月別アーカイブ: 5月 2024

「光る君へ紀行」に当館も所蔵する〇〇が登場!

  NHK大河ドラマ「光る君へ」では、登場人物たちが筆を使って文字を書くシーンがたくさん出てきます。
 5月12日放送の第19回でも、吉高由里子さん演じるまひろ(紫式部)が『新楽府』を書き写すシーン、まひろの父の藤原為時が除目の申文を書くシーンがありました。そして、藤原道長が日記を書き始めたエピソードにも、筆の存在を感じさせます(その日記を広げたままにして妻の源倫子が覗き見るのもドキドキ♪)。
 

  さて今回の「光る君へ紀行」では、道長直筆の日記である陽明文庫所蔵の国宝「御堂関白記」とともに、滋賀県高島市の筆づくりが紹介されました。番組では、安曇川の流れとともに、筆の制作・販売をする高島市の攀桂堂(はんけいどう)で、巻筆が作られる様子を放映。まさに毛を巻いて作っている様子が分かりましたが、一般的な作り方の筆との違いはご存知ですか?

 現代の一般的な筆(水筆(すいひつ)と言います)は、筆先は毛(獣毛)のみで作られますが、巻筆は中心に芯となる毛を立て、その周りを和紙で巻き、さらに数回にわたって毛と紙を交互に巻き付けて作られます。こうした作り方の筆は中国から伝わり、正倉院には奈良時代の巻筆がのこります。江戸時代の末に水筆の製法が伝わってからは、巻筆の生産はごく少なくなっていったようです。

天平筆(雀頭筆) 当館蔵

  当館では、巻筆を作り続ける攀桂堂の14代目藤野雲平(1999年没、県指定無形文化財)の作を所蔵しています。2021年に高島市で開催した地域連携企画展でご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。まひろや道長も、こんな巻筆を使っていたのかなと想像すると楽しいですね。

  ドラマでは、まひろが参内して一条天皇と中宮定子に拝謁し、「私には夢があります」と語る場面が印象的でした。一方でドラマ終盤は、藤原隆家が花山院に放った矢により長徳の変が引き起こされるという、かなり不穏な雰囲気・・・。次回以降の展開&滋賀の文化財の登場にも期待です!

カテゴリー: 学芸業務 | 「光る君へ紀行」に当館も所蔵する〇〇が登場! はコメントを受け付けていません

「美の城」の歌碑 紙面にどーん!

 本日は爽やかな五月晴れ。大型連休のお天気もお出かけには絶好の日和となりそうです。
 さて、今日の話題は新聞掲載記事より。ご覧になられた方は「これはいったい何?」と思われたのではないでしょうか。
 毎日新聞の滋賀版(地域面)には、月2回企画されているコーナーがあります。それは「名品手鑑(めいひんてかがみ)」。滋賀県博物館協議会の加盟館が執筆を担当し、それぞれの館の収蔵品やイチ押しの「名品」が紹介されています。本日は、その掲載日。今回紹介された名品は、当館の前池(湖中)にある「歌碑」でございます♪

 紙面には、灰色で長方形の物体がどーん(!)。細い線で歌が刻まれていなければ、まるでコンニャクのように見えなくも・・・ない?(笑)。詳細は、ぜひ新聞をご覧いただくとして、この歌碑には、大正から昭和にかけて活躍した歌人・吉井勇の歌が刻まれています。

  うつしよの夢をうつつに見せしめぬ
  琵琶湖のうへにうかぶ美の城

 当館の開館(昭和36年)と同時に設置された歌碑。水面に映える美しいお城の建物は、多くの人々を魅了したことでしょう。カメラ的にも「映え」スポットです。今日の歌碑は水鳥の癒しスポットになっているようですが(笑)。 これはコレで萌え~♡

 さぁ皆さん、カメラを持って、このお休みはどちらへお出掛けしましょうか。文化館の周りではツツジが綺麗に咲いていて、お散歩がとっても気持ち良いですよ♪

 県内ではお祭りや社寺の特別公開なども行われます。
 草津市の芦浦観音寺さまでは、春の一般公開が4~5日に催され、普段は当館に寄託されている蝶紋蒔絵花見弁当や菊梅椿紋蒔絵重箱などもご覧いただくことができます。
 長浜市の小谷寺さまでは、秘仏ご本尊の如意輪観世音菩薩像が特別開帳(~6日まで)されるとのこと。お楽しみがいっぱいですね。
 湖国で素敵な時間をお過ごしください♪

カテゴリー: あきつ | 「美の城」の歌碑 紙面にどーん! はコメントを受け付けていません