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琵琶湖文化館の「博物誌」-浮城万華鏡の世界へ、ようこそ!-①
2月6日(土)、安土城考古博物館で開幕いたしました「琵琶湖文化館の『博物誌』-浮城万華鏡の世界へ、ようこそ!-」。関係方々の多大なるご協力により、無事開幕いたしましたこと、心より感謝申し上げます。
この度、私共は、あえて文化館イメージのスタンダード=「仏教・神道美術」をメインとした展覧会ではなく、60年の歴史の中で幅広い分野を扱う博物館として、資料を収集し活動してきた、その一端を知ることができるユニークな作品を紹介しようと、本展の企画・準備を進めてまいりました。皆さまには「何故これが文化館に?!」というところも含めて、出品作品の「妙」を、楽しんでいただければと、考えています。
当日はその「妙」を力説するべく、午後から関連講座が実施されました。講師は井上優氏(県文化財保護課兼琵琶湖文化館)、「琵琶湖文化館60年の歴史と知られざる収蔵品の世界」という講演です。正直に言いましょう。今、現役でこれだけ文化館のことをアツく語ることが出来るのは井上氏をおいて他にはいらっしゃいません!というのも、60年前に「文化館開館」を成し遂げた初代学芸員さんらから、当時のエピソードや苦労話を直に聞いておられるから、なのです。それこそ「文化館とトンボ」にまつわる都市伝説?!や、「お城のカタチ」に秘められた真実?!・・・まで!参加の皆さんも思わずクスっと笑っておられましたねぇ(笑笑)。
井上氏は文化館のことを「夢の浮城」と表現されました。文化館には何でもあったと。それはプールや水族館を楽しみにしていた子どもたちにとってのもの、というだけではなく、先例のないところから文化財を調査し、掘り起こして展示した、その多彩な展覧会にも魅力があったからだと。そうなのです。先人から受け継がれた近江の文化財、先輩方から受け継いだ学芸員魂をもって、文化館が次のステップへはばたく展覧会なのです!
講座の最後には、出陳作品の「若返り地蔵」を紹介されました。
「時あたかも琵琶湖文化館は、昭和36年(1961)3月20日の開館から満60年を迎える。還暦を迎え、新たに生まれ変わり、若返る文化館の寿ぎにふさわしい作品であろう。」(講座資料より)
本展には、名だたる国宝・重要文化財は出陳されておりません。一方で「なんだこれは?!」と皆さんに思っていただける「仕掛け」があります。モノの価値は指定や著名度だけでは計れない、そのような目で、本展・浮城万華鏡を楽しんでいただければ幸いです。
皆さまのご来場を心よりお待ちいたしております。