日別アーカイブ: 2019年11月19日
刀剣界
当館が収蔵している文化財「大津事件」にかかわる資料の特別観覧ということで、東京からご来館がありました。取材に来られたのは、全国刀剣商業協同組合の嶋田氏です。組合の機関紙「刀剣界」に、近代国家日本の発展と大津事件の関連について、概要を紹介したいとのことでした。刀剣界が注目?!そうなると、アレですね?!そうです、アレです。大津事件関係資料の「サーベル」です。
全国刀剣商業協同組合さんは、内閣総理大臣認可の刀剣商および刀職者のための協同組合として活動されています。言うなれば刀剣のスペシャリスト。「刃先と峰の間にある鎬(しのぎ)のヤマが少し減っているので、自分で(研いで)手入れをしていたのかもしれませんね」「錆が付いて銘は読めませんが、これが歴史の価値なんですよね」「いやぁ素晴らしい感激です」等々。全国で数々の刀剣類をご覧になっている嶋田氏。研ぎ澄まされた刀剣、美術品的価値の高い刀剣をご覧になる機会も多いと思いますが、だからこそ歴史的価値にもご理解のある言葉をいただけて光栄でした。
聞けば、前日は少し興奮してしまって眠れなかったとのこと。当館に来る途中で、「大津事件の碑」(現:大津市京町)にも立ち寄って来たと言っておられました。今でも多くの方が訪れる歴史を物語る場所です。明治24(1891)年に起きた事件ですが、それを物語る文化財にふれ、その地を訪れた嶋田氏は、「滋賀には歴史が生きている」と素敵な言葉を残してくださいました。当館にとってなかなかご縁が薄かった刀剣業界の方とのいいご縁。機関紙「刀剣界」にどのように書いていただけるのか、1月の発行が楽しみです。
カテゴリー: 学芸業務
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