月別アーカイブ: 10月 2022
「花湖さんの打出のコヅチ」第6回 現地探訪 開催しました
10月27日、ついにこの日を迎えました。滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」現地探訪です。少し曇り空が広がるものの雨が降ることはなく、ウォーキングをするにもちょうど良い気候となりました。今回は、野洲市歴史民俗博物館(銅鐸博物館)で開催されている地域連携企画展「近江湖南に華開く宗教文化 -野洲・守山の神と仏-」に関連した探訪となっており、「野洲市御上神社とその周辺」 をテーマとして、定員いっぱいの40名の方たちと共に、御上神社と2つのお寺を訪ねました。
集合場所の御上神社の大鳥居前には、すでに受付開始時間5分前ですが、数名の参加者が、集まってこられました。皆さん、本当にこの講座を楽しみにしておられるのが伝わってまいります。今回講師を務めたのは、第4回でも講師を務めた琵琶湖文化館の和澄浩介主任学芸員です。野洲の地域連携企画展の担当も務めていますので、展覧会についてもお話いただきます。
旅の始まりとなる御上神社の歴史は古く、「古事記」や「日本霊異記」「延喜式」にも載っています。境内にある本殿は国宝に、拝殿・楼門・若宮社・三宮社は、それぞれ重要文化財になっています。本殿の屋根は、一般的な神社の造りの切妻造ではなく、仏教建築に使われる入母屋造になっており、礎石には蓮の形が刻まれています。蓮と言えば仏様が乗っているお花…まるで寺院のようです。「古文書ではなく現物そのものを通して神仏習合を知ることができる」貴重な神社です。
御上神社を後にした打出のコヅチ隊は、三上山を眺みながら北へ歩き出します。のどかな住宅街を1km程歩くと、次の目的地西林寺さんに到着します。ご住職に案内され本堂の中へ…。
こちらの本尊「阿弥陀三尊像」は、鎌倉時代の仏師快慶一派の作風が強いお像となっています。中尊の阿弥陀如来像は、野洲市歴史民俗博物館(銅鐸博物館)で開催されている地域連携企画展に展示されており、お寺では脇侍である観音菩薩像と勢至菩薩像を拝見させていただきました。両菩薩が、強い前傾姿勢をとっている形は、快慶の高弟・行快風の作品では滋賀県には他に例がなく貴重です。普段は見ることができない像を特別に間近で見られる機会…皆さん、じっくりと鑑賞していました。中には、もう一度列に並びなおし2回見ている方も…。そうですよね、、、コチラに向かってくるかのような前傾姿勢が圧倒的で思わず見入ってしいました。
西林寺を出発し、次は三上山の方に1.5kmほど歩いて宝泉寺に向かいます。本尊「阿弥陀如来立像」は、平安時代後期の特徴があり、仏師の祖と呼ばれる定朝(じょうちょう)の作風を踏襲しています。1メートル弱くらいの阿弥陀如来立像で、温和な作風が平安時代後期の特徴をよくあらわしています。当初の光背は飛天光だった可能性があるそうですが、光背の附属と思われる宝泉寺の「飛天像」が展覧会に出展されています。ですが、実際見るとこの飛天は15cm程の像…この阿弥陀様には、大きいような…?講師のお話では「本尊と飛天像のサイズが合わないため、別の平安時代の阿弥陀像についていたのではないか」とのこと。なんと、、、別の阿弥陀様があったとは!その仏様、いったいどのようなお像だったのでしょう??…う~ん。気になってしまいます。
西林寺と宝泉寺のお像は、展覧会を開催するにあたり調査をした結果分かったものなのだとか。和澄学芸員からは「県内には古い良い仏像があり、まだまだ評価されていないままの文化財がいっぱいある。皆さんにその良さを知ってもらいたい」との話をされました。聞いている方、感嘆の声を上げ大きく頷いておられたのが印象的でした。ココにいる皆さんに、まだ知られていない“ 仏像の良さ ”が伝わっているの事を感じました。探訪に参加された方のお言葉にも「貴重な仏像を見せていただいて嬉しかった」や「湖南にこの様な場所があることを知ることができた」などあり、初めて知る仏像やお寺に興味を持たれた様子です。
多くの方にご参加いただいた、滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」も、この現地探訪をもって、本年度は無事にすべて終了致しました。皆さんから「来年も参加したい」との嬉しい声もいただいております。来年も、皆さんに楽しんでいただけるよう、スタッフ一同頑張っていきたいと思います。
続)大作戦!〔大トンボと琵琶湖文化館〕写真パネル展 開催決定!
皆さま有り難うございました~~~!たくさんの素晴らしい写真をご投稿いただき有り難うございましたーーー!!!「記録に残そう大作戦!〔大トンボと琵琶湖文化館〕写真募集」のコトでございますよ、皆さん。8月25日にスタートし、募集を締め切った10/11までの48日間で、県内外から延べ84人の方からご投稿があり、結果195枚の“とっておき”写真が、我が手元に届いております!ご協力いただきました皆さまに、心から感謝申し上げます!
