月別アーカイブ: 3月 2021

文化財保護法に守られるイキモノ

滋賀県は、豊かな自然を背景に古くから優れた文化が発達し、全国でも有数の文化財保有県です。当館の収蔵品もさることながら、滋賀県の文化財指定件数などをHPで紹介しているワタクシとしては、もっぱら県内の文化財の情報に関して敏感になるもので・・・しかしそれは、美術工芸品であったり建造物であったり、基本的に動かないモノに限られます。
そこで今日はめずらしく、動く文化財「生き物」のお話をしましょうか!

国では、「文化財保護法」に基づき重要なものを国宝、重要文化財、史跡、名勝、天然記念物等として指定、選定、登録し、文化財の保存が図られています。さて皆さんは、この中で「生き物」、分かります?それはズバリ天然記念物!「動物,植物及び地質鉱物で我が国にとって学術上価値の高いもの」のうち,重要なもの。そして天然記念物のうち、特に重要なものは特別天然記念物に指定されます。・・・で、ワタクシ、偶然見てしまったのデスヨ・・・天然記念物・・・しかも特別天然記念物!国宝級のイキモノです!上の写真↑↑で見えます?ワカリマス??

拡大写真がコチラ↓↓間違っていないとは思うのですが・・・これはまさかのコウノトリ?!シラサギよりも大きくくちばしが黒い。アオサギよりもズングリで尾羽が黒い。ツルよりは・・・小さい?(すみません。野生の鶴を見たことがないので分かりません。)おやっ?!足にはちゃんと、タグが付いていますよ!

コウノトリと聞いて思い浮かべるのは、近畿ではやはり兵庫県でしょうか。特に豊岡市は積極的に活動をしておられますよね。そこでちょっと調べると、「あなたのまちにコウノトリが飛来したら、」というパンフレットを発見!今まさにその心境です!!どどどどぅしょ~~。パンフレットをよく見ると、「飛来が確認された市町村一覧(2015.9.1現在)」が掲載されていて、滋賀県では・・・大津市、彦根市、長浜市、近江八幡市、守山市、高島市、東近江市、米原市、日野町、愛荘町・・・おやおや?意外と目撃情報が?
そういえば昨年の8月に高島市の安曇川に約9羽が飛来、6月には長浜市三田町の鉄塔で巣作りなどの情報も!調べると意外とあるものです。ただ、このコウノトリは田園に1羽だけで、お食事に夢中なご様子。。。お友達はいないのかしら?
ともあれ、気に入って滋賀に飛来してくれたのなら、すごく嬉しいです!まもなく田植えの季節、カエルの鳴き声なども聞こえてきましたよ。ハッ!人間を恐れて逃げて行ったりしないかしら?(遠くに離れて車を止めても、必ず顔を上げてコチラを確認する臆病なところが・・・野生!)一定の距離を保ちながら、あたたかく見守りましょうね~。

さて、コウノトリは「幸せを運ぶ」ともいわれる縁起の良い鳥。今回の偶然の出会い(発見)は、どんなご縁を結んでくれるのでしょうか?「きっといいご縁がありますよ」と、ヨゲンノアキツ(ちょっと懐かしい(笑))も申しております。明日から始まる新年度、皆さんも一緒に 
“期待”しておきましょ!♡!

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琵琶湖文化館の「博物誌」-浮城万華鏡の世界へ、ようこそ!-開催御礼

あっという間、本当にアッという間(2/6~3/21)、38日間の夢の展覧会。皆さんは展覧会をご覧になってどうでしたか?私たちは、会場でのアンケートや、付箋に書いて下さったメッセージなどを拝見するにあたり・・・皆さんのそのリアルな反応がすごく嬉しかった、楽しかった展覧会でありました!
3/20は琵琶湖文化館60歳のお誕生日。還暦を迎えたその日、会場でギャラリートーク行いました。多くは語りません。こちらの写真で十分に伝わるのではないでしょうか?琵琶湖文化館が博物館として幅広く収集してきたコレクション、それぞれの作品に対する愛溢れる万華鏡トーク(笑)。
「是非ココに注目してほしい!」というポイントは講師お手製のクリップボードに。何故この作品が文化館にあるのか、その作品の来歴、文化館が歩んできた歴史と共に、詳しく解説させていただきました。話を聞きながら、興味深そうに展示ケースをのぞき込む皆さんの姿に、私たちは純粋に喜びました。

そしてギャラリートークのシメは、やはりこの方。講師が「どうしても今回の展覧会に出したかった」という若返り地蔵です。「文化館は開館60周年を迎えます」「還暦です」「ということは?」・・・『若返り!』←会場の皆さんと、笑顔でハモった時には、すご~く嬉しかった(笑)。とても楽しいお誕生日となりました!

