日別アーカイブ: 2021年11月12日
「花湖さんの打出のコヅチ」第5回 開催しました
秋も深まった11/11(木)、滋賀の文化財講座「花湖さんの打出のコヅチ」第5回を開催しました。本来は9月開催予定でしたが、新型コロナ感染拡大の影響により2カ月遅れでの開催。その間に第6回の現地探訪が行われたため、今回が今年度最後の文化財講座となりました。会場には、この講座をずっと心待ちにして下さっていた89名の方々が受講されました。
今回は「建造物のさまざまな屋根技法」をテーマとして、県文化財保護課の菅原和之氏にお話しいただきました。 ひとことで“屋根”と言っても、その形や素材は様々。講座では、歴史的建造物の屋根の形状・葺き材とその技法について、スライドの豊富な写真とともに、ひとつひとつ丁寧に説明していただきました。屋根の形状は、切妻造、寄棟造、宝形造、入母屋造など多様にあり、素材も檜皮(ひわだ)や杮(こけら)、とち、茅、瓦、銅板と様々です。茅葺きでお馴染みの茅材は草の総称であるため、地域によって使用するものが異なるそうです。琵琶湖岸ではヨシですが、山間部ではススキを使用するという、同じ滋賀県でも違いがあるのが印象的でした。形と素材の組み合わせは自由なため、建造物に求める用途や使用年数、地域ごとの気候や資材入手等の条件によって組み合わせが検討されるとのお話には、その奥深さに感嘆するばかり。皆さんからも「屋根について詳しく知る機会がなかったので知ることができてよかった」とのお声を頂きました。
会場には「屋根技法について」の文化財保護課の出張展示が設けられました。詳しく書かれたパネルの他に、講座で紹介された屋根葺き材の檜皮や杮の実物、葺き方の模型なども展示されました。熱心に見入る人たち・・・普段は間近で見る事ができない屋根の葺き方がよく分かり、講座の内容もより理解が深まったのではないでしょうか。
今年度の打出のコヅチは、本講座を持ちまして全てが終了いたしました。新型コロナに悩まされながらも、全6回を無事に開催できたこと、深く感謝いたします。サテライト会場でご参加いただいた皆さんも有り難うございました。アンケートに「このコロナ禍で開催してくれてありがとう」と書いてくださった、そのあたたかいお言葉にも感謝です!
滋賀の文化財について、学びの機会を皆さんとともに・・・今後とも「打出のコヅチ」をよろしくお願いいたしま~す♪