月別アーカイブ: 2月 2020

企画展関連講座「桃山時代の工芸品」開催しました

8日から開催しております地域連携企画展「安土・桃山時代の近江展 琵琶湖文化館収蔵品を中心に」は、皆さまもうご覧いただけましたでしょうか?会場である安土城考古博物館では、23日(日・祝)に企画展関連博物館講座の第2回目が開催されました。参加者は28名とやや少なめとなりましたが、昨今の新型コロナウイルス感染症の広がりのなか、これは致し方ないこと。講座の開催すらも危ぶまれた中、感染症対策に万全を尽くして会場をご準備下さった、安土城考古博物館の方々、ならびにご参加いただいた皆さまに、厚く御礼申し上げます。

さて、博物館講座ですが、今回は「桃山時代の工芸品-城郭の漆装飾と高台寺蒔絵-」と題して、この企画展の文化館側の担当者でもあります古川史隆(滋賀県教育委員会文化財保護課・滋賀県立琵琶湖文化館)が講師を務めました。安土・桃山時代の優品を集めた今回の展示のなかでも、特に贅を尽くして作られたと感じさせるのは、蒔絵を施した工芸品でしょうか?講座では、工芸品のなかでも特に蒔絵の作品に焦点をあて、「高台寺蒔絵」と称される桃山文化を代表する作品と、関連する近江に伝わる数々の遺品について、詳しく解説していただきました。

なかでも特に驚かされたのは、今回の出陳作品である草津市・観音寺(芦浦観音寺)さまご所蔵の「秋草蒔絵湯桶」が、秀吉と北政所(ねね)ゆかりの京都・高台寺に伝わる湯桶と瓜二つであるということ!!「平蒔絵」「絵梨子地」という安土・桃山時代の蒔絵に流行した技法に、菊・薄(すすき)・萩といった武将好みの(というか、これはもう「秀吉好み」なんでしょうね!)斬新で明快な意匠を施した、典型的な「高台寺蒔絵」の湯桶。(きっと特注品なんでしょう。。。)そんな湯桶が、秀吉との関わりも深かった観音寺に伝えられているなんて。。。これが、作品として素晴らしいだけでなく、「歴史の証人」でもあるということに、さらなる感動を覚えた次第であります。

講座終了後には、多くの方が「(作品を)もう一度見たい!」と思われたようで、参加者の足はそのまま展示室へと向かい。。。蒔絵の展示コーナーの前で控えていて下さった講師の古川さんは、熱心な方々からの質問攻めに遭われておられましたよ!!いやぁ、本当に「為になる」「役に立つ」講座でした。皆さまも、展覧会にこのような関連講座や展示解説などがあるときは、ぜひ参加してみて下さいね。展覧会がもっともっと楽しめること間違いなしデス!!

なお、今回の講座については、ZTVコミュニティチャンネルの「おうみ!かわら版」2月24日号(放送は2月24日・25日・26日)で紹介されます。コチラの方もぜひチェックお願いしますね~!!

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梅 届く?

三寒四温という言葉がありますが、今年は二寒五温(?)くらいのあたたかさで季節が進んでいるようです。2月にはブログで梅の話題をと思っていたのですが、うっかりしている間に、梅の蕾の可愛らしさを通り越して、満開になっていました。
写真のセンスも絵心も持ち合わせていないのでお恥ずかしいところですが、インターネットで「梅 画像」を検索しても、おおよそ皆さん”花”をメインに愛でておられる写真です。かく云う私も冒頭の写真を撮った時には、「かわいく咲いてますよ」「春が来ましたよ」「よい香り届きますか?」といった”念”を込めての撮影でした。

ところで、文化館の収蔵品にもに梅を描いた江戸時代の作品があります。作者はそれぞれ異なりますが、いずれも掛軸に描かれた梅です。
ふっと考えました。どれも梅をメインに描かれていますが、今の私たちと随分好みが異なるといいますか、伝わるものが違うように思えます。
うねる枝先にごく控えめに描かれる梅の花。節のある枝ぶりが想像させる古木のたたずまい。厳しい冬の寒さに耐えてなお花を咲かせる、梅の木の生命力を称えているかのようです。それでいて漂う空気は静かで厳か。 じっと向き合って描かれた時間の重みがそのままに、訴えかけるものが心に染み入ります。

それぞれの時代に、流行りや好みもあるでしょう。今、世の中に”インスタ映え”で溢れる画像は「かわいい」「きれい」「楽しい」という具合に陽気で明るい。。。ただ、人間それだけでは生きていけません。辛いときには励ましも必要です。。。梅が毎年花を咲かせる、その生命力の神秘に思いを馳せることも、ご提案させていただきたいと思います。

人それぞれ、お好みの感じ方があると思います。今ふっと心に浮かんだ花はどのように咲いてますか?

