日別アーカイブ: 2018年6月13日

紫陽花づくし

今週初めに、東北でも梅雨入りをして、梅雨入り宣言のない北海道をのぞいて日本列島は本格的に梅雨の季節となりました。梅雨の花の代表ともいえる紫陽花たちも、「待ってました!」と言わんばかりに、そこかしこで咲きだしたのを見かけるようになりました。
文化館の近くでも、青・白・紫と色とりどりの紫陽花が咲いて、道行く人々の目を楽しませています。ちなみに紫陽花は土壌の酸性度によってその花の色を変えるそうですが、文化館の敷地内には、こんな鮮やかな赤色の紫陽花が咲いています。様々な色をつける紫陽花はまさに七変化!です。

さて、生花ばかりではありません。当館に所蔵されている紫陽花も多種多様に表現され、七変化に磨きをかけます。まずは、江戸時代に描かれた「花卉図」。こちらは6曲1双の屏風で、一面一面に数々の草花が描かれ、その中に大輪の紫陽花が描かれています。屏風の中心に白にも薄青くも見える花は、どこか瑞々しく感じます。
そして、こちらの湖東焼の鉢にも紫陽花が描かれています。先ほどの屏風とは違って、側面に控えめに一輪の紫陽花が描かれています。濃い紫色の蕾と白い萼片が描かれていて、これはガクアジサイなのでしょうか?現在よく見かけるセイヨウアジサイとは少し違うのがわかります。
最後は、滋賀県出身の谷口幸珉の「金銅製紫陽花文壷」です。一見するとどこに紫陽花があるの?と思いますが、何と金色のところをよく見ると、小さな萼片たちが密集して描かれた紫陽花模様であることがわかります。前二作と違って、紫陽花を幾何学的な模様として使った作品です。
 紫陽花ひとつをとっても、作者によってまったく違う表現に変わります。皆さまもこの時期だけの楽しみとして、紫陽花の七変化を見付けてみてくださいね。

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