日別アーカイブ: 2018年6月8日

ホタルのヒカリ

5月下旬頃から、県内で「今年もホタル乱舞」のなんとも季節感あふれる情報が飛び交っています。1年でわずかの期間にしか見ることができない、この貴重な体験を「見逃してはなるまい!」と、仕事帰りに近所の小川へ見に行ってきました。
その日は、雨が降り出す前の蒸しっとした空気で、風もなく、絶好のホタル鑑賞日和。。。時間も狙い通りの午後8時! (見頃は夜の7:30~9:00頃なのだそうです)、川の緩やかな流れのところにホタルはいました!しかもたくさん!ホタルは、ゆ~ったり、の~んびり、明るく点滅を繰り返していたので、ゲンジボタルかな?子どもの頃から、ホタルは結構当たり前に見られるものだと思っていましたが(世間的には田舎と呼ばれる地域に住んでいます)、皆さんの近くではどうですか?

実は、当館の館蔵品の中にも「蛍図」という作品があります。作者の塩川文麟(しおかわ ぶんりん)は、江戸時代末期から明治時代初期にかけて活躍した日本画家です。雨に煙った風景や暮かけてぼんやりした風景を得意としていたようで、もしかしたらこの夏が始まる前の空気感も得意だったかもしれませんね。

現代なら、ホタルが発する淡い光を、「蛍光色」で表現できる絵の具やマジックはたくさんあります。しかし、この「蛍図」は、絹地全体に薄墨を施して夜景の雰囲気をつくり、ホタルにのみ彩色が施されています。ちょっとアップにしてみるとこんな感じ→。
ホタルの頭の部分に赤い絵の具を、発光する光は淡い黄色を彩色することで表現されています。水墨画の中に描かれることにより、ホタルの儚さがより感じられるようです。

ホタルの見頃も、桜のように南から北へ北上するそうです=ホタル前線!そろそろ季節は、光の点滅が早いヘイケボタルにバトンタッチ?滋賀ではまだまだホタルを楽しめそうです。

筆:あきつ

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