文化館防火デー

皆さんご存知でしたか?1月26日は「文化財防火デー」です。毎年この時期になると、神社やお寺さんで、建物に向かって消火ホースで水を放水する防火訓練の様子が、新聞やテレビのニュースになっていますね。それで、というわけではないのですが、当館でも先日「消防設備点検」を実施しました。

施設に備え付けてある火災報知器や警報機が正常に作動するかどうか、消火栓、消火器の位置は?と、点検業者さんと一緒に館内の設備をチェックして回ります。有り難いことに、「いざ!」という事が普段起こらないだけに、せっかくの設備の使い方を忘れてしまう・・・なんてことないですか?309-2僕は「去年も同じこと聞いたなぁ~」と思いつつも、今年もまた質問してます。「このボタンを思いっきり押していいのですか?」「ウチの消火器はピンを抜くタイプですね?」何度聞いても何故かドキドキします。
大切な文化財をお守りしているのです。「いざ」という時にきちんと落ち着いて行動できるように、普段から防火防災意識を持っていたいと思います。

火災は、火のあるところで起こるとは限りません。冬は電気ストーブを使うなど、電気の消費量が増えてしまいます。コンセントのタコ足配線や、電気コードを束ねたまま使ったり、机の足で踏まれたコードがひび割れたりしてませんか?どこかの保安協会さんではないですが、電気製品の使用に際して使用者の「うっかり」から発生する火災もあるのです。
その辺り、僕のチェックはキビシイですよぉ?! 皆さん、くれぐれもご注意くださいね。

筆:あきつ

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この時期の「写真使用の許可申請」

163毎日寒い日が続いております。こちら大津でも日中に雪がチラつくなど、寒さが体に堪えます。。。この週末もまた寒波に襲われるようなので、月曜日に慌てないで済むように、しっかりと除雪スコップを用意しておきました!

さて、当館は現在休館中ですが、文化財の貸出しや返却、写真図版の提供などの業務は、継続して行っています。「モノ」だけじゃなく「写真」も貸出し?と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、書籍などに掲載する場合、当館所蔵資料の写真を使用する「許可申請書」の提出をお願いしています。依頼は郵送で届くのですが、実はこの時期の許可申請には、「とある傾向」があります。

・・・写真を展覧会の図録に載せるため?・・・いえいえ、その申請は年中あります。
・・・新聞やテレビなどの報道関係?・・・ゴク当たり前に対応します。
・・・わかった!4月から使う歴史の教科書に!・・・各社もっと前から準備されてます(笑)。

おわかりですかね~?実はこの時期に増えるものといえば、同業である博物館関係の方からの依頼、「当館で発行する『紀要』に掲載するために」です。紀要とは、教育機関や研究所、博物館などが研究論文や調査報告書などを載せた定期刊行物で、年度末の3月に発刊されているところが多いものです。・・・ということは、全国各地の博物館職員さんこの時期・・・執筆にとても焦っていらっしゃる?・・・かく言う当館も激しい追い込み真っ最中デス!(笑)。

ということで・・・苦しいのは自分だけぢゃない!!みなさま、立派な研究成果を『紀要』に発表して下さいね~。

筆:あきつ

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展覧会ポスターのゆくえ

実は僕たち、昨秋からずっと取り組んでいたことがあります。それは、今までに当館が開催してきた「展覧会ポスター」の整理作業です。
現在当館では、平成32年にオープン予定の新たな美術館に、収蔵品や当館が今まで果たしてきた役割・機能を引き継ぐための移転準備を進めています。収蔵品(文化財)のことは学芸員さんが作業を進めて下さっていますが、一般事務職の僕に出来ることは?248と始めたのが、ポスターの整理作業でした。
展覧会ポスターは、琵琶湖文化館が今までに取り組んできた展示活動を物語る大切な博物館資料です。先ずは保管されていたポスターを年代毎に並べて、写真撮影、サイズを図ってデータ化を行い、最後には板状の段ボールで挟み、クラフト紙で包みました。これらのポスターは、それぞれに大きさや厚み、質感が異なり、収納の方法について迷うことも多かったのですが、年代順に並べてみると、色彩や構図についてその当時の流行があることもわかり、ポスターといえども、当時の世相や雰囲気が映し出されていて、その変遷などは見ていても大変興味深く、作業は思いのほか楽しいものとなりました。

一番厄介だったのが(いや厄介だったのは二番も三番もいっぱいあるのですが(笑))、写真撮影です。本気で(?)画像に残そうとするのならば、暗室を作りライトを当てて感度の高いカメラなどで撮影するのがいいのでしょう。もしくは専門業者に委託して画像を取り込んでもらうとか・・・でも今回はそこまでの時間も予算もかけられません。20170113-1ということで、作業をするのはド素人・・・三脚の立て方は?被写体との距離は?ポスターがキラキラ反射して光るんですけど?!!・・・わからないことばかりです・・・結果、自動調整機能付きのデジカメで、三脚は固定、蛍光灯を付けずに曇りの日を狙って作業をすることになりました。いつもなら心癒される風景:太陽でキラキラした琵琶湖の湖面でさえも、今回ばかりは撮影に支障をきたす厄介者扱いです。

20170113-2そんなこんなありましたが、昭和36年(1961)の開館から現在までの55年間に残されてきたポスターを、ようやく思う形に整理することができました。大切に包まれた当館の「A(エース)」たち、移転までのもうしばらくの間、今は作品が展示されていない展示ケースの特等席にて、しばしお休みいただくこととなりました。

筆:あきつ

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ホームページ12月のアクセス数

新年あけましておめでとうございます。文化館は本日4日が仕事始めです。今年のお正月はとっても暖かかったですが、みなさまどのように過ごされましたか?

もう去年の話になってしまいますが。。。さる年12月のホームページアクセス数です。こちらは2,020件と、11月に続いて2,000件台を維持し、新規ユーザー数も順調に伸びました!これもみなさまのお蔭です。本当にありがとうございました。本年はまた、酉年ということで、ケッコー面白い、ケッコー役立つホームページを目指して!さらに邁進して行きたいと思います。

ところで、元日の早朝、鶏の鳴く声を聞かれた方はいらっしゃいますでしょうか?実は、ちょっと気になる話があるんです。『改訂近江國坂田郡志』(滋賀縣坂田郡教育会編 昭和16年)によると、坂田郡東黒田村(現米原市)にある古墳には黄金の鶏が埋められていて、元日の朝に鳴くというのです。不思議な話ですよね~?? でも、これに似た伝説は全国各地にあるようで、この鶏鳴を聞けば幸運が訪れる、大金持ちになるなどという言い伝えを伴っていることが多いそうです。酉年の今年は、特に張り切って暁を告げていたかも知れませんね。

金鶏ではありませんが、文化館の鳥たちも、酉年ということで張り切っております。昨年末のブログでもお伝えいたしましたように、伊藤若冲のキンケイ、「鳥禽図」が年賀状図案集に採用されたのに続き、2月には、宋紫石の「柳汀双禽図」が観峰館の展覧会に出品されます(詳しくは「収蔵品公開情報」をご覧下さい)。今年は色トリドリの鳥たちとともに、琵琶湖文化館もさらに大きく羽ばたいていきたいです。
みなさま、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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仕事納め

本日は、平成28年仕事納めでゴザイマス。20161228-1気合を入れたいそんな日に、大津市内でも朝に雪が積もってました・・・と~っても寒い一日のスタートでしたが、雪化粧をした比叡山の景色に癒されながら、今年もあんな事やこんな事、いろんな事があったなぁ~っとちょっと感慨深げに一年を振り返り・・・いえいえ、そう懐かしんでばかりもいられないのがこの職場です(笑)。本年最後の締めくくりの日も、いつものように、個々それぞれにやる事を抱えて精一杯作業に没頭しております(笑)。

そうそう、「懐かし」つながりで、この12月からスタートしたホームページ「湖上にお城ができるまで-写真アーカイブ-」のコーナー、皆さん楽しんでいただけていますか?そもそもこの写真、さすがに当時を知る職員が誰もいない中で(55年前ですからね)、こんな時代があったのか!と職場で盛り上がったのがきっかけです。「こんな『お宝』写真を私たちだけで楽しむのは勿体ない!現在大津に住んでいる地元の人でも知らない人が多いのでは?!逆に新鮮に見ていただけるのでは?!!」との思いで、スタートしました。
勢いで始まったものの、これがなかなか難題で(笑)。あれもいい!これもいい!と、見ていただきたい写真がいっぱいで、先ず選ぶのに一苦労(笑)。そして短い言葉で当時の様子を説明するのにも一苦労(笑)。20161228-3なかなかに手強いデス(笑笑)。でもとても楽しんでやってま~す。まだ始まったばかりですからネ(笑)。
皆さんの反応も気になるトコロ・・・。道行く地元の人たちにも懐かしんでもらおうと、文化館前の掲示板にもホラこのとおり。一番見やすいところに白黒写真を並べています。立ち止まって見て下さる人も増えた・・・かな?!楽しんでいただければ幸いです。

308さぁ、もういくつ寝るとお正月デス!来る年が皆さんにとって、琵琶湖文化館にとって、幸せな1年になりますように!掲示板に新年を迎えるポスターを1枚追加して、本年の仕事納めとしたいと思います。来年もよろしくお願い致します!イヒッ!