ちなみに、来週には早咲きの”サクラ”が滋賀でも咲きそうな気配です。あぁ、うかうかしていると・・・。

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「安土・桃山時代の近江展」関連講座のお知らせ

現在、安土城考古博物館で開催中の地域連携企画展「安土・桃山時代の近江展-琵琶湖文化館収蔵品を中心に」では、23日(日・祝)に関連講座を開催します!
今回の講座は、本展の企画・担当:古川副主幹(琵琶湖文化館・滋賀県教育委員会文化財保護課)が、「桃山時代の工芸品」と題してお話しをさせていただきます。長い戦乱から天下統一へ、世の中が大きく変化する中、人々は何を求めたのでしょうか。それは華やかで絢爛たる美の世界なのか、それとも静謐で厳かな世界なのか。絵画や工芸品などの美術工芸品に映し出された「時代」を読み解いていく作業は、とても奥深く、また楽しみ甲斐がありますよ~。この講座を聞けば、モノの見方がこれまでとはすっかり変わるかも?!皆さま是非ご参加下さい!

会場:安土城考古博物館NPSセミナールーム
(滋賀県近江八幡市安土町下豊浦6678)
時間:午後1時30分~3時(受付は午後1時~)
定員: 140名(当日先着順) 参加費:200円

なお、安土城考古博物館では、通常、イメージキャラクター:まめのぶ君による解説パネルが好評で人気となっているところ、本展では特別に「あきつ君」バージョンを採用していただいております。これも”連携”企画展のおかげ!安土博さんのご厚意に感謝しつつ、会場では「おしえて あきつくん!」の解説にも注目していただければ幸いです。

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「安土・桃山時代の近江展」開幕しました!

湖国に降った雪がうっすら残る2月8日(土)、企画展「安土・桃山時代の近江展-琵琶湖文化館収蔵品を中心に」が、安土城考古博物館で始まりました!当日のオープニングセレモニーでは、公益財団法人滋賀県文化財保護協会 北川理事長よりご挨拶をいただき、安土城考古博物館の辻井館長、当館の澤本館長とともに、テープカットで華々しく開幕を宣言させていただきました!

この日は、地元観光ボランティアで活躍されているガイドの方々もたくさん駆けつけてくださり、本展を担当する古川副主幹の作品解説に、熱心に耳を傾けておられました。今注目の、戦国武将直筆の文書なども公開されていますからね。湖国を観光で訪れる方々にも、是非本展の見どころを”オススメ”してくださいね!!


本展は4月5日までの開催です。期間中”気になる”講座も実施されますヨ。

2月16日(日)
「近江の明智光秀文書および安土宗論について」
2月23日(日・祝)
「桃山時代の工芸品」

会場はいずれも安土城考古博物館NPSセミナールームで、定員140名(当日先着順)となっています。詳しくは、安土城考古博物館(TEL:0748-46-2424)までお問い合わせください。多数のご参加をお待ち致しております!

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400キロの距離を超える琵文のアート

昨日から「これぞ冬!」という痛いくらいの冷え込みに、体がちぢこまりますね。。。かと言って、小さくうずくまっている場合ではありません。
当館では、安土城考古博物館で明日から始まる地域連携企画展「安土・桃山時代の近江展」のように、他館と協力し、主催で開催する展覧会もありますが、全国の美術館・博物館からの依頼で、資料を貸出すこともあります。今日は当館の作品が遠く首都(東京)へはばたくお話です。

今回の依頼主は、国立新美術館さん。日本で5館目の国立美術館として、平成19年(2007)に開館した美術館です。3月に開催される「古典×現代2020―時空を超える日本のアート」展には、当館から江戸時代の絵画作品、伊藤若冲が描いた鳥禽図と、曾我蕭白の叡山図(県指定)が、出品されます。
他の展覧会もそうですが、作品を貸出す時は、どのような企画の展覧会に当館の作品を展示していただけるのか、とても気になるところ・・・。特に今回は、”時空を超える日本のアート”が副題の斬新な企画です。会場で現代アートとどのようなコラボが繰り広げられるのか、とても楽しみですね。

作品の入念な点検・梱包作業は昨日のうちに済ませてあるので、本日は積み込みのみ!近畿圏で集荷された他の作品とともに、朝一番、東京へ向けての出発を見送りました。

厳しい冷え込みの中、無事に”関ケ原”を越えられたかな?県内最高峰伊吹山の麓:関ケ原は、雪も多く路面凍結など高速道路でも注意が必要なところ。。。400kmの距離を超え、無事に東京までたどり着きますように・・・。
彼方にうっすら見える伊吹山に向かって手を合わせ、旅路の無事と展覧会の成功をお祈りするあきつ君なのでした。


※夕方6時前、無事に到着して収納されましたと、連絡がありました♡

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地域連携企画展第3弾・開催まであと4日!!

