日別アーカイブ: 2020年9月11日

「花湖さんの打出のコヅチ」第3回 開催しました

夏の暑さもやわらいで、少し秋の気配が感じられるようになった9月10日(木)、滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」第3回を開催いたしました。94名もの方が来てくださいました。新型コロナ感染症の影響で年度初めは開催が危ぶまれていましたが、おかげさまで今年も、おりかえし地点を迎えました。これもみなさまの参加・応援があればこそ!ありがとうございます!

第3回は「滋賀県の仏教工芸-舎利荘厳(しゃりしょうごん)篇-」と題しまして、当館の田澤梓学芸員が、コヅチに初登壇。初々しいデビュー戦を飾らせていただきました♡
滋賀県には仏像彫刻だけでなく、様々な仏教工芸の名品があります。仏教の開祖・釈迦の遺骨である舎利を入れた容器は、いわば仏教工芸のはじまりなのだとか。今回はその舎利荘厳具について、滋賀県を中心に、他府県のものや更には仏教伝来の道筋である朝鮮半島のものまで、場所も年代も様々な舎利容器をスライド写真で紹介しました。塔に埋納され人々が目にすることがなかった古代の舎利に、本尊として人々に礼拝され身近な存在とになった平安時代以降の舎利など、スクリーンに映し出される舎利容器の変遷に、皆さんが見入っている姿が印象的でした。寺院にそびえ立つ塔の中にあったものが、時代を経て小さく美しく飾られる、舎利への信仰の変遷が興味深いお話でした。

最後に、文化館でお預かりしている「厨子入銅製舎利塔(近江八幡市・浄厳院所蔵)」について、田澤学芸員の考えが語られました。この舎利塔の裏には、小さな穴と“吊り金具”が付いているのが確認でき(収蔵品紹介の拡大図でも確認できます)、「これは穴に紐を通して固定して、室内の長押などに懸けたのではないか?」とのお話を伺いました。う~ん、まだまだ新しいことが出てくる舎利荘厳の世界、、、奥が深い!俄然興味が湧いてきます。皆さんも実物を見たくなりませんでしたか?実は、見るコトができるんです!

9月19日(土)から栗東歴史民俗博物館で開催される「栗太郡の神・仏 祈りのかがやき」に、この「厨子入銅製舎利塔」が出陳されています(※「火焔宝珠嵌装舎利厨子」の名称で出陳)。入場無料になっていますので、気軽に実物を見ることができますよ!舎利容器だけではなく、旧栗太郡の信仰文化についての出陳が多くあり、見どころ満載です!講座では、展覧会出陳特別クイズチャレンジを、資料とともに配布させていただきました。コヅチの会場に来られなかったという方もホームページからダウンロードできますので、皆さまクイズを持って、ぜひ会場へ足をお運びください。

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