ということで!告知していた通り、皆さまから届いた写真を「パネル展」で紹介します!日程と会場が決まりました=令和4年11/15(火)~11/30(水)・会場は、大津市内の2会場です♪
ふらっと皆さんに立ち寄っていただきたい・・・との思いから、
①京阪びわこ浜大津駅のターミナルデッキ(屋根のあるとこ!)
②JR大津駅から近い滋賀県庁(2階渡り廊下)
の2会場です。投稿写真に加え、アーカイブの古写真なども紹介する予定です。 [※2会場で展示する内容は同じ写真 です。]
この2ケ月ほど、皆さんの投稿写真をウェブサイトで紹介するため、セッセと作業を続けてきた事務局ですが、皆さんの思いの詰まった投稿に触れるたびに、こちらの気持ちも胸いっぱい♡。普段カメラを持ち慣れない事務局職員ですが、皆さんに影響されて「自分も撮りたい!」と、走り回ることになりました。トンボと文化館・・・今更ですがカッコイイ・・・ですよね?(笑)。いやぁこれ以上はないというくらい「文化館」たるものにどっぷりハマリました(笑)。なかなかない経験をさせていただきました♪
気付けばそこにあった文化館・・・(えっ?!琵琶湖の上??!)
日常の何気ない風景の中に存在していた屋根の上の大トンボ・・・(いったい何故?!)
・・・もはや何も気にならない(笑)。それが琵琶湖文化館!デス!
ということで、あまり時間がない!既にホームページ上で投稿作品を紹介していますが、コレきっと・・・ズラッと一堂に写真が並ぶと、かなり見応えのあるパネル展になりますよ!
当初の予想を上回る投稿の多さに、事務局としては嬉しい悲鳴を上げておりますが、このままパネル展まで突っ走ります!
あ、タイトルを言い忘れてましたね~↙↙↙
〔大トンボと琵琶湖文化館〕写真パネル展
~記録がつむぐ思い出写真~
【詳しくはコチラ】 http://www.biwakobunkakan.jp/kiroku.html
皆さん楽しみにしていて下さい!
近江湖南で「華」開いてます・地域連携企画展
皆さんちゃ~んとチェックしてますよね?琵琶湖文化館地域連携企画展!10/8より、野洲市歴史民俗博物館〔銅鐸博物館〕において「近江湖南に華開く宗教文化-野洲・守山の神と仏-」展が、はじまってますよ~華開いてますよ~♪
この度の展覧会、野洲市と守山市さんとタッグを組んだ地域連携展となっていますが、なぜこの「くくり」なのかピンと来ない人も、もしかして多いですか?
・・・お隣りの市だから?・・・うーっ、確かにそれも正解!なのですが、もはや忘れそうな過去の事となっていますが、「旧野洲郡」と言えば『あ~なるほど!』とわかっていただけるのでは?!
野洲川の下流域に位置する野洲郡は、現在の野洲市全域+守山市と近江八幡市の一部が含まれ、野洲川や琵琶湖がもたらす恵みと、水路・陸路における重要な拠点として栄え、早くから仏教や神道文化が根付いた地域でもありました。 本展を開催するにあたり、昨年から現地(出品社寺さま)での事前調査を重ねに重ねての今回のお披露目。当館の学芸員、調査から帰ってくるたびに「いやぁ凄い」「県内でもなかなかお目にかかれない・・・ですよ!」と、コーフン気味に語っていたコトが、昨日の事のように思い出されて涙が出マス(笑)。これぞ地域連携でございます!
地元の学芸員さんや文化財保護課職員さん達との強力な協力体制(!)で挑んだ本展・・・実は評判がイイ♡。
当館は(残念ながらSNSでの情報発信には手が及んでませんが)、ちゃんと皆さんの情報はチェック!しています。「こんな展示するみたい」「展覧会はじまったよ」「行ってみた」関係のツイートには、軒並み『いいね』の数が・・・多い!気がいたします!!
皆さんこんな展示を待っておられたんだな~楽しみにされてるんだな~と、ニンマリしてしまう今日この頃です♪(笑)。
10月 29日(土)には、当館学芸員が語る講演会も行われます〔事前申込制〕。コロナも少し落ち着いて、お出掛けしやすくなりましたもの…ぜひ本展を行楽のおともに!いえいえ、目的のメインに据えて!(笑)、文化と自然が豊かな野洲の地へ、足をお運びください♪
地域連携企画展いよいよ開催!
