日別アーカイブ: 2022年11月21日

滋賀県に新しい重要文化財の誕生

 おめでたいニュースが入ってきました。国の文化審議会は18日、新たに全国の美術工芸品の4件を国宝に、47件を重要文化財に指定するよう答申しました。このうち滋賀県では、以下の3件の美術工芸品が重要文化財に指定されることが決まりました。

【絵画】紙本墨画鳥獣人物戯画丁巻断簡 1幅:公益財団法人秀明文化財団(甲賀市)
【古文書】近江国比良庄絵図 1鋪:北比良財産管理会(大津市)
【歴史資料】国友一貫斎関係資料 953点:個人

近江国比良庄絵図(北比良財産管理会蔵)

 その中で文化館として、特に注目したいのが、当館でお預かりしている「近江国比良庄絵図」です。こちらは、鎌倉時代後期に作成された原図を室町時代に写したもので、比良庄域(現在の大津市北部)が墨線で書かれ、庄園内部には、寺社の堂舎や鳥居、樹木などが詳細に描かれています。鎌倉時代後期と南北朝期の裏書が存在しており、この絵図が周辺庄園との境相論(さかいそうろん:所領などの境界をめぐる紛争)に際して作成されたことが分かり、中世社会経済史研究のうえで極めて貴重であることから、平成12(2000)年に滋賀県指定文化財となりました。そして22年の時を経てこの度、国の重要文化財となることに決まりました。今後、事務手続きが完了したら、正式に重要文化財に指定されます。

 それにしても、県内に3件も重要文化財が増えるのは凄いことです。国宝・重要文化財保有件数第4位の滋賀県は、文化財の宝庫です。琵琶湖文化館では収蔵する重要文化財が一つ増え、文化財をお預かりしているものとして、より気が引き締まる思いです。大切な滋賀県の文化財。これからも、みなさんと一緒に大切にしていきたいです。それでは最後になりましたが、、、 !!重要文化財指定おめでとうございます!!

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