筆:あきつ

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もう い~くつねると~

師匠も走る?!12月・・・何かと慌ただしい日々が続いています。過ぎ行くカレンダーに追われながら、精一杯目の前のお仕事に勤しむ毎日でございます。
ところでみなさん、この時期、私生活で「やらなきゃ」「早くしなきゃ」と、気持ち焦ることはありませんか?僕は2つあります・・・それは『大掃除』!お掃除はねぇ、、、普段からキレイにしておけばねぇ、、、焦らずに済むのにねぇ、、、いや~休みの日に天気が悪くてぇ・・・全て言い訳デス。。。頑張リマス!
もう一つのお悩みは『年賀状』!毎年デザインで悩んでしまい、あぁでもないこぅでもないと、結局取り掛かるのは仕事納めが済んでから・・・ん?もしかして元旦に間に合ってイナイノデスカ??
20161222-1そんなお悩みを解決してくれる素敵な「お助けアイテム」ができたのを、みなさんご存知ですか?それがコレ。「はじめてでも大丈夫!豊富な年賀状デザインでかんたんに年賀状ができる!」某大手出版会社さん発行の年賀状ソフトです。何故これが今、職場にあるのかというと、「酉年」にちなんだスペシャル年賀状企画として、伊藤若冲が描いた様々な鳥の作品が特集され、その中に当館の館蔵品「鳥禽図」が、掲載されているから!・・・なのですよ~!!20161222-2なるほど他の美術館さん所蔵の作品も素敵ですが、当館の「キンケイ」も負けてはイマセンよ?!これがあれば年賀状作りも楽しく簡単ですね。みなさんのお手元に、素敵な年始のご挨拶が届きますよ~に!
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筆:あきつ

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琵琶湖文化館とカモの関係って?

年の瀬も押し迫って参りました。皆さま、もしかして?忘年会などでもお忙しい時期ではないでしょうか?冬の味覚といえば、牡蠣ですか?蟹ですか??でも、冬の琵琶湖といえばやはり鴨でしょう!

文化館のまわりでも、鴨類の数がますます増え、水鳥の楽園となりつつあります。(決して「美味しそう」などと思って見ている訳ではありません!)その鴨に関して、先日お問い合わせがありました。「昔、長浜で、鴨を獲っていた頃の写真はありませんか?」

鴨ですか?(絵画ではなく)写真ですか?え~っと、「どこか別の博物館とお間違えではないでしょうか?」という言葉を必死でこらえながら、それでも「探してみて、またお返事いたします」と、いったん受話器を置かせていただきました。

「鴨猟の写真なんて。。。あったかしら?」「見たことないね~」「”鵜飼い”ならあるけど。。。」などと皆が言う中、文化館で最も経験豊かな学芸員さんが、「むかし琵琶湖の魚と漁の展覧会をやったけど、その図録に写真があるカモ?」と一言。ウマイ!(笑)

琵琶湖文化館には平成8年まで水族部門があり、淡水魚や琵琶湖で行われる漁について詳しい専門の職員さんがおられました。
そしてこれが、昭和59年の特別展「びわ湖の魚と漁具・漁法」の図録です。この図録はとても好評で完売となったため、文化館の水族館部門のお引越し先となった博物館で、平成12年に行われた企画展「湖の魚・漁・食」の際に、(図録としてはとてもめずらしいことに)再版されたというものです。
で、さっそく中を開いてみると、ありましたよ「鴨猟」の解説が。残念ながら、猟の写真は掲載されていませんでしたが、その代わりに、とっても可愛いオトリガモの写真が載っていました!

図録の解説によると。。。琵琶湖の鴨猟は昭和39年以降禁止となり、今では行われていませんが、モチナワ漁、モチバエ漁などと言い、11月~3月頃、トリモチを塗った藤蔓(モチナワ)を湖岸や沖合に仕掛けて獲ったそうです。その時に、木で作った鴨型(オトリガモ)を浮かべておくと、上空から来る鴨がこれを仲間だと思って近くに着水したとか。。。ヘエ~!鴨って本当にカモにされやすいんですね!

さてその後、お問い合わせ下さった方には、文化館には鴨猟の写真はなかったことをお伝えし、所蔵しておられそうな他館様をご紹介させていただきました。少しはお役に立てたカモ?
皆さま、また何か疑問に思ったことやお探しものがございましたら、文化館までお問い合わせ下さいませ。場合によってはお役に立てるカモ?です。。。

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公文書の保存と活用

先月、滋賀県庁にて「未来に引き継ぐ公文書 ― 時代を越えた共有財産 ―」と題した講演会が開催され(講師は井口和起氏[京都府立総合資料館顧問・福知山公立大学長])、当館の職員も出席させていただきました。
平成23年4月に「公文書等の管理に関する法律」が施行され、地方公共団体にも管理対象となる公文書等について、ますます適正な管理に努めるよう求められるようになりました。滋賀県でも「未来に引き継ぐ新たな公文書管理を目指して(方針案)」などが策定され、適正な公文書管理の検討が進められています。
そのような中で、平成25年3月には「滋賀県行政文書」(戦前の9,068簿冊の公文書)が滋賀県指定文化財に指定されました。本資料の中には、旧藩県引継書類、郡役所文書、琵琶湖疏水関係文書、大津事件関係文書などが含まれており、滋賀県のみならず日本の近代史を語る上で貴重な資料群です。
20161216-1大津事件といえば、当館の収蔵品にも「大津事件関係資料」(滋賀県指定文化財)があります。凶器のサーベルや血染めのハンカチは殊に有名ですが、実はその大部分を占めるのは事件の顛末やその後の動向を伝える公文書の類です。そして、この公文書によって、事件の内容を詳しく知ることが出来るのです(例えば写真は事件現場の略図《行兇者近傍配置巡査取調調書のうち露国皇太子殿下ヲ傷ケタル現場略図部分》)。このような公文書は県民の共有財産であり、滋賀県の歴史を語るうえで欠かすことの出来ない歴史的文書といえます。
滋賀県庁内にも滋賀県県政史料室という施設があり、滋賀県が所蔵している歴史的文書を県民の皆さんに利用していただく場所を提供しています。また、これら歴史的文書を活用した企画展示も定期的に行われています。皆さんも是非一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。

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インバウンドのさざ波寄せて

少し前のことになりますが、我が文化館へもいよいよインバウンド(訪日旅行客)の波がやってきたようであります。秋の観光シーズンも終盤の、お天気のとても良い日。当館へも、朝から次々と観光客の方がお訪ねになりました。いつもなら入口で、「現在は休館中で・・・」と説明するのですが、この日は違いました。対応に出た職員さんが、「大変!英語喋ってはる!!」と、すぐさま事務所へ舞い戻ってきたのです(笑)!。。。ついに来たインバウンドのさざ波。。。ということで、日本流受験英語(=会話力はなし)で慣らした我が身ですが、いざ出陣!させていただきました。

306入口には、小柄で、彫りの深いお顔にウェーブのかかった長髪のお兄さんが、心細げに立っておられます。。。それでも、“Hello! ” と声を掛けると、緊張したお顔がほころんでニッコリ!その笑顔にこちらもホッ!聞くと、どうやら彼はフランスの写真家で、美しい景色を撮影している。ついては、お城の上から写真を撮らせてほしい、とのことでした。せっかく遠いお国からいらしたのですから、できることなら展示室や、本館5階のと~っても”眺めのいい部屋“へもご案内したかったのですが。。。休館中のため、やむなくお引き取り願うことになりました。。。本当にゴメンナサイ。

ところで、外回りのどこにも“Museum”という外国語表記のない文化館(どうもスミマセン)。どうして中に入れるかな、と思われたのでしょう?そういえば、(英国の方の)BBC制作の名作ドラマ『高慢と偏見』では、主人公が旅先で貴族のお屋敷を訪問したとき、メイド頭に屋敷の中を案内してもらい、窓辺で外の広々とした庭園を眺めながら、「このお屋敷の女主人だったら。。。」などと思いをめぐらせる場面がありました。。。欧米では、旅行客などに(たとえ主人が留守でも)お屋敷(お城など)を案内し、そこにある彫刻や絵画などのお宝を見せるという習慣があるようですね。

そしてまた、メイドといえどもお屋敷のお宝について詳しく説明できたそうですよ。まるでちょっとした学芸員のよう!と思って調べてみると、実際、ヨーロッパのミュージアムは、そういった王侯貴族のお屋敷のお宝コレクションをもとに発展してきたみたいです。フランスのルーブル美術館もしかり、イタリアのウフィツィ美術館もしかり。なるほど、「お城」と「ミュージアム」はとっても近いものだったわけですね。「お城」の文化館としては、ちょっとうれしい発見です!

