作成者別アーカイブ: あきつ
ホームページ2月のアクセス数
弥生、3月、新しい月が始まりました。僕は「弥生」というやわらかい音の響きが大好きです。穏やかに春を呼んでくれそうで。
今日のニュースで「大学生の就職活動が解禁」なんて話題がありました。・・・思い出されます。企業に履歴書を送るとき、一筆挨拶文を添えますよね?今まで「こんにちは~お元気ですか?」みたいな軽い文章でしか書いたことがなかったのに、いきなり「拝啓○○の候、貴社におかれましては・・・」ですもの、戸惑いましたね~。今の学生さんも同じ苦労しているのかな。3月の季語でよく使われるのは、「早春」や「陽春」でしたっけ?日本語が美しい。ちなみに俳句などに使われる季語で、「山笑ふ」「鳥帰る」「北窓開く」「炬燵塞(こたつふさぎ)」なども3月を表すそうですよ。日本人の感性が面白い。冷え込んだ今日はまだまだコタツが手放せませんが、週末には一気に気温が高くなるようで、春の便りが楽しみです。
前置きが長くなりました。春に浮かれてます(笑)。さて、当館のホームページについて、2月は1,314件のアクセスをいただきました。うぅん伸び悩み・・・(涙)。それでも嬉しい便りも届きました。ここ最近動きがないことを気にしつつ、少し寂しい思いもしていたのですが、久々に「ご意見・ご感想」を頂戴しました!しかも応援メッセージ的な!有り難いことでございます。休館中であってはなかなか見えにくい当館の活動内容ですが、皆さんの率直なご意見・ご感想をお待ちしておりますので、気軽にご投稿くださいね。(あ、できれば励みになるようなのを・・・(願))
お知らせしていますように、琵琶湖文化館の収蔵品を展示した展覧会「表現された神と仏」が安土城考古博物館で開催されています。ブログでもこの展覧会を盛り上げていければな、と思っておりますので、皆さまどうぞお付き合い下さい。
筆:あきつ
展覧会 始まりました
27日(土)から始まりました「表現された神と仏」展。僕もじっとしていられなくて、初日に会場である安土城考古博物館に行ってまいりました。朝からたくさんの方が来場されているのを見てホッとひと安心。。。本当に有り難いことでございます。ゆっくり見ていって下さいね~。
先ず会場で皆さまをお迎えするのが、近江八幡市にある長命寺さまご所蔵の木造広目天立像です。こちらは文化館の開館当初(昭和36年)から当館に寄託されており、今回約半世紀ぶりに地元近江八幡市での里帰り展示となりました。
広目天は西方にあって仏法を護る四天王の神さまのおひとり。一般的には左手に絵巻、右手に筆を持ち、足下に邪鬼を踏みつけている姿に表わされることが多いのですが、こちらの広目天さまは、左手にお経の巻子を持ち、右手は凛々しく振り上げておられます。立ち姿の印象としては毘沙門天さまに近い?目鼻立ちは大きく憤怒の形相で僕たちを見据えておられますが、全体的に滑らかで「怖い」というより「にくめない愛嬌」をお持ちの神さまです。(素人:あきつ評)
平安時代の彫刻でありながら保存状態も良い、ましてやこの大きさ・・・文化財王国滋賀ではいまだ未指定ですが、他県なら確実に指定文化財となっておられるのでは?と、若干身内贔屓な感想を持ってしまうくらいの逸品です。素人評ではありますが、一見の価値アリです!これは是非、会場でご自身の目で「じっくり」とご覧いただきたいと思っております。
この他にもまだまだたくさん見ドコロ感じドコロいっぱいの作品が、皆さんをお待ちしています。是非会場へ足をお運びくださいますよう、関係者一同心よりのお願い申し上げます。
筆:あきつ
展覧会準備の確認・梱包作業です
本日は、27日から始まる「表現された神と仏」展にむけて、輸送・展示に伴う作品の梱包作業が行われています。
先ずは展覧会会場である安土城考古博物館の学芸員さんと一緒に、作品の確認作業です。 貸す側、借りる側、両方の立ち合いのもとで作品1点1点を確認し、その状態を調書に控え写真に撮るなどします。
屏風の確認では、絵のある本紙側(表)だけでなく、背(裏)ももちろんチェックします。皆さんには見えないトコロですが、輸送や展示作業の時に支障となる脆弱な部分がないか、キズはないか、細かくチェックします。こちらはマザーレイク滋賀応援基金で修理してましたので、「作品状態良好」ということで、無事点検を通過していきました。
掛軸などは、特に絵の具の状態や本紙の折れ皺、表装の状態など、細かく調書が取られていました。
一方、彫刻の梱包では、「この神像、小さい手の部分を別にもう一重養生しておこうか。」「養生してからお腹を晒(さらし)で固定して。」等々、作業上の注意点を声に出しながら慎重に作業が進められていました。チームワークの大切さがうかがえます。
ということで、すこ~し作業中のお仕事をのぞかせていただいただけですが、現場はその時出来るあらん限りの注意が尽くされており、緊迫感が漂ってました。そして「多くの人にいい作品をいい状態で見て貰いたい」という思いも一緒に梱包されていたと思います。
今回の展覧会では、48点の文化財が展示されます。会場の安土城考古博物館がある近江八幡市ゆかりの文化財も出展されています。日牟禮八幡宮さまの木造男神坐像や、長命寺さまの木造広目天立像は、制作年代も古く、平安時代の彫刻としてとても貴重です。これを機会に是非地元の文化財をじっくりとご観賞いただければと思います。
筆:あきつ
展覧会準備が佳境です
いよいよ安土城考古博物館での展覧会:琵琶湖文化館収蔵品特別陳列「表現された神と仏の美」の開催が、間近に迫ってまいりました。27日(土)が初日です。
本日の学芸員さんは、会場に展示するパネルの準備で大忙しの追い込み状態・・・原稿作成に余念なく没頭する学芸員さん。プリントアウトした用紙をパネルに貼って仕上げる学芸員さん。
声を掛けるのもハバカラレル感じ・・・いつもよりピリピリとした空気感です。
でも!『完成形』が見えるところまでたどり着けたので、充実感も漂っています。あと少しだ・・・頑張りまっしょい!
展覧会準備、不器用な僕はお手伝いできませんが、せめて「ブログで盛り上げていくのが僕の使命」と思って、微力ながらも頑張って応援しています。皆さんもお付き合い下さいませね。
テンションが上がる出来事もありました。それがコレ!展覧会でもご紹介する「マザーレイク滋賀応援基金」で文化財の修理を行った、そのパンフレットが、本日無事納品されました~!ままま間に合って良かった(ホッ)。是非会場で手に取ってご覧いただければと思います。
筆:あきつ
2月14日は・・・
皆さん至急ご確認下さい。お部屋のカレンダー、お手元のスケジュール帳、2月14日に『〇』:マル印、付いてますか?忘れていませんか?大事な日ですよ?
そう!何を隠そう!この日は我らが文化財に関わる『講座』が開催される日でーす!
