月別アーカイブ: 9月 2024

光る君へ紀行に登場!東近江を巡りたい♪

石山寺の紫式部像。筆を執り、『源氏物語』を
執筆しているところでしょうか

 NHK大河ドラマ「光る君へ」、9月29日放送の第37回「波紋」では、見上愛さん演じる中宮彰子たちが『源氏物語』を豪華な冊子に製本していくシーンが印象的でしたね!色とりどり、装飾も様々な料紙が映っていましたが、中には紫色の和紙もありました。

 その紫色関連として、ドラマ放送後の「光る君へ紀行」では、東近江市が紹介されました!紫色の染料作りのための植物、紫草(むらさき)が栽培されていたとされる地です。万葉の森船岡山」に設置されている、古代の蒲生野での遊猟が描かれたレリーフにも、白くてかわいらしい紫草の花が描かれているんですね♪

 また、あわせて紹介されていた『万葉集』所載の額田王の歌「あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る」は、複雑な恋愛関係を思わせるので、まひろ(紫式部)と藤原道長との関係はどうなる!?とドキドキハラハラなドラマの内容とも少しリンクしていますね〜。

 さて、自然と歴史が息づく「万葉の森船岡山」を訪れた後は、ガチャコン〔近江鉄道〕に乗って少し足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。五箇荘駅で降りて徒歩15分ほどで、地域連携企画展「滋賀限定!近江ゆかりの書画 ―古写経から近代の書まで―」が開催中の、観峰館に到着します🌟

 

 展覧会では、奈良時代から昭和期までの書を中心にご覧いただくことができます。平安時代の古写経も展示していますので、ドラマの中の筆運びを思い出しながら、古写経の筆致をご覧いただくと楽しいのではないかと思います。
 この秋は、ぜひ東近江へ!

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「滋賀限定!近江ゆかりの書画」土曜講座開催されました!

講師の寺前学芸員(観峰館)

 現在、東近江市の観峰館で開催中の地域連携企画展「滋賀限定!近江ゆかりの書画-古写経から近代の書まで-」。本日は関連イベントの土曜講座が開催されました。

 演題は「近江ゆかりの書跡を探る①-雲居希膺-」、講師は観峰館の寺前公基学芸員です。石敷きの雰囲気のある素敵な会場に、講師のソフトなお声が爽やかに響きました♪

・・・「雲居希膺」・・・
 皆さん読めました?(笑)。雲居希膺(うんごきよう・1582~1659)は、伊予国上三谷(現・愛媛県伊予市)出身の臨済宗の高僧で、皆さんよくご存じの仙台藩主伊達政宗・忠宗の依頼により、松島・瑞巌寺を中興しています。
 そのような高僧がなぜ滋賀に縁があるのか?実は、東近江地域には仙台藩の飛領地一万石があったから(!)なのですよ~。この事実だけでもオドロキ(!!)です。雲居希膺と縁のある東近江地域の寺院は、本展にも数多く出品いただいている徳昌寺さまの他に、石馬寺や瓦屋寺、千手寺などがあります。

 

 雲居希膺と滋賀のかかわりを理解した上で、改めてその「書」を見てみると・・・何とも親しみのある特徴的な筆使い!柔らかくもあり、あたたかくもあり、そのお人柄が文字に現れているようです。
 見る人を引きつける雲居希膺の書の魅力。何より本展・本講座の開催にあたり資料の調査・研究を重ねられた講師の寺前学芸員が語る、ソフトで熱い、その思いが、書の魅力を倍増させてくれた気がいたします。いやぁ知るって楽しい!
 ・・・ですよね?皆さん?!きっと私たち、雲居希膺の『ファンクラブ』に入っちゃったかも・・・ですよね(笑)。参加いただきました皆さま、誠に有り難うございました♪

 11/26の土曜講座では、「近江ゆかりの書を探る②-副島種臣-」が開催されます。こちら楽しみ!乞うご期待!!

