月別アーカイブ: 2月 2022
「伝教大師最澄と天台宗のあゆみ」展 関連講座開催!
日中の寒さが少しゆるみ、春の気配を感じた27日(日)、守山市にある湖岸沿いの”コーエン(公園)”では、黄色のカンザキハナナ(菜の花)が早春の風に揺られ、人々の目を楽しませておりました。
さて、日曜日になぜ湖岸沿いの道を車で走ったか、といいますと、目指すはモチロン近江八幡市安土町でゴザイマス!こちらの”コーエン”は、知的好奇心を満たす「講演」です♪
現在、安土城考古博物館で開催中の「伝教大師最澄と天台宗のあゆみ」展。27日は関連講座「最澄時代の仏像と天台の美術」がおこなわれ、当館の和澄主任学芸員が講師を務めさせていただきました。
講座のタイトルでお気付きかと思いますが、和澄主任学芸員の専門分野は彫刻の「仏像」です。講座では最澄が生まれる少し前(奈良時代前半)、最澄青年期(奈良~長岡京時代)、そして活躍期から晩年(平安前期~)と、「おそらく最澄も見たであろう(?!)」時代の仏像の変遷について紹介されました。代表的な仏像を写真で比較すると、確かにそれぞれの時代によって特徴的な違いが・・・。ココは言葉で想像していただきましょう・・・「素材が違う」「8等身」「量感がある」「太ももパンパン」「圧倒的な迫力」「少しスリムになる」「スッキリとしたプロポーション」などなど。講師から紹介される魅惑の言葉に、参加の皆さんは、感心しきりのご様子でした。
後半では、最澄が将来(請来)した天台宗の根本経典である法華経から広がった仏教美術の世界を、展示中の作品と絡めて紹介。「最澄が大切にしたから法華経美術が発展した。その後に続く円仁や源信らによってさらに浄土教美術が発展した。元をたどると、良いものは何でも取り入れるような最澄の懐の深い教えがあったから。今回の展示からその一端でも感じてもらえれば」と、締めくくりました。
その後、展示会場では作品を熱心に鑑賞する皆さんの姿が印象的でした。
手前味噌な話ですが、こういう話を聞くと、本当に作品の見方が変わります。今回聞き逃したという方、3月13日(日)13:30からギャラリートークが実施されますので、ふるってご参加いただければと思います。
いい話を聞いてじっくり作品をみて・・・。会場を後に再び湖岸を走ると、遠くに見えるは比叡のお山と琵琶湖の夕景。いつもの景色がいつも以上に愛おしく有り難く、思わず手を合わせてみた自分・・・そんな帰り道となりました。
高校生のアイデア拝聴! 新・琵琶湖文化館
このたび、滋賀県・文化財保護課さんでは、滋賀県立膳所高等学校の1年生で美術を選択している生徒さん達を対象に、全6回のカリキュラムで文化財に関する連続授業がおこなわれました。
実はこの授業に当館の学芸員も参加しておりまして、その内容はといいますと、「文化財を知り、考える」をテーマにしたフィールドワークや、文化財と「琵琶湖文化館」について、滋賀県の文化財の概要、琵琶湖文化館のこれまであゆみと新文化館の構想などを、座学で学ばれた、とのことです。
・・・!・・・今、サラリと書きましたがとても気になるワードがありました・・・そう!我らが「琵琶湖文化館」のことを授業に取り入れていただいてます~!特に、令和9年度(2027)に新しく生まれ変わる(仮称)新・琵琶湖文化館での取り組みの具体案、これを生徒の皆さんが一生懸命考え、アイデアを発表してくださるとのこと。なんて画期的なこの授業!わくわく・ドキドキ♪若い皆さんからどんなアイデアが出てくるのか、大人たちはそれはもう興味深々です(笑)。
ということで、21日に実施された発表会に潜入。。。4~6名のグループ毎に、「社寺」もしくは「仏像」のジャンルについて、課題や目的を整理し、生徒たちが思い描く「新文化館の具体案」が発表されました!ここでは項目だけご紹介しておきましょうか!?
〇VR仮想空間で素敵体験!
〇AR拡張現実でゲーム体験!
〇インスタで社寺フォトコンテスト!
〇おみくじ!御朱印!!
〇仏像ファッションショー!
〇お化け屋敷!?!
〇オリキャラ(オリジナルキャラクター)
必須!!
・・・だそうです♡♥♡
さっ、さすが若人!イマドキです!夢があってイイ!「楽しくしよう」という気持ちが前面に押し出されたアイデアです!机に向かって頭をひねるだけでは、到底出てこない発想。。。いやはやコーコーセー恐るべし(笑)♪
授業を終えて館に戻って来た学芸員は、開口一番に言いました「高校生に文化館のこと考えて貰って嬉しい!」「大人だけで話し合っている会議より”よっぽど”面白い」と・・・。いい刺激になったようです(笑)♪
今回の授業、さまざまなアイデアを直にうかがうことができ、こちらもビシッと気合が入りました!より良き新・琵琶湖文化館の建設に向けて、大人たち、頑張ります!!
