日別アーカイブ: 2019年10月23日
「花湖さんの打出のコヅチ」第6回 現地探訪 開催しました
10月17日、絶好のウォーキング日和、実施いたしました現地探訪。今回は、受付定員MAX60名の皆さんとスタッフ7名が、「幻の坂本城をさぐる」ということで、明智光秀が築いた城があったとされる大津市下阪本とその周辺を探訪してきました。
集合場所の京阪松ノ馬場駅「花湖さんの打出のコヅチ隊」の幟旗の元に集まったのは、参加申込みの電話受付が3時間で定員に達するという激戦を勝ち抜かれた幸運な方たちです(お断りした方ごめんなさい!)。驚くなかれ、その内約9割の方が、今回の探訪の予習回とも言える第5回の講座を受講されてのご参加です。とても勉強熱心な、生粋の歴史好きの方々が街中を歩くとこんな感じになります(笑)。先頭を行くのが講師:松下浩氏(県教委文化財保護課)です。
幻の坂本城、現在は、琵琶湖中に石垣の痕跡が残るだけで、城の遺構はほとんど残っていませんが、私たちが巡り歩いたのはこのようなトコロ・・・。
さぁ~て皆さん、どこで何を見ているのか、お分かりデスカ?先生の話を聞きながら歩くと、ただの水路と思っていたのがタダモノではナイ不思議。。。ナルホドな~と思う訳です。戸津説法で有名な東南寺さんにも行きましたが、今回重要なのはお寺と坂本城の位置関係が江戸時代の文献に示されている事実・・・。文化館的お寺探訪とは一味違います(笑)。
本丸の位置はどの説をとっても先ず間違いないそうです。(坂本城址公園には明智光秀像が建っていますが、ここが主郭跡ではないので要注意(笑)。)今は某企業の所有地となっていますが、坂本城には舟入場があり、直接琵琶湖へ出ることができる、よく考えられたナイスなお城だったそうです(この日見れたのはその舟入場の石垣が水面に1つだけポコッと・・・水位が低い時にもう一度見てみたい!)。ただ、城下の縄張りについては、近年の発掘成果や文献などから、まだまだ検証すべき点が多いとのこと。今回の探訪は、今まで坂本城には本丸・二の丸・三の丸、内堀・中堀・外堀があると考えられてきたことが、「実はそうではないのではないか」という新説を巡る探訪でした。タマネギ状に堀で明確に区切られた城下ではなく、中堀を埋めたと言われる北国街道は当時も町中にあって、惣構で囲われた中に城主に属する武士や町人が楽しく暮らしていたのではないか、という先生のお話が印象的でした。
最後に訪れた平成30年度大津市教委発掘調査地点の隣では、今年度も発掘調査が続けられていました。坂本城址に関わる新たな発見があるといいですね。
参加された方からは、「謎を解くようで面白かった。タ○リの番組みたい」「今後も現地説明を続けてもらいたい」などのお声も頂戴しました。有り難うございました。松下氏も最後に言っておられました。「坂本城址を辿ろうと思ってもなかなか辿れない」。謎に満ちたお城だからこそ、「さぐる」楽しみがあるのですね。
道々、庭先に植えておられる金木犀の甘い香り。私たちが住む当たり前の風景の中に、歴史の謎と魅力が存在する滋賀県とはなんていいところなのでしょう(他府県の方に羨ましがられますよ?!)。その”贅沢さ”に感謝いたします。毎年金木犀の咲くころに、思い出したい今回の探訪でした。