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井上敬之助像 旅立ち故郷へ

 「琵琶湖に向かって凛々しく立つ、この方はどなた?」と、気になっていた人もいらっしゃるのではないでしょうか。

 当館からほど近く、道を渡った川沿いに建つのは 、明治から昭和にかけて活躍した政治家・井上敬之助(1865~1927)の銅像です。
 実は今日、当地から故郷の湖南市へ旅立って行かれました。

 井上は、旧石部村(現・湖南市)出身の政治家で、27歳の時に県会議員に当選、以降5回当選という経歴を持ち、明治35年(1902)には衆議院議員に初当選、翌年も再選を果たすなど、政治家として大きな功績を残された方。官僚政治の是正や民意の反映に努め全身全霊を政治に捧げたその姿から、滋賀県政の大御所として「其当時県に知事が二人いる」と言われたほどで、明治後期から昭和初期にかけて、滋賀県の政治家を語る上で、忘れることのできない人物でもあります〔詳しくはコチラ〕。

 この銅像は当館が開館した翌年の1962年に建立。建設にあたっては、服部岩吉滋賀県初代民選知事(1885~1965)が中心となって像の制作・建立を計画し、彫刻家として有名な森大造に制作を依頼、募金により200万円の建設費を集めて完成に至ったと伝わっています(建立者:井上敬之助顕彰会)。

 以降、約60年にわたり当館とご縁のあった本像ですが、このたび、井上の出身地である湖南市が故郷への「帰郷」を強く希望されたこともあり、本日、移設のための作業が行われました。

 移設先の湖南市では、10月6日に市制施行20周年の記念式典で除幕式を行い、その後、故郷である石部に再移設されるそうです。

 琵琶湖に向かって凛々しく立つお姿も素敵でしたが、地元の皆さんにより近いところで、身近に親しんでもらえたなら、像主もきっとお喜びになることでしょう。

 打出浜からまた一つ「昭和」が無くなりますが、どうぞ永くお元気で!大津での御勤めお疲れさまでした!
 御帰郷、おめでとうございます!

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いよいよ開幕!滋賀限定!9/21から!

 琵琶湖文化館地域連携企画展「滋賀限定!近江ゆかりの書画―古写経から近代の書まで-」。9月21日(土)から、東近江市の(公財)日本習字教育財団 観峰館にて、いよいよ開幕です!

 ということで前日には、出品をご快諾いただいた文化財所有者の方々や、報道関係の方をお招きした内覧会が行われました。
 
 ちょこっと会場にお邪魔しましたので、中をのぞいてみましょう~扉の向こうは、趣深い「書」の魅力に溢れた空間となっています♪

【関係者を招いて行われた内覧会】当館の大橋館長からもご挨拶させていただきました。

 琵琶湖文化館の収蔵品をゆかりの深い地域で展示公開する「地域連携企画展」。このたびは、わが国屈指の「書」の博物館として知られる観峰館さんとタッグを組んでの開催です。
 近年ほとんど公開していなかった当館の書の名品を、出張展示します。古経典から始まり、江戸時代、明治時代の名筆の数々をお楽しみいただけます。さらには、東近江市の地域文化財を積極的に調査発信されている観峰館さんの貴重な資料も展示されます。

 近江ゆかりの書画の魅力。会場ではぜひ心の扉を開放し、先人たちが残した郷土の誇りを、心ゆくまでご堪能ください。間違いなく『滋賀限定!』の逸品揃いです🌟
 
 本展は9月21日から、東近江市の観峰館にて開催です。皆さまのご来場を心よりお待ちいたしておりま~す♪

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滋賀の文化財講座『花湖さんの打出のコヅチ』第5回 文化財建物修理、3人の技師が熱く語りました!

 あっという間に9月も半ばになりましたね。9/18(水)、滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」第5回目を開催しました。今回は「建造物文化財修理の最前線―国宝延暦寺根本中堂・重文不動寺本堂を中心に―」と題して、滋賀県文化財保護課・建造物係のフレッシュな3人の技師にご登壇いただきました。

  1番手の長谷川聡子技師は、国宝延暦寺根本中堂と、重要文化財延暦寺根本中堂の回廊の修理事業についてのお話です。柱の傷んだ部材だけを取り除き、新たな部材を継ぐ「柱の根継(ねつぎ)」の紹介では、「可能な限り残せる部分は再使用する」という考え方に、大規模文化財建造物修理の大変さ、厳密さを伺い知れました。
 

