日別アーカイブ: 2024年1月15日
ガス灯とともに一味違う散策を
皆さん、「ガス灯」をご存じでしょうか?一般的な電気を利用した電灯と違って、ガスを燃料として使われている照明が、ガス灯です。
日本で初めて街灯としてのガス灯が横浜に建てられたのは、およそ150年前の明治5年(1872)。大正時代に全盛期を迎え、現在も北は北海道から南は沖縄まで日本全国に3000基が街を照らしているそうです(東京ガスHP参照)。レトロな風合いのあるこの街灯を、どこかでご覧になったことが・・・ありますか?
そうです。文化館前の歩道にもありました。
・・・エッ?過去形?
そう実は過去形なのです。通行される方の安全確保の為、先日、撤去工事が行われ、なぎさ通り沿いの5基が姿を消しました。馴染みの風景として当たり前に見ていたものが無くなり、一抹の寂しさはありますが、無くして気付くこともあり!改めて、ガス灯のことを調べてみましょう。
文化館からなぎさ通りを西に進んだ場所(大津市民会館向かい)には、ガス灯の由来が書かれた記念碑が建てられています。
それによると「大津市ガス事業50周年記念」とありました。大津市がガス事業を民間業者から譲り受け、昭和12年(1937)に市営ガスとして供給を開始し、その50周年を記念して建てられたものがなぎさ公園のガス灯だったのです。
琵琶湖文化館前のガス灯はこの度撤去されましたが、湖岸にはまだ7基残っています。大津市では他に三井寺周辺、石山寺駅前、浜大津駅前、そして長浜市の慶雲館や彦根市の四番町スクエアなどにも設置されているそうです。
暖かい春になって散策をするとき、身近な風景の中で、ぜひとも街の「ガス灯」にも注目してみたいです。ガス灯が開発された「文明開化」の時代に思いをはせながらの散策も、きっと一味違う楽しさがあるでしょうね。