あっという間の駆け足で終わってしまった展覧会。思い返せば、お伝えしきれていないことも多々ございました。その筆頭が『展覧会クイズチャレンジ』。ホームページでお楽しみいただいていた方へ、回答も更新しましたので、展覧会の復習がてら、お楽しみいただけると幸いです。

そして皆さんが書いてくださったメッセージボード。実は会期中に「あきつ君缶バッチマグネット」を大幅に増量し、貼り替え3回:720枚分のメッセージを皆さんからお寄せいただきました。(3月末まで文化館前の掲示板にも貼り出しています。)中には「琵琶湖文化館」と会場の「安土城考古博物館」さんを勘違いして記入されている方もいらっしゃいましたが(笑)、そこはご愛敬!
「文化館に思い出がある人がいっぱい観に来てくた!」「子どもの絵ヂカラすごい!」「君の夢楽しみ!」「文化館頑張れって応援も!」・・・本当に心あたたまる、メッセージがいっぱい・・・これらにどれほど励まされ、勇気付けられたことか!収蔵品を皆さんにご鑑賞いただき、作品の魅力、滋賀の魅力をより多くの人に知っていただく。博物館としての本分を再認識した60周年記念展です。

ご鑑賞いただいた皆さま、ご協力いただいた皆さまに、心から感謝申し上げます。本当に有り難うございました。琵琶湖文化館、生まれ変わって新たな文化館へ、リスタート(再始動)!です!!

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いざ。浮城万華鏡の世界へ!

現在、県立安土城考古博物館で開催されている「琵琶湖文化館の『博物誌』-浮き城万華鏡の世界へ、ようこそ!-」。今日は会場に仕掛けられている、ある「工夫」についてご紹介いたしましょうかね~♪

有難いことに、大変好評をいただいている本展。こちらのご夫婦は、屏風の前でじっくりと。あちらの女性は、掛軸を眺めてうっとりと。はたまた、小判が並んだケースをのぞき込んで、夢中になっている殿方も!?!
いいですね~この、ゆ~ったりとした時間♡。皆さん日常を忘れて、ゆっくり・熱心にご鑑賞いただいている様子が・・・なんとも嬉しいのです♡。

“ゆっくり・熱心に”・・実はその理由、あちらこちらに仕掛けられた展示の工夫のせいかもしれません。作品紹介の横には、お子さま向けのちょこっとした文章が。。。これは安土博の学芸員さんが用意して下さった「おしえて!!あきつ君」。普段は安土博さんのマスコットキャラクター「まめのぶくん」が登場するところを、本展では特別に「あきつ君」がしゃしゃり出ています(笑)。しかし、その内容は子ども向きと侮るなかれ!大人が読んでも思わず「へぇ~」と声に出してしまう程の内容が、分かり易く紹介されているのですよ。子供から大人まで楽しめる「教えて!!」シリーズにご注目下さい!

更にはコチラ。展示ケースの前に置かれているこの冊子。実はコレ、「近江物産志」をより楽しむためのアイテムです。「近江物産志」は、江戸時代の書物で、今で言うところの生き物図鑑?キノコや草花、魚、鳥、昆虫などが、イラストで描かれています。実物はケースの中に展示されているので、他のページを見ることが出来ませんが、これなら大丈夫!ページを捲ると、とってもユーモラスに描かれた生き物たちのイラストが!どうにもこのヘタウマな生き物たちが心に残る(笑)。中からお気に入りの絵を見つけてみるのも面白いですよ。トンボもいるので、要チェックです!!

そして、ポスターやチラシを見たときに意外と目を惹く、「若返り地蔵」。みなさんはどのくらいの大きさを想像してますか?30cmくらい?・・・いえいえ、なんのなんの。会場で実物を見てビックリして下さいね。実際に出会ってこその驚きです!