 次に福吉直樹技師から、重要文化財不動寺本堂の修理事業について。大津市太神山(標高600m)の山頂付近にあるお堂、車で入れない山道を、ひたすら通われたのだとか。そのような難所で、修理の適切な時期を経過してしまった檜皮葺(ひわだぶき)屋根について、「なんとか持ちこたえてくれた」との言葉があり、長い時を経てきた建造物に寄り添う技師の思いが垣間見えました。

 締めくくりは、坪田叡伴技師。文化財建造物の耐震診断についてのお話でした。「古い建物、弱っていて当たり前では?」そんな素朴な疑問を入口に、耐震診断の流れや耐震補強の実例が紹介されました。外観・内装・構造・使われ方など、文化財としてどの価値を優先するか、とても悩ましいテーマに関わるお話でした。
 

 まとめでは「 修理に注目されがちですが、実は日常管理が文化財建造物の保存を支えている。そのためには、まず多くの方に文化財建造物を知っていただきたい。 」との熱い思いが語られました。滋賀県は重要文化財190件277棟、国宝22件23棟と、国指定の文化財建造物の件数が、全国で3番目に多いそうです。こうした文化財建造物を守るため、「まずは知る」、私達にもできることがありそう・・・です!

 今回の講座、それぞれに内容の濃いお話で、ちょっと時間が足りませんでしたか・ね?
講師の皆さん有り難うございました!次回は1人1コマ、ご用意させていただきます??!(笑)。 アンケートには「若い技師さんの今後のさらなる活躍を期待!」とのお声が寄せられていますよ~。

 そして今回の打出のコヅチ、第5回限定での新たな試みも実施しました。彦根のビバシティ平和堂でのサテライト配信です。商業施設での初の試みに、アタフタした場面もありましたが、できる限り多くの方に聞いていただきたいという思いで、これからも試行錯誤を重ね頑張っていきたいと思います!
 ご参加いただきました皆さま、有り難うございました!

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地域連携企画展 第2弾!いざ観峰館へ!着々準備中♪

 9/21から始まる地域連携企画展「滋賀限定!近江ゆかりの書画-古写経から近代の書まで-」。いよいよ間近に迫ってまいりました。当館の収蔵品を会場の観峰館へ移送、そして展示作業が佳境となっています。

 館での梱包作業。先ずは作品の状態チェックです。今回は1日で梱包→輸送を行うタイトスケジュールであったため、「成功の秘訣は8割方準備で決まる(!)」と豪語する当館の学芸員が、予め検品作業を済ませていたおかげで(?!誉めてあげて~!)、余裕をもって梱包することができたようです(笑)。 作品は無事、当館から旅立ちました。

 そして本日、会場での展示作業です。こちらの写真にうっすら写る緑色の光のライン、これは展示する際に作品の高さを合わせたり、水平を測る“魔法の光”。(以前はテグス(糸)を使ったりしてましたが近頃は便利になりました(笑))。
 それでもやはり、何だかんだ言っても、最後に頼りになるのは「人の手」です。我らが文化館学芸員も、展示ケースの中に入って奮闘中~頑張っておりますヨ♪

 さてさて、どのような展覧会になりますか???開幕まであと1週間、乞うご期待です!

 「滋賀限定!近江ゆかりの書画-古写経から近代の書まで-」は9/21(土)から、会場:観峰館(東近江市)にて開催です🌟

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最初で最後の「建設予定地イベント」★ボランティアも募集中★

 みなさま、すでにチェックしていただいているでしょうか?

 新しい琵琶湖文化館の建設予定地イベントを・・・!

 あきつブログをご覧のみなさまにはご承知のとおり、令和9年12月オープンを目指している新しい琵琶湖文化館ですが、実は令和7年3月頃に着工を予定しています!なので、この場所が空き地のようになっているのもそろそろ終わり。そこで着工前に、最初で最後の「建設予定地イベント(滋賀県HP)」をやろうじゃないか!というのが今回の企画です。

今は何もない建設予定地です

このイベントで、具体的に何をするのかといいますと…

①建設予定地の実地表示 カラーコーンで建物(1階)部分を示します。
②新しい文化館に関するパネルを掲示します。
③館蔵品をモチーフにした「しおり」作成ワークショップを開催します。