さて、文化館は本当のお城ではありませんが、湖国の誇るべき宝物の彫刻や絵画はたくさん収蔵しております。今回の遠い仏国からのお客さまにも、湖国の仏さまなどをぜひとも見ていただきたかったです。本当に残念。。。で、お詫びと言ってはなんですが、こんな写真をお見せしちゃいま~す!


どうですか?本館の5階からの眺め。円山応震筆の『琵琶湖図』さながらの絶景でしょう?窓辺から眺められる広々とした湖を前に、「お殿さま」気分を味わっていただけますでしょうか? 仏国からのお客様、これに懲りずにまた滋賀に来て下さいね。お待ちしていま~す。(えっ?メイド姿で??)

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古写真に癒されてます。。。

150424琵琶湖文化館には多くのモノがありますが、彫刻、絵画などの実物資料だけでなく、関連する写真資料もたくさんあります。たとえば、図録のために撮影した写真、県内の文化財調査の際に撮影した写真、開館前から今までの折々のイベント等の記録写真、などなど。。。今、文化館ではそういったありとあらゆる写真を、資料として活用できるように整理作業を行っています。フィルムや紙焼きをアルバムに整理し、番号を付け、スキャナーで画像を取り込み(今はデジタルの時代ですからね)。。。なかなか根気の要る作業ですが、これも長い年月をかけて文化館に集まった貴重な資料。滋賀県の財産として次の世代へ引き継いでいくためにも、日々コツコツと頑張っております。

その写真のホンの一部ですが、「浮城モノ語り」第31話第32話第33話でもお披露目されました。みなさま、もうご覧いただけたでしょうか?実は、あきつ君もこれらの写真に何かピーンときたようで、このところ館内を飛び回り、残されていた古い写真を机の上に広げて、セレクションごとに並べてみたり、あーでもない、こーでもないと、独り言を言いつつも楽しんで作業をしてるみたいです。そして、古い写真と取り組むうちに、表情も物腰も穏やかに(ん?あきつ君に腰はあったか?)、羽ばたき方もなんだかしなやかになってきたようですよ。これってもしかして、写真を撮ったり、見たり、アルバム作りをすることで癒されるという、「フォトセラピー」の実践なのでしょうか???

さて、「浮城モノ語り」第31話では、文化館開館前後(昭和35~36年ごろ)の写真をご紹介させていただきましたが、特にシニア世代の方であれば、たとえ文化館をご存知ない方でも、写真を見てな~んとなく懐かしい思いを抱かれるかも知れませんね。遊具で遊ぶ子どもたちの姿からは、幼少期のことを思い出したりして。。。古い写真や道具などをきっかけに昔のことを思い起こすのも、脳に大きな刺激となるようで、「回想法」といって認知症の予防などからも注目されているそうです。この頃は各地の博物館でも、収蔵品の活用方法として、「回想法」に注目しているところがあるようですよ。

104文化館にある写真も、調査・研究、展示、そして広報だけでなく、まだまだ他に、今まで思ってもみなかった新たな利用法があるハズ。ということで!!今月よりホームページ内に「写真アーカイブ」を開設してみました。こちらのコーナーでお城の文化館ができ上がっていく過程を紹介して行きますので(更新は週1回)、どうぞお楽しみに。そしてこれから先、これらの写真をどのように利用できるのか、みなさんとご一緒に考えていけたらいいなぁと思っています。。。

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ホームページ11月のアクセス数

お空はどんより冬の曇り空。。。いよいよセンセイも走りだす「師走」に突入です。今年も残りあと一ヶ月。みなさん、やり残したことはありませんか?大丈夫ですか?

さて、文化館からはとっても嬉しいニュースがあります。驚かないでくださいね。11月のホームページアクセス数が、10月からなんと500件以上も増え、2,085件に急上昇したので~す!ユーザー数、平均のサイト滞在時間、ページビュー数(=何ページ見たか)なども、ことごとく増えています。さてさて、いったい何が起こったのでしょうか?

検索キーワードをみると、やはり近代美術館での展示に関するものが多かったようですね。おかげさまで、展示は多くの方にご鑑賞いただけたようで、11月23日(祝)をもって無事終了することができました。みなさまどうもありがとうございました!

そのほかに、初登場でいきなり6位に躍り出たのが、「友禅蹴鞠」。こちらは「浮城モノ語り」第18話でご紹介しております「友禅蹴鞠図」をお探し下さったのでしょう。『源氏物語』若菜巻から題材を得て描かれた、女三宮と柏木の衝撃的な出逢いの場面。いいですね~。みなさまも一度ご覧くださいませ。

先月はなぜかまた、海外からのご訪問も増えたようで、遠いロシアの地方都市・サマーラが、地元大津を抜いて堂々の1位となっております。文化館で「ロシア」と言えば、ご存知、県指定文化財の「大津事件関係資料」がありますよね。凶器のサーベルや血染めのハンカチなどからは、事件の様子がナマナマし~く伝わってきます。。。

大津事件については、もちろんロシアでは今でも関心が高いようですが、最近は、司法の独立を守ったということでアジアの隣国からも注目され、ニコライ遭難の地・大津を訪れる方々もいらっしゃるようですよ。。。ロシアからホームページをご訪問下さった方の関心が、どのあたりにあったのかは想像するしかありませんが、文化館ホームページを通じて、滋賀の文化や歴史に興味を持っていただけたら良いですね。

というわけで、なにかとみなさまのお役に立てたようで、久々の大台に乗るアクセス数をいただき、嬉しい月初めとなりました!12月も引き続き、面白く、ためになるブログをめざして走っていきますので、みなさまも、あきつブログへの伴走、よろしくお願いいたします、ね!

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季節はめぐる

新聞に載っていた「紅葉おでかけ情報」も姿を消し、県内の観光名所でもそろそろ紅葉の見頃を終えるころでしょういか。文化館前の街路樹もすっかり葉を落とし、その姿はしっかり「冬仕様」となってきました。

当館は休館しているとは言え、周辺の清掃・美化作業を怠るわけにはまいりません。109夏は水草:藻の除去をしておりましたが、11月に入ってからは、この街路樹の落ち葉清掃が、大変時間と手間のかかる作業となっていました。
それでも、枯葉の上で自転車が滑ってこけそうになっておられる姿を見てしまうと、305そのまま放っておくわけにもいきません。せめてもと竹箒を持って落ち葉と格闘する日々・・・掃いても掃いてもキリがなく、すぐに落ち葉でいっぱいになるゴミ袋・・・この作業に終わりはあるのか?!・・・と思っていましたが、ここへきてようやく一段落してきた次第です。ほっ。

20161129というわけで、彩りの秋も終わりだな~と、感慨深く過ごしておりますが、事務所の中では冬の花、シャコバサボテンのデンマークカクタスが、花の蕾を膨らませはじめました。この花は、昨年、旧琵琶湖文化館友の会の皆さんからいただいた大切なお花です。「忙しいやろうから手間のかからない花を選んだ」とお気遣いいただいたこのお花。枯らすことなく無事2年目を迎えられそうなので、今から咲くのがとても楽しみです。

あぁ、でも、この花が咲いたら、きっともう今年のカウントダウンが始まっているのでしょうね。よしっ!ラストスパートに向けて・・・武者ぶるいッ!!