あれアレ?皆さん?チョコに浮かれてる場合じゃないですよ?(笑)
この講座は、滋賀県教育委員会さんが実施される「千年の美」つたえびと養成講座です。今回のテーマは「屏風・掛軸・巻子の形と構造-屏風をつくってみよう-」。講師を務められるのは、仏画など国宝・重要文化財の修理にたずさわっておられる若き職人さん。屏風などの表具技術を学ぶとともに、文化財の「かたち」や「構造」について詳しくお話しして下さいます。
そして皆さん、お気付きですか?サブタイトル・・・「屏風をつくってみよう」となっていますよッ!なんとコレ嬉しい体験型!こっそり仕入れた情報(特ダネ)では、参加者は美人画、虎図、草花図の中から図柄をひとつ選んで、かわいらしい「ミニ屏風」が作れるのだそうです。とくに、紙蝶番(ちょうばん、ちょうつがい)は和紙を用いて、本物の構造をよく理解できるようにご指導いただけるとか!嬉しいお持ち帰り有り!作り方が分かればオリジナルのミニ屏風も作れるようになるのでは?・・・是非参加せねば!参加したい!!
講座は事前予約制となっていますので、申込みはお早めに!
日 時:平成28年2月14日(日)午後1:30~3:00
会 場:コラボしが21(大津市打出浜2-1)3階大会議室
テーマ:屏風・掛軸・巻子の形と構造 -屏風をつくってみよう-
講 師:佐味 義之 氏(株式会社坂田墨珠堂 文化財修理技術者)
募 集:200名 *受講料無料、事前申込み制(当日参加も可)
申込先:滋賀県教育委員会事務局文化財保護課(美術工芸・民俗係)
電話077-528-4672 FAX 077-528-4956
ぶきっちょ(不器用)な僕でも応募可能かしらん?・・・きっとダイジョウブ!迷っておられる貴方もダイジョウブ!是非参加してみては?!
筆:あきつ
副園長さまの来県
昨年1月から8月にかけて米国ミシガン州で開催されていた「マイヤーガーデン滋賀特別展Splendors of shiga」。この度、会場となったフレデリックマイヤーガーデン&スカルプチャーパークの副園長さまが、今回の事業が無事終了したことのご報告のため来県されました。実は10月にお越しになる予定だったのですが、体調を崩されて延期となり、ようやく再会を果たすことが出来たという次第です。1日には副園長さまと共に文化館の学芸員が、出陳いただいたお寺さまにご挨拶にうかがい、好評であった展覧会の報告をさせていただきました。 また、2日には滋賀県公館において、三日月知事より感謝状が手渡されました。その後の報告会では、副園長さまからこの度の事業成果について、入場者数が38万人を超える素晴らしい展覧会であったこと、滋賀県を紹介するパンフレットが
大変好評で3回も増刷しなければならなかったこと、注目度が高く多くのマスコミにも取り上げられ1兆2千億人を超える人たちに宣伝効果があったことなどが、ジョークも交えた和やかな雰囲気の中で報告されました。
中でも「この人たちがいなければ実現出来なかった」と県立3館の学芸員の名前をそれぞれに呼んでいただいた時には、思わず目がウルんでしまいました。良かったなぁ良かったです。頑張る学芸員さんの姿を陰ながら応援してきましたが、それらが全て報われたような気が致しました。
「滋賀という窓を通じてアメリカの人々に日本の美を紹介したかった。心から感謝を伝えたい」と笑顔で話された副園長さま。こちらこそ感謝感謝でございます。本当に有り難うございました。
2年後には滋賀県ミシガン州姉妹協定が結ばれて50周年を迎えます。今回のように文化や美術が持つチカラが架け橋となって、益々の友好関係を築いていくことが出来ますように、滋賀の良さや日本美術の素晴らしさを伝えていくことが出来ますように、そのチカラを信じて前に進んでいければいいなと思います。
筆:あきつ
ホームページ1月のアクセス数
「大変や」「えらいことです」「もう今年もあと11ヶ月しかない」「ほんまです」・・・
・・・コレ、月が替わるたびに文化館で交わされる定番の会話です。もう慣れました(笑)。
年が明けてあっという間に1ヶ月が過ぎてしまいましたが、皆さん元気にお過ごしですか?文化館は何だかんだとバタバタとした1ヶ月。
このまま年度末にナダレ込みそうな勢いです。
さて、多くの方にご覧いただいているホームページ、1月は1,748件のアクセスをいただきました。誠に有り難いことでございます。ちょっと面白い検索が引っかかっています。検索キーワードは「琵琶湖 凍る」。と~っても寒い日がありましたからね。ふと疑問に思った方がいらっしゃったようです。「琵琶湖って凍るの?」と。ふっふっふっ凍りますよ~。凍るのデスヨ!僕見たことあります!その証拠写真は「文化館写真集」に掲載されていますので、是非アナタの目でご確認下さい!・・・あぁ思い出されます。薄い氷でも波に押されて氷同士がぶつかり合い、ピシッピシッと音がするのです。一度これを体験すると「もしかして今日は凍っているかも?」と期待をしてしまい、どんなに寒い朝でも出勤するのが楽しみになるのです。困ったもんです(笑)。
さぁ、2月はどんな月になるのでしょうか。文化館の行事で言うと、27日(土)から安土城考古博物館で琵琶湖文化館収蔵品特別陳列「表現された神と仏」が開催されます。その開催準備に向けて、またドタバタと時間が流れそうな予感・・・乞うご期待デス!
筆:あきつ
執筆活動中
ここ3日ほど、西日本では猛烈な寒波に襲われました。日の出前の通勤途中、気温がマイナス6℃となっているのを目にした時には、そのまま引き返してもいいんじゃないかと・・・いやいや文化館がどうなっているのか心配。。。寒さを「痛い」と表現していいくらいの?冷え込みでした。
職場に着くと館も例外なくカンカンに冷えており、、、屋外にある水道管が凍るなどしましたが、なんとか無事日常業務に努めております。
さて、近頃の文化館はと申しますと、と~ても静かです。と言うのも、学芸員さん達が「研究紀要」の執筆に埋没(=没頭)しておられるからです。毎日パソコンとにらめっこ。静かな事務所の中で、パチパチというパソコンの入力音だけが響いています。時にはベテラン学芸員さんに意見を求め、時には考え事をしながら虚ろな目で収蔵庫へ消える学芸員さん達。資料の確認でしょうか。世の受験生と同じく?追い込まれて力を発揮する人達みたいです(笑)。みんな頑張れ~(笑笑)。
ということで、今しばらく、皆さんの頑張る姿を静かに見守りたいと思います。
・・・あくまで提出期限までですけれど・・・イヒッ。
筆:あきつ
滋賀県博物館協議会 研修会
皆さん「滋賀県博物館協議会」をご存知ですか?県内にある様々な博物館(美術館や資料館を含む)71館が加盟しており、研修会やシンポジウムの開催、広報誌「しが県博協だより」の発行などを通じて、各施設が情報を交換し、県民文化の振興に努め、協力し合う場として交流を図っています。
前回の研修会では、平成28年4月から施行される「障害者差別解消法」について詳しいお話が聞けるとあって、僕も参加させていただきました。
この法律は、障害のある人への差別をなくすことで、障害のある人もない人も共に生きる社会をつくることを目指しています。講習会では、「ひとえに障害のある方と言っても、障害の種類や重度によってその時その人の要求される事柄は様々なので、とにかくコミュニケーションを大切にし、求める側と対応する側双方の歩み寄りによって、お互いが納得し合えるような形で解決を図って欲しい。」と、お話されました。例えば博物館では、障害がある方たちにも理解しやすいような配慮や工夫をした展示、講座では要望があれば手話通訳を手配するなど、何か出来ることがあるかもしれません。また、そういった心構えを持つことで、より多くの方に楽しみや学びの場を提供することが出来るのだと思います。
とりあえずは・・・講座でお話しする時は早口にならないように・・・学芸員さんにはお願いしておきます。。。
次回、県博協で予定されているシンポジウムは、どなたでも参加できますよ。興味のある方は是非ご参加ください。
演題:『地域の文化財と博物館~防災・防犯のための取り組み~』
日時:平成28年2月13日(土) 13:30~16:15(13:00受付開始)
会場:野洲市歴史民俗博物館 研修室(野洲市辻町57番地の1 Tel.077-587-4410)
定員:100名(当日先着順) 参加費:無料
詳しくは、滋賀県博物館協議会事務局(琵琶湖博物館内Tel.077-568-4811)までお問い合わせ下さい。
筆:あきつ
ホームページ12月のアクセス数
今年のお正月は暖かかったですね~。皆さまいかがお過ごしですか?文化館は本日が仕事始めでございます。
年明けに何か縁起のいいネタを・・・と悩みに悩んで選び出したのがこちら。なんと!文化館の前に獅子舞がッ!
