日別アーカイブ: 2018年3月5日

世界記憶遺産『 朝鮮通信使に関する記録 』登録記念展 にて!

昨日(4日)、世界記憶遺産『 朝鮮通信使に関する記録 』登録記念展が開催されている安土城考古博物館さんでは、関連講座「朝鮮通信使と近江」が行われ、85名の皆さまにご参加いただきました。朝鮮人街道の名が残り、近江八幡市の資料が登録されたこともあって、地元近隣の方々も多くご参加いただき、このような展覧会や講座を共催という立場ながら協力することが出来て、本当に良かったなと思います。また、講座終了後には、ギャラリートークも行われ、展示作品を見ながら1点1点について、詳しい解説がありました。

さて、ここで皆さんに質問です。会場をご覧いただいた方は、不思議に思われたかもしれませんが、今回展示されている作品は4点。その内「世界の記憶」に登録された資料は3点で、あとの1点は参考資料として、当館の館蔵品から雨森芳洲の書跡:七絶「性愛楊花云々」1幅が展示されています。それは何故でしょう??
雨森芳洲は、現長浜市高月町の出身と伝えられ、朝鮮外交を担っていた対馬藩において、その最前線に立って多くの功績を挙げた日本側のキーパーソンです。この度のユネスコ登録においては、長浜市芳洲会所有の「雨森芳洲関係資料」(重要文化財)が登録されています。ユネスコへの申請段階で、当館の書跡も候補に挙げていただいたのですが、全国の「朝鮮通信使関連資料」を精査するにあたり、どうしても「書」関係の資料が多くなるので、泣く泣く(?)申請を取り下げたという裏話があります。
とは言え、このキーパーソンが対馬にいた時に書いた「書」ですので、今回「参考資料」として特別に出陳していただくことになりました。

「七絶」は、七言絶句:漢詩の詩体のひとつで、書かれている文字を現在の読みやすい字に直すと、
性愛楊花度筬春蒼顔白髪/海西浜高僧此去人相問為/説柴桑今有人
芳洲 八十五歳書
となります。
性(生まれもって)、楊花(ネコヤナギの花)を愛して幾春を度(わた)る・・・
漢詩なので読み下しが難しいところですが、「対馬での暮らしも長くなったが (決して嫌々住んでいるのではなく、むしろ詩人・陶淵明のような心境で、喜んで対馬に住んでいるよ)、もし人に尋ねられたら元気にしていると伝えてほしい」というような内容が書かれています。

この書は、会場で登録認定作品の近江八幡市指定文化財「李邦彦(イ・バンオン)詩書」と並んで展示されていますが、両方ともよく似た字体で、全体の雰囲気が同じように感じられます。「きっとこの時代のアジア地域でお手本となる書がこのような感じで、国際的教養人が理想とした書風だったのでしょうね」というまとめを経て、ギャラリートークは無事終了いたしました。皆さんも会場で是非見比べてみてくださいね。(登録記念展は3月18日(日)までの開催です。)

筆:あきつ

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