日別アーカイブ: 2025年10月17日
講座「花湖さんの打出のコヅチ」⑦ 書のいろは

10月15日(水)に実施しました、滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」第7回。今年度最後となる会場には、たくさんの受講生がご来場くださり、(地味と思われがちな?)書の世界について、より理解を深めるべく、話に耳を傾けてくださいました。

今回講師を務めたのは、文化館ではニューフェイス・「書」に対する知識は抜群・意欲もバツグンの寺前公基学芸員です。おや?この顔見たことある?と思われた方。それは間違いではございません。3月まで県内の他の博物館にお勤めで、この4月からご縁あって琵琶湖文化館のチームの一員として活躍中~(その実力は昨年の地域連携企画展でも遺憾なく発揮されていた)とても頼れるニューフェイスです。皆さまどうぞご贔屓に!
さて、記念すべきコヅチデビュー、寺前学芸員は「この中で文字を書かない人はいませんね?」という語り掛けから始まりました。・・・おっ?!これはハードルが低くて聞き易そうな講座だわ・・・そう思われた方、いかがでしたか?講座では、私たちにとって身近な『書』を、美術・芸術として捉えて鑑賞するポイントがいくつか紹介されました。

書跡とは何か、簡単にレクチャーした後、講師は問いかけます。「次の作品はどのように見るべきでしょうか?」と。・・・うぅ…先生…スパルタ過ぎます。。。しかし説明を聞くと納得の理由がありました。書かれた文字の力の抜け具合、内容、文字の配置等々、『このように書かれていることには作者の意図がある』。ナルホドその辺りを深掘りして、想像して、解き明かしていくことが、芸術として書を鑑賞する=楽しむ醍醐味であるようです。

参加された方の中には、掛軸などの絵に添えられた書「画賛」についての解説に興味を持たれた方も多くいらっしゃり、今後の講座テーマとして取り上げて欲しいなどの声も聞かれました。
最後に、学芸員としての野望も語られましたよ。「日本一、わかりやすい書の展覧会」を、新しい琵琶湖文化館で、いつか開催したいと!皆さん覚えておいてくださいね!寺前学芸員は『47文字』で勝負を仕掛ケルつもりです!そんな野望があったのかと、職員一同オドロキ(笑)。これは頼もしい♪乞うご期待🌟ですね~。

当館には、社寺さまからお預かりしている数多くの経典もございます。質・量が豊富だからこそ現物を比較して検証することが出来る、当館ならではの楽しみ方(働き方)も、見い出している様子。ホームページにおいても「収蔵品紹介を年10本書く!」と豪語しています(!!)。寺前学芸員の今後の活躍にご注目くださいませ♪

さて、今年度の滋賀の文化財講座はこれにて終了となります。ご参加いただきました皆さま、誠に有り難うございました。またの機会にお目にかかれますよう、職員一同、更なるパワーを蓄えるべく(?!!)、日々精進してまいります☆彡