オ・メ・デ・ト・~・ゴ・ザ・イ・マ・ス・!!
どうです?ちょっと面白いでしょ?白黒ですが・・開館当初の写真の中から見つけました。とても大きなお顔・・・でも愛嬌たっぷりな獅子が2匹、ほかに御囃子や曲芸をする人なども呼ばれていて、とても賑やかだったようですよ。
さて、多くの方にご覧いただいているホームページ、12月は1,521件のアクセスを頂戴いたしました。有り難うございます。今年は申年。文化館のあきつザルは、これからも皆さんと一緒に、いろんなコトを「見たい聞きたい喋りたい」と願っております。どうかよろしくお付き合い下さいませ。
筆:あきつ
感謝の気持ち
文化館も本日が仕事納めとなりました。とうとうこの日を迎えてしまいました。皆さんいかがお過ごしですか?
冒頭から何を当たり前のことを・・・と思っていらっしゃる?そうですよね~今年が終わって、また新しい1年が始まるのですよね~当たり前ですよね~・・・でも何だか気が抜ける。。。
文化館では今年もいろんな事がありました。多くの方に読んでいただいたあきつブログですが、ガムシャラに突っ走ってきた文化館の活動の一端がお分かりいただけるかと思います。モチロン、ブログには書いていない、書けないような様々な出来事も毎日起こります。休館中でもいろいろあるのです。お察しクダサイ。
僕としては、皆さんに紹介するブログのネタを集めるのに苦労もする?毎日でした。展示公開をされている他館さんのfacebookやblogをのぞいては「更新ネタが豊富でいぃなぁ」などと羨ましく思うことも多かったです。
僕はこの通り文章もヘタですが・・・(実は掲載する前に、学芸員さんからガッツリお直しの「赤ペンチェック」をいただいております)それでも、どうしても文章におバカなオチを用意せずにはいられない性分となり・・・(クスッと笑える潤いを求めがちな年のせいかもしれません)それを許して貰っているからこそ頑張って書いて来られたのだと思います。有り難いことでございます。
心の声が叫びます。「休館中だからこそ出来ることを」。僕の師匠の受け売りです。「逆境をバネ」に導かれて、ガムシャラに走って来られたことを誇りに思います。休館から8年です。それでも笑顔をいっぱい、ありがとうがいっぱい、感謝の気持ちでいっぱいです。
だからこれからも、何卒よろしくお願い致します。幸せいっぱいありますよーに。。。
筆:あきつ
工房お訪ね日記④
不定期に継続中の工房お訪ね日記。今回は文化財の修理工房で見せていただいた感想を述べさせていただこうかと思います。
いやぁ緊張しました。工房の中ではいつもやっていらっしゃる事とは思いますが、、、あれはきっと無意識ですね・・・一息なんです!一連の作業が迷いなく澱みなく・・・流れるように連続していくのです!こちらは息を止めて体を硬直させてしか見られないというのにッ!!!
・・・きっとあのお方:職人さん(いつの間にか心の師匠となっている)は、息継ぎなしのドルフィンキックだけで25mプールを泳ぎ切れるヒト・・・などと思ってしまいました。流麗、それでいて動きは繊細。なんたることでしょ。お師匠さま尊敬します。
そしてあの経験に裏打ちされた動きも、これまた先人のお仕事に教えられての結果だというのです。いろんな修理をする中で、「この頃はこんな表装の仕方してはる」と教えられることも多いと言っておられました。昔の人はエライと。使っておられる道具にしてもそうです。先人たちの苦労の賜物が、今に残る技術を支えているのですね。素晴らしい。
で、そんな世界を少しでも多くの人たちに知っていただこうと、文化館の学芸員も頑張っています。何をしているのかと思われるかもしれませんが、「マザーレイク滋賀応援基金」によって修理中である当館所蔵の屏風を、そのビフォー・アフターの写真を、頑張って撮っているところです。
この屏風は2月に開催される安土城考古博物館での企画展「表現された神と仏」に出品され、修理工程を分かりやすくパンフレットにしたものを皆さんにお配りする予定です。楽しみにしていてくださいね。
筆:あきつ
師走恒例の
本日、滋賀の山々にも雪が積もりました。文化館からの眺めでは、西は比良山から比叡山にかけて、北はひと際白い伊吹山まで見えております。いよいよ冬本番ですね~。(写真:比良山系)
そうです・・・師匠も走る12月。文化館ではこの時期恒例、寄託更新の依頼のために、県内各地の社寺さまをお訪ねしております。文化館では12月25日から翌年の12月24日までの1年間を寄託期間としており、今年一年お世話になったお礼と、来年も引き続いて大切な文化財をご寄託いただけるよう、お願いにうかがわせていただいているのです。
訪問先によってはご住職が兼務となられたり、総代さんが代替わりをされたりと、寄託者の皆さまの状況も移り変わりがある中で、お顔を見て直接お話させていただく貴重な機会となっています。こうして毎年寄託更新をし、長期に渡ってお付き合いくださっているのも、文化館の学芸員を信頼していただいているからこそ・・・の事だと思います。
「文化館なら大丈夫」と言っていただけるようハンドル持つ手にも力を込めて、今日も学芸員さんは出張されます。
筆:あきつ
ちょっと早めの大掃除
このほどいいお天気が続きました。暖かい気温の内に文化館では大掃除を実施!日中は汗ばむ程の陽気で、特に太陽があたる南面は良かったのですが、日陰となる北面はやはり風が冷たく、早いうちにお掃除が出来て良かったなぁと思います。
こちらは2階正面入口。開館していた頃には、入館者をお迎えしていた大切な場所です。「ここは文化館の顔やから」と、この日助っ人に来ていただいた作業の方々の手にも力が入ります。僕が何も言わずとも、気持ちが通じる有り難さ・・・泣いてもいいですか。。。
僕もタマラズお手伝い・・・5階展望閣の窓を外から拭いていると、何やら背中にアツイ視線を感じます。
何かな~と歩道の方を見てみると、こちらを指差してお話されているご婦人の姿が・・・「休館中でも大掃除?」とでも言っていただいてたのでしょうかね?そう、休館中でもお掃除は大切なのです。毎日とはいきませんが、要所要所でのお掃除は、文化財の保存環境を保つため大変重要なコトなのです。特に湖岸に建つの建物の外壁は、どこともクモの巣に悩まされがち。寒くて活動が鈍るこの時季に、クモの隠れ家を一掃!おかげで窓もピカピカです。ホラッ!お向かいの県警さんにも負けてないこの美しさと透明感!?!あぁ自画自賛・・・
「お願いどうかお正月までキレイなままで・・・」と願わずにはいられませんでした。今ならどんな神様もお迎え出来ます(笑)。
スッキリサッパリ大掃除が終わった後は、あまりの達成感に、自分たちの仕事を褒め称え合う私たち(笑)。改めて・・・キレイな職場っていいですね。
筆:あきつ
フランスからお戻りの
先日、滋賀県教育委員会文化財保護課の方たちが、このような小荷物を持って来館されました。「無事、おフランスからお戻りで~す」・・・?何のコトでしょ??