展覧会の開催期間も、残りわずかとなりました。文化館の誕生日である3月20日(土・祝)には、午後1時半より「開館記念日ギャラリートーク」が開催されます。文化館の総力を結集した愛溢れる“万華鏡トーク”を是非会場で!皆様のご来場を心よりお待ちいたしております(会場は安土城考古博物館です)。

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琵琶湖文化館の「博物誌」-浮城万華鏡の世界へ、ようこそ!-④

展覧会が始まって早1ケ月。会場の安土城考古博物館さんへ向かう道行も、少しずつ春の気配が濃くなってきたように感じます。
そんなお出かけ日和の3月6日(土)、展覧会の関連講座「琵琶湖文化館所蔵の考古資料と近江の考古学」が開催されました。
お話されたのは安土城考古博物館の藤﨑髙志氏。本展で大変お世話になっている学芸員さんです。文化館の考古資料・・・ザックリ言うと、いろいろとあります(笑)。縄文土器から弥生土器、蔵骨器、骨角器、石器、瓦・・・藤﨑氏曰く、「いいモノがいっぱいある。でも展示するにはムズカシイ」と。。。その真意や如何に??!

お話を聞いて納得しました。講座のタイトルには「近江の考古学」という言葉が含まれていますね?!そこがミソです!
江戸時代には既に(マニアと呼べる)人々が奇石や瓦をコレクションの対象として注目(本展でも紹介してる木内石亭はその筆頭!)。明治期には相次ぐ重文クラスの掘り出しモノが(野洲市大岩山銅鐸、野洲市甲山古墳獣帯鏡、高島市鴨稲荷山古墳副葬品など)滋賀からは散逸(国や調査団体に)。その後も、大正から昭和にかけて、近くの山(古墳やお城跡)や畑から、いろんなモノが見付かっています。ですが当時、発見された遺物は基本的に見つけたヒトのモノ。学術調査の体制が整うのはもう少し後のことでした。
そこで昭和36年(1961)に開館した琵琶湖文化館が登場します。当時の学芸員さんらが、大正・戦前に散逸したモノを、“再び”集めようとした・・・→だからコレクション(シリーズもの)になっていない→単体としてはすごくいい→でも展示で構成するにはムズカシイ・・・と。
・・・いやぁ納得!

この世の中に「歴史の語り部」ではないモノは無い!ですね。先輩学芸員さんの苦労話を、このような形で聞けて嬉しかったです。文化館が(何でも集める)博物館として存在していたからこその収集品!だからこその「万華鏡」展(何でもアリ!)!そのほんの一部ですが、会場でトクとご覧くださいませ~!

[講座こぼれ話]
昭和37年に野洲市大岩山で出土した銅鐸10口を保管するために作られた県内初の考古遺物の収蔵庫は、文化館の敷地内にあったのですよ~。

[戦国こぼれ話]
現在、安土城考古博物館さんでは期間限定で、人気ゲーム「戦国無双5」とタイアップしたプロジェクトが進行中(~3/21まで)。織田信長・濃姫の等身大パネルとの写真撮影や、スマホでARキャラクターが出現(?!)、デジタルスタンプラリーなどが楽しめます。
レストランでは戦国合戦カレーも味わえますので、展覧会と一緒にお楽しみ下さいね~。

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ご縁があった方たちの・・・①測定調査②近江のたから

①皆さんは覚えておいででしょうか?
当館で行われていた理系学生さん達の、対:地球規模的環境改善に向けたチャレンジを!当ブログでは、2020/12/08付け「頑張れ学生さん!」で紹介しておりました。学生さんたちが水質測定器を手作りし、当館の水辺に設置。きちんと水位や濁度などを自動計測できるかどうか、モニタリング調査に挑んだあの取り組みです。海外の河川流域における水質汚染が懸念される昨今、環境改善に向けての一助となる自動測定器。当初マレーシアでの現地調査を予定していたところ、コロナ禍で行くことが出来なくなり、琵琶湖での調査に切り替えられたため、当館で場所を提供・協力させていただいたのでした。
その研究成果たる論文が届きましたヨ!見よ!この厚み!これぞ若い力の成せるワザ!!そして中をめくると・・・ちゃんと文化館でのことも書かれています(泣笑)!!
思い返せば雪が舞う12~1月にかけての調査でしたね、よくぞここまで頑張りました!教授からも◎をいただいたそうで、届けてくれた学生さんの表情も、達成感でお顔ハレバレ(笑)。こちらもなかなか普段ご縁が少ない理系諸君との交流で、いろいろと楽しくお勉強させていただきました!研究成果に自信をもって、世界に、未来に、はばたいてください!応援してま~す!!