 特に、①建設予定地の実地表示!デス。文化館の職員も、こんなことはやったことがありませんので、実際にカラーコーンを置くと、「こんな大きさの建物になるんだな~」「思ったより大きい!?(または小さい!?)」などなど、いろんな感想がでてくるのではないかと思います。

こんな形にカラーコーンを並べます

 そして、並べるカラーコーンは、約100個を予定しております、が、少人数の職員だけでやろうとすると、なかなか大変な作業になりそうな予感がします。ですので、このあきつブログをお読みのみなさま、イベント準備作業をお手伝いいただけないでしょうか!?この作業は、建設予定地イベントの前日、

 10月4日(金)13:30~

を予定しています。ぜひカラーコーン1個からでも、並べるお手伝いをいただけたら、とても、とっても!とぉ~っても!!!助かります。

ボランティアへのお申し込みやお問い合わせは、下記までお気軽にどうぞ。

滋賀県文化財保護課 文化財活用推進・新文化館開設準備室
メール:bunkatsu@pref.shiga.lg.jp

 何卒よろしくお願いします!

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当館源氏物語画帖で楽しむ「帚木」と「空蝉」

 NHK大河ドラマ「光る君へ」。吉高由里子さん演じるまひろ(紫式部)が、『源氏物語』を執筆しています。9月8日放送の第34回「目覚め」では、『源氏物語』の「空蝉(うつせみ)」のきわどい場面が、宮中で様々に読まれているシーンが印象的でした。
 当館所蔵の源氏物語画帖には、この「空蝉」も収録されています。前回のブログで予告したとおり、「帚木(ははきぎ)」とともに、その詞書と絵をご紹介します♪

 まず、『源氏物語』第2帖の「帚木」。この帖の前半は、光源氏や親友の頭中将らが、どんな女性が良いかなどそれぞれの経験談を交えた女性談義を交わす、現代的に読むと「それってどうなん??」と言いたくなってしまうお話、「雨夜の品定め」です(源氏は終始聞き役)。

 当館源氏物語画帖の「帚木」の詞書と絵は、左馬頭の経験談「浮気な女」です。ある殿上人が女房のもとにやってきて、笛を吹くと、家の中の女房も琴で応じ、さらに男がもう一曲と女に所望する・・・という場面での、女房の返歌です。

木枯に 吹きあはすめる 笛の音を ひきとどむべき ことの葉ぞなき

(木枯らしの音に合奏するような、おみごとな笛の音をひきとめるだけの琴はございません。憎らしいこと。)

 「帚木」の絵は、4/8のブログでもご紹介しましたが、男女が合奏する様子が描かれています。
 「帚木」帖の後半はというと、「雨夜の品定め」の翌日、中流の女性への興味を触発されていた源氏は、抑えがたい思いのままに受領階級の人妻・空蝉の寝所に忍びこみ・・・(以降自粛・・・)と展開し、次の「空蝉」帖へと続きます。

 

 第3帖「空蝉」では、若い女を相手に碁を打っている空蝉の姿を源氏が垣間見て、空蝉のたしなみ深さを感じ・・・(ここに続くのが有名な人違いの場面ですが、またしても自粛・・・)。そんなこんなで、自分を拒み続ける空蝉への想いが高まる源氏が、空蝉に贈った歌がこの詞書です。

空蝉の 身をかへてける 木(こ)のもとに  なほ人がらの なつかしきかな

(蝉が抜け殻を残して姿を変え、去ってしまった後の木の下で、もぬけの殻の衣を残していったあの人の気配をやはり懐かしく思っている)

 「空蝉」の絵の方は、お話が少し戻り、源氏が蔀戸(しとみど)越しに碁を打つ空蝉を覗き見る場面です。空蝉は後ろ姿で描かれ、その空蝉の背後には源氏が描かれています。
(現代的に見るとストーカーぽくて、ちょっとコワイ…)。
(ドラマでは見上愛さん演じる中宮彰子が、「光る君が何をしたいかも分からぬ」と言っていましたが、同感です…)。

 ドラマでは、まひろはロマンチックな思い出に浸りながら第5帖「若紫」を執筆していましたが、当館の源氏物語画帖には第4帖・第5帖はなく、次は第6帖「末摘花」です。次回以降もお楽しみに♪

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西郷隆盛書簡 巻き替えました!写真撮影OKです!(^^)!