話を聞けば、僕が知らぬ間にこの小荷物さまが、フランスのパリで開催された文化庁主催の「日本遺産展」に出張されていたそうなんです!むきぃーッ!いつの間に!!
いえいえ本当の驚きはそこではありません。日本遺産展の開催が11月10日~14日、場所はフランスのパリ日本文化会館・・・気付かれた方いらっしゃいます?そう、あのパリ同時多発テロが起こったまさにその時に、この小荷物さまはパリにいらっしゃったのです!14日は臨時休館となったものの、期間中1,045人の入館があったとのこと。・・・「無事お戻りで~す」。ホントそうだ!無事で何よりだ!戻ってきてくれて有り難う!
それにしても若干ご無体な荷姿で・・・文化財が海外で展示される場合って段ボール箱で空輸?・・・ノンノン有り得な~い。海外展を経験したあきつの眼は誤魔化されませんヨ?
実はこの小荷物、中身は「仏像の構造模型」(2014年制)。文化財保護課さんが、多くの方に仏像のいろはを知っていただこうと、お作りになったモノだったのです~。それを文化館でお預かりしておるのですよ。おフランスでこの東洋の神秘:匠の技、ご理解いただけました?(笑)。なので送り出した時は、きっちり梱包されていたハズなのですが・・・中身を確認してみましょう。
そうそうコレコレ、このお姿。文化館でよく見る荷姿です。しかし現地で梱包して下さった方は、
慣れない作業を頑張っていただいたのでしょう。いつもより頭部の保護がキツめで、螺髪の跡が薄紙に見事に残っていました。頑丈にしていただいて有り難うございます。
聞くところによるとヨーロッパなどでは、この様なL字型の「木枠」を使って固定するやり方に、慣れていらっしゃらないそうなんですね。あちらでは「型抜き」が主流で、物に緩衝材を巻いて紐で固定するとビックリされる、と海外展の経験豊富な梱包のプロの方が言っておられました。あぁ何となく想像出来ます。このL字型木枠も展示すれば良かったですね(笑) とれびや~ん!
この仏像は薬師如来さまの構造模型。「手に持ってる薬壺(やっこ)さんは無事か?」『きちんとあります』「香水のビンになってないか?」『シャネルではないですね』・・・「たくさんの人に感動して貰えたかな?」『仏国なのでこの素晴らしさ理解し合えたものと信じます』・・・無事戻ってきた安心感からか、急に“おやじギャグ”が連発する点検作業。。声には出されませんがこのお薬師さまも、戻ってきた時には「ぼんじゅ~る」と言っておられた・・・かもしれません?ね(笑)。
筆:あきつ
工房お訪ね日記③
さてさて、不定期に継続中の工房お訪ね日記。今回は文化財の修理工房で見せていただいた「紙の貼り付けの様子」についてご紹介です。
コチラの作業は、本紙(絵を描いている紙)の裏から裏打紙を貼っておられるところです。本紙に密着する肌裏(はだうら)を美濃【みの】紙で、増裏(ましうら)を美栖【みす】紙で、総裏(そううら)を宇陀【うだ】紙で、三度ないし四度重ねて裏打ちするのだそうです。裏打紙は本紙を守ったり補強する意味があり、それぞれ特徴の異なる紙を重ねることで、表装としてのバランスや巻いた時のしなやかさなどを調節されるそうです。
こちらで使われる手漉き和紙は、奈良で特別に「ゴフンを混ぜて作っていただいたもの」と、うかがいました。ここでワタクシ、またもや聞き間違えをしてしまい・・・「え?古墳を混ぜる??それは奈良だから?!」何ノ事ダカ分カリマセン・・・その後の説明で、「胡粉」は貝殻の微粉末から作られ、混ぜる割合によって微妙に紙の風合いが変わるのだと教えていただきました。ほっ。。内心冷や汗~古墳では無理です(笑)。
使っておられた宇陀紙については、もうこの絶妙な風合いで作れる職人さんがいらっしゃらないとのこと。和紙の原料となる楮(こうぞ)が少なくなっているとは聞いてましたが、技術を持った職人さんまで・・・なんてコトでしょ!あきつ、修行の旅に出てもイイデスカ?
工程では、霧吹きで水を吹き、刷毛で古糊をうっすらと伸ばし、湿らした裏打紙を重ねた上から更に乾いた刷毛でシャッシャッと撫でておられました。皺が寄らないように慎重かつ繊細に・・・と、ここで疑問。使われている糊は、接着力が弱い糊でしたね?そんなに優しく撫でただけでちゃんとくっつくものですか?剥がれてきませんか?ポイントはこの何種類もある刷毛たちです。これらを駆使し使い分けることが重要となります。また手漉きの和紙は、裏から専用の刷毛で叩くと、紙同士が毛羽立って、うまい具合に絡み合い、それで「くっつく」のだそうです。裏打ちの最終段階:総裏ともなりますと、宇陀紙の上からこの見た目にも逞しい極太の刷毛で、
シャッシャッどころか、バンバン、ダンダン、ドンドン、と強く叩いて、紙と紙を絡ませるそうです。どうですか、このでっぷりとした専用の刷毛。風格充分!いいお仕事してくれそうです。ということで、糊は、仲介・仲立ち・助っ人的なお役目だけ!なのでまた何年か後に修理が必要となった場合には、裏から水を吹くだけで、うま~く剥がすことが出来るのですね。これに気付いた昔の人はエライ!尊敬します。
ですがここでも問題が。。。この極太の刷毛も、もう作り手さんがいらっしゃらないそうなんです・・・なんてコトでしょ!あきつ、分身を飛ばして後継者となるべく修行をしてきてもイイデスカ?
さて、次回の工房お訪ね日記はいよいよ最終回となります。
筆:あきつ
ホームページ11月のアクセス数
皆さんご存知ですか?。この秋から滋賀県では「虹予報」なるものが登場しました。滋賀県は、琵琶湖が山に囲まれる地形と、にわか雨が多いことなどで、虹が出現しやすいとも言われており、観光資源の一つとして全国で初めて虹の発生率を予報することとなったのだそうです。
なにを隠そう文化館、虹と蜃気楼の発見率はかなり高い!と自慢のネタにしております。琵琶湖に面しておりますからね(笑)。それでもまだ出現率が低いかな~。朝晩の冷え込みで、琵琶湖大橋の蜃気楼はよく見られるようになりましたが、今年は虹の出が少ない!お楽しみが少ない!!せっかくの虹予報が・・・見つけると誰かに言いたくなりません?ちょっと癒されません?顔がニヤケちゃいません?
この乾ききった日々の生活に潤いを(泣)!
さて、今日も元気にホームページのアクセス数についてのご報告です。11月は1,671件のアクセスを頂戴しました!皆さまいつも熟読いただいて感謝感謝でございます~(笑)!
気になる検索ワードでは、ブログでも紹介しました「雲根志」が上位入賞を果たしております。平均滞在時間も長めに、正しく『熟読』いただいたご様子、、、お役に立てましたか?展示、見に行かれましたか?興味の幅は広がりましたか?
