日別アーカイブ: 2015年10月16日

文化館のRINPA!

仏像や絵画など、日本には世界に誇る多彩な芸術作品がありますが、これらの制作にあたっては様々な流儀があります。それが「流派」です。江戸時代に誕生した「琳派」もその一つです。
そもそも「琳派」って?ここから少しお勉強。
江戸時代の始めの京都に本阿弥光悦と俵屋宗達というスーパーアーティストが現れます。彼らはこれまでの形式にとらわれない新しい作風を確立し、当時経済力をつけてきた京の町衆から絶大な支持を得ます。光悦は「寛永の三筆」といわれるほどの書家であり、陶芸や漆芸などにも秀でた人で、宗達は京都建仁寺の国宝「風神雷神図屏風」を描いたことでも有名です。
そこから時代が下ること100年、彼らをリスペクトするアーティストが現れます。それが尾形光琳・乾山兄弟です。二人は京都の雁金屋という当時のハイファッションを生み出した高級呉服屋に生まれ、恵まれた環境の下、宗達のような画風を目指し、絵画にとどまらず陶芸・漆芸・衣裳などの分野で次々に新しいものを生み出し、やがて光琳風が流行するようになります。
そして、江戸時代後期にふたたび、光悦・宗達・光琳・乾山たちに熱い思いを寄せるアーティストが現れます。それが酒井抱一です。抱一は江戸で生まれ育った人でありながら、京都で活躍した宗達や光琳たちの芸術活動に傾倒します。そして抱一は、ついに光琳風を「琳派」という一つの美術のスタイルにまで高めます。
あきつその他江戸時代を通じてダイナミックに展開する「琳派」ですが、日本にとどまらず、ジャポニズムとして西洋美術にも影響を与え、また現在でも琳派のオマージュ作品が作られるなど、その人気と影響力は絶大です。
琳派は今年で誕生400年を迎えました。これを記念して、現在京都国立博物館や京都国立近代美術館をはじめとして、あちこちの美術館で琳派の展覧会が催されています。

ちなみに琵琶湖文化館でも酒井抱一の作品「扇面散花鳥図」を所蔵しています。詳しくはコチラをご覧くださいませ!抱一の洒脱さが伝わるイッピンです。

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