授業に参加してくださった生徒の皆さん、声を掛けてくださった先生方、貴重な機会をいただき、誠に有り難うございました!大人たち、頑張ります!
「伝教大師最澄と天台宗のあゆみ」展 開幕しました!
2月5日より安土城考古博物館にて始まりました琵琶湖文化館地域連携企画展!初日は立春寒波に見舞われ県内北部に大雪警報が発令されるなど、内心ヒヤヒヤしておりましたが、会場の近江八幡市は晴れ間もみえるいいお天気!幸先の良いスタートとなりました♪
博物館に入ると、先ずお出迎えしてくれるのが、”信長バージョンの飛び出し坊や”です♡(もももしや・・・これは・・・とてもレアキャラなのか??!)ノブナガくんに導かれて会場に向かうと・・・・はい!ドンときたーっつ!!会場の入口です。↓↓↓
本展は、日本天台宗の宗祖伝教大師最澄が示寂して(お亡くなりになって)1200年の節目を機に、当館が収蔵する最澄に関わりある品々や天台宗の幅広い信仰を示す文化財を中心に展示公開しています。
皆さんご存じかもしれませんが、昨年から今年にかけて、国立3館(東京・九州・京都)で「伝教大師1200年遠忌」を記念した巡回展が開催されています。が、しかしこちらは、何と言っても日本仏教の母山とよばれる比叡山を仰ぎ見る、地元・滋賀での開催。しかもです、歴史的には禍根をのこしていたかもしれない(?!)比叡山(天台宗)の、宿敵ともいえるノブナガさまの”おひざ元・安土”において、最澄さんの足跡を紹介する展覧会を開催する、ある意味とっても画期的(?!)な展覧会なのです。
とはいえ、昨年9月には、「比叡山焼き打ち」から450年を機に、織田・明智の子孫の方々が延暦寺に招かれ、犠牲者の慰霊法要が営まれていますし、こうして平和な時代に最澄さんにかかわる展覧会を関係方々のご協力を得て、滋賀・安土の地で開催できることに、深く感謝申し上げたい次第です。
展覧会初日には、地元観光ボランティアガイドさんをお招きし、本展の魅力をたっぷりレクチャーさせていただきました。観光で滋賀を訪れる皆さんに、是非とも本展をPRしていただきたい!多くの方々にご来場いただけるよう、お力添えをよろしくお願いいたします!
おや?作品が展示されている会場の様子をまだ紹介していないのに、本日のブログ、もう字数をオーバーしてしまいました・か??おやおや。。。
お伝えしたいことは山ほどございますが、この続きはまたのブログで!気になる方は是非会場へ足をお運びくださいませ♪
急いで飛び出さなくても(?!)大丈夫ですよ~展覧会は4/3まで、会場は安土城考古博物館での開催です~♪
1月のホームページアクセス数
新年が始まって、早一か月。今日から2月の始まりです。お正月から厳しい寒さが続いていますが、今日はこの寒さに負けずホームページアクセスについて発表して参りたいと思います!新年最初となります1月のアクセス数は2,014件となりました。多くのご訪問ありがとうございました。数あるホームページのコンテンツの中でも今回は、地域連携企画展「伝教大師最澄と天台宗のあゆみ」のページをご覧になっている方が多く、皆さんがこの展覧会を期待しておられるのだということが伝わってきます。
開催まで一週間を切り、今週の土曜日(2/5)に始まる今回の展覧会。本日、文化館では会場となる滋賀県立安土城考古博物館へ運ぶために、出陳作品の梱包作業が行われています。今日はその様子をチョコっと覗き見てみましょう。
「出陳作品の梱包」と言ったら、どんな作業をイメージしますか?「作品が壊れないように丁寧に包んでトラックに載せて、ハイ出発!」という感じでしょうか?…いやいや、そう簡単にはいきません。→こちらの写真では、学芸員がじっくりと屏風を見ていますね。これは、梱包する前に、輸送や展示などの支障がないか、安全に梱包・輸送するため注意するところはどこか等を、細かくチェックしていきます。そして、そのチェックが終わり問題が無ければ、ようやく梱包となります。これを作品一つ一つ丁寧に進めていきます。
今回、文化館から安土へ旅立つ収蔵品は約50件。屏風だけではなく、仏像や教典など種類は様々。これらすべてをチェックしていくため、学芸員さんは連日大忙しなのです。
最澄没後1200年となる今年。「伝教大師最澄と天台宗のあゆみ」展は、最澄が誕生した近江の地で開催される貴重な展覧会で、当館が収蔵している最澄や天台宗にゆかりある品々がずらりと並びます。普段はなかなか見る機会の少ないものも多く必見です。ぜひとも、滋賀県と天台宗のつながりを感じに、会場に足をお運びくださいね。