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花よりおぼろに!唐崎の松

先日、ニュースにもなりましたが、先月28日に大津市にある唐崎神社で、昨年から急に衰え出した「唐崎の松」の横に、後継樹となる若木が植えられたとのこと。今の松は、明治21年(1888)頃に植え替えられた3代目なので、もう樹齢130年以上になるのですね。「唐崎の松」といえば、近江八景の一つ「唐崎夜雨」でもよく知られた景勝地。「近江八景」は、歌川広重の浮世絵で一躍有名になりましたが、他にも多くの画家が好んで描く画題となっています。当館の所蔵品にも「唐崎の松」を描いた作品がいくつかありますので、ここで少しご紹介しましょう。

まずは、幕末から明治に活躍した四条派の画家、長谷川玉峰による「近江八景図」です。唐崎の松は、遠くにありますが、画面のほぼ中央にこんもりと描かれているのがそれです。近江八景を一枚の絵に納める場合、琵琶湖を真ん中に置いて、その周りに八景を配置するのがよくある構図ではないかと思いますが、そうではないところに、画家の、この松への特別な思いが感じられます。

もう一つ、こちらは近江八景図ではありませんが、文政5年(1822)に日吉大社の祝部(神職)生源寺業蕃が描いた「日吉祭礼図」のなかにある「唐崎の松」です。唐崎の松には、大津宮遷都の翌年668年に、もと奈良にいた日吉大社の神がここに降り立ったという伝承があり、日吉大社とは深いゆかりのあるもの。この絵でも松がひときわ大きく立派に描かれているように見えるのは。。。気のせいですか?

いかがでしょうか?同じ唐崎の松でも、こうしてみるといろいろな描き方があって面白いですね。「唐崎の松と夜雨」は、平成22年度に「近江水の宝」にも選ばれています。これも滋賀の大事なお宝。今回植えられた若木も、これからまた数多くの絵に描かれるように(いや、今風に言うなら“インスタ映え”するようにですか?)立派に枝を張った大きな木となるよう、みんなで見守って行きたいですね。

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