筆:あきつ

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11月23日の「つながる」

20161124-111月23日、この日は滋賀県立近代美術館での「つながる美・引き継ぐ心-琵琶湖文化館の足跡と新たな美術館-」展の最終日でした。展覧会が始まった頃には、薄手のカーディガンで丁度良いくらいの気候でしたが、40日間の期間を経て、辺りの紅葉はすっかり進み、ダウンジャケットが恋しい季節となっていました。
展覧会終盤に、ご後援をいただいたテレビ局で放送していたいたこともあり、その反響で地元の方が間違って当館を訪ねて来られるなど、ちょっとしたハプニングもございました。同じ大津市内とは言え、琵琶湖文化館と近代美術館は車で30分くらいの距離があります。無事に着けたかな?会場はどんな様子かな?と、気になる日々でもありました。
最終日の会場は、一堂に展示された滋賀の文化財を鑑賞しようと、大勢の方が来場されており、僕は思わず笑顔になってしまいました。地元の方と思しき年配のご夫婦、観光で来られた子ども連れのご家族、様々な方たちがじっくり作品を見て下さっています。中にはガラス越しに単眼鏡で食い入るように作品に見入る方がいらっしゃいました。学生さんでしょうか。若い人たちが、こうして時代を経た文化財の事を研究し、勉学に活かしてくださる機会となったことも、とても嬉しかったです。ご鑑賞くださいました皆さま、本当に有難うございました。

そして僕はと言えば、ぐるっと展示室内を一周しながら、展示されている文化財たちに「ではまた、文化館でお戻りをお待ちしていますね。」と挨拶をして、会場を後にしたのでございます。

さて、次に僕が向かったのは、大津市内のホテルで開催された「新生美術館 県民フォーラム2016-「美の滋賀」を未来につなぎ 世界に開く-」20161124-2の会場です。この日の参加者は約330名、皆さんの関心の高さがうかがえます。先ずは俳優の滝田栄氏の特別講演があり、続いて新生美術館の設計の概要が説明されました。後半には滋賀県知事も交えたパネルディスカッションが行われ、滋賀が持つ美の力について、またその発信の在り方など、5人のパネリストが、それぞれの思いを発言されました。

実はこの日この会場で、僕は「とある出会い」をしています。それは「自分の父が琵琶湖文化館の創立時に寄附をしている、その名前が文化館の銘板に残されていると、亡くなった父から聞いている。確かめたいので写真を送ってほしい」という女性との出会いでした。さっそく確認すると、確かにお父さまのお名前が、銘板に刻まれています。20161124-3写真を撮ってメールで送ると、「証が残されていてとても嬉しい」と喜んで下さいました。

「あぁ、なんだかつながっている」と、しみじみ・・・気持ちがあたたかくなった出来事・・・なのでした。

筆:あきつ

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「つながる美・引き継ぐ心」 番外編:お不動さま

現在、滋賀県立近代美術館で開催されている「つながる美・引き継ぐ心-琵琶湖文化館の足跡と新たな美術館-」展。みなさま、この展覧会の第3章「つながる」に出陳されている不動明王さまを、もうご覧いただけましたか?
このお不動さまは、近江八幡市の伊崎寺さまのご所蔵で、平成18年に国の重要文化財の指定を受けた際に、琵琶湖文化館で展示をさせていただくこととなり、その時のご縁で今回出陳されています。(現在は、この不動明王さまは比叡山国宝殿で管理されています。)

先日、お不動さまを寺の本堂から琵琶湖文化館へ搬入した時の、懐かしい写真を見つけましたので、2016isaki-1今日は是非、皆さんに当時の職員さんたちの武勇伝(?!)を紹介させていただきたく。。。
平成18年3月25日、琵琶湖文化館から学芸員さんとこの日出勤していた男衆(事務方・警備員)含む6名、滋賀県教委文化財保護課から2名、長浜市の学芸員さん1名の応援をいただき、総勢9名の強者たちが、近江八幡市の湖岸にある「伊崎の竿とび」で有名な伊崎寺のお山へ向かいました。これだけの人数で出陣?!した理由は、不動明王坐像とその光背、附の二童子像を、梱包の専門業者にお願いするでなく、自分たちでほとけさまを山から下ろし、公用車で運ぶという重大な使命があったからです。2016isaki-2
朝一に文化館を出発、お寺さまに着くと、先ずは堂内でほとけさまの状態確認。それから梱包、輸送、文化館に搬入・・・と、お戻りはお昼をまわってました。

この日、文化館でお留守番をしていた僕が、よ~く覚えていることがあります。それは無事にお不動さまが文化館に到着され、ほっとした時の皆さんの会話です。
学芸員ではないものの、力自慢としてこの日応援に駆り出された職員さんたち。大仕事に緊張されていたのでしょうね。高揚感というか、達成感というか、皆さん一様にテンション高めでした(笑)。「普段慣れていないので、梱包資材を運ぶだけでも手が震えたわ。」「ベテラン学芸員さんの指導があったからこそ(言われるとおりに)うまく運べて良かった。」「足元がズルッといきそうだった時、後ろから支えて貰って本当に良かったわ。助かった有り難う。」など、顔を紅潮させて話しておられたこと、僕はよ~く覚えています。あ~僕も行きたかったな、と(笑)。

もちろん文化財を扱われるのは専門知識と技術をお持ちの学芸員さんです。この時も何でもない顔をして、笑って話を聞いておられました。でも、事務方が必要とされてお手伝いに駆り出されるということは、それだけ信頼されているということです。時にはこうして助け合い協力させてもらうことで、展覧会が学芸員さんだけのものではなくなる・・・それが万年お留守番の僕にとっても、とても嬉しい出来事だったのです。このアットホームな感じ(?)が、琵琶湖文化館ならではのエピソードだと思います。

さて、今回の展覧会でそんな懐かしい思い出の「ご縁」をいただきましたので、この時行きそびれた僕は、皆さんが行かれた道を、いざ伊崎寺へ、行ってみる決心をいたしました!20161111今でこそ参道には砂利が敷かれてとても歩きやすいですが、当時は石がゴロゴロしていてとても歩きにくかったと聞いています。・・・そうかぁこの道をお不動さまを背負ってボチボチ下ったか・・・この辺かな?ズルっといったの(笑)・・・頭の中では当時の会話が思い出されてとても楽しい道行。駐車場から15分ほどで本堂に着くと、琵琶湖から吹く風の音がなんとも心地く、そこはまさしく癒しのパワースポットでした。

来れて良かった~!っと、大満足の帰り道、「あ、駐車場が見えた」と油断したところで、僕の足は「ズルっ」と・・・コケてませんよ?!そこは踏ん張りましたよ?!!・・・きっと僕は間違いなく、文化館ファミリー・・・と、再確認した帰り道なのでした~~ イヒッ!!

筆:あきつ

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「千年の美のつたえびと」になってみませんか?

20161116早いもので11月も、もう半分が過ぎてしまいました。文化館の周りの木々もすっかり秋色。毎朝通勤途中に落ち葉を踏みふみ、「秋」の深まりを感じている今日この頃でございます。
夜もグンと寒くなってまいりましたが、皆さま体調を崩したりされていませんか?そんな寒さも吹きとばす?!文化財講座のお知らせです。

かねてから、当ブログでもお知らせしています、滋賀県教育委員会事務局文化財保護課主催の『「千年の美つたえびと」養成講座』の第2回目が、今週の日曜日に開催されます!滋賀県には他の県に負けないくらい文化財があります。そんな文化財のことを学んで、守り手(伝承者)として、また、伝え手(発信者)として活動していただくことを目的とした文化財講座です。

「千年の美つたえびと」養成講座 第2回
近江の仏像と南都仏教(仏教彫刻史特論2)
講師:佐々木進氏(元栗東歴史民俗博物館館長、仏教美術史研究者)

【日  時】平成28年11月20日(日)午後1:30~3:00
【会  場】コラボしが21(大津市打出浜2-1)3階 大会議室
【募集人数】200名  ※受講料無料、事前申込み制(当日参加も可)
【申込み先】滋賀県教育委員会事務局文化財保護課(美術工芸・民俗係)
      TEL 077-528-4672 FAX 077-528-4956
      〒520-8577 大津市京町四丁目1-1
      メールアドレス ma07@pref.shiga.lg.jp

飛び入り参加も可!ということですので、あらためて文化財講座を学んでみたい方、この機会にぜひ参加してみてはいかがでしょうか?!
(申込み先は県教委文化財保護課です。琵琶湖文化館ではありませんのでご注意下さい。)