気になる話題と言えば、僕も少し・・・「五郎丸仏」を皆さんご存知ですか?ラグビーワールドカップで活躍されたあの五郎丸歩選手がキック前にとる独特のポーズ、あの「五郎丸ポーズ」に似ていると話題の仏さまがいらっしゃるそうですね。報道では「日本唯一の仏像」と言われてましたが・・・実際には日本唯一でもなさそう?な?豆知識を紹介します。
仏さまによっては、手を様々な形に組んでいらっしゃいますがこれを「印相」と言います。印相には仏さまの悟りの内容や性格、御利益や仏さまの意志などが象徴的に表されています。あの「五郎丸ポーズ」に似ていると噂の仏さまは大日如来さまで、手の組み方が日本では珍しいとされていました。がしかし、滋賀県のとある文化財行政の担当の方が、ざっと県内の仏さまをお調べになったところ、千手観音さまや馬頭観音さまに「五郎丸ポーズ」に近い印相をお持ちの仏さまがいらっしゃる・・・とのことでした!残念ながら公開はされていないそうなので、我々が見させていただくことは出来ませんが、意外と身近に五郎丸・・・いらっしゃるかもしれませんね。
そんな人気にあやかりたく・・・今日も僕は体を鍛えるのデスヨ。。。
筆:あきつ
工房お訪ね日記②
さて、不定期に継続中の工房お訪ね日記。今回は文化財の修理工房で見せていただいた「ノリ」についてご紹介です。
行った時は、掛軸の解体修理をされていましたので、ここでは「古糊(ふるのり)」についての豆知識をご紹介します。古糊は小麦粉のでんぷんから作った糊(新糊)を10年ほど寝かせて熟成させたものが「古糊」と言われます。壷に保管されていた古糊は、まるでバターの様でしたが、匂いでみると酸っぱくなってしまった甘酒?の様な発酵が進んだ独特の匂いがしました。でもこれが重要な役割をはたします。
古糊は、時間をかけて寝かすことで粘り気が弱くなり、乾燥後の強張りが少なくなるという特性があります。掛軸や巻物などはクルクルと巻いて保管するので、貼った後もしなやかでないと、折れが入ったり絵の具がひび割れたりしてしまうので、肌裏打ち以外は敢えて古糊を使うのだそうです。
古糊に対して作り立ての糊は「新糊(しんのり)」と呼ばれますが、新糊は主に屏風など、パリッとピシッとスキッとハキッと貼る作業の時に使われます。同じノリでも使い分けが必要なのですね。なるほどでございます。
作業の中で実はこの糊、私たちが日常使うノリとしての使い方とはまるで使い方が違うとうかがいました。概念が違うとでも申しましょうか。合成糊は、あくまでくっつける「接着剤」としての機能を求めますが、こちらの糊はそれ自体の接着力は弱いのだそうです。だから裏から水を吹いただけできれいに剥がせるのですね~。
ちなみに、糊は自前で「ダイカンの頃に作る」そうです。「エッ?体感で作る?!」もうテンション上がっちゃって日本語がうまく聞き取れてマセン。要するに二十四節気の大寒(この時期の水は、雑菌が少なく長期保存に向いているとされる)の頃に作るということです。聞き間違いにご用心。。。煮詰める作業はとても大変らしく、体力も使うとのこと。そこで尋ねてしまったのが「アンコ作るより大変ですか?」・・・質問が所帯じみているのがタマにキズ・・・。曰く、「餡子作るより大変」なのだそうです。。。そうして職人さん自らの手で作り上げた糊はまさしく「秘伝」の糊となり、きっとよい「お仕事」をしてくれる相棒となるのでしょうね。これがないと仕事にならないとも言っておられました。
では次回はこのノリを使った紙の貼り付けの様子をご紹介します~。
筆:あきつ
秋の一般公開
滋賀のお山も紅葉がグッと進みましたね~皆さんはどこかへお出かけされました?県内の社寺さんでは秋の特別公開が真っ盛りですよ~。
さて、先ずご紹介したいのが湖東三山の一つ、西明寺さま。11月30日まで特別に国宝である三重塔内に描かれた壁画「法華経曼荼羅図」(重要文化財)が一般公開されています。雨天の場合は、文化財保護のため拝観中止となるようですから要注意ですね。12月13日までは「玄武刀八(げんぶとうばつ)毘沙門天三尊像」も特別公開されていますので、そちらもお見逃しなく。
そして今日の新聞テレビ欄:番組紹介で気付かれた方いらっしゃいます?MBSテレビ夕方の「ちちんぷいぷい」で、「昔の人は・・・今週末に見頃を迎える紅葉の名所滋賀湖東三山に咲く満開のサクラ?」と載ってましたね~。紅葉が美しいことで有名な西明寺さまですが、なんとこの時季にサクラ??必見です!見たら行きたくなるカモですよ~(笑)。
それからもう一つ。草津市の芦浦観音寺さまでは、秋の一般公開が23日(勤労感謝の日)1日限定で行われます。普段の拝観は予約制となっていますが、この日は観光ボランティアさんが境内を案内して下さったり、お茶席が用意されたりするそうです。実はこの地元ボランティアさん、とても勉強熱心で先日も25名の方が文化館へ研修に来られました。文化館では芦浦観音寺さまご所蔵の文化財を、多数お預かりしていますからね。それらの見ドコロ褒めドコロ、しっかり伝授させていただきました(笑)。当日の解説に活かして下さる?かな?
この一般公開では、当館がお預かりしている芦浦観音寺文書(県指定文化財)の中から、織田信長判物含む7点の文書類や焼印(船印・鑑札印)なども展示されます。行かれた方はこの機会に是非、しっかりと目に焼き付けて来てください。
筆:あきつ
奇石マニア
最近、ちょっと気になる展示があります。それは、草津市立草津宿街道交流館で開催されている企画展「石亭を継ぐもの」(12月6日まで開催)。当館にも出陳依頼がありました。
木内石亭は、江戸時代、近江国滋賀郡下坂本村(現:大津市下阪本)の生まれで、後に母の生家である栗太郡北山田村(現:草津市)の木内家の養子となります。小さいころから「石」に興味を持ち、珍石、奇石、鉱石、化石などを収集、弄石家(石の愛好家)の間で指導的役割を果した人物です。その石亭が今年生誕290年、今回そのご縁で草津市での企画展が開催される運びとなりました。
奇石(変わった石)収集家として有名な石亭は、「石の長者」とも呼ばれており、かの有名な平賀源内とも交流があったそうです。でも僕がこの「奇石マニア」さんのコトを知ったのは、文化館の収蔵品紹介で「雲根志(うんこんし)」を紹介した時でした。江戸時代になんともマニアックで変わった人がいたものだと、ビックリだったことを覚えています。お山へザルを持ってトパーズを探しに行った僕にとっては師匠と呼べる人かも・・・学芸員さんの話では、石亭が集めた貴重な石たちは残念ながら散逸していまい、コレクションの全容を知ることは出来ないということですが、見たかったなぁ~という思いとともに、僕の記憶に石亭の名が刻まれたのでした。
今回の展示では、「伝木内石亭収集奇石類」(栗東歴史民俗博物館蔵)が、彼が集めたであろうその一部が、展示されるそうです。・・・やっぱりちょっと気になります。。。
文化館へは、木内石亭書蹟「石」の出品依頼がありました。学芸員ではない僕は、個人さまから寄託されているこの書蹟がどのようなモノか知りませんでした。ですが今回!こちらのチラシの表紙に使っていただいたみたいです!コレですッ!
