日別アーカイブ: 2018年10月25日

揉み紙のご縁

「揉み紙をしておられた松田喜代次さんの作品を見せていただくことは出来ますか?」
先日、このような問い合わせのお電話をいただきました。当館は現在休館中であり、残念ながらこちらで見ていただくことは出来ないことをお伝えしましたが、なんだかこのまま電話を切ってしまうのが少し名残惜しく、「何故、作品を見たいと思ったのか」詳しくお伺いしてみることにしました。
すると、「自分は奈良で揉み紙のワークショップをしているが、色々と『揉み紙』のことを調べていると、どうしても松田喜代次さんに突き当たる。そこで松田さんが作られた作品を、実際に是非見てみたいと思った」とのこと。当館のウェブサイト収蔵品紹介に掲載している松田氏の作品を見て、お電話を下さったようなのです。

当館では、平成8年に特別陳列「滋賀県無形文化財 松田喜代次遺作展(松田喜代次の技-もみ紙の世界から-)」展を、平成18年に小企画展示「揉み紙と現代茶陶」展を開催。また、休館となってからは、平成26年に安土城考古博物館において「琵琶湖文化館秘蔵品で味わう 茶を魅る」展において、松田氏の作品を展示公開しました。
揉み紙は、金箔押し・型押し・型紙押し・砂子振り・泥引き・雲母引き・切箔押しなどの唐紙(からかみ)の技法の1つです。和紙に具を塗布して手で揉んで、紙の表面に揉み皺を付けます。唐紙の中でも顔料を引いた素朴な趣の揉み紙は茶人達に愛好され、茶席では掛物や風炉先屏風などに用いられました。松田氏は、昭和39年(1964)に滋賀県無形文化財「揉み紙」の技術保持者として認定された方で、伝統的な揉み紙の技法を受け継いだ最後の技術者とも言われています。

・・・そうなんです!松田氏の作品は本当に素晴らしいのです!既に紹介している『揉唐紙風炉先「渋水郷」』も、それはもう人間技とは思えないほど緻密に計算し尽くされたアートなんです!いえ、人の手だからこそ生み出された逸品!なのです。電話をいただいた方も、「魂が揺さぶられるほどに素敵!」と言っておられました(!!)。わかっていただけて、とても嬉しいです(!笑!)。
というわけで、せめて雰囲気だけでも・・・!と特別にご用意致しました。「渋水郷」と明治30年頃に滋賀県野洲の窯で焼かれた「小富士焼」の煎茶道具です。実物の素晴らしさをイメージしていただけると幸いです。

お電話の女性は、10月最初の日曜日に奈良でワークショップイベントを行うと言っておられました。皆さん楽しまれましたか?遠くても近くても、当館の作品を通じて、このようなご縁をいただいたことに感謝いたします。そうです!揉み紙の素晴らしさを多くの方に知っていただきましょう!当館も頑張ってまいりまーす!

筆:あきつ

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