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霜月の癒し

朝晩ググッと冷え込みが厳しくなってきました。今日のお空はどんよりと時雨気味で、琵琶湖の色も鈍色、あぁ11月の景色になってきたなぁ、もうすぐ冬だなぁと、ちょっぴり「おセンチ」な気分になります。。。

いえいえ、琵琶湖文化館の11月は「おセンチ」ばかりではありません。空が時雨れれば琵琶湖に大きな「虹」が、朝の冷え込みが厳しければ琵琶湖大橋に幻想的な「蜃気楼」が、20161109-2ハッキリくっきり見えるので、とてもテンションが上がるのです(笑)。
ほら、この写真なんて、まるで琵琶湖から文化館のベランダに向かって虹の階段がつながったみたいで、とってもステキでしょう?!
文化館では「おはようございます。今日も虹がキレイですね」と、朝の会話の中に当たり前のように「虹」が登場します。この職場の誰もが「虹」を愛でています(笑)。霜月の癒しの風景です。。。

とは言え、「虹が出る=時雨れる=風が冷たくとても冷える」という状況であることは間違いなく、外に出るのが少し億劫な季節・・・とも言えます。20161109-3
寒さの中、仕方なしにお昼ご飯を食べに外を歩いていると、ふっと何かに呼ばれたような気がして、僕は振り向きました。すると、まるでお城のテッペンから青空が吹出しているような、まるで文化館が青空生産工場のエントツになったような、そんな写真が撮れました。「虹が出る=時雨れる=青空が近い」とも言えますね(笑)。あぁなんだか得した気分・・・のほほん・・・でございます。

筆:あきつ

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つながった美・引き継いでね心

このブログでも何度も紹介しておりますが、ただ今、数多くの文化館収蔵品が県立近代美術館での展示のため出張中です。前回のブログでもお知らせした通り、この展示、11月1日からいよいよ後期展示に突入いたしました。展示替えが行われ、さて、うちの収蔵品たちはこの頃どうしているんでしょう??ということで、その様子を見に行って参りました!

美術館のある文化ゾーンは、丘の上にあるため、木々の色づき具合も打出浜周辺より一段と進んでいて、本当によい感じ。。。文化の日の3日(祝)には、この一帯で新生美術館見本市「美の糸口ーアートにどぼん!!2016」などのイベントが行われ、うちのあきつ君も密かに「仏像ワークショップ」コーナーに出演していたようで~す(やったね)!!

そして、近代美術館での収蔵品たちはというと。。。?展示室に入ると、後期展示から登場した掛軸や屏風たちには、まだ少し緊張の面持ちが見られましたが、前期から出ている文化財たちは、もうす~っかり馴染んでいる様子。搬出の日、大人4人がかりで運びだされた寂室元光さまも、展示室の真ん中でゆったりとお座りになっていらっしゃいましたよ。

「第5章 つなぐ」の場面では、文化館と近代美術館のそれぞれの収蔵品の中から、同じ作者:紀楳亭の「蓬莱群仙図」が肩を並べており、また近江を代表する絵師:高田敬輔先生の兄弟弟子たちの作品が揃って旧交を温めているなど、なかなかに感動の再会を果たしておりました。さらに、別室の常設展にいらっしゃる遊亀さん(以前は文化館で一緒に暮らしておりました!)とも、なつかしい思い出話に花を咲かせ。。。どうやら「美」はここでもしっかりとつながったようです。

では、「心」の方は??引き継がれるべき心は、文化館だけのものではなく、この半世紀、文化館を支えて下さった県内外の多くの方々とつながっているものです。この絆を一旦解き、もう一度結び直そうというのですから、並大抵のことではないでしょう。一層の努力と、そして少しばかりの時間も必要かも知れません。今回の展覧会がその種となり、いずれ芽を出し、花を咲かせ、また結実し。。。収蔵品とともに「心」も、次の世代へしっかりと引き継いでいって欲しいなあと。。。そんな思いを抱きつつ、美術館を後にしました。

p1050920-2「つながる美・引き継ぐ心-琵琶湖文化館の足跡とあらたな美術館」(於:滋賀県立近代美術館)は、11月23日(祝)までの開催です。みなさまにも、一度と言わず、二度でも三度でも、文化館収蔵品の様子を見に行っていただけると、とても嬉しいです。

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ホームページ10月のアクセス数

いよいよ霜月、11月になりました。琵琶湖でも北湖の方には、もうコハクチョウが飛来していると聞きましたが、南湖の中に建つ文化館のまわりでも、このところ水鳥の数が増えてきたような気がします。朝晩にはかなりの寒さを感じるようになったこの頃。秋は順調に深まっているようですね。

さて、10月は文化館ホームページに、1,529件のご訪問をいただきました。どうもありがとうございました!この数、9月からは、ユーザー数と共に微増といったところですが、サイトの平均滞在時間は、3か月連続で伸びております!みなさんの興味はもしかして、「あきつブログ」が面白くて、ついつい読みふけってしまう?あっ、いえ、だったらブログ筆者としては嬉しいのですけどね~(笑)。そこで検索キーワードの方を見てみると。。。「高島硯」「長谷川玉純」など、いくつかの収蔵品や作者の名前がありますので、それだけでもないような。。。文化・芸術の秋、みなさん真面目に、調べものに励んで下さっているようです。すばらしい!!

そして、10月になって急上昇しているキーワードが、「つながる美・引き継ぐ心」。これは言わずもがな、10月8日から滋賀県立近代美術館にて開催中の展覧会のことですよね。みなさま文化館ホームページで確認して、美術館まで足を運んで下さっているのでしょうか?ありがとうございます!! こちら近代美術館での展示は、本日11月1日から、いよいよ後期展示に突入です。展示替えも行われ、「浮城モノ語り」第30話で紹介した紀楳亭の作品も、近代美術館所蔵品と揃っての登場です。まだ展示をご覧になっていない方はもちろん、すでに前期をご覧になった方もぜひもう一度、さらに一段と深まった展示をご覧くださいませ。「つながる美・引き継ぐ心-琵琶湖文化館の足跡と新たな美術館」は、11月23日(祝)までの開催です。

さあ、文化館ホームページも、秋の深まりと共にどんどん内容を深めていきますので、11月もどうぞよろしくご覧ください!

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「つながる美・引き継ぐ心」 番外編:仮面

現在、滋賀県立近代美術館で開催されている「つながる美・引き継ぐ心-琵琶湖文化館の足跡と新たな美術館-」展。みなさん、この展覧会の第3章「つながる」に出陳されている仮面(赤鬼・青鬼)を、もうご覧いただけましたか?234
この仮面は、東近江市の日吉神社さまのご所蔵で、毎年春の例祭に合わせて一時返却をさせていただいている大切な文化財です。実は先日、地元の自治会さまから「祭礼には使用していない他の仮面も是非町内の人に見て貰いたい」というご依頼を受けて、「ふれあい広場」という地域イベントに、急きょ参加・展示をさせていただくこととなりました。

当日は見事な秋晴れに恵まれ、会場となった公園には大勢の方が集まり、マジックショーやカラオケ、地元有志のバザーなどが行われていて、それはそれは大変にぎやかなイベントとなっていました。
早速、施設の中の一角に設けていただいた机で梱包を外すと、先ずはみなさん「なんと厳重に巻いて持って来てくれはるのやね」と驚かれました。小さいお面ですが、衝撃を与えないように薄葉紙と綿布団で何重にもお守してお運びしております。
20161101いざお預かりしている3つの仮面【能面:痩男(やせおとこ)・大癋見(おおべしみ)、狂言面:祖父(おおじ)】を並べると、地元の皆さんが興味深そうに覗きに来られます。「祭礼の仮面は毎年見ているけれど、他にもあるとは知らなかったわ」「どれくらい古いのかしら」(:江戸時代です)「これらも指定品になってほしいな」など、私たちもさまざまなお声を聞かせていただく機会となりました。

ひと段落しておいとまさせていただいた帰り道、「地元のイベントにあんなにたくさん、子どもから大人からお年寄りの皆さんも、み~んなが参加される地域も今どき珍しく盛大でしたね。」『それだけ地域の結びつきがしっかりしているということ。だからお祭りも文化財も、地元の宝として大切に残していかなければという意思も受け継がれる。』「ほんとですね~。安心ですね~。」と、学芸員さんと話しながら文化館に戻りました。

地元のみなさんの「誇り」をお預かりしていることをしっかりと胸に刻み・・・なんだかとても心晴れ晴れ、いい会場に呼んでいただきました。有り難うございました。

筆:あきつ

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モウソウ妖怪に取りつかれちゃった?!