 5/27から9/26まで、滋賀県立公文書館で開催中の我らが地域連携企画展「幕末を生きた人々の残像~公文書に残る直筆書簡~」。長い期間だな~と思われた方もいらっしゃったかもしれませんが、実はこれには理由があります。

 当初から申しておりました、この書簡は(物理的に)長い・・・と。全長4.75mに及ぶ西郷さんのお手紙。その全てを皆さんにご覧いただくには、“くるっくるっ”と巻き替えを行わなければなりません。

※ガラスケースの中、慎重に巻き替え中

 本書簡の見せ場(!?)である巻末:「西郷吉之助(隆盛)」署名部分から始まった5月。その後巻頭から巻中へ、本展の企画担当である井上副館長が、おおよそ3週間に一度、愛を込めて “くるっくるっ”してきました(笑)。

 そして昨日、いよいよ最後となる5回目の巻き替えを行い、皆さんお待ちかねの巻末部分:「西郷吉之助」の署名と、実弟の西郷従道が書いた「兄の真筆に疑いない!(翻訳)」とする鑑定部分が、満を持しての再登場です!

 
 ・・・皆さん、おそらくこれが最後です!歴史的人物・西郷隆盛自らが書いた「西郷吉之助」の署名を、写真に撮ることができるチャンスは、きっとこれが最後!ぜひMyコレクションとして、皆さんの記憶と記録に残していただければ・・・幸いです💛

※写真を撮る際は、ガラスケース越しでの撮影になりますので、くれぐれもご注意くださいね。

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当館の源氏物語画帖「桐壺」に注目!

 NHK大河ドラマ「光る君へ」。吉高由里子さん演じるまひろ(紫式部)が、『源氏物語』をもりもり書いていますね!8月18日放送の第31回「月の下で」で『源氏物語』の第1帖「桐壺」を書き始め、第32回「誰がために書く」でそれが道長から一条天皇のもとに渡り、昨日放送の第33回「式部誕生」では第1帖を追記して、さらに第2帖「帚木」も完成。一条天皇からまひろへ、立腹交じりの称賛が伝えられました。まだまだ続くというこの物語。そりゃそうです、54帖あるうちのまだ2帖ですからね・・・!

 さて、当館所蔵の源氏物語画帖には、10の詞書と絵がありますが、この中にドラマに登場した「桐壺(きりつぼ)」と「帚木(ははきぎ)」も収録されています。今回は、まずは「桐壺」について、どのように描かれているかな?と見ていきますと・・・、


宮城野の露吹きむすぶ風の音に小萩がもとを思ひこそやれ

(宮城野-宮中を吹き渡る風の音に涙がさそわれるにつけても、小萩-若君はどうしていることか思いやられます)

 光源氏の母・更衣が世を去り、悲嘆する帝が、更衣の里へ送った手紙に添えられた歌です。手紙には、愛する更衣が亡くなった悲しみにくわえ、里にいる幼い若宮(光源氏)のことが心配であるため、宮中に来るようにと記されており、この後に光源氏は参内します。

(源氏物語画帖のうち「桐壺」 当館所蔵)

 場面変わって「桐壺」の絵画は、宮中で聡明さを見せる7歳の光源氏を、右大弁が七条朱雀にあった鴻臚館(外国使臣を接待し宿泊させるための官邸)に連れて行き、高麗の相人に占わせたところです。そこで、「帝位につけば国が乱れるが、朝廷の重鎮となって政治を補佐する人かと言えばそれも違う」と高麗人は不思議がります。

  石張りの床に異国情緒を感じる屋敷の中、一段上がった畳の上に坐るのが光源氏。その傍らに右大弁がいて、高麗の相人は不思議がるように光源氏を見つめています。外にはお付きの人たちや、光源氏が乗って来た牛車も描かれています。

 「桐壺」は光源氏の誕生から12歳までが、続く「帚木」には光源氏17歳の夏が書かれています。「帚木」についてはあきつブログでも登場したことがありますが、次回は改めて当館の源氏物語画帖のうち「帚木」の詞書と絵について、ご紹介できたらと思います♪

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