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講座「花湖さんの打出のコヅチ」第5回 みかたの極意

 今年は軍団で襲来してます。まだまだカンカン照り、容赦のない太陽の下で、スイスイと泳ぐように、軽やかに飛び回る赤トンボ(>丫<)。そして僕は文化館のマスコットキャラクターを自負するトンボのあきつ君。

 8月20日に行われた文化財講座の会場に潜入です!

 「花湖さんの打出のコヅチ」第5回は、「江戸絵画のみかた」というタイトルで、琵琶湖文化館期待の若手(!)萬年香奈子学芸員が講師を務めさせていただきました🌟
 (気合いを入れて挑みます!!)

 

 自身が絵画に目覚めたきっかけについて、「大学で様々なことを学んだことで、自分なりに絵画の見方を見いだすことが出来たことが大きい」と、初々しく少しはにかみながら話し始めた萬年学芸員。聞いている僕たちも、今日この場で"その極意"を伝授していただけるのかと、期待に胸がドキドキ(笑)。僕たちも学びたい!!

 先ずは江戸絵画の歴史や背景、流派についての説明から。そして、絵画を見るときは注意して観察(観察って言いました!ただ「見る」だけではなく観察!!)することがポイントで、 じっくりと「その絵その絵師に向き合う」ことが大切なのだと、 具体例を示しながら僕たちにも分かりやすく説明してくださいました。

 特に今回、昨年度新たに県指定文化財となった鯉魚図(葛蛇玉筆/東近江市 曹源寺蔵)については、拡大画像を使いながら講師オリジナルの見解も披露され、ナルホド納得(!)の見方にこちらもグイグイ引き込まれましたね。

 作品に真摯に向き合い、知識と想像力を駆使して観察すると、作者の隠された意図に気付くことができる・・・作品に対する理解がより深まりそうです。 

 先生、今日受講した僕たちも、少しだけ研究者目線に近づくことが出来た・・・と思っていいですか?(笑)。

 ・・・っと、ちょっと待って先生。3幅1対の鯉魚図、その内の1幅を厳選して見方をお勉強するのに30分かかった僕たちです。
 例えば、展覧会の会場で、じっくり作品と向き合い、鑑賞しようものなら・・・動けません!その場から動けません!次の作品に辿りつけません!!どうしましょう先生!!!

 ・・・今回の講座で、知識がなくても想像力で作品を楽しむことができる極意を学びましたが、ぜひまたの機会に、“更なる極意”を伝授していただけると嬉しいです♡。(決して楽して学ぼうとしているわけではありません。楽しむきっかけが欲しい僕たちです(笑)。)
 以下、受講された皆さんのご感想です♪

 ・江戸絵画の歴史・特徴を明快かつ簡潔に説明していただいて参考になった。
 ・深掘りして鑑賞の具体例を紹介いただき興味深かった。
 ・鑑賞のポイント発展編がおもしろかった。
 ・今回のような講座は是非シリーズ化していただきたい。

 ご参加いただきました皆さま、誠に有り難うございました。アンケートに「もう少し具体的な作品をたくさん見たかった」と書かれた方、ご安心ください。次なる琵琶湖文化館地域連携企画展がcoming soonで予定されています。今回は、滋賀県立美術館とのコラボで、両館の収蔵品のなかから、学芸員おすすめの名品を紹介します。
 講師を務めた萬年学芸員もこの企画の担当者として、頑張って準備を進めておりますので、更なるご支援(応援)をよろしくお願いいたします♪

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講座「花湖さんの打出のコヅチ」第4回 光秀にはまる

 皆さん、暑さにバテバテしてませんか?アツかったのですよ~先日(7月30日)開催した滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」第4回!今回はいつもの会場を飛び出して、滋賀県立安土城考古博物館にて開催していた『琵琶湖文化館地域連携企画展「明智光秀と近江」を楽しむ!』講演&ギャラリートークを実施いたしました![展覧会は8/3に閉幕しました。]

 今回の講座は、通常の座学講座よりも少ない募集定員であったため、申込み受付初日には電話が鳴りっぱなしで、昼には満員御礼となってしまいました!そんな激戦を突破した参加者の皆さんがお集まりくださった今回の講座。講演では、安土城考古博物館の高木学芸員が「明智光秀とはどういう人物だったのか?」というタイトルで、非常に中身が濃い内容を、大変わかりやすく解説してくださいました。

 皆さんが抱かれている「明智光秀のイメージ」は?・・・これ、本当に人それぞれ、微妙に異なるイメージをお持ちだと思います。光秀は一族が滅びてしまっているので、現存する関係資料が少ない・・・=後世の人々が作り出した光秀のイメージに、今の私たちは影響されている(?)可能性が多分にあるようです。高木学芸員は、現存する資料の信ぴょう性と史実を多方面から読み解き辿り着いた光秀像について、時にユーモアを交えながら軽妙な語り口でお話しくださいました。『詳しくて面白かったです』『詳細な資料に基づき丁寧に説明いただきありがとうございました。書状の説明も大変よかったと思います』皆さんの感想です。
 「明智光秀という人物像をしっかり頭に入れて、(展示中の)文書を見て欲しい」と講演を締めくくられた高木学芸員。続いては展示室でのギャラリートークに移ります。

 会場で案内してくださったのは同じく安土城考古博物館の瓜生学芸員。実物を目の前に話される内容に、皆さん前のめり(笑)。講演を聞いた後だったので、よりリアルに感じることができたのではないでしょうか。当時を生きていない私たちが、謎につつまれた武将たちの生きざまを推し量る、そしていつか答えに辿り着くのではないかと飽くなき夢を見る・・・いやぁ謎は深ければ深いほどオモシロイ!! (コレ妄想??)

 今回の講座で皆さんの「知りたい」という気持ちを更に高めることが出来たなら幸いです。 ご参加いただいた皆さま有り難うございました♪

 そして冒頭にも書きましたが、このたびの琵琶湖文化館地域連携企画展「明智光秀と近江」は、盛況のうちに8月3日閉幕いたしました。ご来場の方々、そして開催にご協力くださった安土城考古博物館の職員の皆さん、本当に有り難うございました。過年度に開催した連携展では冬にお世話になることが多かったのですが、夏の連携も愉しむことができました。

 ところで皆さんはご存じでしたか?安土城考古博物館さん、3月にリニューアルした常設展示のシアタールームでは、5面の巨大スクリーンに投影された映像が楽しめるようになっていました🌟皆さま是非その目でご覧くださいね~♪

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