日別アーカイブ: 2015年6月10日

地元のお宝

先日、湖西にお住いの方からお問い合わせの電話をいただきました。「地元の上開田遺跡から出た“壺”を知らはりませんか~?30年位前に地元の資料館に展示してあったんですけど、今は分からしませんのやて。その後、県が引き取らはったと聞いたんやけど、私らももう高齢ですし、一度皆で見せて貰って知らん人らにも『地元からこんなん出た』って知っといて貰いたいんですわ。どこ行けば見せて貰えますかなぁ?」というような内容でした。

壺、つぼ、ツボ・・・はて?館蔵品の中にありましたかね?一番お勤めの長い学芸員さんに聞いてみても、ン?壺はいろいろあるけど・・・ン?どれかな???
唯一手がかりは「地元の町史に写真が出てる」とのことでした。
館の蔵書の中から言っておられる町史を探すのですが、何故かそれだけが見当たらず。。。ならば!と当時の発掘調査報告書(1980年)を開いてみると、あった!多分コレ!きっとコレ!!絶対コレ!!!

でも、万が一、問い合わせのモノと違ったら・・・なのであきつ、地元の図書館へ走りました。図書館へはよく行くのですが、「地元市史」関連コーナーは残念ながらいつもスルー・・・お恥ずかしながら初めてあのブ厚い本を手に取りました。おかげで見つかりましたよ!やっぱりコレ!こ丸い形のかわいい壺!確かにツボ!

でも残念ながら当館ではお預かりしてないな~と・・・そこで!県内の発掘調査のことならと、滋賀県文化財保護協会の当時を知っていそうなベテラン職員さんに電話して聞いていただくことに。すると「確かに保管している。見て貰うことも出来る」との回答が!見事な連携プレーで解決です~良かったです~。
早速お問い合わせいただいた方に連絡すると「どこにあるのか分かっただけでも有り難い。地元のみんなとまた相談しますわ」とホッとしていただいたご様子でした。本当に良かった。
ちなみにこれは約1400年前の須恵器の壺で、本来は三方透かしの脚部が付いていたそうですよ。

ワタクシ、今回の事でひとつ勉強させていただきました。「人は歴史なり」「歴史は人なり」・・・う~ん、伝わりにくいのがあきつ語録のビミョーなところ。。。皆さんお察し下さい。それと今回のことがきっかけで手にした町史、これ、意外と面白い!住んでいながら知らないこといっぱいありました!・・・あ、小学校の時の校長先生が執筆してはる・・・とか(笑)
皆さんも一度地元の歴史を紐解いてみてはいかがですか?

   筆:あきつ

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