日別アーカイブ: 2024年2月20日
打毬に胸キュン♡ 学芸員はココを見た(笑)
今年のNHK大河ドラマ「光る君へ」。吉高由里子さんが演じるまひろ(紫式部)と、柄本佑さんが演じる藤原道長の関係を中心に、当時の宮中の人間模様が描かれます。近年まれに見るラブコメ要素♡に目が離せないという方も、いらっしゃるのではないでしょうか??
先日の2月18日放送回では、道長が「打毬(だきゅう)」をする姿に見とれてしまうまひろ、そしてまた道長もまひろが気になって仕方がないという、少女漫画のような描かれ方にときめいた☆☆☆・・・と語る学芸員もおります(笑)。
さらにこの学芸員、長めに割かれたこの打毬のシーンにも感動したそうです。打毬とは、馬に乗って木製の杖(毬杖、ぎっちょう)で毬を打って競うスポーツ。奈良・平安時代に宮中の年中行事となり、鎌倉時代には衰退しましたが、江戸時代に八代将軍吉宗が推奨したため盛んにおこなわれるようになったということです。絵画作品にも様々に描かれてきた打毬、しかし残念ながら当館にはそうした品がない・・・とのことでした。。。
「いや、まてよ!?道長の精悍な打毬装束姿に通じる絵画があるのでは!?」 探しました↓
こちら、十二カ月図屏風の右隻。1月から6月が描かれています。そのうち左側の第6扇に注目すると・・・
男性が鹿の毛皮の行縢(むかばき)を履いていますね。ドラマをご覧になった方、気付かれましたか?打毬のシーンでイケメン達が履いていましたよぉ♡
十二カ月図の方は弓矢を携えた狩装束なので、ドラマに登場した装束とは違いますが、保温や泥除けのための行縢は共通しています。 清流の流れる山中で、狩人二人が篝火を焚いている6月の情景・・・。江戸時代の絵師・月岡雪鼎による繊細で上品な顔の表現もあいまって、なんだかドラマに出てくる俳優さんみたい♡
ちなみに、全国各地にみられる火祭り行事の左義長(さぎちょう)祭。左義長は「三毬杖」「三毬打」「三鞠打」などと書かれ(※読み方はすべて“さぎちょう”です!)、もとは破損した毬杖を陰陽師などが集めて焼いたのが起源とされます。滋賀県内では近江八幡市・日牟礼八幡宮の左義長祭が知られ、今年は3月16日、17日に行われます。
「光る君へ」のラッピング電車に乗って、今に残る「打毬」の痕跡を探しに、滋賀を旅してみてはいかがでしょうか♪