日別アーカイブ: 2024年1月4日

令和6年 文化館の辰(龍)

新年 明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 昨年末のブログでは、「初詣、いろいろな場所でいろいろな龍に出会えますよ」と、ちょこっと豆知識の小ネタ(?)を披露したところですが、年明けブログは・・・やはりここはお目出たく、当館の「龍」を紹介せねばなりませぬ。

 この龍、皆さんは何だと思いますか?・・・問い方を間違えました→何に(どこに)描かれていると思われます?

 よく見ると、下地には金箔が使われていますね。猛々しい龍が睨みをきかせています。何かに掴まっていますよ。後ろのシマシマの形にもヒントがありそうです。

 実はこれ、ホームページの収蔵品紹介にも掲載している「源平合戦図」屏風の“とある部分”に描かれた龍です。見付けられます?

源平合戦図 狩野氏信 筆 (琵琶湖文化館蔵)

 本図は、平家物語の源平合戦の名場面のうち、右隻には「敦盛最後」を、左隻には「那須与一」が屋島合戦で扇の的を見事に射貫くシーンが描かれています。

 ここで思い出したいのが、滋賀の文化財講座花湖さんの打出のコヅチ第4回で登場した「弘誓寺」。実は近江七弘誓寺の一つを、那須与一の子孫である愚咄坊(ぐとつぼう)が開いた・・・という聞き捨てならぬ伝承が伝わっています。東国武士である那須与一が滋賀につながるこのご縁、歴史研究の醍醐味です(笑)。

 えぇっと・・・少々無理ムリ(?!)、那須与一に注目したところで!作品をもう少しアップにして見てみましょう。

  いた・・・龍がいた!
  那須与一の兜に!!
  いましたよ!!!

 波間に揺れる扇の的を射抜くという神業、まさに神仏の加護を願いたい、その一場面に描かれていた龍・・・。
 ・・・もう、ね、コレに気付いてしまったら、どんなに小さな『ひとコマ』でも、皆さんに紹介したい(!)あきつブログなのでございますヨ(笑)。

 龍が如く上り調子の一年に!本年もどうぞよろしく♪お願いいたしま~す!!
(※ 実は、左隻に描かれた武者6人のうち、3人の兜に龍は居ります・・・エヘッ。)

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