今週土曜日(10/8)から、琵琶湖文化館地域連携企画展「近江湖南に華開く宗教文化-野洲・守山の神と仏-」が始まります。文化館では、展示する文化財を会場である銅鐸博物館さんまで運ぶため、梱包作業が行われました。今回はその様子を、学芸員さんたちの邪魔にならないように少しだけ覗かせていただきました。
展覧会に出展される文化財の多くは、社寺からのお預かりものです。貴重な文化財を会場まで運ぶためには、より一層の注意を払わなければいけません。こちらでは、担当学芸員と梱包・運搬のプロの業者さんが、文化財の梱包の仕方を話し合っています。「このお像は表面が少し脆いので気を付けてください」との言葉を聞いて、早速段ボールを組み立て、中に和紙で包んだ綿布団を何重にも敷き、ふんわりと包み込むように寝かせていきます。「あれ、それじゃ、輸送中動いちゃうのでは⁉」と心配になっていると、、、すかさず、綿布団と多くの薄い和紙を使い、箱の中で動かないようにしっかりと梱包されました。さすがです。
そして、こちらでは像高が約85cmの仏像が梱包されています。先ほどとは違う梱包方法です。仏像を動かないように運ぶため、専用の木枠が使われています。仏像が傷がつかないように、薄い和紙や綿布団をしっかりと当て、平紐を使い木枠に固定していきます。「緩衝材にきちんと当たっているか」「ココも固定しましょう」など、仏像が動かないよう、何度も確認をした後、段ボールの板で覆って梱包完了です。
今回あらためて、梱包作業を近くで見学していると、それぞれの仏像(文化財)に応じた形で梱包していくプロのお仕事に驚くばかりでした。
そして、すべてを梱包し終えたら、トラックに積み込みです。大切な文化財を運ぶため、作業は、声を掛け合って万全の体制で行われます。トラックの中でもしっかりと固定して、いざ、会場となる銅鐸博物館さんに向けて出発です。これから一カ月半、みんな!いってらっしゃい‼
いかがです?普段は見る機会が無い展覧会準備の裏側。文化館の文化財がどのようにして会場へ運ばれているのか、ほんの少々分かっていただけました?
地域連携企画展「近江湖南に華開く宗教文化-野洲・守山の神と仏-」 は、10月8日(土)から11月27日(日)まで、野洲市歴史民俗博物館(銅鐸博物館)で開催します 。期間中には、関連事業の講演会もあります(事前申込制)。どうぞ皆さま、ご期待下さい♪
←画像をクリックするとチラシ[PDF]がダウンロードできます
感謝感激!写真募集☆経過報告
皆さま、写真のご投稿、有り難うございますぅぅ♪ホントに嬉しいです!!
記録に残そう大作戦!を始めて早1ケ月あまり。始まった当初は、「本当に来るかな?ちゃんと来るかな?」とドキドキ案じておりました・・・ところがどっこい!順調に枚数を重ね今や60点を超える投稿作品が集まっております!!感謝感激~☆☆☆彡
実は迷いました。投稿の写真は「今秋実施予定の「大トンボ写真パネル展(仮)および当館HPで紹介します」とチラシに書いています。『じゃぁそのHPでの紹介はいつするの?』。パネル展より先にHPで披露してしまってもいいものか・・・悩みました。その時、神サマのひと声が・・・『写真を送った人はいつ紹介されるかとドキドキ待っているんじゃない?』・・・ですよね~。他の人がどのような写真を送っているのかも気になりますよね~。皆さんの力作と一緒に愛のこもったコメントも紹介して、この大作戦を盛り上げたい!!・・・そこから事務局の戦いは始まりました(笑)。
日々メールで送られてくる「とっておきの写真」たち。いただいてからあまり日数が経つのも申し訳ない・・・更新は早めに・・・。なので現在、トップページの下段にある「更新情報」にはお知らせしておりません!きりがないので (笑) !「随時更新中!」です! みなさんチェックしてくださいね~♪
いつもの文化館なら、HPを更新すると、歩道沿いにある掲示板にもすぐにその情報を貼り出すところ ・・・ではございますが、今回ばかりは敢えて掲示しておりません。その代わりに道行人々の目に留まるよう、(写真撮影の邪魔にならないよう)掲示板側面を使って、投稿を呼びかけております!そこまでする?! (笑)!この思い・・・伝われ!!
この度の大作戦では地元地域の皆さんに大変おせわになっております。「お店にチラシ置いて貰うわ。壁に貼れるポスターもある?」と声をかけて下さった商店街連盟の皆さん、チラシは地元自治会の組回覧にも入れていただきました。そしてご近所にある地元密着の郵便局さんでも特別にポスターを掲示していただいております(ここの駐車場からも文化館がいい角度で見えるのです!)
おかげさまで、確実に地元の方からの投稿が確実に増えています。
HPでは投稿いただいた方のお住まいは公表していませんが、遠くは北海道から、他にも神奈川県や京都、奈良からも当館を懐かしんだ投稿が寄せられています。
9月の中秋の名月、大津港で花火が打ち上げられた日、カメラをスタンバイしていた人々にダメ元でチラシを配り、投稿をお願いしたところ、皆さん本当に写真を送ってくださいました。なんと嬉しかったことか!!
それぞれに文化館に思いがあって撮っていただいた写真、当館にとっても宝物です。
記録に残そう大作戦!〔大トンボと琵琶湖文化館〕も、後半戦に突入です!!まだまだ、皆さまから”粋”な投稿作品が届きますように・・・心よりお待ちいたしておりま~す♪
←9月の月夜、職員が撮影した奇跡の1枚 (⋈◍>◡<◍)。✧♡