日別アーカイブ: 2021年6月10日

櫓時計で時を学ぶ

6月10日は「時の記念日」です。当館のホームページではこの機会に、古くて、でも、どこか懐かしい「櫓時計」を、改めて皆さんにご紹介しようと、写真画像も多めに更新いたしました。もうご覧いただけましたか?ということで、ブログではちょこっと時間についてのお勉強です♪

江戸時代の時間の進み方は、一日を昼と夜に分けてそれぞれを6等分する「不定時法」です。これがまた困ったことに、現在の一日を24等分する「定時法」とは異なり、「一日のうちでも昼と夜の一刻は長さが違い」、しかも「季節によっても昼夜の長さが変わる」ため、常に時間の調整が必要だったのデス!!さぁ大変!これは困りました!!

そこで登場するのが、当館の櫓時計にも付いている「天符棒(てんぷぼう)」です。よく見ると、ギザギザの目盛がついた竿に分銅のようなおもりがあります。このおもりの位置を中心に近づけたり遠ざけたりすることで、時を刻む長さを調節したのです。と、ここで?クエスチョン?「あれ?そこは手動なの?」

そうなのです。「時計は自動で動くもの」というのは今を生きる私たちの思い込み。。。和時計はとっても手のかかる、オチャメな時計なのです。先ずは先ほどの天符棒、そして櫓の中に隠れていますが、時計本体のゼンマイを動かす駆動用のおもりも手動で掛け替えが必要です。大名や旗本には、そのために専属のお役人がいたのだとか・・・まっことご苦労さまでゴザイマス!

当時の苦労を知るために(?!)、当館の櫓時計を動かしてみました。内部には大小幾重の歯車が連動し合い、ゆる~く時を刻みます。そして思いのほか厳かに響き渡る鐘の音。(・・・必死に録音しようと頑張る学芸員→(笑)→→)
皆さんにもお聞かせしたい、とても清らかな音色です。そして、文字盤に刻まれるのは子・丑・寅・・・十二支の文字。1刻の時をあらわしています。あぁ、なんてレトロで愛おしい時計なのでしょう♡

・・・おや?・・・
十二支の文字の並びが、時計の反対回りなのでは!?
・・・時計なのに?!!

驚くなかれ、この櫓時計は針(指針)が固定で、文字盤が自動で回るタイプの和時計です。文字盤が回る方向は、そう、時計回りで正解!でも、これにも小さな穴が開いていて、どうも手動で微調整をする必要があったみたい・・・1刻の長さが「おおらか」な、江戸時代の時間について、あきつブログ的にお勉強してみました。

6月10日は「時の記念日」です。~※クイズチャレンジ第24回に「櫓時計」出題中

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