②「近江の宝 ぬりえシリーズ」発起人さんのチャレンジです。
現在、近鉄百貨店草津店では、滋賀県ならではのたからものである「歴史文化」や「くらしの文化」を、見て、触って楽しめる展示と、体験を組み合わせたイベント「近江のたから わくわく体験」が開催されています(~3/9まで)※写真は2階アカリスポットの展示風景
お気付きでしょうか?当館の『近江の宝』ぬりえシリーズ と『近江のたから』わくわく体験・・・この共通項。実は、当初ホームページだけで展開しようとしていたぬりえを、「パンフレットに印刷しちゃいましょうよ!」と後押しして下さった方が企画した、スペシャルチャレンジなのです!ゆえに『お・う・み・の・た・か・ら』(笑)!!
ということで、当館の[ぬりえシリーズ]も、モチロン会場でゲットできます!
更には、当館所蔵の「崇福寺跡 出土 蓮華文軒丸瓦」を3Dプリンターでほぼ実寸大に再現!会場で”触って楽し”むことができます!壊れやすい文化財、なかなか皆さんに触れていただく機会が少ないのですが、これなら触り放題!(但し手指消毒必須)!また、仏像や屏風の構造見本も当館から出張中です。6日(土)・7日(日)の体験イベントでは、こちらも触れますので要チェック!詳しくは「近江のたから わくわく体験」[滋賀県文化スポーツ部文化財保護課]で検索してくださいね!

ちなみに会場で、大きく設置されている「滋賀のあゆみが分かる」歴史年表。原始時代から現代まで、日本のあゆみ・滋賀のあゆみが大変わかりやすく紹介されているのですが、実はこの歴史年表の中に・・・「1961滋賀県立琵琶湖文化館開館」の文字写真が!!これはそのまま教科書に載せてもらいたい年表です(笑)。

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2月のホームページアクセス数

今日から3月。文化館の事務所にある鉢植えの桜が、本日花を咲かせました。早々と春の訪れを教えてくれているかのようです。更に嬉しいニュースが。。。2月6日に開催した地域連携企画展「琵琶湖文化館の『博物誌』-浮城万華鏡の世界へ、ようこそ!」。ご覧になってくださいましたか?会場となっている安土城考古博物館さんからは、「多くの方が来館されている」との嬉しい知らせをいただいています~。展覧会が好調であるってことは?!当館のホームページアクセス数にも反響が♡2月のアクセス数は、2,709件と先月を大幅に上回っています!みなさん、本当にありがとうございます!

展覧会の反響も然ることながら、文化館チャレンジのニューフェイス「近江の宝 ぬりえシリーズ」。ホームページに掲載から一か月近く経ち、こちらもアクセス数が↑↑↑。文化館の収蔵品や、神さま仏さま、滋賀にゆかりのあれこれが、ぬりえとなったこのコーナー。お手本の作品を見ながら挑戦すると、「ココはどんな色になってるの?」や「この羽の柄はどうなってるの?」とか「私ならこの色にする!」と自分が作品を作り上げる感覚で観ることができます。特に「鳥禽図」と「山法師強訴図」は現在「琵琶湖文化館の『博物誌』-浮城万華鏡の世界へ、ようこそ!」に出品されています。会場で作品を鑑賞するときに、見方が変わって面白いので、おススメですよ。皆さんも是非、楽しんでくださいね。

そして本日、皆さんから投稿いただいた作品を紹介する新しいコーナーが誕生!これがなかなかの個性派揃い!楽しい作品が並んでいます♪皆さんもどんどんチャレンジを!!

琵琶湖文化館は3月20日に開館60周年を迎えます。何か楽しいコトが起こりそうな予感♡還暦となった文化館を今後ともよろしくお願いします。

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