究極の石マニアが「石」と書いたその想い・・・是非会場で見てみたいと思います。皆さんも足を運んでみてはいかがですか?
筆:あきつ
工房お訪ね日記①
先日、文化財の修理を依頼している業者さんのところへ、学芸員さんと一緒に事務方代表として行って参りました。初めて見る修理工房にテンションが上がってしまい、自分でも「イチイチ素人の質問やな~」と分かってはいるのですが・・・いろいろと質問してしまいました。お仕事中、さぞ煩わしかった事と思います。今思えば大変申し訳なく・・・でもここは気を取り直して!工房で仕入れてきた「あきつ豆知識」を皆さんにしっかりご紹介!させていただきます。。。
先ず目にしたのが、あろうことか霧吹きで濡らした和紙の上に、掛軸の表面が置かれて・・・(あきつ心の声)「ぎゃぁ!そんな事をしたら墨や絵の具がにじむじゃないですかーッ!」。(あまりの衝撃に絶句・・・写真を撮るのを忘れました・・・)その後も裏側から霧吹きで水をぷしゅぷしゅと・・・「マジですか。あかんでしょ・・・」と心の声はどこまでも疑心暗鬼だったのですが、専門家曰く、「ニカワが墨や絵の具に使われていて接着剤の役目をしているから大丈夫」なのだそうです。ホッ。なるほどです。だって小学校で絵を描いた時には、そんな秘密兵器なかったですもの。。。そうでした。絵の具からして違うのデシタ。。。
さてここで、「ニカワ」についてお勉強です。漢字で書くと「膠」。こちらの工房で使われていたのは「鹿膠」で、状態を見ながら今回の場合は水に約2%の濃度で溶かして絵の具の剥落止めなどに使うとのことでした。重要な役目を担う膠も実はこんな魅惑の物体。琥珀のような色合いですが、動物の骨や皮、腱などを煮詰めて作られるとのこと。コラーゲンデスカ?会話の途中、頭の中では『ニカワ=煮皮』の漢字を思い浮かべてしまい・・・気持ち的に手を合わせてな~む~。。。ちなみに牛から作った「三千本膠」や「兎膠」というのもあるそうで、「シカ」より「ウサギ」の方が軟らかく、水に溶かす濃度も違うそうです・・・な~む~。。。
修理工程では、裏からたっぷり水を吹きかけた後、裏打紙(肌裏紙)をピンセットと指先で器用に剥がしておられました(解装)。きれいに剥がれるものなのですね~イチイチ驚きです。実はこれには秘密があります。。。
あぁ!もっとご紹介したいのに、書くスペースに制限が・・・残念!ということで、こちらのお訪ね日記は、不定期に継続される予定デス。かなりもったいぶった連載となるかもです~(笑)。
筆:あきつ
仏さまのご帰還
皆さん覚えておいでですか?本年4月9日のブログ「文化館の存在意義」に書かせていただきました甲賀市からお預かりしている仏さま。無事、お寺の本堂の改修が完了したということで、お預かりしていた仏さまをお納めさせていただきました。
今回はお預かりしていた仏さまも付随する持物も多く、2日間に分けて搬出するので、先ずはその選別から始まります。どの仏さまから運ぶのか、トラックに乗せる順、お堂に納める順、各仏さまの持物の確認、段取りが命の「指令」が飛び交います。
文化財を移動させる際には実はとても天気が気になります。作業をした2日間はお陰様で秋晴れの良い天気。さすが「私は晴れ女」と豪語する日頃の行いのヨロシイ学芸員さんが付いておられましたからね(笑)、晴れて良かったです。お寺の駐車場から本堂まで距離があるので、天気が悪いと運ぶのが大変だと聞いていましたし、何より文化館のこの階段が・・・晴れていればこの正面玄関から運ぶのが一番!・・・「重いぞーチカラ入れろー!」「階段!前上げるぞー!」「斜めにするなー!」・・・なんだか文化館ならではの掛け声が混じっていますが・・・抜群のチームワークで難なくクリア。無事お寺さまに到着です。
お預かりして約7ケ月、咲いた桜が見事な紅葉に変わるころまで・・・と申し上げていましたが、お寺さまにとってはご本尊がいらっしゃらないお盆やお彼岸を過ごされ、待ちに待ったご帰還であったことでしょう。トラックが到着すると、ご住職さまが鈴を鳴らし般若心経を唱えて仏さまをお迎えされた、とのことでした。地元の方たちも入れ代わり立ち代わり見に来られていたそうです。
文化財の移動、それは失敗が許されないシビアな状況の中で、無事に届けて当たり前のお仕事・・・とは言え、こうして事故無く無事終えることができ、地元の皆さんに喜んでいただけた、それが何よりの励みにもなり、やり甲斐にも繋がっています(お留守番の僕もそう思っています)。
いつも皆さんのおそばに文化館・・・
頼りにされる存在でありたいと願っています。
筆:あきつ
県外初出品!
今から約160年前の1854年、日本はアメリカとの間に「日米和親条約」を結び、約200年続いた鎖国から開国することになります。ここから日本の近代史が始まります。
現在、幕末期から昭和時代にかけての日本の外交のあゆみを紹介する展覧会が茨城県立歴史館で開催されており、琵琶湖文化館収蔵の「大津事件関係資料」(滋賀県指定文化財)の中から、サーベル・木綿のハンカチ・「凶行者近傍配置巡査調書」が展示されています。これらの「大津事件関係資料」が県外で公開されるのは初めてです。
大津事件は歴史の教科書に記載されることもあり、また、学校の歴史の時間で習ったことがある方もおられるかと思います。「大津事件関係資料」については、HPなどでこれまでも紹介してきましたので(コチラ)、みなさんよくご存じかと思います。明治24年(1891)日本を訪れたロシアのニコライ皇太子を、警護にあたっていた津田三蔵巡査がサーベルで突然斬りつけた大津事件は、日本の司法権の独立を守った歴史事項として知られています。「大津事件関係資料」は当時の様子と、ニコライ皇太子を介抱した呉服屋永井家を巡り、事件後にロシアと日本との間で水面下で買収の駆け引きが行われたことが記録されているなど、近代政治史・外交史上貴重な資料です。
展覧会ではその他に、幕末から昭和時代にかけての条約を中心とした外交に関する貴重な史資料が展示されています。
現代に生きる私たちに直近の近代史、特にグローバル化が叫ばれる中、世界の中で日本がどのように歩んできたのかを知ることはとても大切ですね。ぜひ、みなさん、展覧会にお運びくださいませ。
展覧会:特別展 外務省外交史料館・茨城県立歴史館共催
「日本外交のあゆみ」
会 場:茨城県立歴史館
会 期:平成27年10月10日(土)~11月23日(日)
ホームページ10月のアクセス数
本日は朝から珍しく冷た~い雨が降っております。気温も低く、湖上に浮かぶが故の文化館の名物「足元の底冷え」が厳しい季節ともなってきました。しかしおかげで周辺の紅葉がすすみ『オータムイン打出浜』の景色も一段と鮮やかです。
皆さん大丈夫ですか?もう今年も残りあと2ケ月となりましたよ?月日が過ぎるのがとっても早く感じてしまうのは・・・そういうお年頃?否否、充実しているのでございます。必死過ぎて記憶がないのでございます。。。やっぱり歳のせいかなぁ・・・
ということで、淡い記憶を行きつ戻りつ、先月のホームページのアクセス数についてご報告です。驚くべき10月のアクセス数はなんと1,400件!出ましたピッタリ賞です!
