とドキドキする展開。前金払いなのか早速20円という高給を得たトキは、板垣李光人さん演じる三之丞にお金を渡します。

このトキと三之丞のシーン!お気づきになった方もいるかもしれませんが、ロケ地は三井寺です!!滋賀ロケーションオフィスのHPもチェックしてくださいね。三井寺の三重塔の下の橋、趣ありますよね~。
さて、三井寺には、前回ご紹介した第2代滋賀県令・籠手田安定の顕彰碑があります。金堂のすぐ近く、3メートル以上もある大きな石碑です。明治35年(1902)3月に建立され、上部には「籠手田君頌徳之碑」と題され、16行にわたり滋賀県令・知事としての徳政をたたえています。
籠手田が島根県知事時代にラフカディオ・ハーンを招いたことに通じる滋賀での経験には、初代県令・松田道之のもと大津県大参事に就いていた際に、大津欧学校を設立したことがあります。

欧学校は明治5年(1872)に開校。滋賀県教育近代化のさきがけとなり、外国人講師を招聘し、英語を基礎としたフランス語・ドイツ語・オランダ語での語学教育を行いました。一般教養としてヨーロッパの普通科目を教え、実用専門科目としての商業等を教える男女共学の学校でした。校舎は現在の大津市中央二丁目にあたる場所。琵琶湖上交通の要衝の地としてにぎわう浜大津の蔵屋敷を借用したといいます。
滋賀での経験があり、島根でも近代教育を推進した籠手田。朝ドラでは佐野史郎さんが島根県知事を演じていますが、島根を一流の県にするために情熱を燃やす一方で、ちょっと利己的にも見える人物に描かれています。実際はどんな人物だったのでしょうか?
一説によると、「籠手田が滋賀から島根に行ったのは、伊藤博文が更迭したから」とのこと・・・。そ、そうなんですか!?籠手田は景観が損なわれることや大津が京都に編入させられてしまうおそれから琵琶湖疏水に反対し、それにより元老院議官へと転出させられ、その1年後には島根県知事に就任。県民に寄り添った県政を行おうとしていた人のようです。

ちなみに籠手田の後任として第3代滋賀県知事に抜擢されたのは中井弘。中井の書も当館に収蔵されていますので、後日「収蔵品紹介」でご紹介予定です♪

