日別アーカイブ: 2024年6月21日

滋賀の文化財講座『花湖さんの打出のコヅチ』第2回 基本を学ぶ!

 前日の激しい雨が嘘のように初夏の日差しが照りつけた6/19(水)。今年度第2回目の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」を開催しました。
 今回は「目からウロコの仏像の基本」と題し、当館学芸員:和澄浩介がお話しさせていただきました。

 
 メイン会場のコラボしが21には、150人を超える受講者の方がお越しくださり、初夏のはずが猛暑日のような熱気に包まれました。近年、コロナ禍で受講を控えておられた方たちも完全復活!?!打出のコヅチがコロナに打ち勝ったことを確信した瞬間でした♪

 さて、講座の始まりは、講師の意味深な発言から↓
「今回は『仏(ブツ)』の話ではなく、 
 仏『像(ゾウ)』の話をします」。
・・・おやおやこれは?・・・→「本来身体や形のない『仏』を『像』という形にあらわしたものが『仏像』なので、その形や形作られる方法について見ていきましょう」ということでした!なるほど☆聞くための心の準備・OKデス!(笑)

 前半では世の中にたくさんある仏像のそれぞれの形の特徴をおさえて、種類や名前を見分ける方法が紹介されました。皆さん知ってました?ほとんど同じ形の仏像でも、指の曲げ方の違いひとつで見分けることができるのです!覚えておけば「誰かに教えたくなる」こと間違い無し♪しっかり復習しておいてくださいね。

 続いては、仏像を形作る方法「造像技法」について。どんな素材でどのように造られているか、見た目ではほとんどわかりませんが、いろいろな技法があることが紹介されました。木の仏像がひび割れを起こさないように仏師があんなに苦労をしていたなんて…受講の皆さんも納得のご様子でした!

 最後に、今回講師が一番お伝えしたかったことをまとめておきましょう。それがコチラ↓↓↓

 

「仏像を造るとはどういうことか」、そもそも形のない「仏」は、
  ①「いつか」(時代)
  ②「誰かが」(願主)
  ③「何かのために」(願意)
  ④「誰かに」(仏師)
造らせなければ、「仏像」としてこの世にあらわれることがありません。

・・・当たり前すぎて考えもしませんでしたが、確かにそうです。実はこの点が仏「像」の一番の基本!だということです。講座ではこの4点がはっきりわかる像を例に挙げて解説されました。

 形の基本、造り方の基本、基本のキ…。仏像の基本といってもいろんな基本があって、盛りだくさんの内容でしたね~。今回の講座で皆さんがお聞きになった内容は、いわゆる入門書に載っているような仏像の基本とは少し違ったかもしれません。「基本・キホンと言っておきながらちょっとマニアックだったかな・・・」と少し反省をしていた講師(笑)。皆さんに書いていただいた受講後のアンケートに、

「仏像の基本中の基本、面白かったです」
「本を読んでもわからないことが、よくわかった」
「今後、今日習ったことを思い出しながら(仏像を)見たい」
「初めて知ることばかりでした。もっと知りたいです。第2弾を・・・」
とのお声が寄せられたことに、ホッと胸をなでおろしておりました(笑)。

 ご参加いただきました皆さま、有り難うございました!!

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