木の葉がほんのりと色付き始め、お出かけの楽しみな季節になってきましたね~。秋は展覧会シーズンでもあり、文化館の収蔵品たちもたくさん、他館へお出かけ中です。そんな収蔵品につられて、お出かけしてきました!行先は、大阪・あべのハルカス美術館。今こちらで開催されている「大妖怪展 土偶から妖怪ウォッチまで」には、文化館が新知恩院様からお預かりしている「六道絵」のうち3幅が出品されています(会期中に展示替えがあります)。

さすがに、都会の商業施設内にある美術館。この日は休日ということもあり、家族連れがいっぱい!!展示会場では、もちろん「六道絵」を一番にチェックさせて頂きましたが(笑)、その他にも、興味深い作品がいっぱい!なかでも「百鬼夜行」を描いた作品には、目を奪われました。解説を見ると、長く使われたモノには魂が宿るようで、煤払いの時に捨てられたモノたちが、妖怪(つくも神)となって夜な夜な路上で大騒ぎをする、というのがそもそものお話なのだそうです。これを見ているうちに、もしかしたら、当館の収蔵品の中にも魂の宿った文化財があったりして、夜な夜なドンチャン騒ぎを・・・?な~んて妄想が湧いてきたりも?!

さて、「大妖怪展」を見終わって、まだ少し時間があったので、次は近くにある大阪市立天王寺動物園へも足を運ぶことに。ここは近頃、「生態展示」といって、園内にサバンナや熱帯雨林を復元し、動物たちを自然の状態に近い形で見せる方法を取って人気の動物園なのです。園内では、う~ん、なるほど、そう来るか!という、意外な「見せ方」に驚くばかり。そしてまた、最近の動物園は希少種などの保護にも力を入れているご様子でした。

希少なものの保護?ん?何か「文化財の保護」にもつながるような気がしてきて、またもや妄想が。。。「文化財の生態展示」なんて、どうなんでしょう?文化財を、かつて置かれていた環境を復元した中に置き、当時の状況や役割を分かりやすくイメージさせて、来館者にその時代を「体感」してもらうとか。。。あ~、でも、それこそ資料に魂が宿り、「百鬼夜行」の世界になってしまうかも?「けしからん!」というお叱りの声も、どこかから飛んできそうですが。。。いかんせん休館中の文化館、妄想以外のなにものでもありませんので、どうぞ笑ってお許し下さい。。。

303あべのハルカス美術館の「妖怪展」は、11月6日までです。みなさま、お時間ございましたら、ぜひ一度足をお運び下さい。(興味を持たれた方は、天王寺動物園へもどうぞ!)

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「つながる美・引き継ぐ心」 会場のこだわり

皆さん、もうご覧いただけましたか?滋賀県立近代美術館で開催中の「つながる美・引き継ぐ心-琵琶湖文化館の足跡と新たな美術館-」展。この展覧会では、総出品点数115点の内、96点(全体のおよそ8割)の文化財が琵琶湖文化館から出陳されています。これらは館蔵品をはじめ、社寺さまから大切な文化財を多数お預かりする琵琶湖文化館ならではの出陳内容といえるのではないでしょうか。展示会場では、所有者:○○寺・□□神社と説明されていますので、文化館との関係性は、ぱっと見では分かりにくいかもしれません。しかし今回の展覧会では、近代美術館の学芸員さんが会場に様々な工夫を凝らして下さいました。

お気付きになられました?展示室内が、色分けされていたこと。これは琵琶湖文化館が担ってきた「役割」に注目した全5章からなる展示構成で、学芸員さんのこだわりがうかがい知れる最たるトコロなのですよ。

20161019-1【第1章】守る:琵琶湖文化館が社寺さまからお預かりし、大切に守り伝えてきた滋賀の名宝を紹介(彫刻・絵画・工芸・書跡・典籍など様々なジャンルをお守りしています。)
【第2章】魅せる:海外で紹介された琵琶湖文化館の収蔵品や近年新たに県指定となった文化財を展示(海外展に注目されるあたり「近代美術館」さんならではのセレクションですね。)20161019-2
【第3章】伝える:過去に琵琶湖文化館に寄託されていた文化財や、法要などの際に一時返却をする寄託品、修理に関わってきた文化財などを展示(「展示活動」以外に琵琶湖文化館が担ってきた大切な役割、地域のみなさんと大切な文化財を後世に伝えゆくお手伝い。表には見えない琵琶湖文化館の重要な活動としてブログでも度々紹介しています。)
20161019-3【第4章】きわめる:琵琶湖文化館が関わって調査した文化財や、調査がきっかけとなって新たに発見された文化財を展示(調査・研究の成果を文化財修理や復元に活かす試みを行ってきました。)
【第5章】つなぐ:近代美術館と琵琶湖文化館の収蔵品をつなぐ近世絵画等の作品を展示(仏教美術だけでなく近世絵画も多数所蔵する琵琶湖文化館と、近代美術館の所蔵作品との共通性に着目しています。)

会場では、ぜひ作品紹介の題箋をじっくり読んでみて下さい。「ここが見所」といった文章の続きに、琵琶湖文化館とその作品との関わりも併せて紹介されています。

以上、なんだか言葉にすると分かりにくいかもしれませんが、展示されている文化財は見ごたえ充分の名品ばかりです。この機会に滋賀の名宝を、ゆ~ったりとご鑑賞下さいませ。

筆:あきつ

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君の名は???

先に謝っておきます。タイトルから、今、大ヒット中の話題の映画を期待された方はごめんなさい。今回は、「西川吉輔」という人のお話です。この方は、文化13(1816)年、近江八幡に生まれ、幕末維新期の国学者として知られています。文化館では、この方の書簡を収蔵しており、ホームページ「収蔵品紹介」でもご紹介させていただいております。200

先日、こんなお問い合わせがありました。「西川さんのお名前は、キチスケとお読みするのですか?それともヨシスケというのですか?」

なるほど、素朴な疑問です。。。琵琶湖文化館のホームページには「にしかわ きちすけ」で紹介しています。このお問い合わせにしっかりとお答えすべく、学芸員さんは改めて徹底的に調べて下さいました。まずは、人名事典類、そして滋賀県の百科事典類、それから、それから。。。
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ところが、出てくるもの、出てくるもの、「ヨシスケ」ばかり。しかし調査を続けるうちに、地元の自治体史と、西川吉輔家文書を所蔵されている滋賀大学の目録に「キチスケ」あるいはローマ字で「kichisuke」とあるのを確認。どうやら、インターネットや他県の文献には「ヨシスケ」で紹介されていることが多く、滋賀県内の文献では「キチスケ」と記される傾向であることがわかりました。

また、滋賀県教育委員会文化財保護課さんに尋ねてみると、「宇野先生からは、「滋賀県の神道界や地元ではキチスケさんと呼んでいた」と聞いています」との有力情報が・・・。
宇野茂樹先生というのは、仏教美術研究の大家でいらっしゃいますが、実は神社の神主でもあり、神道界のことについても大変お詳しい先生です。西川吉輔は、維新後は日吉大社の宮司をしておられたので、当時、直接関わりのあった人々からの、「口伝え」とでもいうのでしょうか、地元ならではのかなり近しいところからの情報が、ここに伝わっていた訳です。

お問い合わせいただいた方にご連絡すると、なるほどそうでしたか、とご納得いただけた様子。このやり取りを隣で聞いていた事務方の私も勉強させていただきました(笑)。有難うございました。

本当に人の名前の読み方って難しいですよね。近頃はやりの「きらきらネーム」、同じ時代に生きているハズなのにどうお読みすればいいのかワカラナイお名前が・・・。皆さん、名前に読み仮名を添えるのは恥ずかしいことではありません。ちゃんと呼んで欲しい正しいお名前で、後世に名を残してくださいね(笑)。

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平成28年度「千年の美つたえびと」養成講座のご案内

今年度の滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」は、おかげさまでご好評のうちに、9月をもちまして終了いたしました。ご参加いただいたみなさま、どうもありがとうございました。ところで、これをきっかけに、文化財についてもっともっと学んでみたい!と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?今回は、そんな方々に耳よりな情報です!

