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「伝教大師最澄と天台宗のあゆみ」展 関連講座開催!

日中の寒さが少しゆるみ、春の気配を感じた27日(日)、守山市にある湖岸沿いの”コーエン(公園)”では、黄色のカンザキハナナ(菜の花)が早春の風に揺られ、人々の目を楽しませておりました。
さて、日曜日になぜ湖岸沿いの道を車で走ったか、といいますと、目指すはモチロン近江八幡市安土町でゴザイマス!こちらの”コーエン”は、知的好奇心を満たす「講演」です♪

現在、安土城考古博物館で開催中の「伝教大師最澄と天台宗のあゆみ」展。27日は関連講座「最澄時代の仏像と天台の美術」がおこなわれ、当館の和澄主任学芸員が講師を務めさせていただきました。

講座のタイトルでお気付きかと思いますが、和澄主任学芸員の専門分野は彫刻の「仏像」です。講座では最澄が生まれる少し前(奈良時代前半)、最澄青年期(奈良~長岡京時代)、そして活躍期から晩年(平安前期~)と、「おそらく最澄も見たであろう(?!)」時代の仏像の変遷について紹介されました。代表的な仏像を写真で比較すると、確かにそれぞれの時代によって特徴的な違いが・・・。ココは言葉で想像していただきましょう・・・「素材が違う」「8等身」「量感がある」「太ももパンパン」「圧倒的な迫力」「少しスリムになる」「スッキリとしたプロポーション」などなど。講師から紹介される魅惑の言葉に、参加の皆さんは、感心しきりのご様子でした。

後半では、最澄が将来(請来)した天台宗の根本経典である法華経から広がった仏教美術の世界を、展示中の作品と絡めて紹介。「最澄が大切にしたから法華経美術が発展した。その後に続く円仁や源信らによってさらに浄土教美術が発展した。元をたどると、良いものは何でも取り入れるような最澄の懐の深い教えがあったから。今回の展示からその一端でも感じてもらえれば」と、締めくくりました。
その後、展示会場では作品を熱心に鑑賞する皆さんの姿が印象的でした。

手前味噌な話ですが、こういう話を聞くと、本当に作品の見方が変わります。今回聞き逃したという方、3月13日(日)13:30からギャラリートークが実施されますので、ふるってご参加いただければと思います。

いい話を聞いてじっくり作品をみて・・・。会場を後に再び湖岸を走ると、遠くに見えるは比叡のお山と琵琶湖の夕景。いつもの景色がいつも以上に愛おしく有り難く、思わず手を合わせてみた自分・・・そんな帰り道となりました。

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