いよいよ佳境に入ってまいりました。8日(土)から安土城考古博物館にて始まる「安土・桃山時代の近江展 琵琶湖文化館収蔵品を中心に」の準備です!!この展示会は、休館中の琵琶湖文化館が収蔵・保管する文化財を、県内各地の博物館施設と連携して積極的に公開していこうという「琵琶湖文化館地域連携企画展」の一環として行うもので、甲賀市土山歴史民俗資料館さん、愛荘町立歴史文化博物館さんとの連携に続いて、今年度の第3弾となります。展示会の企画・構想に始まり、思い起こせば長い道のりでしたが、よくぞここまで辿り着いたものです。(と、胸を撫で下ろすのはまだちょっと早い?)

ということで、今週の文化館は展示会ウィークとなり、出陳作品の点検・梱包・搬出作業が始まっています。今回の展示会には、館蔵品・寄託品、合わせて24点の作品を文化館から出陳しますが、いつものように、作品はいきなり梱包して運び出すのではなく、収蔵庫から一度出したところで、会場館の安土城考古博物館の学芸員さんと共に念入りなチェックを行います。

たとえば、今回出陳される信楽焼の壺。表面や中にライトを当ててみたり、持ち上げたり、ひっくり返したりと、まさに”舐めるように”といった感じでの点検が行われ、特記事項があれば調書に記録されます。そして、もしも傷んでいたり、弱っているところがあれば(陶器などはヒビ割れや欠けなどが要注意)、運送中や展示中に傷みがひどくなることが絶対にないように、その部分を手厚く保護する形で、梱包材で丁寧に包んでいきます。箱に詰められ、梱包作業がすべて終わると、美術品専用のトラックに載せられて出発で~す!

ところで、今回の展示会のタイトルにもある「安土・桃山時代」について、皆さんはどんなイメージをお持ちですか? ごく簡単に言うと「信長から秀吉の時代」にあたるこの頃。天下統一の気運のもと、豪壮・華麗なる文化が花開き…といった感じでしょうか?今回出陳される文化館の収蔵品も、もちろんそんな時代の産物です。それが、時代の象徴でもある「安土城」のお膝元の博物館で展示されるわけですから、作品たちからはここぞとばかりの”異彩”が放たれるに違いありません。
展示会は、2月8日(土)から4月5日(日)までの開催です!皆さま、どうぞご期待下さい。

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1月のホームページアクセス数

本日は節分です。「鬼は~外、福は~内」と、子ども達の元気な声が聞こえてきそうです。気付けばあっという間に2月がスタートしていますが、皆さまいかがお過ごしですか。

年明け1月は「ブログの更新が少なかった!」と反省しきりのホームページ。冬らしくない、安定しない気候に、身も心も崩されたというのはこちらの言い訳・・・デス。それでも1,648件のアクセスをいただきました。皆さま、有り難うございました。健康第一を胸に、これからも頑張ってまいります。

ところで、当館のホームページでは、指定文化財(有形文化財のうち美術工芸品)を、表にまとめた[滋賀県の指定文化財]を掲載しています。国指定、県指定・・・新たに指定文化財が増える度に更新をするのは、(目がシバシバして)思いのほか大変な作業なのですが、そこは地道に頑張る私たち。。。東京、京都、奈良に次いで全国第4位を誇る文化財王国(!):滋賀県の誇りあるリアルな情報ですので、皆さんに知っていただけるようにと、頑張って更新しております。
聞くところによると、文化財目録などは、最新情報として滋賀の文化財について調べものをする方たちに、大変重宝されているのだとか・・。双方にとって有り難い(笑)!。
一方で、[市町別][地域別]の分布状況などは、一般の方が見て「へぇ~そうなんだ」と、理解・納得をしていただきやすい情報です。歩道沿いの掲示板でも紹介していますが、道行く人がメモを取るなど、足を止めて見ておられる姿をよく見かけます。滋賀県民の”豆知識“ならぬ”常識”として、是非「朝礼のネタ」などにしてもらえたら嬉しいです(笑)。

休館中の県立の施設として、皆さんに何をどうお届けすればいいかと、日々頭を悩ませておりますが、皆さんのお役に立てるよう、知的好奇心がウズくような、文化館の活動を知っていただけるような情報を・・・常識や豆知識、おばあちゃんの知恵袋にいたるまで、お知らせできればと思っています。

ということで!そうです、今日は節分です。季節を分けると書いて節分。季節の変わり目には鬼や魔物といった邪気が生じると考えられてます。豆まき・柊鰯・恵方巻?各地方に伝わる風習は様々ですが、笑顔の人のところには鬼は寄って来まセン!(これは豆知識??)。大きな声で笑って悪鬼なんぞ追い払ってやりましょう!健康第一!!元気に明日(2/4)の立春:春を迎えるのです!

ところで皆さん、節分が年に4回あるのはご存知デスカ???(笑)

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