10月から、滋賀県教育委員会事務局文化財保護課さんの主催で、『「千年の美つたえびと」養成講座』が開催されます!!この講座は、滋賀に長らく伝わり、「千年の美」とも呼ぶべき豊かな文化財の価値について学び、受講者自らが、文化財の守り手(伝承者)として、また、伝え手(発信者)として活動していただくことを目的に、開催されるものです。今年度は、仏教美術(彫刻、絵画)の専門研究者や、仏像修理の技術者等を講師に迎え、4回にわたる講座が予定されています。

【内容・日程】
第1回 石山寺の歴史と秘仏本尊御開帳
平成28年10月16日(日)午後1:30~3:00
講師:鷲尾遍隆氏(石山寺座主)

第2回 近江の仏像と南都仏教(仏教彫刻史特論2)
平成28年11月20日(日)午後1:30~3:00
講師:佐々木進氏(元栗東歴史民俗博物館館長、仏教美術史研究者)

第3回 両界曼荼羅の世界(仏教絵画史特論1)
平成28年12月10日(土)午後1:30~3:00
講師:鯨井清隆氏(大津市歴史博物館学芸員)

第4回 仏像の制作と印相―化仏(けぶつ)をつくってみよう―
平成29年1月14日(土)午後1:30~3:00
講師:高橋利明(有限会社楽浪文化財修理所代表取締役 仏師)

【会  場】コラボしが21(大津市打出浜2-1)3階 大会議室
【募集人数】第1~3回 各200名、第4回のみ 100名
      *受講料無料、事前申込み制(当日参加も可)
【主  催】滋賀県教育委員会
【申込み先】滋賀県教育委員会事務局文化財保護課(美術工芸・民俗係)
      TEL 077-528-4672 FAX 077-528-4956
      〒520-8577 大津市京町四丁目1-1 
      メールアドレス ma07@pref.shiga.lg.jp272

第1回開催日が、間近に迫ってきております。当日参加も可能ですので、みなさま、ぜひご参加下さい!(申込み先は、県教委文化財保護課です。琵琶湖文化館ではありませんので、ご注意下さい。)

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展覧会@近美が始まりました!

当ウェブサイトでも随時開催の告知やその準備について、報告させていただいておりました「つながる美・引き継ぐ心-琵琶湖文化館の足跡と新たな美術館-」展が、滋賀県立近代美術館で10月8日より遂にスタートしました!

開催に先駆けて、前日の7日(金)には記者発表と内覧会を行いました。貴重な作品の出陳にご快諾いただきました社寺の皆さまをはじめ、琵琶湖文化館の活動でご縁のあった方、また現在でも琵琶湖文化館の活動を支えて下さっている方々など、文化館ゆかりの多くの人々にご出席をいただきました。

本展では、今までの琵琶湖文化館の諸活動を紹介しながら、それによって守り伝えられ、時に見出されてきた滋賀の仏教美術・神道美術の名宝の数々と、琵琶湖文化館と近代美術館の収蔵品に共通する近江ゆかりの画人たちの作品(近世絵画)が出陳されます。
これほど多くの琵琶湖文化館の収蔵品が県内で一堂に出陳されることは、久々のことです。また休館後に見出され、新たに指定文化財となった作品も出陳されています。この機会に是非、ご鑑賞ください。

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琵琶湖に「謎の物体」あらわる?!

台風が来る前のとある日、琵琶湖を眺めながら、いつものように通勤を。。。ん?いつもの?琵琶湖??・・・20161006-3いつもの湖岸に、見慣れないピンク色の5cmくらいの物体が貼り付いているではありませんか!しかも蛍光色の!「何だアレ?」と思ってよ~く見てみると、1つじゃない!そこここに、いくつもの蛍光ピンクのかたまりがあるのです!

琵琶湖から、はい上がって来たようなこの謎の物体。。。いったい何だと思いますか?気になったので、いつも琵琶湖の水質調査に来られている滋賀県琵琶湖環境部琵琶湖政策課 水質・生態系係の担当さんに尋ねてみると、実はこれ、外来生物ジャンボタニシ(正式名称:スクミリンゴガイ)の卵だというのです。蛍光ピンクのかたまりは、アップで見ると(イクラのようなタラコのような・・・気になる方はネットで調べてみてください)、かなりグロテスク。なので、岸に這い上がっていた「親」をアップで紹介しておきます。20161006-2直径4、5㎝位あったでしょうか。まさしくエスカルゴです。ジャンボタニシは食用として輸入されたものが、逃げ出したりしてその存在が確認されているそうで、近年、琵琶湖の南湖でも繁殖が拡大していると言っておられました。確かに去年まではこんな蛍光ピンク、見たことなかった。。。

地域によっては田んぼの稲を食べてしまうという被害が報告されているようですが、いかんせん、相手は外来種。そのままにしておくわけにはマイリマセン!20161006-4県の方に改めて聞くと、卵は水没すると孵化できなくなるので、水中に落とすだけで駆除できるとのこと・・・琵琶湖のためなら仕方ありません。。。いざ、長い棒を用意して、湖岸についたピンクのかたまりを、ひと~つひとつ・・・こそぎ落とすのはちょっと大変でしたが、朝から頑張ってみた次第です。

ふと見ると、湖岸に打ち寄せられた大量の水草を、滋賀県の藻刈船が、刈り取り作業をしてくれています。20161006-5その雄姿を興味深そうに眺める一般の方たちの姿も・・・。わかります、どんどんキレイになっていくのを見ていると、なんだか嬉しくなりますよね。
あぁ、でも・・・あれやこれやが異常繁殖・・・あれもこれも人間サマの招いた事が原因であるあたりが、何とも悩ましい今日この頃です。

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ホームページ9月のアクセス数

271みなさまが今、一番「気になる」ことって何ですか?近づく台風18号の進路?今日から発表の始まるノーベル賞の授賞者?もちろんそれらも気になりますが。。。文化館で、月初めに「気になる」ことといえば、やはりコレなのですよ~文化館ホームページへのアクセス数!

9月のアクセス数は、1,503件!よく見てみると、初めてアクセスする人の数は減っていても、8月の総アクセス数(1,502件)とほぼ同じ。。。これは、常連化した文化館ファンの方が増えた!ということで、皆サマ、間違いございませんか?!だとしたら、とっても嬉しいです。サイト滞在時間などを見ても、熱心な方にホームページをじ~っくりとご覧いただいている、という印象を受けます。多くの方が文化館ホームページを「気にして」下さっている。。。本当に幸せなことです。ありがとうございます!!

さて、最近の文化館は、9月の下旬に3日間かけて行われた、県立近代美術館への搬出作業はもとより、県内外の美術館・博物館さんが集荷に来られており、収蔵品の貸出・搬出作業が続いています。遠くは東京からも。。。これから秋の展示会シーズンですからね~。ということは?文化館の収蔵品を、いろいろなところでみていただく機会も増えるということ!有り難いことです。ホームページの検索キーワードの中にも、近代美術館での展覧会の「つながる美・引き継ぐ心」という名称や、出品作品の名称があるのを見つけると、みなさまもやっぱり「気にして」下さっているのだな~と、とっても嬉しく思います!

153このごろは、夏の日照りの埋め合わせのように、降り続く秋の長雨で。。。アウトドアはちょっと無理そうですが、美術館・博物館めぐりなら、少々の雨でも大丈夫。さすがに台風通過中は危険なので、その間はお家でゆっくりネットサーフィン、展覧会情報などをチェックしながら、おでかけ計画をじっくり練っておいて下さいね。文化館のホームページに立ち寄ることもお忘れなく(笑)。文化館収蔵品の公開情報はこちらからどうぞ!

ではみなさま、10月も、「気になる」情報満載の文化館ホームページを、「気にして」いて下さいね~!