アクセスの地域別トップ10は、大津、大阪、京都、名古屋、草津、港区、横浜、新宿、彦根、神戸となりました。一方で平均滞在時間の長い地域となると、こちらはやはり地元に愛されている文化館。大津、東近江、長浜、甲賀、野洲、高島と滋賀県内から強いご支持を頂いております。有り難い事でございます。
さて、10月のブログでは、文化館の近くにある井上敬之助氏の銅像について、ご紹介させていただきました。1週間に2本。しかも連続で。「どれだけ敬之助さんのこと好きやねんなぁ(笑)」と職場内で話していたのですが、ここ最近、変化というかその効果が表れ始めています。
ホームページのあきつブログは、更新毎に館の前にある掲示板に貼り出されるのですが、明らかに足を止めて読み込んでおられる方が増えた!ような気がします。信号待ちをしている時に、ちょうど視界に入ってくるのですよね~敬之助氏の凛々しいお顔の写真が。銅像の前の道を毎日通っておられる方、あの銅造が一体誰なのか、ちょっぴり気になっていたでしょ?!
皆さんの「?」が「!」になるように、あきつブログ、お役に立てれば幸いです。
筆:あきつ
あの方の側にある石碑
前回のブログで紹介しました「あの方」:井上敬之助氏(元治2年3月(1865)~昭和2年(1927)享年63歳)。今回は井上氏の銅像の側にある石碑について紹介します。
石碑には次のように書かれています。
彰徳表
井上敬之助翁は慶応元年甲賀郡石部村
に生れ若年にして政治に志し明治二十三
年自由党の傘下に走せ県会議員に当選同
議長に挙げられ地方自治体の健全強化に
貢献同三十五年以来衆議院議員に当選す
ること六回出でては立憲政友会領袖とし
て重きをなし専心国家憲政の伸展民主政
治の確立に尽瘁入りては同県支部長とし
て党を統べ官僚政治の是正民意の暢達に
努力県民のための県政を推進その功績は
政治史上燦として不滅に輝
翁資性剛毅果断大政治家の風格を備え
事に処するや公明正大身を持するや清廉
潔白名利栄達眼中に無く憂国の至誠烈々
全身全霊を政治に捧げ昭和二年八月十日
六十三年の政治的生涯を閉じらる以来三
十有七星霜景仰の念追慕の情今さらなが
ら切郷党並びに各界の賛同を得て翁の銅
像を建立もって崇髙な遺徳偉大な業績を
永遠に顕彰するゆえんである
昭和三十七年四月吉日
この銅像は井上氏が亡くなってから35年後に建立されましたが、碑文からは氏への尊敬の念と偉業を称える強い気持ちがうかがえます。
僕は悩みました。最初はこの石碑を写真に撮って、何が書かれているのかを簡単に要約して皆さんに紹介するつもり・・・だったのですが、パソコンで文章を入力している内に「アツイ・・・この文章アツイわ」と何かしら影響されてしまったのです。これはヘタに要約するよりもこのままの原文を皆さんに見て貰った方がいいと。皆さんも是非この碑文をじっくりと見てみて下さい。言い回しが独特でリズムが難しい部分もありますが、この文章を書いた方の井上氏に対する心酔しきった感というか、氏を仰ぎ見る感じが文面からヒシヒシと伝わってきます。後進から見た井上敬之助氏が、いかに大きな存在であったかがわかります。この碑文に込められたチカラを通して、この時代のパワーというかエネルギーが感じられる、そんな気がします。
銅像の足元には湯呑みが2つ置いてあり、時々花が供えられているのを見かけます。お参りされているのは氏に所縁のある方でしょうか。亡くなられてから88年、氏は今も変わらず鋭い眼差しで琵琶湖を眺めておいでです。その眼に今の世の中はどのように映っているのでしょうね。
郷土の偉大な先輩に・・・敬礼!
筆:あきつ
あの方はどなた?
皆さんご存知でしょうか?文化館の近くに、とある人物の銅像が建っていることを。先日「あの方を調べています」と、文化館をお訪ねいただいた老紳士がいらっしゃいました。この機会に是非皆さんにも知っておいていただきたい「あの方」を紹介します。
写真を撮って参りました。この方は明治時代の政治家:井上敬之助氏でいらっしゃいます。元治2年(1865)甲賀郡石部村(現:湖南市石部)に生まれ、若くして政治家への道を志して自由党の傘下に入り、明治23年(1890)には、板垣退助が再興した愛国公党に参加しました。明治25年(1892)、27歳の時には県会議員に当選、以降5回当選という経歴を持ち、地方自治の健全強化に大きく貢献ました。
明治31年(1898)に自由党と進歩党が合流し憲政党が結成されると同党滋賀支部常議員に、更には憲政党が明治33年(1900)に立憲政友会(総裁伊藤博文)と改称した際には、政友会滋賀支部の結成に多大な尽力をしたとも言われています。そして、明治35年(1902)には衆議院議員に初当選、翌年も再選を果たすなど、政治家として大きな功績を残しています。
官僚政治の是正や民意の反映に努め全身全霊を政治に捧げたその姿から、滋賀県政の大御所として「其当時県に知事が二人いる」と言われたほどで、明治後期から昭和初期にかけての滋賀県の政治家を語る上で、忘れることのできない人物でもあります。
銅像の建設にあたっては、滋賀県の初代民選知事であった服部岩吉氏が中心となって計画が進められ、彫刻家として有名な森 大造氏に制作が依頼されました。完成したのが昭和37年(1962)。文化館の開館が昭和36年ですから、その1年後にはもうこの場所にいらっしゃったことになります。制作当時、井上氏が亡くなってからすでに35年が経っており、一度も会ったことのない翁の像を作る命を受けた森氏は、かなりご苦労をなさった様子で、「資料を集めてもらつた所写真が二三枚という貧弱さであつたが、翁の性格なり風貌なりは服部氏の説明や、当時各界の名士の感想文等を拝読して翁の偉大な広く重い人格を伺い知る事が出来た」と書籍「井上敬之助」の中で語っておられます(昭和37年4月発行)。森氏は、井上氏が生活しておられた石部町のお宅を訪ねて参考資料を見せて貰ったり、当時でもあまり見かけなくなったこのマントのような「フロックコート」をわざわざ借りてきて制作にあたるなど、井上氏の持っておられた個性の描写に力を注がれました。
その甲斐もあって、レトロな装いでありながら背筋をピンと伸ばして立つお姿は実に凛々しく、力強い眼差しからは断固たる決意とその人柄をうかがい知ることが出来ます。
なお、この銅像の側には井上氏を称える石碑が設置されています。コチラについてはまた次回ご紹介します~!
筆:あきつ
米原秘蔵の4ケ寺寺宝展2015
なんともソソられるタイトルの特別公開のお知らせです。
滋賀県米原市にある4ケ寺(大原観音寺・成菩提院・清瀧寺徳源院・蓮華寺)では、10/24(土)~11/15(日)の期間、各寺院の公開日に合わせて寺宝が特別公開されます。多くの文化財を所蔵されている寺院さんの寺宝展ですから、見応えたっぷりかと思われます!