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「つながる美」梱包搬出作業

連休の合間をぬって文化館では、滋賀県立近代美術館での展覧会「つながる美・引き継ぐ心」展の梱包・搬出作業が行われています。学芸員さんの邪魔(!)にならないように注意して、作業の現場をこっそり覗かせていただきました。

こちらのお写真、奥の方では文化館と近代美術館の学芸員さんが、木造のお像にライトを当てて、作品の状態をチェックしておられます。20160921比較的小さなお像ですが、実はコレ、皆さんもよくご存知の有名な方です。なかなかレアなショットだと思うのですが・・・(どの辺が?)背面からのチラ見せ具合が・・・(もう少し撮影のウデを上げて?!)。・・・お顔は展示会場でじっくりとご覧くださいネ。
そして、手前にあるのが何か?皆さん、ピンと来ますか?実はコレ、梱包する時にお像を仰向けに寝かせて固定する、担架(たんか)なのですよ。お像の寸法を測りながら、部材をその場で組み立てます。仏さまによって肩や腰が触れる位置を細かく調整するので、言ってみれば唯一無二の特注品、仏さまに最高の寝心地を提供する最強アイテムなのですよ~。

さて、続いてお出ましいただきましたのが、こぢんまり座っておいでではありますが、文化館の収蔵品の中でも1、2を争う重量級:20160921-2寂室元光さまの坐像でございます。こちらは東近江市の永源寺さまご所蔵の寂室和尚坐像(重要文化財)の模造なのですが、修理の際に明らかになった原本と同じ素材、技法、構造で作られたとても貴重な資料です(詳しくはコチラ)。文化館が休館になった平成19年の展示で公開して以来、久々のお出ましです。20160921-4ご本体は優しいまなこにすずしいお顔でちょこんと座っておられますが、塑像で作られているため、見た目以上に重く、運ぶ際には「ふむッ!!」っといつも以上に気合を入れなければなりません。大人4人がかり、チームワークの成せる技に感動すら覚えます。見ていても安心です!

お隣の部屋では、掛軸や屏風など絵画作品の状態チェック、梱包が順調に進んでおりました。今日を合わせて3日間、気の抜けない作業が続きます。
学芸員ではない僕:あきつがお手伝い出来ることは何もないのですが、いつもと違う風景に身が引き締まる思いです。

文化館では梱包された大型の文化財を運ぶ時に、屋外の大階段を使います。秋雨前線が停滞する中、空模様を気にしつつ、「今なら雨が止んでます(=搬出できます)!!」と、akitu学芸員さんに伝えに行くコトを最大の使命として(?)、影ながら応援したいと思います。イヒッ。

   筆:あきつ

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平成28年度 第5回「打出のコヅチ」が開催されました!

15日(木)、滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」第5回が開催されました。今回も131名という大勢の方にご参加いただき、盛況のうちに終えることができました!

最終回には、県教委文化財保護課の井上優氏をお迎えして、「琵琶湖文化館蔵『琵琶湖図』の構図を読み解く-朝鮮通信使とシーボルト-」というテーマでお話しいただきました。滋賀県に住む者には、よ~く見慣れた琵琶湖の風景。そして、数えきれないほどあるのも琵琶湖を描いた風景画。円山応震筆『琵琶湖図』も、その片隅に繊細な筆使いで朝鮮通信使の一行が描かれている以外、一見しただけでは何の変哲もない風景画です。けれども、よ~く見ると、何かおかしい?これは何??・・・そんな違和感、そして既視感を突き詰めて、これはいったいどこから見た風景なのか?何(どこ)を描いてるのか?という。。。まるで推理小説のような「謎解き」の顛末を、シーボルトのように情熱家でいらっしゃる井上先生から、独特の語り口でお話しいただいたのが、とても印象的な今回の講座でした。
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あのシーボルトも心惹かれ、世界的ベストセラー『NIPPON』の挿図に、構図を採用したフシのある『琵琶湖図』ですから、おそらく参加者の方々の想像力もまた、ひときわ搔き立てられたのでしょう。講演終了後には、質問とともに新たな解釈なども次々と飛び出し。。。盛況のうちに時間切れ。泣く泣くの(?)終了となりました。。。この絵については、まだまだ研究の余地が残されていて、今後の進展が楽しみなテーマであるということですね! いつの日か続編を聞かせていただけるのでしょうか??期待感のおおいに高まる講座でした。

そして、近日公開です!会場でも紹介がありましたが、文化館所蔵の『琵琶湖図』は、栗東歴史民俗博物館の企画展「琵琶湖誕生―日本・世界が見聞した琵琶湖」への出品が決まりました(公開期間:10月8日~11月3日)。この絵は、非常に細かく、精緻に描かれたものですので、みなさま、ぜひ一度、写真でなく実物を、ご自身の目でご確認ください。きっとまた、新たな発見があるはずです。本当に、噛めば噛むほど美味しい~のが、『琵琶湖図』なのですよ!

さて、名残惜しくも今年度の文化財講座(全5回)は、これですべて終了です。延べ564名という、過去最多の参加者の中には、地元滋賀の方ばかりでなく、遠方からお越しの方も少なからずいらっしゃったようで。。。滋賀の文化財への関心は、ますます高まってきているようですね。みなさま、本当にありがとうございました!!

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秋の展覧会

朝晩少し涼しくなって過ごしやすくなりました。もうまもなく食欲の秋です。否!文化・芸術の秋です。
皆さんお気づきになられましたか?文化館のホームページに、展覧会のご案内が追加されましたね~。この秋、滋賀県立近代美術館さんで開催されます「つながる美・引き継ぐ心-琵琶湖文化館の足跡と新たな美術館-」のお知らせです!

今回の展示は、近代美術館の若手学芸員さんが中心となって企画を進めて下さったもので、20160915-1jpg文化館からは国宝・重要文化財を含む59件(96点)の文化財が、また県内社寺さまからお借りする宝物なども含め、総計75件(115点)の名宝が、一堂に展示されます。県内でこれだけの展覧会が開催されるのは久方ぶりのことではないでしょうか。みなさん楽しみですね。

そんなこんなで新聞を開くと、昨日今日と2日連続で、僕のよく知る文化財のお写真が目に飛び込んできました。どちらも文化館が大切にお預かりする、お寺さまからのご寄託品です。20160915-2

記事の一つは「つながる美・引き継ぐ心」開催のお知らせ。もう一つは大津市歴史博物館さんの「大津の浄土宗寺院 新知恩院と乗念寺」展のお知らせです。こちらは10/15~11/27の開催となっています。

どことも秋の展覧会シーズンに向けてまっしぐら、みなさんも見に行くスケジュールを組むのが大変ですよ~(笑)。

ということで、休館中の琵琶湖文化館は、まもなく、収蔵品の「貸出しラッシュ」を迎えます。展覧会が開催できるのを羨ましいなぁと思う反面、他館さんが文化館の収蔵品をどのように展示して下さるのか、楽しみでもあります。この機会に是非とも多くの方々にご鑑賞いただけますように、貸し出す側としても日々の業務に一層努めたいと思います。

   筆:あきつ

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お申し込みはお済みでしょうか?「打出のコヅチ」第5回

288-2今年度の文化財講座「打出のコヅチ」もすでに4回を終え、いよいよ次回の第5回で最終回となります。今年度は、これまで以上に多くの方々にご参加をいただき、スタッフ一同、とても喜んでおります。そして、「資料は○○部で足りるかな?」「ゆったりと座っていただけるかな?」「やっぱり会場が狭かったか!な??」など、嬉しい悲鳴を上げておりますよ(笑)。みなさま、本当にありがとうございます!!

さて、前回の講座のアンケートで、「以前とは参加者が変わってきているので、文化館収蔵品の解説を再度企画してはどうですか?」という、と~っても嬉しいご意見をいただきました!確かに、今年はじめてのご参加という方も多く、参加される方のお顔ぶれも少し変わってきたのかなぁと感じておりました。そうですよね。新しい方にもよく知っていただくために。。。よろしいですよね?もっと取り上げても。文化館の収蔵品たち。。。やった~!!

というわけで、ちょっと気を良くして(笑)、文化館モンGOです!9月15日(木)滋賀の文化財講座「打出のコヅチ」第5回のテーマは、「琵琶湖文化館蔵『琵琶湖図』の構図を読み解く-朝鮮通信使とシーボルト-」。講師には、井上優氏(滋賀県教育委員会文化財補保護課)をお迎えいたします!

文化館が所蔵する円山応震筆の「琵琶湖図」7月30日付の毎日新聞でも取り上げられたように、実は今、密かに注目を浴びているのですョ。謎多きこの絵について、新たに打ち出された解釈とはいったい。。。続きは第5回講座で。

講座のお申込みは、滋賀県立琵琶湖文化館(TEL 077-522-8179/FAX 077-522-9634/メールbiwakobunkakan@yacht.ocn.jp)まで、
①お名前、②お住まいの市町名、③連絡先(電話番号)、④参加回、⑤講座のことを何で知ったかを、お知らせ下さい。

多くの方のご来場をお待ちしております!

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