軽く寺院の紹介をしておきますと、
〇大原観音寺(日本古寺百選):石田三成と豊臣秀吉の出会いの地。
鷹狩りで立ち寄った秀吉を三成が「三献の茶」でもてなした逸話が残る。
(公開は10/31.11/1.7.8の4日間のみ)
〇成菩提院:最澄が談議所を開いたのに始まりのちに比叡山延暦寺の別院となった古刹。
織田信長をはじめ、豊臣秀吉、小早川秀秋など数々の武将が宿営した。
(公開は10/24.25.31.11/1.3.7.8.14.15の9日間)
(※その上なんと!「11/21.22.23も特別公開します」とご住職から嬉しい情報が!※)
〇清瀧寺徳源院:中世、北近江を支配した京極氏の菩提寺。
34基の宝篋印塔が並ぶ京極家墓所は国の史跡。
(公開は10/31.11/1.3.7.8.14.15の7日間のみ)
〇蓮華寺:本尊は釈迦如来と阿弥陀如来の二尊。
「瞼の母」の「番場の忠太郎」の故郷として、忠太郎地蔵尊が建てられている。
(期間中毎日公開23日間)
そもそもこの情報をゲットしたのは、文化館に寄託されている文化財がこの特別公開に併せて里帰りされたから・・・なのでございます。先日学芸員さんが、浄土曼荼羅図(重要文化財)と釈迦曼荼羅図を、お寺さまに届けて来られたのですが、特別公開を控えていろいろと忙しくご準備されていたそうですよ。紅葉シーズンにはまだ少し早いようですが、各寺院それぞれに趣きがありますので、これを機会に是非一度米原の地で「秘蔵」とのよい「お出会い」をして来て下さい。。。
注意すべきは公開日!各寺院さんによって公開日が異なりますので、スケジュール調整は念入りに・・・詳しくは米原観光協会さん(電話:0749-58-2227)にお問い合わせ下さいね。
筆:あきつ
文化館のRINPA!
仏像や絵画など、日本には世界に誇る多彩な芸術作品がありますが、これらの制作にあたっては様々な流儀があります。それが「流派」です。江戸時代に誕生した「琳派」もその一つです。
そもそも「琳派」って?ここから少しお勉強。
江戸時代の始めの京都に本阿弥光悦と俵屋宗達というスーパーアーティストが現れます。彼らはこれまでの形式にとらわれない新しい作風を確立し、当時経済力をつけてきた京の町衆から絶大な支持を得ます。光悦は「寛永の三筆」といわれるほどの書家であり、陶芸や漆芸などにも秀でた人で、宗達は京都建仁寺の国宝「風神雷神図屏風」を描いたことでも有名です。
そこから時代が下ること100年、彼らをリスペクトするアーティストが現れます。それが尾形光琳・乾山兄弟です。二人は京都の雁金屋という当時のハイファッションを生み出した高級呉服屋に生まれ、恵まれた環境の下、宗達のような画風を目指し、絵画にとどまらず陶芸・漆芸・衣裳などの分野で次々に新しいものを生み出し、やがて光琳風が流行するようになります。
そして、江戸時代後期にふたたび、光悦・宗達・光琳・乾山たちに熱い思いを寄せるアーティストが現れます。それが酒井抱一です。抱一は江戸で生まれ育った人でありながら、京都で活躍した宗達や光琳たちの芸術活動に傾倒します。そして抱一は、ついに光琳風を「琳派」という一つの美術のスタイルにまで高めます。
江戸時代を通じてダイナミックに展開する「琳派」ですが、日本にとどまらず、ジャポニズムとして西洋美術にも影響を与え、また現在でも琳派のオマージュ作品が作られるなど、その人気と影響力は絶大です。
琳派は今年で誕生400年を迎えました。これを記念して、現在京都国立博物館や京都国立近代美術館をはじめとして、あちこちの美術館で琳派の展覧会が催されています。
ちなみに琵琶湖文化館でも酒井抱一の作品「扇面散花鳥図」を所蔵しています。詳しくはコチラをご覧くださいませ!抱一の洒脱さが伝わるイッピンです。
歴史を極める
秋晴れの良い天気が続いています。絶好のお出かけ日和だった先週の土曜日、当館の学芸員さんは湖北にある米原市柏原宿歴史館へ出張されていました。お仕事の内容は、その名も「歴史を極める」というお題の講演会。依頼をいただいた米原市教育委員会さんでは、「少しでも多くの方々に歴史に親しみ、かつ極めていただきたい」とシリーズ講座「歴史を極める」を毎年開催されており、今年度のテーマ「和紙を極める」の中で、当館の学芸員さんにもお声が掛かったのでした。
開催日が近づくにつれて、学芸員さんは各方面に電話で確認したり「モノ」の手配をしたりと、忙しそうな中にもその段取りにスキがなく・・・ん?・・・モノ?・・・お話しに行かれるのではナイノデスカ?
そう、今回の講演会、学芸員さんが用意されたのは、参加して楽しい『体験型』の講演会。テーマは「古文書の形-和綴じ本をつくろう-」です。身内ながらうまいなぁ~と思います。そう思いません?このタイトル。僕は先ず「古文書の形」のカタそうな雰囲気に腰が引けそうになってしまいましたが、それを「つくろう」なんてひらがなで呼びかけられた日には・・・はいハイはいッ!参加しま~す!となっちゃいませんか?(笑)
当日は、そんな素直な人たち(笑)・・・いえいえ勉強熱心な人たち約25名が、実際に文化財の修理などに使われる和紙と針・糸を使って、楽しく和綴じ本作りを体験されたのでした。
・・・いいなぁ・・・うらやましいなぁ。僕も参加したかったです!これって日記帳なんかも作れますよね?日々の出来事を筆でサラサラと・・・くーっ格好いい!・・・我が国最初のとんぼ文学『あきつ日記』が世に出る日も近いかと思われます。。。
あぁっでもその前に!習字のお稽古が必要デス!(泣)
筆:あきつ
「千年の美」つたえびと養成講座のご案内
今年度の滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」は9月をもって終了しましたが、まだまだ勉強したいと思っている方に朗報です!
前年度に引き続き、滋賀県教育委員会事務局文化財保護課さんから『「千年の美」つたえびと養成講座』開催についてのお知らせが届きました。この講座は、滋賀県に伝承されてきた「千年の美」とも言うべき文化財(仏教美術、神道美術等)の魅力を学び、また受講者自らが「つたえびと」となって発信していただくことを目的とした講座です。
今年度は、仏教美術(彫刻)の研究者や仏像・仏画修理の技術者等を講師に迎え、計4回の開催が予定されています。
【内容・日程等】
第1回 近江路の観音像(仏教彫刻史特論1)
平成27年10月12日(月・祝)午後1:30~3:00
講師:高梨純次氏(MIHO MUSEUM参事 仏教美術史研究者)
第2回 仏像の修理
平成27年11月23日(月・祝)午後1:30~3:00
講師:高橋利明氏(楽浪文化財修理所代表 仏師)
第3回 近江の仏画の流れ(仏教絵画史総論)
平成27年12月19日(土)午後1:30~3:00
講師:古川史隆氏(滋賀県教育委員会事務局文化財保護課主査)
第4回 屏風・掛軸・巻子の形と構造-屏風をつくってみよう
平成28年2月14日(日)午後1:30~3:00
講師:佐味義之氏(株式会社坂田墨珠堂 文化財修理技術者)
【会 場】コラボしが21(大津市打出浜2-1)3階大会議室
【募集人員】各200名 *受講料無料、事前申込み制
【主 催】滋賀県教育委員会
【申込み先】滋賀県教育委員会事務局文化財保護課(美術工芸・民俗係)
電話077-528-4672 FAX 077-528-4956
〒520-8577 大津市京町四丁目1-1 メールアドレス ma07@pref.shiga.lg.jp
文化財ファンの方は必見ですね。第1回開催日まであまり日がありませんので、受講希望の方はお申込みをお早めに!